物部 布都

Last-modified: 2012-02-21 (火) 15:56:34

【種族】人間?(尸解仙を自称する道士)
【能力】風水を操る程度の能力

 

 ○5面ボス  古代日本の尸解仙
  物部 布都(もののべのふと)
  Mononobe no Futo
  種族:人間?(尸解仙を自称する道士)
  能力:風水を操る程度の能力
  ちょっと昔のお話。今から千数百年ほど前だろうか。
  まだ国が人を統治するという考え方が纏まりきる前の話。人、物、技術、
  宗教など様々な物が海を渡って渡来してきた。
  その中の一つ、仏教がこの国の行方を大きく変えていく事になる。
  国は仏教を巡り崇拝派と廃仏派に別れ、お互いの溝を深めていく。神道の
  神様であるウマシマジノミコトを祖とする物部氏は廃仏派であった。人間
  を祖とする蘇我氏との対立は凄まじく、この宗教戦争は後に語られるよう
  なただの権力争いではなく、神々の系譜と人間の尊厳との争いだったので
  ある。
  そして仏教を巡る宗教戦争は悲劇で幕を閉じる。
  争いは日増しに過激になり、物部氏は寺を襲撃し寺を焼き仏像を捨て廃仏
  を訴えた。しかしタイミングが悪かったのか、その日から疫病が流行し始
  め、天皇が崩御してしまう。
  これを蘇我氏は仏教に大して非道なことをした祟りだと喧伝した。それに
  より蘇我氏の支持が高まり、ついに物部討伐の許可が下りるのである。
  その争いで物部は滅亡する事になった。そしてこの国の政治は仏教を中心
  に行われていくことになる。
  これが表に知られている物部、蘇我の宗教戦争である。
  しかし、実はこれを裏で糸を引く者がいた。それが布都であった。
  彼女は物部の姓ながら、影である宗教を崇拝していた。それが仏教と同時
  に伝わってきた道教である。
  道教は自らを超人化する事が出来、その最終目的は不老不死である。権力
  者にとっては非常に魅力的な宗教であった。
  だが、この魅力的な宗教も欠点があった。それは民が誰でも修行すれば仙
  人になれるのでは、政治には向かないと言う事。その為、彼女は道教の事
  はひた隠しする事になる。
  そして同じく道教を崇拝していた神子から、ある提案を持ちかけられる。
  それが、表向きは民を静かにさせる事の出来る仏教を崇拝しこの国を治め
  る。その上で自分の死に呪いをかけ、我らは尸解仙として復活しよう、と
  いう話であった。
  布都は蘇我氏の味方となり、裏から操る事が出来た。それにより蘇我氏は
  仏教を盲信するようになった。当然、神の子孫である物部(布都を除く)
  はそれを面白く思わなかった。
  その結果、引き起こされたのが仏教を巡る宗教戦争である。実際は、物部
  という日本古来の神々と、道教を使い新たな神になろうとする神子との争
  いであった。仏教はその為の目眩ましでしかなかったのだ。
  しかし、二人の復活まで随分と時間が掛かってしまったようだ。
  それは神子の死を不審がった仏教の僧侶達が、その上にお寺を建て復活を
  拒んでいたからであろう。
  政治のために利用した仏教であったが、思った以上に信仰力が強く、現代
  日本まで広く信仰され続けられたのは誤算であったようだ。

神霊廟txt