Note14 - Collective Intelligence2

Last-modified: 2015-09-10 (木) 15:46:30

「ヒトはまず道具を作る。次に道具がヒトを作る」
これは文明批評家マーシャル・マクルーハンの有名な一説です。
私は前回、インターネットがヒトの集合的無意識の群れ(Cluster)を作るという話をしました。しかしこの群れはいつまでもバーチャルにとどまり続けているわけではありません。統合され膨大なエネルギー体と化したヒトの意識は、逆輸入のされるかのごとく再びリアルへと還元されてゆくのです。
身近な例をあげれば、毎年大盛況を見せる世界最大規模の同人誌即売会「コミックマーケット」や、投稿動画配信サービス・ニコニコ動画が開催する「ニコニコ超会議」。
イラストコミュニケーションサービス・pixivの絵師(イラストの描き手)やニコニコ動画のボーカロイドP(プロデューサー)たちは、共通の趣味・特技を持つもの同士がリアルタイムで作品を公開でき、不特定多数に知覚させられるバーチャル空間の登場により、個人が持つスキルや知識を惜しげもなくシェアし合うことで急成長を遂げてきました。
それは引用した冒頭の言葉の通り、インターネットやソーシャルメディアという道具の出現により、もともとヒトの内部にあったけど押すことのできなかったスイッチを押せるようになったかのよう。
やがてインターネットが生んだスターたちは画面を飛び出し、彼らの登場でさらに強靭に統合された意識の群れを引き連れてリアルへとアウトプットされてゆくのです。
このような現象はいままさに世界各国で同時多発的に起こり、文化のみならず政治へも巨大なインパクトを与えて続けています。(2010年からはじまった「アラブの春」、2011年エジプトの「1月25日革命」、同年ウォール街で起こった「オキュパイ運動」などは記憶に新しいことでしょう。)
ヒトが集まることで自然に生まれる協調や競争が、おのずと一体の生命のようにふるまうさまを、社会学では集合知(Collective Intelligence)と呼びます。個々ではなくシステムが主体化することで、共通の目的やルールが生まれ、倫理観や教育が生まれ、集団そのものに知性と精神が宿るのです。
──未来人と名乗る私が、なぜわざわざこのような時代の解説をしているのか?私はこの流れを利用したビジネスの話がしたいわけじゃありません。伝えたいのはお金よりもっともっと大切なこと。
未来を創るうえでいま起こっている時代の変化を理解しておくことは、あなたのこの先の人生にとってなによりも重要になります。なぜなら急速に進むテクノロジーやバイオの研究は、すでにあなたの理解を超えたものになりつつあるから。そしてそれらはあなたが生きているうちに、あなたの私生活に(インターネット以上の)巨大なインパクトを与えることが確約されているのです。
あなたはこの集合知がこれからどんなモンスターに進化してくのか、想像できますか?

考察

・インターネットは人の集合的無意識の群れ(Cluster)を作る
社会活動や経済活動等を通じてこれらはリアルにも深刻な影響を与えるようになる

・急速に進むテクノロジーは、すでにわたしたちの理解を超えたものになりつつある
そしてそれらはわたしたちが生きているうちに、実生活に(インターネット以上の)巨大なインパクトを与える

インターネット以上のインパクト?と聞くとピンと来ませんが未来では不老不死などが実現していることを考えると
確かにそういったものが起こる可能性も否定できませんね
例えば太陽光発電が異常に発達してエネルギーを自家発電でまかなえるようになるとか?
それともネガティブな方に進んでウィルス・テロが発生してしまうとか...

・残念ながら人間の集合知はモンスター化していく

第三次世界大戦の前提はこのモンスター化した集合知が必要なのかもしれませんねぇ~
だからこそ家庭などでの諍いが重要で、それらが集まらなければ戦争も起こらないと