火山文庫

Last-modified: 2017-07-08 (土) 23:00:12

ヴォっさんはばかだな

発行所 ヴォルカニア出版

ヴォっちゃん

姉譲りの無鉄砲で生まれた時から損ばかりしている。ヴォルカニアに居る時分お城の二階から飛び降りて一週間程腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇(むやみ)をしたと聞く人があるかもしれぬ。別段深い理由でもない。お城の二階から首を出していたら,半神の一人が冗談に,いくら威張っても,そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫や-い。と囃(はや)し立てたからである。「」少年に負ぶさって帰ってきた時,ラナンが大きな眼をして二階位から飛び降りて腰を抜かす奴があるかと云ったから,この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた

吾輩は半神である

吾輩は半神である。
出番はまだない。
どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした箱の中でヴォーヴォー泣いていたことだけは記憶している。
吾輩はここで始めて使い魔というものを見た。しかもあとで聞くとそれはジギという使い魔中で一番獰悪(どうあく)な種族であったそうだ。このジギというのは時々我々を捕まえて煮て食うという話である。

ヴォう魎の匣

「ゔぉう」
匣の中から聲がした。
鈴でも轄がすやうな女の聲だつた。
「聴こえましたか」
少年が云つた。蓄音機の剛吠から出るやうな聲だ。
うんとも否とも答へなかつた。夢の績きが浮かんだからだ。
「誰にも云はないでくださいまし」
少年はさう云ふと匣の蓋を持ち上げ、こちらに向けて中を見せた。
匣の中には縞麗な角がぴつたり入つてゐた。

  • 「この世にはね、不思議なことなどなにもないのだヴォ、少年君」

やまなし

ヴォっさんはヴォうヴォうわらったよ。

  • ヴォっさんはしんだよ。

雨ニモマケズ

雨ニモマケズ風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合分ノ炭ト味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲジブンヲカンジョウニ入レラレズニ
ヨクミキキシワカリソシテワスレ
野原ノ松ノ林ノ陰ノ小サナ萓ブキノ箱ニヰテ
東ニ病気ノ少年アレバ行ッテラナン飯デ看病シテヤリ
西ニツカレタプルプルアレバ行ッテソノ乳ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ兎アレバ行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニバトルヤスコアタガアレバツマラナイカラヴォニ任セロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシサムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノヴォートヨバレ
ホメラレモセズクニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ ヴォ

火山国

国境の長いトンネルを抜けるとそこは火山だった

半神失格

恥の多い神生をヴォくってきました。


私は、その半神の写真を三葉、見たことがある。
 一葉は、その半神の、幼年時代、とでも言うべきであろうか、十歳前後かと推定される頃の写真であって、その半神が大勢の「」のひとに取りかこまれ、(それは、その半神の信者たち、ザードリニンサンたち、それから、ラナンたちかと想像される)庭園の池のほとりに、荒い縞の角をつけて立ち、バーナーを三十度ほど左に傾け、醜く笑っている写真である。醜く? けれども、鈍い人たち(つまり、美醜などに関心を持たぬ人たち)は、面白くも何とも無いような顔をして、
「可愛いヴォッちゃんですね」
 といい加減なお世辞を言っても、まんざら空からお世辞に聞えないくらいの、謂いわば通俗の「可愛らしさ」みたいな影もその子供の笑顔に無いわけではないのだが、しかし、いささかでも、美醜に就いての訓練を経て来たひとなら、ひとめ見てすぐ、
「なんて、いやなTシャツだ」

自由律俳句

鍋をしても一人

分けいつても
分けいつても
赤い山

ヴォえるの歌

るんるん るるんヴォ

るるんヴォ るるん

つんつん つるんヴォ

つるんヴォ つるん

ヴォれはかまきり

おう夏だヴォ
おう暑いヴォ
おれは元気だヴォ

山ヴォつ記

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の牛?が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。牛は、既に白く光を失った月を仰いで、ヴォーヴォー咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

ヴォう程

ヴォくの前に道はない
ヴォくの後ろに道は出来る
ああ、自然よ
姉よ
ヴォくを一人立ちさせた広大な姉よ
ヴォくから目を離さないで守る事をせよ
常に姉の気魄(きはく)をヴォくに充たせよ
この遠い道程(バーナー)のため
この遠い道程(バーナー)のため

ヴォし絵と旅する男

「」少年は暗然として手持ちの使い魔を見やっていたが、やがて、ふと気がついた様に、
「アア、飛んだ長話を致しました。併し、あなたは分って下さいましたでしょうね。他の「」少年の様に、私を気違いだとはおっしゃいませんでしょうね。アア、それで私も話甲斐があったと申すものですよ。どれ、超乙女達もくたびれたでしょう。それに、あなた方を前に置いて、あんな話をしましたので、さぞかし恥かしがっておいででしょう。では、今やすませて上げますよ」
 と云いながら、使い魔のダサい角を、ソッと黒い箱に包むのであった。その刹那、私の気のせいであったのか、箱の中のヴォっさんの顔が、少しくずれて、一寸恥かし相に、唇の隅で、私に挨拶の微笑を送った様に見えたのである。「」少年はそれきり黙り込んでしまった。私も黙っていた。箱は相も変らず、ヴォ~ヴォ~と鈍い音を立てて、箱から角を覗かせていた。

走れメヴォス

ヴォルクレスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐のIKDを除かねばならぬと決意した。ヴォルクレスには運営がわからぬ。
火山の守護神である。バーナーを噴き、火と遊んで暮らしてきた。
けれどもショットに対しては、人一倍に敏感であった。

ヴォん狐

ヴォん、お前だったのか。いつもダサいTシャツを勧めてきたのは。

火山のラナン

火山のラナンの店遠く
「幸(ラーメン)」食むとジギのいふ。
噫ヴォはひとと尋めゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
火山のラナンになほ遠く
「幸(ラーメン)」食むとジギのいふ。

半神箱

 そこで、ヴォは、せめて少年に、ヴォの箱を、この上にも居心地よく感じさせ、それに愛着を起させようと努めましたヴォ。
芸術家である彼は、きっと常人以上の、微妙な感覚を備えているに相違ありませんヴォ。若しも、彼が、ヴォの箱に生命を感じて呉れたなら、ただの物質としてではなく、一つの生きものとして愛着を覚えてくれたなら、それだけでも、ヴォは十分満足なのでございますヴォ。
 ヴォは、彼がヴォの上に身を投げた時には、出来る丈けヴォーワリと優しく受ける様に心掛けましたヴォ。彼がヴォの上で疲れた時分には、分らぬ程にヴォロヴォロと膝を動かして、彼の身体の位置を換える様に致しましたヴォ。そして、彼が、ヴォとヴォとと、居眠りを始める様な場合には、私は、極く極く幽に、膝をゆすって、揺籃の役目を勤めたことでございますヴォ。
 旦那様、あなたは、無論、とっくに御悟でヴォざいましょう。そのヴォの恋人と申しますのは、余りの失礼をお許し下さいませヴォ。実は、あなたなのでございますヴォ。あなたの御使い魔が、あのVの道具店で、ヴォの箱を御買取りになって以来、ヴォはあなたに及ばぬ恋をささげていた、哀れな女でございますヴォ。

注文のヴォーい料理店

『ヴォヴォヴォ、ヴォヴォッヴォヴォヴォヴォ』
読めませんね。

ヴォンスのゴブリン略奪隊

ジルバラード・半神紛争の複雑な内部関係は、しばしば無政府状態と混同される。
だが、その混沌は雷雲の混沌であり、荒々しくも突然のうちに、その矛先は現れる。
ヴォなんとかと彼女のTシャツは、まさにこの嵐を導く雲の切っ先である。

ヴォヴォヴォ

心か。

羅生ヴォん

ある日の暮方の事である。一人の火山Tが、IKD像の横で雨やみを待っていた。
下着と思しき布を被った像の横には、この火山Tのほかに誰もいない。ただ、所々丹塗の焦げた、大きな手のひらに、兎が一羽とまっている。

竹ヴォり物語

今は昔、タケノコの媼といふ者ありけり。火山にまじりて角を取りつつ、よろづのことに使ひけり。

ヴォツベルと象

晩方半神は箱に居て、八本の筍をたべながら、西の四日の月を見て
「ああ、せいせいした。ヴォルカニア」とこうひとりごとしたそうだ。

枕ヴォう子

春はあけヴォの
ヴォうヴォう赤くなりゆく山ぎは
すこしあかりて
紫だちたる炎のほそくたなびきたる

銀河鉄道のヴォる

「おっとさんは、ぼくをゆるして下さるだろうか。」
 いきなり、ジギパネルラが、思い切ったというように、少しどもりながら、急せきこんで云いいました。
 ヴォバンニは、
(ああ、そうだ、ヴォくのおねえさんは、あの遠い一つのちりのように見える橙だいだいいろの三角標のあたりにいらっしゃって、いまヴォくのことを考えているんだった。)と思いながら、ぼんやりしてだまっていました。
「ぼくはおっとさんが、ほんとうに幸になるなら、どんなことでもする。けれども、いったいどんなことが、おっとさんのいちばんの幸なんだろう。」ジギパネルラは、なんだか、泣きだしたいのを、一生けん命こらえているようでした。

クジャクヴォヴォヴォユ

「そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだヴォ」
ボクは、彼女に、自分のおやつをみんなやると言った。それでも彼女は冷淡に構え、依然ボクをただ軽蔑的に見つめていたので、ボクは自分の角を全部やると言った。しかし、彼女は
「結構だヴォ。ヴォくは君に生えたやつはもう知っている。そのうえ、今日また、君が角をどんなに取り扱っているか知ることができたヴォ」と言った。

いっヴォんの鉛筆のむこうに

 ヴォディマハヤッタさんの朝は早い。5時半に起きる。朝食は豆のカレーだったもの2種類とごはんだったもの。6時45分、ジギンタ君ら娘たちは学校へ。おヴォうさんは鉱山に行く。帰るのは3時半ごろ。夕食もやっぱりカレーだったものだ。子どもたちは8時ごろ、おとなはラジオのニュースを聞いて9時には寝る。放送はあるがテレビは持っていない。家族を写した写真では7人が並んで笑顔を見せている。ヴォルカニアを示した地図の横には切手が並ぶ。ヴォルカニアの自然、茶摘みの風景、家並み、神話などが描かれている。ヴォルカニアとは「火山がある島」という意味らしい。ヴォルカニアの人たちの1000人中549人はヴォっ教徒。お正月は日本と同じく、1月にお祝いするという。

笑わないヴォう学者

偉大なヴォう学者、天ヴォう寺ヴォうヴォう博士の住む「三ツヴォし館」。そこで開かれたパーティの席上、博士は庭にある大きなバーナー像を消してみせた。一夜あけて、再びバーナー像が現れた時、2つの死兎が発見され……。
真少年と乙女の弾幕系相棒コンビが館の謎と殺兎事件の真相を探る。超絶のヴォりミステリィ第3段。

半神伝

掘呉主が笑いながら手を差し伸のべて餌葱足莉子を石から下し、自ら代ってこれに乗ると、では射(シューティング)というものをお目にかけようヴォ、と言った。
まだ動悸がおさまらず蒼ざめた顔をしてはいたが、餌葱足莉子はすぐに気が付いて言った。でも、端末はどうするんだよ?端末は?
掘呉主は素手だったのである。
端末?と掘呉主は笑う。端末の要る中はまだ射之射ヴォ。不射之射には、スマホもタブレットもいらぬヴォ。
ちょうど彼女等の真上、スコアタランキングの極めて高い所を一人の報酬使い魔が悠々と輪を画いていた。
その胡麻粒ほどに小さく見える姿をしばらく見上げていた掘呉主が、やがて、見えざるゴシックちゃんを無形の端末にインストールし、スコアラーのごとくにヴォッとタップすれば、見よ、報酬使い魔は中空からドロップ使い魔のごとくに落ちて来るではないか。
餌葱足莉子は慄然とした。今にして始めて芸道の深淵を覗き得た心地であった。

ヴォ子春

「心配しないで。私たちはどうなつても、あなたさへ仕合せになれるのなら、それより嬉しいことはないのだからね。IKDが何と仰つても、言ひたくないことは黙つて御出で。」
 それは確に懐しい、姉の声に違ひありません。ヴォ子春は思はず、眼をあきました。さうして使い魔の一匹が、力なく地上に倒れた儘、悲しさうに彼女の顔へ、ぢつと眼をやつてゐるのを見ました。姉はこんな苦しみの中にも、半神の心を思ひやつて、運営どもの鞭に打たれたことを、怨む気色さへも見せないのです。DDPになれば御世辞を言ひ、バーナーになれば口も利かない世間の人たちに比べると、何といふ有難い志でせう。何といふ健気な決心でせう。ヴォ子春は兎の戒めも忘れて、転ぶやうにその側へ走りよると、両手に半死の使い魔の頸を抱いて、はらはらと涙を落しながら、「ラナン。」と一声を叫びました。

狐のつかい

館のなかに、ゴシックやジギやみどりやヴォなどがいっしょにすんでおりました。
みんなはひとつのあんどんをもっていました。紙ではった四角な小さいあんどんでありました。
夜がくると、みんなはこのあんどんに灯をともしたのでありました。
あるひの夕方、みんなはあんどんの魔力がもうなくなっていることに気がつきました。
そこでだれかが、村の少年まで魔力を貰いにゆかねばなりません。さてだれがいったものでしょう。
みんなは村にゆくことがすきではありませんでした。村にはみんなのきらいなIKDと兎がいたからであります。

気のいい火山弾

「ヴォっさん。今日は。おなかの痛いのは、なほったかい。」
「ありがとヴォ。ヴォくは、おなかが痛くなかったヴォ。」とヴォっ石は、霧の中でしづかに云ひました。
「アァハハハハ。アァハハハハハ。」角のないジギは、みんな一度に笑ひました。
「ヴォっさん。こんちは。昨日の夕方、スコアアタックでバーナーを使ったかい?」
「いゝや。バーナーは、使われなかったやうだヴォ。」
「アァハハハハ。アァハハハハハ。」角のないジギは、もう大笑ひです。
「ヴォっさん。今日は。ゆふべは、ギルドバトルで大活躍だったらう。大変だったね。」
「ありがとヴォ。おかげで、守護枠でぐっすり眠れたヴォ。」
「アァハハハハ。アァハハハハハ。」みんな大笑ひです。

ウェルカム・トゥ・ネオヴォルカニア

「急反発するんだからぁ……Tシャツ大人気なんだからぁ……成せばなるんだからぁ……」「ブーッ!ブーッ!」ヴォルカニアを泣きながら失禁して歩くタケノコホーンの若いヴォルリーマンへ太った中年男兎がまとわりつき、ブーイングし続ける。「ブーッ!ブーッ!」「ヤメナサイ!」少年が叱責し引き剥がす。「ザマアミロ!ザマアミロ!ブーッ!」

風の又三ヴォー

ヴォっヴォヴォ ヴォヴォうヴォ ヴォヴォうヴォ ヴォヴォう
赤いマリモも吹きとばせ
すっぱいガチャも吹きとばせ
ヴォっヴォヴォ ヴォヴォうヴォ ヴォヴォうヴォ ヴォヴォう

炙焼めづる姫君

怒首領蜂めづる姫君の住みたまふかたはらに、掘呉の大納言の御半神、心にくくなべてならぬさまに、姉たちかしづきたまふこと限りなし。
この半神ののたまふこと、「人々の、怒首領蜂、極弩やとめづるこそ、はかなくあやしけれ。射手は、まことあり、本地たづねたるこそ、心ばへをかしけれ」とて、よろづの炙焼の、恐ろしげなるを取り集めて、「これが、成らむさまを見む」とて、さまざまなる籠箱どおに入れさせたまふ。
中にも、「掘呉須の、心深きさましたるこそ心憎けれ」とて、明け暮れは、耳はさみをして、手のうらにそへふせて、まぼりたまふ。


DDPをありがたがる乙女たちのあつまるところに、ボルクレなんとかいうところの半神がいて、姉たちに可愛がられていた。
この半神が言うことには、「みんなDDPやGODやらありがたがるけど違うヴォ。シューターたるもの、誠実に本質を追求することこそ、心がけることだと思うヴォ」
といって、あらゆるバーナーの、気持ち悪いものを集めて「これが稼ぐのを見るのヴォ」といって、いろんなステージに連れて行った。
その中でも、「ヴォルクレスの、何かを考えてるような雰囲気って最高だと思うヴォ」といって、朝から夜まで、髪をまとめて見やすくして、手のひらに添えて、眺めていた。