MHWorldから導入された、マルチプレイの時に難易度が変動するシステム。
目次
概要
- モンスターハンターでは最大4人のマルチプレイが可能であるが、
当然ながら1体のモンスターに対して1人(+オトモなど)と4人で挑むのでは難易度に大きな差がある。
MHではMHXX以前と以後で、難度調整の仕様が大きく異なっている。
MHXX以前
- いわゆる本家に該当するMH(G)、MH2、MH3では一人用のオフライン、マルチのオンラインと区別されていた。
上位~G級のモンスターはマルチ前提の調整がされており、ソロプレイヤーは突破困難であったが、
オンラインゲームなのだから当然との見方が強く、批判されることは少なかった。
- 一方、MHPから始まったポータブルシリーズと、統合後のMH3G~MHXXでは、
クエストを受注できる拠点を所謂「村」と「集会所」に分ける手法を取っていた。
村はソロ専用だがモンスターは弱めで、逆に集会所は最大4人で挑めるので、
それを考慮してステータスは高めにするといった調整がされていた。
- ただし、ステータスが高いと言ってもそれなりの腕があればソロで十分倒しきれる程ではあった。
そのためソロ前提の調整を評価する声がある一方で、主にマルチプレイを嗜む層を中心に、
4人でやると難易度が下がりすぎて手応えが無いといった批判が起きていた。
- こうした事情から長らくマルチの難度調整、ソロ派とマルチ派の棲み分けが課題として残っており、
MHXXの次回作ではどういった対策が取られるのか、プレイヤーの間で関心の対象となっていた。
MHW(:I)
- そしてMHWorldでは、そうした課題に一つの回答が示された。
村と集会所を分けずにクエストを共通化したのだが、そこで難易度をどうするか、
という点に関して他の多くのゲームで見られるように直接クエストの難易度を変動させる方式に転換した。
- 具体的に何をしているのかと言うと、他人が参加してマルチプレイになった瞬間から
モンスターの体力、状態異常耐性、怯み耐性などが上昇するようになっている。- これは割合上昇なので、例えば救難信号で誰かが途中参加しても、
それまでに1人で削った分は無駄にならず、捕獲ラインまで削った敵が捕獲不可能になることもない。
- これは割合上昇なので、例えば救難信号で誰かが途中参加しても、
- MHWではマルチプレイでは何人だろうと体力が2.6倍になる。
体力だけでなく状態異常耐性や怯み耐性なども上がって拘束しにくくなるため、
実際には見かけよりかなりタフに感じられる。
また、人数が減っても難易度は変わらず、つまり上がったステータスが戻らないため、
全く戦闘を行わない寄生以外はキックアウトする意味が薄く、
他にも通信エラーなどでソロになってしまった時は非常に辛い状況になる。
さらに2人では完全に人数に対して体力が上回ってしまう為、
所謂「ペア狩り」を主としていたハンター達からは特に不評を買った。- また部位耐久値の上昇量がかなり大きく、ソロでは問題なく全部位破壊できるモンスターが
マルチだと1~2部位を破壊するのがやっと、というくらいになってしまう。
そのためマルチプレイで部位破壊を狙うときは破壊王を発動させるか、
そもそも部位破壊に固執しないというプレイスタイルが推奨されていた。
- また部位耐久値の上昇量がかなり大きく、ソロでは問題なく全部位破壊できるモンスターが
- MHW:Iでは2人用難易度、3~4人用難易度と区分けされ、
人数が減った時にもちゃんと難易度が下がるようになった。尚、4人では3人の時と難易度は変わらない。
体力は2人では約1.5~1.6倍、3人では約2.1~2.4倍となっている。
この変更によりペア狩りでも多少は楽に狩れるようになった他、
キックをする意味が薄いという問題点も少しだけ改善された。
ただし、基準となるソロプレイ時の耐久力がやたらめったら高くなってしまい、体感的なタフさはそこまで改善されていない。 - なお、マルチプレイ難易度が適用されないモンスターやクエストが少数だが存在する。
MHWではマム・タロト*1やベヒーモス、エンシェント・レーシェン、
MHW:Iではムフェト・ジーヴァ*2が該当する。
これらはマルチ前提でソロで挑むことをほぼ考慮せずに設定されているため、
ステータスが元から非常に高く設定されており、ソロでは大苦戦必至となる。- 他にも闘技大会はソロ前提の設定になっており適用されない。
MHR(:S)
- MHRiseでは里(所謂"村")と集会所の区分けが復活したが、マルチプレイ難易度も続投。
3人と4人の難易度が分けられ、4段階で変動するようになった。
体力は2人では1.45~1.5倍*3、3人では1.93~2倍、4人では2.3~2.4倍になる。
今作ではモンスターの体力が全体的に多めだが、こちらの火力も凄まじく上がっており、
さらに3人以上でもオトモが参加するようになったのでそこまで長引くことは少ない。- また、新要素の百竜夜行ではソロだと一度に出現するモンスターの数が少なくなる。
この仕様と自動型設備にもモンスターのヘイトが向く仕様から
ソロで挑んでも極端な集中攻撃で難易度が跳ね上がることはあまりない。
とはいえ全ての設備を1人で管理しなければならないため相当忙しく、
全頭撃退ボーナスや落とし物を拾う等のサブ任務の達成が非常に困難になる。
尤も、マルチプレイでも従来にはない複雑なシステムなので色々軋轢も発生しやすくなってしまっているが。 - MHWorld系列と比べると部位耐久値の上昇がかなり抑えられるようになったため、
部位破壊がままならないような事態にはならないように改善されている。
- また、新要素の百竜夜行ではソロだと一度に出現するモンスターの数が少なくなる。
- MHR:SではVer.11で実装の傀異討究クエストにおいて、
マルチプレイ時、特定のモンスターの体力が非常に高くなる傾向がある。
具体的にはソロの時点で7~8万近くあり、マルチの強個体ではなんと20万弱にもなる。- ただ対抗策として割合ダメージの操竜、傀異核があり、
マルチだとこのダメージも数倍に跳ね上がり、特に4人時は驚くような数字が出る。
- 具体的には、Riseから据え置かれた体力上昇に対して、
部位耐久は2人プレイだと2倍、3人だと3倍という風に、人数の分だけ乗算される仕組みとなっている。 - そもそも、MHR:Sでは、ソロプレイ時の部位耐久値もやたらと高く調整されており、
特に破壊できる部位が多く、肉質も柔らかいライゼクスやエスピナス、ゴア・マガラや怨嗟響めくマガイマガドは、
破壊王Lv3有りでも全破壊する頃には殆ど瀕死になっていることが少なくない。
ソロプレイでも意識しないと難しいのに、マルチプレイでは上記の有様、
4人プレイに至っては体力約2倍に対して部位耐久値は驚異の4倍にまで達するため、
ハンターによって攻撃する部位がバラバラだと全破壊はおろか、
一部位も破壊できずにモンスターの体力が尽きてしまう事態が頻発するようになってしまった。
このことから、部位破壊報酬が目当てならマルチより断然ソロプレイが推奨されている。
- ただ対抗策として割合ダメージの操竜、傀異核があり、
- ソロ専用の要素で最大2人のNPCハンターを連れて行ける盟勇クエストでは、
マルチプレイ難易度は適用されずソロステータスのまま挑むことができる。
これはVer.13.0以降のMRクエストと傀異クエストに連れて行っても同様であり、
非常に頼もしい仕様となっている。
総評
- このシステムが導入されて以降、机上ではマルチプレイ時にハンターが有利になるように見えても、
実際は各々の練度や装備の質の不揃い、耐性の激しい上昇、モンスターのヘイトの複雑化などの要因によって
ある程度の腕があるハンターにとってはソロの時よりも遅くなりやすいという問題が発生している。- そのため効率思考ならソロ、賑やかさを求めるならマルチといった棲み分けが自然とできていった。
MHXX以前は効率重視ならマルチが一般的で、それが真逆になったということで、
良くも悪くもオンライン環境を一変させたシステムと言えよう。 - プレイヤーの間でもこのシステムは賛否両論である。
ソロ派に配慮しつつ、マルチ派の要望にも答えられたとして評価する声もある反面、
ソロの方が早いなら協力アクションとしての意義は薄く、杜撰な調整だとの批判も見られる。
- そのため効率思考ならソロ、賑やかさを求めるならマルチといった棲み分けが自然とできていった。
- 一方、この調整によって効率思考の是非に一応の決着は付けられたと言える。
上記のマルチとソロの棲み分けによって、行き過ぎた効率思考がマルチから淘汰されたことで、
シリーズで度々問題になっていたプレイヤーの厳選・キックアウト行為はあまり見られなくなった。- 一応、練度を揃えたり連携を取ったりしやすいサークルや友人などとの固定メンバーであったり、
机上の火力を発揮できるハメなどではマルチプレイのほうが早くなることはある。
とは言えスケジュール調整に手間はかかるし、やはりソロの方が手軽である。 - マルチは特有の雰囲気を味わうためのものと割り切り、効率を度外視した「趣味」と捉える層もいる。
そういった層からは、上述通りギスギスした雰囲気が和らいでむしろ良かったとの評価も聞かれる。 - 効率思考のプレイヤーでも、必ずしも非効率なマルチは悪ではなく
長時間の周回で疲れた癒しとして、のんびりマルチを遊ぶこともできる。
中には「自分が上手くなれない憂さ晴らしとして地雷観察のため」
「そうした人間の存在を見越して敢えて地雷プレイをするため」など少々ゆがんだ遊び方の人もいるが…
- 一応、練度を揃えたり連携を取ったりしやすいサークルや友人などとの固定メンバーであったり、