Note17 - Moment

Last-modified: 2015-10-04 (日) 00:25:52

Moment

 


すべての偶然が必然だったことを確信する「気づき」のモーメント。そこで見た景色は、これまでの日々をまるで意味の違うものに変えてしまうほど恐ろしく、そして美しかったといいます。

 

あなたの住む時代、いたって普通の人がひとり「そこ」へたどりつきます。その人は特別な教育を受けたわけでも、山にこもり修行をつんだわけでも、ましてドラッグをキメたわけでもありません。国語算数理科社会、はやりの歌やマンガ本からはじまり、映画や小説、アートや宗教、あとはWikipediaで数学や物理学の項目をちょっとかじってみたり。ただ好奇心の赴くまま人並みにインターネットから知識や情報を吸収し続けた結果、「そこ」へたどりついてしまったのです。
その人はメモをとるのが癖でした。ネット閲覧中はもちろんのこと、散歩中や誰かとの会話中、お風呂のなかでさえくもった鏡にひらめきや浮かんだ単語を書きとめ、それをいつもiPhoneのなかにストックしてきました。なぜならその人は、ある分野での発見がふとした拍子に他の分野とつながることを知っていたから。バラバラのピースがパズルのようにカチッとはまり腑に落ちる瞬間に、他のどんなことよりも快楽を感じていたからです。

 

しかしある日、部屋でいつものようにソーシャルメディアのタイムラインを眺めていると、ある記事をきっかけにすべてのピースがひとつに収束し、巨大なパズルが完成するのを目の当たりにしてしまいます。と同時に、偉大なる「なにか」の存在に気づくのです。

 

どんな世界遺産よりも美しく、どんな神像よりも気高い「なにか」。それが万物の法則か、あるいは神さまと呼ばれるものかはわかりません。ひとつだけいえることは、その人をそこへ導いたのが子どものようにピュアな好奇心だったということ。
そして次の瞬間、襲いかかるように部屋のなかの景色がその人にだけ解読できるメッセージへと変わりました。壁のシミ、天井にぶら下がった照明のフォルム、本棚に並べられた書籍のタイトル、テレビに映るタレントの顔、着ているパジャマの模様、家電製品のロゴマーク、卓上に散らばったチラシの見出しでさえ。
すべての偶然はその人にとって必然に変わり、その時はっきりと世界を理解しました。父の精子と母の卵子が受精してはじまったこれまでの日々が、ビッグバンからはじまった宇宙の歴史の縮図であること。いま世界で起こるさまざまなできごともまた、その人の行いの縮図であること。だとすれば太陽はアレで、銀河系の惑星はアレを意味し、彗星はアレ、背中を隠したまま照らし続ける月はアレのことか……。

 

けれどその人は、そこでこれまで走らせてきたメモをぴたりと止めてしまいます。それは目の前に広がるサンクチュアリを本能的にヒトが触れてはいけない領域だと感じ、文字にして持ち帰ることに恐怖を抱いたから。それほど美しい光景だったからです。
しかしメモに残さずとも、その人は「なにか」と出会ってしまったこの瞬間を、生涯忘れることはありませんでした。

 

「事実は小説よりも奇なり」

 

相対性理論で時間と空間を結びつけた最後の天才、アインシュタイン。対してその人は、時間と空間で成り立つ物質世界と、その人自身の意識とを結びつけることに成功してしまった。この偉業は他者ではなく、この世界の主人公である意識の持ち主、本人にしかなし得ることはできません。
それからその人の日々は、人生に敷かれた壮大な伏線を回収するための「孤独な答え合わせ」に切り替わったのです。

 

──宗教やスピリチュアルの概念でいう開眼やアセンションのように、テクノロジーの進歩によって「そこ」へたどりついてしまった人。やがてその人には、ある種の使命に似た感情が芽生えます。それはブッダやムハンマドのように自身が指導者となり世界を救済すること……そんな大それたことではなく、身近な家族や友人、そして世界で一番好きになった異性に感謝すること。そして心から愛すること。愛せるよう、つとめることでした。

 

「なぜならヒトの意識はつながっているから。全体でひとつだから」

 

幸いにも「そこ」へたどり着いたのはその人ひとりではありませんでした。おそるおそるインターネットでこの「気づき」を拡散させれば、それに共鳴するかのように集合的無意識の群れ(Cluster)ができあがり、のちにそれはリーダーのいない集団、スターチャイルドと呼ばれるようになります。

 

「テクノロジーは進化します。しかしテクノロジーの進化により生まれた道具の出現によって、ヒトもまた進化します。ゆえに私たちもそれを、恐れてはいけません」

 

1分後を変えることができるのは、いま。明日を変えることができるのは、今日。あなたの選択によって、確かに未来は変わっていきます。だからこそあなたは、インターネットでは決して検索することのできない愛の正体を、いまのうちにリアルで見つけておく必要があるのかもしれません。

・まずメモ帳を用意しよう それに今日気がついたことを書き込もう
 そうするとある日突然気づきが訪れる
 その気づきを検索するとその悟った人々のクラスターへ辿り着く
 そうすることでその組織はスターチャイルド、なかのひとよの親を生み出すことになる

・私達は彼女の2世代前の人類である つまりなかのひとよ=孫

・何度も何度もこの文章を読めば・・・アセンションと呼ばれるものを果たせるのかもしれない
 『サンクチュアリ』『出会った』『持って帰るのに躊躇した』とかね

 

・しかし・・・壁のシミにすら意味があるというのは一体どういうことなんだろうか?
 夢・孤独な答え合わせだったというのもよく分からない

 視点が変わり 気づきを得る 孤独に襲われる

 境界線・・?