豊聡耳神子

Last-modified: 2012-02-21 (火) 16:00:15

【種族】聖人
【能力】十人の話を同時に聞く事が出来る程度の能力

 

 ○6面ボス  聖徳道士
  豊聡耳 神子(とよさとみみのみこ)
  Toyosatomimi no Miko
  種族:聖人
  能力:十人の話を同時に聞く事が出来る程度の能力
  馬小屋で生まれ、幼い頃から才覚を認められた天才であった。
  やんごとなき生まれの彼女は、幼い頃から様々な訴えを聞く事があった。
  どうせ理解できないだろうと思って、役人達の愚痴のようなものを投げか
  けられることも多かった。
  しかし、神子はその全てを理解し、すぐに的確な指示を出すことが出来た。
  その噂が世間に広まり、聖人として絶大な人気を得たようである。
  彼女には天才ならではの葛藤があった。
  「大地は神々の時代から変わらず、海は水を湛えている。
   何故、人間は死を受け入れなければならないのか」
  次第に、彼女は死んでいく人間の運命に不満を持つようになった。
  神子の評判を聞きつけた青娥は、この人ならば間違い無いと思い、道教を
  勧めにやってくる。
  道教は自然崇拝であり、自然と一体になることで不老不死を実現すること
  が出来る、そういう内容であった。
  神子は心躍らされた。
  それと同時に、その宗教ではいつまで経っても国が平定しない、と青娥に
  伝えた。
  青娥は自分の願いを実現するためには国の政治などどうでも良いと思って
  いたが、神子はそうは考えなかったのだ。
  青娥はならばこうしましょう、と言って、表向きは仏教を信仰する話を持
  ちかけた。仏教は殺生を禁じ、規律の厳しい宗教であると伝えると、神子
  はそれならば国は落ち着くであろう、と納得した。
  神子は仏教を広めた。これは権力者以外が力を持たないようにする為であ
  る。その裏で、道教の研究を進めた。
  その結果、超人的な能力を発揮し、様々な伝説を残したのは皆が知る事で
  ある。
  そして、最終目的である不老不死の研究も怠らなかった。
  丹砂など様々な稀少な鉱物を使う事もあった。それが彼女の体を蝕んだ。
  本来不良長寿をもたらす筈の道術で体を壊してしまったのである。
  神子は今の体のままでは持たないと思い、尸解仙になることを決意した。
  尸解仙は一度死んで(もしくは死んだように見せかけて)、再び復活する
  秘術である。
  しかし自分一人で実行するのを怖れた神子は、布都に話を持ちかけ、ま
  ず先に眠りについて貰うように話した。
  布都は神子の力を信じ、実験台となったのである。死後、腐りもせずに眠
  り続けた布都を確認すると、自らも眠りについたのであった。
  神子の計画では、国が仏教に限界を感じ聖人を求めた時に復活する予定で
  あった。しかしその思惑ははずれ、仏教は千年以上もこの国を支配する。
  仏教の力ある僧侶達は神子の霊廟を封じ続けた為、復活することが出来な
  かったのである。神子の企みは筒抜けであったのだ。
  焦ることはない、いつ復活しても良いと眠り続けた神子であった。そして
  復活の時がようやく来たのである。
  その理由は、彼女の伝説が全て作り物であると言われ始めた事による。
  今現在では超人的な能力を持つ人間が居なくなってしまい、彼女の偉業は
  全て虚構だと思われても仕方ないことであろう。
  それにより彼女は霊廟ごと幻想郷に移動した。その時、幻想郷にはお寺が
  存在しなかったため、いつでも復活出来る準備が整ったのだ。
  しかし、そのタイミングで新しいお寺が出来てしまう。
  しかも狙ったかのように霊廟の真上にである。
  それが命蓮寺だった。
  神子は再び仏教の僧侶によって押さえつけられてしまうのか。
  それとも僧侶と戦うのだろうか。
  その昔、物部(古の神々)と蘇我(仏教)が死闘を繰り広げたように。

神霊廟txt