野球の上手い芸人

Last-modified: 2024-04-11 (木) 17:27:19

元北海道日本ハムファイターズ・杉谷拳士のこと。多分蔑称ではない。


概要

杉谷は元来より明るいキャラクターでチームのムードメーカーとして存在感を発揮していたが、打撃難だが内外野どこでも守れる守備力と代走としても機能しうる俊足を有する、良くも悪くも典型的なスーパーサブ型選手であるため、一定の出場機会はあれどスタメンには定着しきれず、全国的な認知度は今一つであった。

しかし2015年、中村晃(ソフトバンク)が故障により『リアル野球BAN』出演を辞退し、中村本人に頼まれ帝京高校の後輩として石橋ジャパン入りを果たす。
実績のない若手の選出は極めて異例であり、当初は「帝京枠」としての面が大きかったが、実力面ネタ面とも申し分ない活躍を見せたことで知名度が大きく上がるきっかけとなった。加えて、2014年度の成績*1との差から「オフの三冠王」という別名もついた。
特に日本ハムでの先輩である中田翔(日本ハム→巨人→中日)に対する煽りで見せたトークセンスが話題となり、本職の芸人にも劣らない姿に柳田悠岐(ソフトバンク)からは「アイツ野球やめても仕事いっぱいあるやろうな」、前田健太(広島→ドジャース→ツインズ→タイガース)からは「野球の練習した方がいいよ」などと突っ込まれ、「野球の上手い芸人」扱いされるようになった。

この「野球の上手い芸人」扱いは様々な所でネタ・話題にされており、帝京高校出身のカリスマホストROLAND*2にも芸人扱いされ、2019年5月11日に始球式で打席に立った際は、投球・守備を務めたタカアンドトシから「現役引退したら吉本に来て欲しい」と勧誘されたこともある。2022年の現役引退表明に際しては石橋から自身の事務所を「1位指名」という形で推薦する動きもあった。
なお、本人はそういったオファーに感謝しつつも、まずは球界への恩返しをしたいと、独立・起業の道を選んでいる。


主な言動・ネタ

歴史的決戦 智弁和歌山対帝京

高校時代には名門・帝京高校の野球部で1年からスタメンに名を連ね、この時から内外野問わず守備は得意だった。
第88回夏の甲子園・準々決勝の智辯和歌山高校戦では「8番・遊撃手」でスタメン出場したが*3乱打戦になった*4結果、帝京は9回表に最後の投手だった大田に代打を送り投手を使い切ってしまう。そのため裏には中堅を守っていた勝見亮祐を登板させるが、制球が定まらず2四球を与えた後3ランを浴びてKO。そして「度胸がある」という理由で杉谷が投手に指名された。
しかし杉谷の初球はすっぽ抜けてデッドボール。そして監督は杉谷を1球で見限るが、後続も打たれてサヨナラ負け。そして決勝の13点目のホームを踏んだのは杉谷がデッドボールで出塁させた選手だったため、杉谷は『投球数1・被安打0・自責点1』で敗戦投手になってしまった。

登板投球回投球数被安打与四球与死球失点自責点備考
3番手0/3100111敗戦責任投手

この試合は長い年月が流れた現在でも高校野球の歴史に残る伝説的なものと語り継がれており、帝京高校を襲った悲劇として有名。「15歳の若さで壮絶な経験をした杉谷は、この試合で精神的におかしくなり芸人化したのでは」と考察する声も。

そして、当該試合からちょうど10年後の2016年の8月19日に放送された『ミュージックステーション』(テレビ朝日系列)で、高校野球の情報を伝える番組『熱闘甲子園』の歴代テーマソングをその年の印象深い試合の映像と共に振り返る企画が放送され、2006年度のシーンではこの試合の動画が選ばれた…
のだが、VTRで杉谷が登板した際に、あろうことかナレーションが「ここで帝京はマウンドに1年生のスギタニを投入」と杉谷の名字を誤読してしまったうえ、最後まで訂正されなかった。奇しくもテレビ朝日は杉谷の知名度を一気に押し上げた番組である『とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』を放送する局でもあったため、「テレ朝が会社総出で杉谷をイジった」とネタにされたのだった。

杉谷自身はこの出来事で「1球の重さ、大切さ、その責任」を実感。死球を受ければ審判やベンチに信じてもらえなかろうが、球場に笑いが巻き起ころうが、しっかりとアピールするようになったのだった。

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性格だけでプロ入り

杉谷は2008年に日ハムの入団テストを経てドラフト6位指名を受け入団したのだが、大渕隆スカウト部長は

現場レベルでは、彼は体力、技術面でプロのレベルには到達していないという判断でした。しかも、これからの伸びしろも見出せなかった。でも、杉谷は性格面が図抜けていたんです。元気があって、やる気があって、必死で、やたらと声がでかい(笑)。精神面はプロなんです。こういう選手がどこまで通用するのかという点で、彼は、僕たちにまた新たな見方、違った視点を必要とされるのかどうかの試金石になっていました。

という性格だけプロの選手がどこまでやれるかというテストケースでのプロ入りだったことを明かしている
ちなみにこの事実は杉谷本人にも伝えられており、『本当は獲るつもりのない選手だった』と球団側からはっきり告げられている。

だが実際には、華やかな成績こそ残してないが在籍平均年数が9年前後と言われるプロ野球で14年在籍したことから、成功した部類と言えるだろう。

チキンハム杉谷

2010年、ファイターズの親会社である日本ハムのプロモーションとして、本社サイト内「チキンハム大学」(現在は閉鎖済)にて「We are HAMER!」と題して公開されていたチキンハムのCMに、チームの先輩である村田和哉、山本一徳とともに、当時プロ2年目だった杉谷が出演した。
肝心のCMの内容はというと、テクノ風のBGMに合わせて上記の三人が変顔などのパフォーマンスとともに「チ!キ!ン!ハ!ム!だ!ぜ!」と一音ずつ発するというカオスな構成のものだった。
2010年オフに山本がロッテへ移籍した後は、村田と2人で同様のパフォーマンスを行う続編が公開された。

この頃はまだ一軍出場のない杉谷であったが、早くも芸人としての才能の片鱗を見せつけたのであった。

リアル野球BAN』関連

杉谷を世間に幅広く知らしめるきっかけとなった正月特番『とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』の人気企画。正月休みや番組自体の話題性もあって非常に視聴率が高く、テレビでネタになったシーンやそれをゲームのキャラクターで再現した動画が動画投稿サイトで連日ランクインし続けたりすることもあってあまりプロ野球に詳しくなくても杉谷は知っているという人も多い。
当初杉谷は石橋貴明の出身校である「帝京高校」出身の現役またはコーチの枠として登場したが、その芸人顔負けのマイクパフォーマンス(+煽りスキル)といろんな意味で期待を裏切らない結果を残すことから以後ほとんどレギュラー枠で登場している。
2018年は成績が壊滅した為諸々の事情で欠席することになったのだが、代わりに石橋チームに参加したのがよりによって野球BANの疫病神…。

侍ジャパン敗北の原因

侍ジャパン敗北の原因
2015年1月2日放送のリアル野球BANに杉谷は石橋ジャパンとして初登場。5イニング制・侍ジャパン先攻の対決は、4回裏終了時点で石橋ジャパンがリード。後のない侍ジャパンの先頭打者・中田翔ここまで全打席で凡退しており、面子を守るという意味でも絶対に外せない状況だった。
集中した表情で打席に入る中田。すると、ピッチングマシーンの操作スペースから杉谷が現れ、

先輩、集中してそうな顔してますけどね、僕には分かりますよ。侍ジャパンの敗北の原因がねっ!!!

との煽り。この発言で怒りのスイッチが入った中田だったが、結局ここでも石橋にあっさり抑えられ、後続も続かず敗北してしまった。

いい気持ちだ!

いい気持ちだ!
同じく2015年正月、一度は敗れたものの泣きの土下座で延長戦の機会を得た侍ジャパン。しかし逆転することができないまま、2アウトまで追い込まれてしまう。
打者は再び中田、いつになく真剣な面持ちでバッターボックスに入ると、杉谷が中田の前に現れ

「先輩の土下座、初めて見ましたよ。いい気持ちだ!!

と言い放った挙げ句、初球カーブを予告。これに対し石橋が本当にカーブを投げ、中田はサードゴロ。侍ジャパンはあえなく敗北となった。

ヒダリデウテヤ2016

ヒダリデウテヤ2016
上記とは異なりこちらは2016年1月放送回が元ネタであり、逆に杉谷が煽られた例である。
この試合は5回表が終了した時点で8-6と先攻の侍ジャパンがリード。後がなくなった石橋ジャパンの先頭打者・杉谷は得意とする右打席へ。
その時、ピッチングマシーンの操作スペースから山田哲人が出てくると、山田は杉谷が右打席に立っているのを見るや

山田「杉谷、どっち立ってんねん。左で打てや」

杉谷「何だよ何だよトリプルスリーがお前」

山田「左で打てや」

杉谷「…」

山田「……」

杉谷「やってやろうじゃねえかこの野郎‼︎」

と煽り、結局杉谷は石橋の制止を振り切り左打席に入ってしまう。もっともこの時は石橋に止められて右打席に入ったが、山田に今度は「左で打てよ」と煽られて結局左打席に入った。
ところが杉谷は苦手なはずの左打席で安打を放ち出塁。その後打者が一巡し一打逆転サヨナラのチャンスで杉谷がサヨナラヒットを放ち石橋ジャパンが勝利。結果的に山田の挑発が原因で敗北を喫することとなってしまった。
この時の山田の煽りが非常に棒読みだったこと、一方煽られた杉谷は濃いリアクションで返したことからカタカナで「ヒダリデウテヤ」「ヒダリデウテヤ」などと表記されるようになった。
なお、山田は杉谷より2歳年下である

この経験のせいか同年の杉谷は左打席で好成績を残しており、翌年のリアル野球BANで同様に煽られた際には「左の方が打ってるんですよ!」と返している。

なお、山田に煽られる直前の2015年シーズンも右打席の.288に対して左打席では.300と左の方が打っていたことはあまり知られていない。

金色打法

金色打法
2017年に杉谷が用意した秘策。金色にコーティングしたバットを使って普通に打つだけである。
杉谷曰く「(中田翔の金髪を刈るために)この日の為を1年間待っていた ※発言そのまま」。
専用BGM(アニメ『黄金バット』のOP)と輝くテロップ付きの豪華な演出であったが、その結果はヒット性の当たりでありながら今回石橋が強打者対策として特別に用意していたファインプレーゾーン(別名:陽岱鋼ゾーン)に捕まり、あえなくアウトというなんともおいしい残念な結果に終わってしまった。その際に発した杉谷の「うわあああああああああああ」という叫びと合わせ盛大にネタにされた。
2019年にも使用され、今回はさらに7色のラインが入ったバットで打つ「レインボー打法」まで登場した。こちらはスリーベースヒットという製作費に見合った成果を上げている。
2020年にも「謹賀新年」の文字を刻んだ特製バットを披露する。なお結果はショートゴロ。
2021年には昨年の謹賀新年バットと同じ紅白カラーに「賀正」の文字を刻んだバットの他、『鬼滅の刃』の主人公竈門炭治郎を象徴する緑と黒のカラーに「全集中」の文字を刻んだ「鬼滅バット」を使用。だがこの段階ではまだゴミ柱は覚醒しておらず、両方とも打ち取られている。

ヒダリデウテヤ2019

ヒダリデウテヤ2019
2019年1月2日放送分。3年前同様、再び山田が煽り杉谷が挑発に乗り左打席へ立つというパターンを繰り広げ、瞬く間に「ヒダリデウテヤ」がTwitterでトレンド入りした。
また、2019年5月23日の試合で杉谷が大活躍(後ほど詳しく解説)した際にはスポーツ報知にもネタにされた。

左打席が苦手だったのは過去の姿だ。“準レギュラー”の毎年正月のテレビ朝日系『とんねるずのスポーツ王は俺だ!』の名物企画「リアル野球BAN」。お茶の間の前で相手選手から「左で打てよ!」と公開処刑を受けてきた。
また、2019年5月23日の試合で杉谷が大活躍(後ほど詳しく解説)した際にはスポーツ報知にもネタにされた。

ヒダリデウテヨ2020&「つけろや」

ヒダリデウテヨ2020&「つけろや」
2020年1月2日放送分。今回はチーム帝京もバッターに原口文仁山崎康晃*5と杉谷の後輩である帝京高出身選手を引き連れて登場。
試合前には森友哉が大阪桐蔭高出身で金のネックレスを付けていたことから杉谷は先輩にしてかつてリアル野球BANにも出演していた天敵を思い出してしまい、「引きちぎってやろうか?その金のやつ」とキレるなど出だしから絶好調であった。
試合中盤になると山田は「左で打てよ」と煽り杉谷が挑発に乗り左打席へ立つというパターンを繰り広げ、瞬く間に「ヒダリデウテヤ」「ヒダリデウテヨ」がTwitterでトレンド入りした。さすがに学習した杉谷もただでは挑発に乗らず、逆襲とばかりに日ハムのチーム内で流行っていたサングラスを着用し、ドラゴンボールのスカウターよろしく侍ジャパンの戦闘力を測る*6など挑発返しを行った(通称「スギノール」)。しかし、このサングラスは視界が大きく制限されてしまう致命的な弱点があり、能力が下がることを見抜いた山田に二度目の挑発で「つけろや」と逆に利用されてしまう。さすがにハンデが大きすぎるためチーム帝京の側にいた弘中綾香アナは激怒していたが、何故か装着したときの杉谷の成績は良かった。

余談になるが卓球対決ではほぼ常連でとんねるずチームに加わっている吉村真晴選手に「卓球界の杉谷」という名誉なのか不名誉なのかよくわからない異名が与えられるなど、リアル野球BAN以外でも話題にされた。

ゴミ柱2021&中田翔再び

ゴミ柱2021&中田翔再び
2021年1月2日放送分にして結果的に現役時代最後の出演回となる。今回は柳田悠岐鈴木誠也といったガチメンバーに加え、中田翔や前田健太といった歴戦の杉谷いじりメンバーが復帰。新メンバーは山田の代わりとして同じヤクルトの村上宗隆、オリックス(当時)の吉田正尚が参戦。冒頭から中田の金ネックレスを始め激しい煽り合いが繰り広げられる。
この1年で杉谷は去年社会現象を起こした鬼滅の刃にハマったのか、「呼吸」「全集中」といった鬼滅ネタを多用していた。
待ちに待った中田との挑発合戦では杉谷がシーズン中、中田が自分のロッカーに鼻をかんだティッシュをポイポイ捨てていたことを暴露。「ゴミ箱じゃねーんだよ!」と怒りを露わにしたが、中田には「(シーズン中は)ゴミみたいな扱いされてるやん」と一蹴され、完全に冷静さを失ってしまった。
冷静さを失った杉谷は「拳の呼吸」と意気込んでいた自分の呼吸を「ゴミの呼吸」と改め、さらには「ゴミ柱」を名乗った...が、この打席は呆気なく凡退。所詮ゴミはゴミだったのか...?
次の打席は原口が敬遠された後という屈辱的な形で到来し、さらに10歳年下の村上がここで山田直伝の「ヒダリデウテヤ」を披露。やはり挑発に乗ってしまった杉谷は左打席に立つが、柱を名乗っただけあって見事にヒットで追加点を獲得。
その後も杉谷は鬼滅の刃作中でも最強の存在である痣者にでも覚醒したのか二塁打、満塁ホームランと大爆発。侍オールスター相手にコールド勝ちするという快挙を成し遂げ、中田、前田はまた土下座する羽目になった。
再試合でもゴミ柱杉谷拳士は「魂(だましい)の呼吸」を駆使して最終的に10打数7安打2本塁打6打点、打率7割超えという(リアル野球BAN、本シーズン両方含めて)前代未聞の大活躍を遂げる。MVPも確実かと思われたが、復讐に燃える侍オールスターはマエケンにあやかって塩バットを多用し猛攻を仕掛け7得点(なおあまりに長期戦になったため、柳田は途中退席となった)。杉谷もソロホームランで反撃するがあと一歩及ばず、チーム帝京は6-7で敗退した。
Twitterではいつもの「ヒダリデウテヤ」の他に「ゴミの呼吸」「ゴミ柱」と杉谷関連のトレンドワードが多数ランクイン。視聴者からは「これで本シーズンの運を全部使い切ったんじゃないか」「シーズン中にやれ」とツッコまれた。

また後日プロ野球スピリッツAの対決企画動画(現在は非公開のため閲覧不可能)で杉谷と村上が出演しており、リアル野球BANの放送から間もなかったので話題性もあったのか、他のプロ選手の対決動画とは桁外れの再生数を記録している。

2022年は不在だったが…

2022年は不在だったが…
放送前に報道された通り、BIGBOSSこと新庄剛志監督から出演禁止を言い渡された為今回は不在だったが、冒頭で早速それをネタにされ紹介写真には「野球とお笑いの二刀流」と付けられるなど、出演していないにもかかわらず存在感は残していた。
また、千賀の紹介時には交流戦での「打率.250は杉谷(.216)より全然打ってる」と比較対象にされてしまう。
しかし、毎年この日だけはトレンドワードメーカーだった杉谷が抜けたことは番組的には大きな痛手で、その穴を埋めるべく石橋ジャパン、侍ジャパン共に例年に比べると相当ネタに走っている。
まず、去年杉谷を挑発した村上は例年の杉谷のごとく「打倒石橋」「俺本塁打王」「今年もMVP」と刻んだカラフルな特注バットを用意。更には栗原もかつて杉谷も使用した「黄金バット」を使い、「百獣の王打法」を披露した。
また、リードする石橋ジャパンに対して危機感を感じ始めた侍ジャパンは原口にプロ球種の使用を要望し、「プライドないんですか?」という村上の挑発に原口は「やってやろうじゃないか!」と「ヒダリデウテヤ」ネタを継承した。なお結局カーブを打たれ追加点を許した模様。
なお、プレー面でのネタ要員はラオウこと杉本裕太郎が引き継いでしまい、ダブルプレーを前半に1回、延長戦後2連続という前代未聞の記録を打ち立ててしまい、三度大の字で昇天した

また、番組初のバスケ対決では、対戦した女子バスケ代表が皆スポーツ王の大ファンだったらしく、負けた時の土下座による延長戦などリアル野球BANの様式美を履修済みであったことが判明した。
馬瓜エブリンに至っては石橋の「花は桜木~」まで披露しており、その強烈な個性からスポーツ王の新たな杉谷枠として視聴者に印象付けた。

リアル野球BANでの引退試合

リアル野球BANでの引退試合
昨年、引退したことによりTV出演を果たしたがこちらでも引退すると発表。
石橋ジャパンのメンバーも3年ぶりのメンツと豪華だが、対戦相手の侍オールスターに帝京高校出身で直属の後輩の松本剛が参戦するという裏切りに激怒した。
第一打席は2年ぶりの初日の出を披露したが、まさかのノーリアクションに困惑。速めのストレートを捉えるもショートゴロに倒れた。
第三打席はスペシャルゲストとしてファイターズガールを呼び、キツネダンスを披露。全員分の折角のつけ耳を用意したのにノーリアクションだわ石橋が口説きに行くわ、挙げ句の果てにピッチャーライナーに倒れてから挑発されるという散々な目にあった。
しかし、第五打席は「魂繋ぐぞ」の言葉通りツーベースヒットを打ちタイムリーを放ったが、続くゴルゴの天狗打法がヒットゾーンに僅かに足りず外野フライ。第一打席にホームランを放っている吉岡を敬遠し、舐められた怒りの石橋も内野ゴロに終わりゲームセット。久しぶりの土下座を味わい、再試合をすることに。
第六打席は暴れの帝京魂を放ち、見事にヒット。
第七打席に満塁の大チャンスの際に侍オールスターから「プロ用のマシンを使ってもいいですか?」と要求され、「社長として何でも取り入れてやるよ」と容認する。石橋は「通算で.212の男が打てるわけ無い」と心配したが、スプリットを捉え見事にヒットゾーン… の横を通り過ぎてしまいアウトになり、「社長として何でも取り入れてやるよ」が仇となってしまった。
第八打席はヒットを放ち、ツーアウト満塁で正真正銘の最終打席に立つ。数々の思いを乗せた帝京魂で2球目のストレートを捉え、ボールの行った先は…

「打ったッー、大きな当たり!」
「入った、入った!」
「入っちゃえ!」
「痛烈な当たりは、どうだどうだ!?」
|FINE PLAY| ○==
「…ファインプレー!?」
「あっ!?あっ!?」
「ヤバい、ヤバい!!」
「めっちゃオモロイ!!×3」
「いやっ、そこはマズ(ry」
「えっ…えっ!?そんな…」
|FINE○PLAY|
「うわああああああ!?」
「まさかー!?まさかのファインプレーだ!!杉谷拳士!!」

ファインプレーで終わるという「野球の上手い芸人」の名に恥じぬオチをした男、杉谷拳士だった。
これには流石にショックを受け「 14年間何をやってきたんだよ俺… 」とこぼし、石橋も「去年引退という判断は間違いなかった。」と辛口のコメントを放った。
そして、試合終了後に前進式を行ったが、他の面々はさっさと帰ってしまい「どんな終わり方よ~!」と幕を締めた。

なお翌2024年も何事もなかったかのように参戦していた。

『ジョブチューン』での杉谷

2016年から放送されているプロ野球スペシャル回の常連となっており、通算出演回数は秋山翔吾に次ぐ4回となっている。

杉谷のカバン in カンボジア

杉谷のカバン in カンボジア
こちらは2019年年始の『ジョブチューン』で杉谷本人の口から語られた話である。
2015年オフに杉谷は背番号を61から2に変更。翌年のオフには先輩の斎藤佑樹も背番号を18から1に変更したため、2人のロッカーは隣同士になった。しかし杉谷は片付けが苦手らしく、ロッカーが物凄く散らかっていた。
ある日、どうにもその状況が嫌になった杉谷は、斎藤にジョークのつもりで「片付けといてくれませんか?」と頼む。すると斎藤は本当に杉谷のロッカーを片付けてくれた
ここまでならいい話なのだが、それから1ヶ月程経ってから、杉谷はふと、自分のお気に入りのカバンがないことに気づく。そして探したところ、杉谷はとんでもないものを発見する。
それは、日ハム球団からカンボジアの子供達に野球道具などを寄贈したことを報告する写真だったのだが、なんとそこに映る現地の子供の1人が探していた杉谷のバッグを手に嬉しそうに跳び上がっていたのである。そう、ないと思っていたカバンは斎藤が勝手に寄贈していたのだった。

お兄ちゃん、売ってあげるよ

お兄ちゃん、売ってあげるよ
こちらも2019年年始に放送の回より。
この回で杉谷は帝京高校時代の後輩・山崎康晃(DeNA)と共演を果たす。番組冒頭から杉谷は山﨑への嫉妬心を燃やし、山﨑の契約更改のスポーツ新聞の記事を持ち込み「こいつ俺の10倍もらってる」と煽るなどしていた。
その後、番組は「選手達の腕時計の値段ランキング」に突入。山﨑は200万円で3位に入る一方、杉谷は18万円で圏外になってしまう。するとコメントを求められた山﨑が「今年、初勝利した後輩2人に20万円の時計をプレゼントした」と発言。値段が先輩の杉谷より高かったため杉谷は山﨑に詰問した。

その後も山﨑は「プロ野球選手とは子供達に夢を与える為にいい腕時計をする」などと杉谷を煽り続け、杉谷の機嫌が悪くなったところで追い討ちをかけるように「選手達の高級車ランキング」に突入。こちらも山﨑だけがランクインした。
その時、杉谷が「俺も高い車に乗りたい…」と呟く。するとそれを聞いた司会者・堀内健(ネプチューン)が「山﨑がまた買い換えるから、山﨑に中古車を譲ってもらったら?」と発言。これに杉谷は「絶対嫌です!どうして後輩の車に乗せてもらわなきゃいけないんですか!?」と言い放つも、直後に山﨑に「お兄ちゃん、売ってあげるよ」と発言されてしまい、「絶対買わねぇわ!!」とキレてしまった杉谷でした…。

ちなみに、杉谷は2019年末OA回での企画でついに100万円のロレックスを購入した。

失敗しても杉谷は杉谷

杉谷牽死

杉谷牽死
5月12日の西武戦、日本ハムは先発のバーべイトがKOされる苦しい展開も、7回に谷口雄也が膝の手術からの復帰後初となる1発を決めて3点差、相手先発の十亀剣をKOする。
ここで西武の2番手が平井克典だと知った栗山監督は、ここまで対平井打率1.00(2-2)だった杉谷を清水優心に代わり代打起用。すると杉谷は2ベースヒットを放ちそれに応える。その後西川遥輝(現ヤクルト)が歩いたことでチャンスはさらに広がり、ファンはさらなる反撃を期待した。
ところが平井は3球投げてカウントが1ボール2ストライクになった所で2塁に牽制球を投げる。塁を飛び出していた杉谷はそれに反応できず、遊撃手・源田壮亮にタッチされてあえなく牽制死。リクエストしてもらうも覆らず反撃の芽を摘んでしまう。この結果、杉谷は「杉谷牽死」なる蔑称をつけられてしまった。
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杉谷憤死

杉谷憤死
2021年8月20日の楽天戦(札幌ドーム)で発生。同点で迎えた9回裏、1死からロニー・ロドリゲスがヒットで出塁し、その代走に杉谷が起用された。この年の杉谷は打撃で大苦戦していたものの走塁・守備については健在であり、この采配自体は疑問視されていなかった。
すると、次打者の郡拓也(現:巨人)はレフトフライに倒れて2アウト。進塁していた杉谷は即座に引き返したのだが、ここで事件が起きる。
郡がアウトになった際杉谷は二塁を僅かに回ったタイミングだったのだが、何と杉谷は戻る際に痛恨の二塁踏み忘れ。そして楽天の二塁手・浅村栄斗がこれを見逃さずにアピールアウトが成立、試合は引き分けに終わった。これだけなら普通のボーンヘッド…なのだが、このミス、いかんせんタイミングが悪すぎた

というのも、この日はあろうことか、杉谷と長年親交があり、同僚への暴力で謹慎中だった中田翔の巨人移籍の発表日。当然この件による影響と詮索され、このプレーはネタ落ちしてしまう。そして、あろうことか基本的に特定の選手の失敗が絡むプレーは動画に採用したがらないはずのパ・リーグTV浅村を称える名目でこのプレーを動画化したため、晒し者状態になってしまう。

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そして試合後の監督談話では栗山監督に「気持ちは分かるけど野球にはルールがある。ダメだけど拳士らしいので…」とコメントされた上、ここから出場機会がさらに削られ翌月にはファーム送りと、杉谷にとっては踏んだり蹴ったりな状況に陥ったのであった…。

大活躍しても杉谷は杉谷(主に2019年)

この男がやってくれました

この男がやってくれました
2019年4月25日、本拠地で行われた楽天戦でのこと。杉谷はベンチスタートだったが、7回裏に4番・中田翔の代走からそのまま1塁守備に入る。8回裏の打席では併殺打を打ち、11回裏の打席では送りバントに失敗するなどやらかす一方で、11回の打席直後に今シーズン初盗塁、12回裏の打席では青山浩二からサヨナラ安打と大活躍を見せた。
これを受けてパ・リーグTVでは「ファイターズファンの皆さん、この男がやってくれました!」と題した動画を公開。

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しかし、見ていただければわかるが、その動画は突っ込みどころ満載であった。

①サヨナラ打の場面にも関わらず何故か杉谷はワイプに回され、メイン画面にはベンチで様子を伺う中田翔が抜かれる。
②サヨナラが決定した瞬間、中田がペットボトルのキャップを外す様子がバッチリ捕らえられる。
③さらに、杉谷が本塁を踏んだ大田泰示(現DeNA)に抱擁を求め拒絶される様子もバッチリ抜かれる

その上、スポナビプロ野球速報の「みんなのMVP」でも、先述の活躍にも関わらず、猛打賞達成の大田泰示に僅差で敗れ(大田43%、杉谷41.8%)てしまい、受賞を逃してしまった。

通常営業=シカト

通常営業=シカト
2019年5月11日に札幌ドームで行われた埼玉西武ライオンズ戦では、5回裏に大田泰示の一発が飛び出してファイターズが追加点を奪う。
この一発に関してパ・リーグTVが動画を公開したのだが...

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「この男がやってくれました」同様、こちらも突っ込みどころ満載。

①一発を決めたのは大田なのに左下の名前が「杉谷拳士
②大田が杉谷を意図的に躱す
③躱された杉谷の真顔
④それを見た田中賢介の大爆笑
⑤0:14あたり、杉谷が大田に無視されたタイミングで流れた近藤健介(現:ソフトバンク)の登場曲の歌詞が「意地悪しないで
⑥以上の状況全てまとめて「ファイターズベンチは平常運転」、つまり「杉谷のシカト=当然の状況

なお、この試合で杉谷は8回裏から西川遥輝と交代でセンターを守ったが、そこでも大田泰示にキャッチボールを求めて拒絶されている(勘違いされがちだが、大田と杉谷は高校時代から面識があり、普通に仲は良い)。

サイレントサイレントを食らう

サイレントサイレントを食らう
5月23日の楽天戦。杉谷は二番センターでスタメン出場すると、5回に9球粘った末に第1号本塁打を放つ。
しかし、そこは日本ハムベンチ。当然のようにスルーする。いわゆるサイレントトリートメントかと思いきや、その後も祝われる様子がなく、パ・リーグTVにより「ただのサイレント」と言われてしまった。後述の2本目の時もベンチにはスルーされ、実況の近藤アナには「確変」「まさかまさか」と散々なおいしい扱い。
さらにヒーローインタビューではベンチの反応を聞かれ「サイレントサイレント…ただの無視です」と答えている。

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なお、サイレントサイレントについては「イジメではないのか」と日本ハム以外の野球ファンの一部から非難の声が上がり、これを受けた日本ハムファンの一部は今後杉谷がいじられなくなることを懸念したが、サイレントサイレントを実行した日本ハムの選手達は試合後にしゃぶしゃぶをご馳走してくれたと杉谷本人がInstagramで明かしており、その懸念も一蹴された。

ケルナンド・スギノール爆誕

ケルナンド・スギノール爆誕
さらに上記の試合では新しいネタが誕生している。この日の杉谷はまだまだ止まらず6回には左打席で第2号本塁打を放ち、昨年の田中和基(楽天)以来となる2打席連続・左右両打席本塁打*7を達成。試合後のヒーローインタビューではファイターズ所属選手の左右両打席本塁打はフェルナンド・セギノール以来と聞き「明日からはスギノールとして頑張ります」と発言。Twitterでは「杉谷」「スギノール」が国内トレンドTOP2独占、さらには世界トレンドTOP10入りをマークするなど大反響となり「ケルナンド・スギノール」という尊称が誕生した。

チームを救う決勝弾を放ったのに…

チームを救う決勝弾を放ったのに…
2019年6月20日の横浜戦では7回に井口和朋の代打で出場。元同僚のエドウィン・エスコバーと対戦し、見事決勝ホームランを放った。
当時、日本ハムは4連敗中だったうえ、この試合の2日前の同カードでエース・上沢直之がネフタリ・ソトのピッチャー返しの直撃で膝を骨折して今季絶望となるなど緊急事態真っ只中だったため、サイレントサイレントもなく盛大に祝福を受けたほどであった。

ところが、翌日のスポーツ新聞の道内版一面は杉谷の一発が令和NPB通算500号のおまけ付きであることまで添えたスポーツニッポンを除き全て6回の同点弾の清宮で、球団出資企業の北海道新聞に至っては試合概要に記述されたのみでコメントすら掲載されない有様であった。ある意味では両打席弾と並ぶ今季の杉谷のハイライト的一発でもあったがその後杉谷の19年シーズンを振り返る際にこの一発に触れられることはほとんど無い状態である。

杉谷、被験者にされる

杉谷、被験者にされる
2019年7月27日の西武戦、7回2死1、2塁の場面で清宮幸太郎の代打として起用された杉谷は、佐野泰雄から四球を選び満塁機を演出、続く西川遥輝の2点タイムリーをアシストした。
9回の2打席目は三振に倒れ、この試合は無安打に終わった杉谷だったが、この試合後、パ・リーグTVが以下のような動画を投稿する。

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なんと、「杉谷が四球を選んだだけの動画でどれだけ視聴回数を稼げるか」という検証をかまされたのである。
結果、視聴回数は46万回を突破し、同試合における森友哉の3連続HRの動画に2倍差をつけてしまった
事実、パ・リーグTVの歴代視聴回数第1位は255万再生を記録「サイレントサイレント発言を収めた杉谷のヒーローインタビューの動画(上記「サイレントサイレントを食らう」の項目中の動画)」しており、このような動画を投稿したくなる気持ちも分からなくもない。
ちなみに、パ・リーグTVは、杉谷の出塁の直後にタイムリーを放った西川については、一切動画を作らなかった。

杉谷、口撃される

西武の本拠地では

西武の本拠地では
2019年途中までメットライフドームのウグイス嬢を務めていた鈴木あずさ広報(以下鈴木嬢)から打撃練習中に口撃を受けるのがお約束になっていた。
事の経緯は2014年7月に西武プリンスドーム(当時)で西武戦があった際、杉谷は学生時代の友人が試合を観戦しに来ると知った。しかし打撃不振の自分が試合に出ることはないだろうと悟っていた杉谷は打撃練習前に放送室に出向き、「打撃練習で最後の打者なので、打撃練習終了のアナウンスの時に杉谷選手、打撃練習終了です、と言ってくれませんか?」鈴木嬢に依頼。このときは鈴木嬢が無理だと思ってやらなかったのだが、杉谷が寂しそうにしていたため、9月にスタメンを外れた時に鈴木嬢は「杉谷選手、打撃練習あと10分です」などとアナウンスをした。これがきっかけとなり、2015年から鈴木嬢から口撃を浴びせられるようになった。

ただいま、この夏のキーマン・杉谷選手が打撃練習を行っております。打球が稀にスタンドに入ることがあります。気温も大変高くなっておりますので、熱中症と杉谷選手にご注意ください。

ただいまバッティング練習を行っておりますのは、空前絶後・超絶怒涛のムードメーカー。野球を愛し、ファンに愛され、スタンド、グラウンド、審判団、すべての笑顔の産みの親。あまりのポテンシャルにスポーツ、球界、ファッション界、あらゆるメディアに狙われる。出身は大泉学園、所属、北海道日本ハムファイターズ背番号2。あれから約1年、メットライフドーム最終戦で初登場。皆様、今日が最後のチャンスです。北海道日本ハムファイターズ、杉谷拳士選手です。皆様、ボールの行方にご注意下さい。

(2019年5月1日。この日は令和元年初日であったほか、日本ハムにとって2019年シーズン初の敵地西武戦だった。)
皆様、お待たせいたしました。杉谷選手がバッティング練習に戻ってまいりました。今日は令和初日。令和記念のラスト3球を皆様どうぞお見逃しなく。大きな当たりがスタンドに飛び込む場合がございます。皆様どうぞ、ご注目ください*8

杉谷がスタメンになった時は観客がまだ入っていないときに打撃練習が終わってしまうことも多いので、いじりが行われるのは基本的にベンチスタートとなったときのみなのだが、例外もある。
なお、これらのイジりを実際に行った鈴木嬢からは「早くスタメンに定着してほしい」と思われていた模様。

ちなみに…

ちなみに…

スポナビにも認定された模様

スポナビにも認定された模様
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※スポナビ「プロ野球速報」の2019年5月24日分の見どころ(現在は閲覧不可能)。

テレビ番組でもいじられる

テレビ番組でもいじられる
2020年1月2日OA『とんねるずのスポーツ王は俺だ!』の宣伝として、ウグイス嬢に扮した弘中綾香アナが打撃練習中の杉谷をイジり倒す動画が投稿された。ちなみに弘中アナの声色が鈴木嬢に似ていたために最初、鈴木嬢ではないかと思われていた。

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ただいま杉谷選手がバッティング練習を行っております。北海道日本ハムファイターズでは、不動のベンチメンバーとして打率2割9厘、2割9厘。リアル野球BANでは、現役選手と思えぬ超ボテボテのサヨナラタイムリーでMVPを獲得。毎年必ずシーズンオフにピークをもってくるよう調整してくれるプロ野球選手でこざいます。

杉谷、背番号の返上を希望される

2019年オフ、小笠原道大氏がコーチとして14年ぶりに日本ハムに復帰。小笠原が日本ハム時代につけていた背番号は「2」。そしてその「2」を現在付けているのは杉谷だった。
そのため発表直後から「杉谷背番号返上しろ」などと言った声が囁かれ、杉谷自身も内心ビクビクしているらしい。
2019年10月11日に杉谷はFA権を行使せずファイターズに残留する記者会見を開き、その際に背番号については「とにかく2に見合うように這いつくばってでも認めてもらおうと思います」と宣誓した。
(背番号については6分47秒から)

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余談だが、この会見もネタ満載である。

クリックでネタバレ

・開始3分で本題(残留宣言)が終了する
・杉谷「長丁場の交渉でした」
 →実際は30分で交渉終了
・ちゃっかり12球団最速での契約更改
・代表質問「杉谷選手にとって北海道とは」
 →「でっかいどう」と答え盛大に滑る
・代表質問しかない
・記者に逆質問
・果てに記者に質問をねだる

……と存分に杉谷らしい会見であった。

札幌市のけんしくん(29)

FA権を行使せず、ファイターズの一員としてさらなる飛躍を誓った2020年シーズンであったが、日本各地で新型コロナウイルスが猛威を振るい、シーズン開幕は予定より3ヶ月も後の6月19日まで延期となってしまう。ファイターズの地元札幌でも2度にわたり緊急事態宣言がなされるなど、人々は重い空気の中生活していた。
そんな中で迎えた4月14日。北海道テレビの朝の情報番組『イチモニ!』を見ていた人々に衝撃が走った。同番組では最後に「おはようたいそう」という体操を未就学児を中心とする視聴者が踊る映像が流れるのだが、その日採用された映像に映ったのはまさかの杉谷。そしてテロップには札幌市 けんしくん(29)の文字が。
しかも杉谷の動画がOAされることはスタジオのアナウンサー達にすら知らされておらず、スタジオは軽いパニック状態に。
映像は北海道テレビ公式がYouTubeにアップしたり視聴者がTwitterなどで拡散したことで瞬く間に全国の野球好き達の知るところとなった。

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この動画の反響は凄まじく、数日後にはけんしくんに便乗する形でJリーグ・北海道コンサドーレ札幌所属の「りょうすけくん(23)」が登場し、さらにその数日後にはカーリングチーム・ロコソラーレ北見所属の「ちなみちゃん(28)」が登場している。

パンデミック下でも杉谷は杉谷(2020年~2021年)

高校の先輩・石橋貴明と杉谷

高校の先輩・石橋貴明と杉谷
この年のシーズン開始前、帝京高校の大先輩・石橋貴明(とんねるず)が「貴ちゃんねるず」名義でYouTubeデビューすると宣言。しかも企画会議で「シーズンが開幕したら『今週の杉谷』というコーナーをやろうと思う」と発言し、野球ファンは杉谷の活躍を心待ちにしていた。
7月に入ると石橋が自身歌唱の杉谷の登場曲を制作し、実際に球場で使用されるようになるという驚きの展開に。

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杉谷もこれに乗ったのか7月以降も好調を維持し、出場機会も多くなったため、試合の映像が使えるパ・リーグTVと使えない貴ちゃんねるが杉谷を巡る応酬を繰り広げる珍事となっている。

シーズン第1号を放ったのに…

シーズン第1号を放ったのに…
このように高校の先輩からの期待を受ける中、杉谷は最初の対西武3連戦を打率10割のまま完走(ただし打数は1である。)。パ・リーグTVも驚きと共にこれを取り上げる中、6月27日の楽天戦でシーズン初スタメン。そして松井裕樹からシーズン第1号ホームランを打ち、石橋貴明Twitterで取り上げられた。
ちなみにこの試合では中田翔もホームランを打ち、中田とのアベックホームランも達成。

なお、試合は投手陣が1イニング10失点という大炎上、終わってみれば4-18という記録的大敗だったため杉谷(と中田)のホームランは霞んでしまった。

海外FA権取得

海外FA権取得
この年の9月10日、杉谷の一軍登録期間は通算9年に到達し、ついに海外FA権を取得。同日の出場選手登録公示で杉谷が抹消されずに権利取得が確定した瞬間、Yahoo!は新型コロナウイルスの感染者数などと並ぶトップニュースとして記事を掲載した。
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当の杉谷は試合前に記者達の取材に応じ、「ボクが世界に視野が開けたことに、ニッポンハムグループの皆様は頭を抱えておられると思います。しかし、ただ1つ変わらないことは、杉谷拳士は杉谷拳士でしかない。No.1よりオンリーワン」「Thank you for always treating me like a family.Share happiness through baseball!(訳:いつも家族の一員のように接してくれてありがとう。野球を通じて幸せを分かち合おう!)」とコメントした。
なお、 これを横で聞いていた矢野謙次コーチや鶴岡慎也には「チームのために行使しろ!」と野次を飛ばされ、栗山監督にも「海外合うかもしれないね」と笑顔で言われた模様。
11月30日、記者会見にて「杉谷拳士、海外FA権は行使、しま…せんでしたー」とバラエティ番組さながらの勢いで残留を発表。前年に負けず劣らずの杉谷ワールドを展開した。

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シーズン初のお立ち台は…

シーズン初のお立ち台は…
かくして杉谷は2021年シーズンも日本ハムでプレーすることとなったが、この年開幕から打撃が全く振るわなくなってしまい、4月12日には打率.000のまま一度鎌ヶ谷行きとなってしまう。
しかし4月30日にチーム内で新型コロナウイルスの感染が発生し濃厚接触者を含む4選手が登録を抹消されると、その代替選手として2軍で20打席以上立って打率.455と無双状態だった杉谷も指名され緊急昇格。するとその翌日の5月1日に実施された西武戦(札幌ドーム)で杉谷が魅せる。

この試合、杉谷は1番・レフトで先発出場するも相変わらずのノーヒット。試合も西武に主導権を握られ9回表終了時点で1-4の3点ビハインドと、後がない状況に追い込まれてしまう。
しかしここから日ハム野手陣が奮起。9回裏に登板した西武の守護神・増田達至に対して中田が2ランを放つなど猛攻、一気に3点を奪い同点に追いつき増田のKOに成功。そして代わった宮川哲はストライクが入らず宇佐見真吾にストレートの四球を与え、2アウト満塁となった所で杉谷に打席が回ってくる。
この打席次第で、逆転サヨナラ勝ちか引き分けかが決まる*9という非常に大事な打席で、なんと杉谷は…

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1度もバットを振らず、ストレートの押し出し四球を選びサヨナラ勝ち。

何はともあれ3点ビハインドをひっくり返す劇的逆転勝利のヒーローとなった杉谷はシーズン打率.000のままお立ち台に。そして開口一番「皆さん!なんかすみません!!」と絶叫、「ベンチからの『バット振るな』という声に対応できました」等ヒットが打てていないことを自虐するネタも使って会場を沸かせた。

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なお、パ・リーグTVには上に挙げた2本とは別にヒーローインタビューの切り抜き動画が1本挙がっている模様。

斎藤佑樹の引退セレモニーにネタを仕込む

斎藤佑樹の引退セレモニーにネタを仕込む
プロ入り後故障に苦しみ続けた斎藤佑樹は10月17日のオリックス戦を引退試合として引退を決意。
当該試合後の引退セレモニー中、なんJ民なども感動を共有していたが、セレモニー最後の場内一周がアナウンスされると、突然大型ビジョンに杉谷が映り、二軍の仲間からの惜別として斎藤の登場曲であった『勇気100%』を全員で歌唱というサプライズ。
普通に上手い選手、明らかにネタに走る選手、音が取れていない選手など様々で、感動に加え爆笑を誘うことになった。

なおこの年の杉谷は不振で二軍生活が長かったが、当該試合時点では一軍昇格しており、斎藤に花束を渡す役も担っている。

栗山監督の退任会見にもネタを仕込む

栗山監督の退任会見にもネタを仕込む
この年のオフ、日本ハムを10シーズンの長きにわたって指揮した栗山英樹監督が勇退、11月1日に退任会見を行った。
会見では大谷翔平をはじめとする教え子たちや新庄剛志・次期監督、それに北海道のファンに対する思いを実直に語り、終始和やかなムードに包まれての進行。そして会見が終わり、栗山監督が会見場を後にしようと立ち上がった…次の瞬間、「ちょ~っと待ったァ!!!」との叫び声とともに杉谷が闖入、選手を代表しての餞別の花束贈呈をサプライズで行った。
その後、杉谷は「監督とは20歳で会って、10年間お世話になりました。一番の思い出は(プロ)3年目の時、フレッシュオールスターの時に(会って)『栗さん、栗さん』と呼んでいたんですけど、次の年、まさか栗山監督になるとは僕も思っていませんでした」と挨拶。見事、天性のキャラクターで湿っぽくなりがちな退任を明るく終わらせることに成功した。
会見終了後には報道陣を引き留め、自身の残留会見を実施。先述した通りの打撃不振から減俸を食らったものの、無事来季の契約を更改したことを報告した。

ビッグボスの通告でオフの活動を断念

ビッグボスの通告でオフの活動を断念
11月、栗山英樹監督の後任として新庄剛志監督(通称ビッグボス)が就任した。インターネット上や一部スポーツ紙では新庄と杉谷の共演に期待する声も多かった。
しかし、新庄はTBSの情報番組でのインタビューにおいて、杉谷のパフォーマンスに触れた上で「それは今度は俺が来たからあなたは大丈夫。(彼は)来年からは野球オンリーでいいと思う」と発言。杉谷の'21シーズンの打率が.117と低迷したことや、新庄自身が徹底した実力主義者であることも相まって、夢の共演どころかオフシーズンの番組出演すら危うい状態になった。
そして、その後のフジテレビの番組収録にて、先述の発言について話題を振られた新庄はオフのテレビ出演NG杉谷に通達したことを発表*10。杉谷本人も通達の事実を認め、今オフのシーズンインは無くなった。
なお、当の杉谷は、Number webの独占インタビューでこの発言について質問され「新庄さんからそういうメッセージをいただいて、さらにやってやろうという気持ちになりました」と語っており、オフには恒例の「野生化計画」を遂行する…と宣言したが、それを聞いた新庄にはInstagramで「期待してるよ杉下君!!」と言われてしまった

さらば、野球の上手い芸人

前進会見

前進会見
先述の通りテレビ出演を封印して不退転の姿勢で臨んだ2022年であったが、前年ほどではないものの打撃不振からの脱却は叶わず、打率1割台かつ自身5年ぶりの0本塁打に終わってしまう。オフにはBIGBOSSがかねてより欲しがっていた加藤豪将がドラフトで獲得され、更に3年連続で続いていた12球団最速の契約更改も関根大気(DeNA)に掻っ攫われるなど不穏な動きが続き、果たして杉谷はどうなるのか…と言われていた10月29日、杉谷は会見を開き現役引退を表明した。
ただし、この試合は杉谷の出番を前にして地上波の放送が終了したり胴上げを観戦に来ていた杉谷の母親がトイレに行っていて生で見ていなかったと、ちゃんとオチまで用意されてしまう事になる。
引退という言葉を使わず「前進会見」と銘打って行われた会見では、今後の意向として来春に起業して球界に恩返しをすることや、のべ14年間を過ごしたファイターズへの想いなどが語られた。

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前代未聞の最後の花道

前代未聞の最後の花道
10月29日というシーズン終了からおよそ1か月後というタイミングで引退を決めた杉谷であったが、下位指名から14年間にわたってファイターズ一筋で活躍した功労者に対して、球団は引退試合を用意。
…したのだが、そのカードは何と11月5日の対侍JAPAN戦(東京ドーム)。かくして、杉谷の引退試合は杉谷の生涯の恩師と言って然るべき栗山前監督*11、さらに自チームを含め11球団から集結した日本球界を背負って立つ錚々たる顔ぶれの前で開催されることとなった。
さらに試合前には先述の鈴木嬢がこのためだけに所沢から東京ドームに駆け付け、杉谷に惜別の口撃を行うというサプライズまで行われた。試合後には日刊スポーツに鈴木嬢から杉谷への手記が寄せられている
試合は侍JAPANがシーソーゲームを制し、杉谷の最終打席も高橋宏斗(中日)の前に右飛に終わったが、試合後には日本ハムの選手・新旧監督・全11球団の顔という超豪華な面子によって胴上げされている。

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なお、杉谷の通算試合出場数は偶然にも777試合であった。

その後の野球の上手い芸人

無職時代

無職時代
前進会見から4月の起業までの間、杉谷はテレビのバラエティ番組に出演したり、TBSに取材担当として各チームのキャンプ先に派遣された。
しかし、各チームの監督達は杉谷の取材とわかると車の窓を閉める車の反対側のドアから出て逃走、選手たちも対面直後塩対応となど完全にいじり倒される。これは、侍ジャパン合宿の取材に移ってからも相変わらずであった。
他にも大会前のテレビ番組で侍ジャパン参加候補のメジャーリーガーに取材に行こうとするも、(当然のように)大谷翔平やダルビッシュ有には会えず、続く鈴木誠也もあまり時間を取ってもらえなかったりと踏んだり蹴ったりで、スタジオのタレントたちの不興を買った。しかし、最後に訪問した初の日系人として侍ジャパンに参加するラーズ・ヌートバーは彼に非常に好意的で、杉谷もヌートバーの人柄を存分に引き出す取材を行い、番組内では唯一成功となった。
また、杉谷はヌートバーだけでなく、その母親の久美子氏からも「ケンちゃん」と呼ばれる程非常に気に入られ、準決勝や決勝前は一緒に行動したり、大会終了後にはYouTubeには出演している。

杉谷、優勝後のインタビューで盛大にやらかす

杉谷、優勝後のインタビューで盛大にやらかす
WBCを優勝という最高の形で締めくくった直後の侍ジャパンの記者インタビューに杉谷も参加。
しかし、本来新聞記者でもなければ所属組織もない杉谷はあろうことか質問前の自己紹介で「無職の杉谷です」とネタに走ってしまう。
加えて栗山に向けた質問内容はネタにも走ってなければ野球経験者らしい専門性も低く、栗山は困惑しながら回答する羽目になった。
完全に空気がおかしくなる中、杉谷は苦し紛れに大谷へ「僕のこと覚えてますか?」と質問。
大谷はこれに「まぁ、なんとなく」と弄りに徹したことで何とか場の空気は戻るも、杉谷でなければ日本中から非難を浴びかねない完全なスベりっぷりだった*12


余談

  • 杉谷ほど目立たないが、今成亮太上本崇司のように他選手の物真似などが上手い選手は当該チームのファンから芸人扱いされたりすることがある。さらに上本は初のお立ち台が自身のヒーローインタビューではなく、野間峻祥のインタビューの通訳だったことも特筆される。
    • リアル野球BANでは杉谷を弄る側のマエケンも、『アメトーーク!』の人気企画『絵心ない芸人』に出演してあまりにもの画伯ぶりを披露してしまうなど芸人力を発揮してしまう事がある。
    • 近年は球団公式やプロ野球選手個人もYouTubeでネタ的な企画を投稿しているため、いじられ体質やコメディ要員の選手がより目立つようになった。
    • トレバー・バウアーも横浜入団後、普通にYouTubeで配信を行っていたり、自分がオフの試合で観客席に現れて周囲が騒然となったりとフリーダムな行動っぷりから『野球の上手いYoutuber』として扱われたりする。
  • もっとも日本ハムは杉谷や今成の他に広瀬哲朗・岩本勉・森本稀哲のような芸人キャラ、マット・ウインタースや新庄剛志などのパフォーマー系の選手を90年代以降から輩出している。ちなみに杉谷と今成を含めた7人の中で広瀬・新庄・森本が背番号「1」を着用している(彼らの背番号は日本ハム時代のみ)。
  • 遡れば昭和時代から芸人扱いされる選手はおり、そのパイオニアは板東英二(元中日)とされ、その他「ヒゲ辻」こと辻佳紀(元阪神→近鉄→大洋)とか加藤博一(元西鉄→阪神→大洋)もこの範疇に入ると言える。「パンチ」こと佐藤和弘(元オリックス)に至ってはパンチパーマの外見と巧みな話術もありドラフト指名会見時から芸人扱いされていた。
  • お笑い界はお笑い界でティモンディという本当に野球の上手い芸人コンビがおり、杉谷と直接的な共演経験はないが、スポーツ王で2020年からゴルフのキャッチング対決のキャッチング部隊として参戦し、難易度の高いキャッチング対決の貴重な得点源として活躍している。また帝京高校OBには元日ハムのイースラーのモノマネでお馴染みのサブロクそうすけこと杉浦双亮がおり、2016年のみ四国ILの愛媛マンダリンパイレーツに投手として所属。通算9試合の登板で防御率1.98の成績を残した。
  • 「下町のダルビッシュ」と呼ばれた元ソフトバンクの吉本祥二は、引退後の2020年に「リーマンぼうや」というコンビでM-1グランプリに出場した
  • 2022年9月28日の本拠地移転に伴う札幌ドーム最終戦では、場内一周中に選手インタビューのMCを普通に違和感なくやりきっており、芸人ぶりを発揮している。


関連項目



Tag: 日ハム 報道機関 芸能人


*1 84試合出場で打率.203(123-25)・2本塁打・9打点・11盗塁。番組冒頭では特に打率が弄りの対象とされた。
*2 山﨑康晃と同級生で、高校時代は3年間同じクラスでもあった。
*3 この試合には一年先輩の中村晃と3番手で登板した大田阿斗里(元横浜/DeNA→オリックス)も出場している
*4 この試合では杉谷も猛打賞獲得の大活躍で、4回と9回にタイムリーを放っている(しかも9回のヒットは逆転打)
*5 打席には参加せず配球及び対侍の煽りネタ提供要員だった。
*6 それによると侍JAPANの戦闘力は山田・山川・鈴木が2、森は3。杉谷は10。
*7 左右両打席はNPBでは史上19人目、通算42回目の記録で令和初の達成。さらに2打席連続弾でこの記録を達成したのはNPBでは杉谷ただ1人、MLBを含めても史上5人目(うち2人は味方の猛攻により同一イニング内で達成)。
*8 このアナウンスの直後、杉谷は本当に長打を放った。おしくもホームランとはならなかったがスタンドのファンからは大歓声が聞こえた。
*9 2021年は新型コロナ禍の影響で延長を行わないルールを採用し最長9回が最終回となる。またホームゲームで9回裏に同点となり負けが無くなったため
*10 その一方で、新庄自身はこの年のオフシーズンはテレビに出演し放題だった。
*11 同年から侍JAPAN監督。しかもこの試合が侍JAPAN監督としての初陣でもあった。
*12 なおこのインタビュー後、杉谷は栗山から「あそこはふざけるところじゃない」と本気で叱られてしまった。