各地を渡り歩きながら自作の詩や曲などを語り聞かせる職業。及びそれを生業として活動している人物。
概要
- 現実世界では主に中世のヨーロッパで活躍していた職種。
現代におけるストリートパフォーマーの一種とも言える。
語りの内容は歴史的な事件やそれを基にした物語、古くから伝えられる伝説やオリジナルの創作物など様々。
今と比べて娯楽の少なかった当時、彼らの語りは人々を大いに盛り上げ、楽しませるものであった。
- 史実上で特に有名なのは上記のようなヨーロッパの吟遊詩人だが、
世界に目を向けてみるとこれに近いような人々や文化は無数に存在していた。
平安時代の日本で活躍した「琵琶法師」もこれに近い職業である。
- ファンタジー系の創作物ではこれに近い存在の人物が登場することもある。
また、ゲームなどではプレイヤーをはじめとしたキャラクターの職業の一つとなっている場合もある。
むしろファンタジー作品によく登場するせいで、
実在した職種であるとは思いもしなかったという人もいたりする。- 戦闘要素のあるゲームなどでは直接的な戦闘は不得手だが、
歌や旋律を用いて仲間を援護したり、敵を翻弄したりする能力に長けている例が多い。
- 戦闘要素のあるゲームなどでは直接的な戦闘は不得手だが、
MH世界の吟遊詩人
- MHシリーズもファンタジー系の創作物ではあるが、
プレイヤーが吟遊詩人となって活動するということは不可能。
まぁハンター生活が中心だからこその「モンスターハンター」シリーズなのでそこは仕方がないだろう。
しかし、職業としての吟遊詩人は存在しており、
現実世界のそれと同じように各地を巡りながら様々な物語や歌を世に広めている。
幼い頃に彼らの物語を聞いてモンスターやハンターについて興味を持ち、
それに携わる道(ハンターや書士隊など)を志したという者も多いようだ。
- 恐るべき力を振りかざし、時に人間の脅威ともなる強大なモンスターたち。
彼らの力の一片は時に伝承として残されており、それを語り継いでいくのも吟遊詩人の仕事の一つである。
特に古龍のそれは有名なものが多いが、
生物としてはあまりにも規格外、それこそ自然災害や御伽噺のレベルである場合も多いため、
自分たちで語っていながらそんな能力を持つ生物が実在しているとは思っていない詩人も少なくはないらしい。
- 古龍以外でも、吟遊詩人の語る伝説にモンスターが登場するのは珍しいことではない。
特にモノブロスは世界的に有名な「ココット村英雄伝」に登場することもあって非常に知名度が高い。
他にもリオレイア亜種やアカムトルムなどが登場する伝説も割と有名どころらしい。
また、ベリオロスはその佇まいがこのような伝承の一つに登場する騎士に似ているとされている。
ベリオロスが「零下の白騎士」と呼ばれる所以である。
- 個人によってどんな物語や唄を伝えるのかは異なるが、
当然ながら同じ逸話を基にした物語や伝説なども多々存在する。
しかし、全ての吟遊詩人が同じ物語を同じように語っていては、いずれは人々の興味も失せてしまう。
そのような事態を阻止するため、より現金な言い方をすれば自分の仕事を成り立たせるために
伝承などに自己流のアレンジを加える詩人も多い。
これによって元ネタは同じでも語る詩人によって微妙に展開が異なっていたり、
場合によっては結末すらも大きく変わってしまうこともあるという。
幾度となく改変された結果、いつの間にか元ネタの原型が無くなってしまい、
内容的にほぼ新しい伝説にすり替わってしまうという極端な例もある。- 例えば前述の「ココット村英雄伝」は元々実話を基にした物語で、
大まかに言えば竜人族の男性とモノブロスの死闘を描いた作品である。
しかし、その壮絶な死闘がどれほどの期間に及んだのか、どのような形で決着がついたのかなど、
細かい点が伝える吟遊詩人によって異なっているという。
現在、本当の意味でその真相を知っているのは、おそらくモデルとなった実際の人物のみだろう。
ただ、結末についてはほぼ一貫してココットの英雄の勝利で締められている
(実際、ココット村に来てみればそれが純然たる事実であることが一目でわかる)。
- 例えば前述の「ココット村英雄伝」は元々実話を基にした物語で、
- 「黒龍伝説」は赤き衣を身に纏った一人の詩人によってもたらされたとされている。
しかし、その詩人の存在自体が後付けの設定であるという説もあり、真相の程は不明。
ただ一つ間違いないのは、この黒龍伝説は現在では世界中に伝えられており、
今尚色褪せることなく語り継がれ続けているという事実のみである。
関連項目
世界観/伝承
世界観/黒龍伝説
登場人物/ココット村の村長 - 最も有名な伝説のモデルとなった人物
システム/登場ムービー - MHRiseでは琵琶法師が語り部となる。