マグネット

Last-modified: 2024-01-29 (月) 13:54:53

被死球が多い打者のこと。あるいは印象に残る死球を受けた打者のこと。ただし自分から当たりに行く打者は含まない。
鷹野史寿(元近鉄→楽天)の死球数の多さから「ボールが磁石によって打者に引き寄せられているのではないか」と言われたことが初出とされるが確証はない。

挙げられやすい現役選手

  • 青木宣親(ヤクルト→MLB→ヤクルト)
    2022シーズン終了時点で日米通算死球は歴代2位の167*1を記録。バッターボックスに向かって上体を屈ませる独特な打撃フォームのせいで死球をほぼ避けられない上に、身長もあって高めのすっぽ抜けが頭部死球になりやすい*2。特にMLBのミルウォーキー・ブルワーズ時代には2012年に13、2013年には11死球を喰らっており、痛さで悲鳴が変わる事から死球ソムリエとも呼ばれた。
  • 會澤翼(広島)
    2018年にセ・リーグ4位の14死球、2020年には11死球でセリーグ被死球王。2007年5月2日の二軍デビュー戦では、自身初の頭部死球でオリックス・近藤一樹の完全試合を阻止*3。また、特にこの人からは顔面死球・2打席連続死球などで因縁が深い。
  • 田中広輔(広島)
    2018年にセ・リーグ2位の17死球。2016・17年のセリーグ被死球王。
  • 石垣雅海(中日)
    2017年にファームの試合で藤浪晋太郎(当時阪神、現ボルチモア・オリオールズ)から頭部死球を受け、フレッシュオールスター出場を辞退。2018年も岩下大輝(ロッテ)から頭部死球を受け秋季キャンプに参加できなくなる。また2019年10月15日のフェニックス・リーグでは頭部死球を食らうも再出場で安打を放ち、その後のインタビューでは慣れました」というある意味衝撃のコメントを残した。
  • 宗佑磨(オリックス)
    2019年にたった54試合出場ながら11死球。143試合換算では29死球ペース。
  • 中島宏之(西武→米マイナー→オリックス→巨人→中日)
    2004-11年の8年連続を含め通算9度の2桁死球を記録。死球に起因する乱闘騒ぎも話題に。2020年の日本シリーズでは3試合連続死球*4を受け、ヒット数(2安打)より死球数(3死球)の方が多かった。
  • 中村奨吾(ロッテ)
    2017年にリーグトップとなる18死球、2018年もリーグトップの22死球。2020年には6月13日の西武との練習試合で頭部死球を受けると、わずか8日後の6月21日のソフトバンクとの公式戦でも頭部死球を受けた。
  • 清田育宏(ロッテ→独立リーグ)
    2015年から被頭部死球が急増しており、以降毎年のように頭部死球を受けていた。オーソドックスなフォームだった清田がなぜ頻繁に頭部死球を受けたのかは不明。
    なお、3度目の不倫によって2021年5月を以ってロッテから契約解除されているが、2度目・3度目の不倫では「頭部死球を受けすぎておかしくなった」と揶揄されることもあった。
  • 森下翔太(阪神)
    中央大学時代から死球の多い選手として知られ、プロ入り後も1年目の交流戦終了時点で規定打席の半分以下しか打席に立っていないにもかかわらず死球数リーグトップに立つ。
    そこからやや吸い込み力が落ちたものの、それでも2023年リーグ2位の11死球を浴びた。同僚でリーグトップの吸引力を見せることになった近本光司と1差であり、阪神における新人最多被死球記録を更新。
  • 澤井廉(ヤクルト)
    プロ1年目は1軍で37打席ながら5死球を受ける。後述のガイエルの後継者とも言われることがある。

挙げられやすいOB選手

  • 清原和博(元西武→巨人→オリックス)
    NPB歴代最多の通算196死球を誇り、それによる乱闘でも話題に。
    またデッドボールを全く避けようとしないため、現役時代は「地蔵」とも呼ばれていた。
  • 鷹野史寿(元近鉄→楽天)
    元ネタと目される選手。ルーキーイヤーの2000年、225打席しか立っていないにもかかわらずリーグ最多の12死球を記録。現役時代を通じて対左要員の外野手兼右の代打の準レギュラーという立ち位置で、2桁死球も2000年のみだが、通算死球率(=打席/死球)は33.1と清原の48.1を超えるペースである。
  • グレッグ・ラロッカ(元広島→ヤクルト→オリックス)
    シーズン20死球を3度記録。2007年の28死球はNPBシーズン記録で、そのオフには出来高に死球数が計上される契約が盛り込まれた。
  • アーロン・ガイエル(元ヤクルト)
    在籍5年で2度の死球王、2007年8月1日の阪神戦ではNPBタイ記録の1イニング2死球*6を記録。「魔将」エピソードの一つとされる。
  • 村田修一(元横浜→巨人→BC栃木)
    2012年に15、2014年に13の被死球でそれぞれシーズン1位。歴代で6位の150死球を記録し、2桁死球は実に9度というマグネットぶりを誇る。一方で他の選手と異なり、「体ではなく大きめのサイズのユニフォームに掠れる」タイプの死球が多いのが特徴。
  • 渡辺直人(元楽天→横浜→西武→楽天)
    シーズン2桁死球を6度記録し、特に2008年にはシーズン歴代5位タイの22死球*7を記録。2019年にはシーズン初ヒットより先にシーズン初死球を受ける。長距離砲タイプではない打者ながら通算99死球も受けている。
  • 上本博紀(元阪神)
    被死球自体は少ないが、頭部死球は通算5回。頭部死球の多さは独特のフォームのせいとも言われる。なお、2塁に滑り込んだ際にも頭にボールが当たる被害を受けている。
  • 杉谷拳士(元日本ハム)
    これまでも死球になる度ネタになっていた杉谷であるが、2021年に入り5月23日の西武戦で2度の死球を喰らうなど26試合経過時点で4死球となっており、メディアにすら「磁石のように」とネタにされている。

関連項目


*1 1位の清原(後述)と青木の他には、竹之内雅史(3位・元西鉄/太平洋/クラウン→阪神)の166、衣笠祥雄(4位)の161、阿部慎之助(5位)の152が並ぶ。
*2 相手投手を7回危険球退場に追い込んだというNPB記録を持つ。
*3 この會澤への頭部死球が危険球と判定され、近藤は9回2アウトで退場処分となった。
*4 ちなみに中島はこの日本シリーズで1991年・達川光男以来29年ぶり2人目となるシリーズ最多タイの3死球を記録している(達川は7試合、中島は4試合での記録)。
*5 いずれも2位は'18年に17死球、'19年に16死球を記録した鈴木大地(当時ロッテ、現楽天)。
*6 他の1イニング2死球は、1976年8月31日の中日戦で記録した広島の衣笠祥雄、2010年8月25日の広島戦で記録した阪神の平野恵一
*7 他のシーズン22死球は前述のロッテ・中村奨吾と'04年のダイエー・城島健司