Bearn

Last-modified: 2024-02-06 (火) 17:39:55

ベアルン級航空母艦 ベアルン (ノルマンディー級戦艦5番艦改装)

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ヒストリカル迷彩

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効果:

専用迷彩「鋼の花」

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効果:

性能諸元

編集時 ver.6.2

基本性能

※アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし

Tier6
生存性継戦能力31645
抗堪性・防郭防御10%
・火災浸水耐性10%
・装甲防御7.50%
・魚雷防御10.50%
主砲射程7.8km
機動性最大速力21.12ノット[kt]
最大出力への到着時間19.59秒
転舵速度4度/秒
転舵所要時間12.60秒
隠蔽性8.10km



・兵装

主兵装口径,搭載基数×門数装填時間ダメージ(火災率,防郭率)砲塔旋回速度
155mm L/50 Mle1920, 8基×1門10秒HE弾400(5%)8度/秒


対空砲種類ダメージ射程
大口径
小口径
48
41
3.0km
1.50km



・艦載機

爆撃機名称搭載容量整備時間爆撃機HP最大ダメージ一機当たりの搭載弾数
3機2中隊V156F24機3.10秒158710352
戦闘機名称搭載容量整備時間戦闘機HP戦闘機ダメージ攻撃効率,空中戦効率
3機2中隊MB15715機3.10秒161012760%,50%

ゲーム内説明

フランス初の航空母艦であり、未完成だったノルマンディー級戦艦を改装した艦艇。本艦の機関はタービンと蒸気機関を組み合わせており、航空母艦としては異例だった。

解説

2023年5月25日13時にトークンイベントで実装された、フランスTier6空母。雷撃機を艦載しておらず、また艦艇スキルも持たない。しかし、AP爆弾絨毯爆撃の2つの特2を備えている。

・戦闘機
本艦の目玉である戦闘機はなんと3機2中隊ととても凶悪で、うまく扱えれば同格ツリー空母を簡単に箱にできるだろう。搭載数も15機と豊富であるため、敵空母にとっては厄介な存在になるだろう。これだけ聞くとまるでサイパンのような圧倒的な強さを彷彿とさせるが、アレのような硬さも速さもないので、下手に飛ばしていると全滅する恐れがある。

・爆撃機
複葉機しか運用できないはずだが積んでいるのは複葉機ではない...惑星wows blitzのベアルンにはカタパルトでも搭載されているのだろうか...…。*1
インドミタブルのようなHE絨毯爆撃ではなくAP弾の絨毯爆撃なので、火災ダメージは全く期待できない。なおバイタルはそれなりに抜いてくれるが、爆弾数が1機当たり2発と少ないのもあってやはり火力不足が目立つ。
なお絨毯爆撃は貫通力が低いおかげでウェーザーでのように駆逐艦に過貫通を起こしにくい。とはいえ、もし駆逐艦に近づかれた場合は雷撃機によるクリティカルヒットが期待できず、AP爆弾の爆撃機と使いにくすぎる主砲で対応するしかない。機動性は劣悪なので早めな移動を心がけるべき。

・雷撃機
ない。

・主砲
「ノルマンディー」級が搭載する副砲の55口径139mm砲かと思いきや、どういう訳か50口径の155mm砲を搭載。口径の拡大により単発火力はノルマンディーの副砲(345)を上回る400、さらに火災発生率もノルマンディーの副砲の2%を上回る5%となっている。しかし片舷指向可能数は1基を減じた8基となっており、装填時間も変わって居ない事から瞬間火力やDPMは殆どノルマンディーの副砲と変わらない。一応主砲という扱いのため射程は8km弱あるが、自衛用の装備として考えてもかなり頼りない。同格のエーリヒ・ルーヴェンハートに比べると、門数も少ない上射程も短い。射角もかなり悪め。さらに彼女のような抗堪性はない。あまり使いたくない装備である。

・対空
素の対空値は89。これはティア5空母以下の水準であるが、本艦がフランスにとって初の空母という事を考えればやむを得ないだろう。

・装甲
加賀やリヒトのように戦艦からの改装であるが、そもそも空母の上元はノルマンディー戦艦である。
そういうことである。

・機動性
Blitzでの元のノルマンディー級は高速化改装を施されたif改装後であった。
しかし、本艦は改装していないノルマンディーがベースなので21ノットと絶望的。
加速や旋回も相応に鈍いため、見つかったらまず助からないだろう。
・隠蔽性
・生存性
hpこそあるものの、その他の足、耐性、装甲といった空母として必要な生存性能が足りておらず、非常に低いと言わざるを得ない。
特に足回りが絶望的なため、母艦の扱いには細心の注意を払おう。
・消耗品
・艦艇スキル/艦長スキル
・装備
 ・兵装 
 ・防御 
 ・適正 
・エリート特性
 ・エリート整備士 急降下爆撃機準備時間:-5% 雷撃機準備時間:-5% 戦闘機準備時間:-5%
 ・エリート急降下爆撃機中隊 急降下爆撃機HP:+3% 爆撃範囲:-5%
 ・功績 EXPアップ+10%

・総論
ティア6離れの戦闘機性能を手に入れたのはいいが、その代償に火力と母艦性能を失っているピーキーな空母である。
母艦性能はある程度使用者の腕で補えるが、火力に関しては「魚雷がなく、爆発的なダメージや災害系のダメージを一切狙えない」「小口径なのに貫通力が求められるAP爆弾」「絨毯爆撃機なのに1機当たり2発しかない」と性能がチグハグ気味でかなり残念でありこの火力面での致命的な欠点を戦闘機で敵の火力を削いで埋め合わせると言った使い方になるだろう。

戦闘名誉章

レベル12
報酬シルバーブースターⅢ2つ EXPスーパーブースターⅡ2つ シルバー150kカッパー2つ
ミッション内容5戦をプレイする敵航空機を100機撃破する

史実

ベアルンはフランス海軍初の空母である。

格納

 
元々ノルマンディー級戦艦の5番艦として建造される予定であったが、第一次世界大戦の勃発により建造が中断。戦後ワシントン海軍軍縮条約により1~4番艦は解体が決定された。5番艦の本艦は艦種を空母に変更して建造が再開され、1927年に竣工した。
完成当初の航空機は複葉機であったため低速の本艦も運用できたが、徐々に航空機の性能の進化に対応出来なくなっていった。第二次世界大戦中は大きな海戦に参加することもなく、足の遅さから主に米仏間の航空機輸送艦として活躍した。
戦後はインドシナ戦争で航空機や上陸用船艇を輸送するなどの活動をし、1967年に除籍、解体された。

小ネタ

フランス空母の歴史

 

ベアルンの次級

 
1935年6月18日に締結された英独海軍協定は、フランスの頭越しにイギリスとドイツの間で決められた条約である。この条約は、 ベルサイユ条約に代わる軍備制限条約になるのだから、イギリスとしても単独で結ぶようなことをせず、フランスにも一言あっても良さそうなものであった。 だが、ドイツは、 ベルサイユ条約破棄後は、これとは全く関係のない条約という名分でイギリスに交渉して、フランスにつけいる隙を与えなかったのである。ともかく、その結果としてドイツは対イギリス 35% という、 フランスと同等の海軍を合法的に建設することができるようになった。これを受けて、初の航空母艦グラーフ・ツェッペリン級の建造を開始したのである。これに加えて、イギリス、 アメリカ 日本といった海軍強国も、軍縮条約の切れるのを見越して航空母艦の建造に力を入れていた。フランスとしても対抗上、「ベアルン」の竣工以来およそ10年ぶりに航空母艦の建造が行われることになった。当初は、改造空母で間に合わそうということで、デュケーヌ級重巡洋艦を改造した軽空母母を予定した。この重巡洋艦改造の航空母艦は、 排水量14,000t、 速力 32 kt で、 長さ173m、 幅22mの飛行甲板を備えており日本でいう伊吹(未成)に近いものであった。だが武装は10cm高角砲12門、 7.6cm高角砲6門、 37mm 対空機関砲6門に加え、 なぜか 55cm魚雷発射管 4門まで備えている。この重武装のうえに、 ただでさえ巡洋艦の細長い船体を改造しているので、肝心の搭載機は10~14機であり、 航空母艦としての性能は非常に低かった。そこで、 航空母艦として最初から設計された正規空母として、 1938年に2隻計画されたのが、 ジョフレ級である。

ジョフレ級

 
ジョフレ級は列強で計画された航空母艦に合わせて、 18,000tの中型空母とされた。この大きさはアメリカのヨークタウン級に近く、日本の「蒼龍」よりも大型である。船体構造は、とりたてて特徴はない。言いかえれば、初めて建造した正規空母であるにも関わらず、航空母艦先進国であるアメリカ・日本・イギリスの航空母艦に比べて遜色がなかったということでもある。格納庫は2段式で、周囲が完全に覆われた密封式である。これは日本やイギリスで多く採用された格納庫であり、荒天の多い北大西洋での戦闘を考慮すると、順当な設計だった。だが、格納庫のデザインに問題があったのか、搭載機数は 40 機で、船体の大きさに比べるとかなり少数である。飛行甲板は特徴的で右舷の艦橋や煙突の重量を中和するために左舷にずらしている。搭載機は、フランス製の艦上機がないためにアメリカから輸入することになり、F4F「ワイルドキャット」 艦上戦闘機15機とTBD 「デバステーター」 雷撃機 25機の予定で、 1939年10月に発注された。 搭載機がアメリカ製なのに、なぜかお家芸の急降下爆撃機の搭載は予定されていなかった。船体に比べて搭載機は少ないが、全般的な性能は悪くなく、大戦前のフランス海軍が目指していた 30kt以上の速力を持つ機動部隊の一員として、充分な性能を持っている。ちなみに、この場合の機動部隊というのは、 第二次大戦での日本やアメリカの航空母艦を中心とした機動部隊のことではなく、高速の戦艦、巡洋艦、大型駆逐艦といった艦種を組み合わせて編成される艦隊で、 戦艦同士の艦隊決戦には向かないが、 機動力を生かしたヒット・エンド・ラン攻撃やドイツの通商破壊艦を攻撃するのに適した艦隊である。さて、 1番艦「ジョフレ」の建造は、1939年11月に始まり、1942年の竣工を目指したが、すでに大戦が勃発しており、 一年を経ずしてフランスが降伏したために工事は28%の進展度で中断してしまう。その後 「ジョフレ」は解体されてしまい、2番艦の「ペインヴェ」は、1940年に計画された3番艦もろとも、起工されることはなった。
以下は要目である。
排水量 18,000t
全長 236m
全幅 24.6m
吃水 6.60m
機関出力 125,000hp
航続力 7,800海里/20kt
速力 33kt
武装 129mm連装高角砲4基 
   37mm連装機関砲4基
   13.2mm4連装機関砲6基
搭載機数 40機

戦後-譲渡艦からクレマンソー級まで

 
フランス海軍はノルマンディー級戦艦を改装した「ベアルン」の運用経験を経て、1938年には初の新造空母として「ジョフレ」の建造に着手したが、ナチス・ドイツのフランス侵攻を受けて未完に終わった。また「ベアルン」も既に陳腐化・老朽化が進んでおり、1945年には輸送艦に転用された。その後、自由フランス海軍は1945年4月にアヴェンジャー級護衛空母「ディクスミュード」、続いて1946年4月にはコロッサス級軽空母「アローマンシュ」を取得して、艦隊航空戦力の再整備に着手した。インドシナ戦争が勃発すると、これら2隻は早速実戦投入された。これはフランス空母の初実戦だったが、貴重な洋上航空基地として活躍したこともあって、戦争の終結までに、政府はこれらの艦の価値を認識するに至った。1947年には、国産空母としてPA 28計画が承認された。これはイギリス海軍が大戦中に建造した軽空母と同規模(満載排水量20,000トン・全長230メートル)だったが、「ジョフレ」と同様に艦型の割に大型で左舷側に寄せられた格納庫を備えることになっており、1番艦の艦名は「クレマンソー」と予定されていた。しかし空母の軍事的価値についての見解が確立されていなかったこともあり、1950年にキャンセルされた。同年には、アメリカ合衆国の相互防衛援助計画 (MDAP) に基づき、国産空母の就役までのつなぎとしてインディペンデンス級軽空母「ラファイエット」の取得が決定し、1953年には同型艦「ボア・ベロー※旧ベロー・ウッド」も加わった。これと並行して国産空母の計画も再度進められており、これはPA 54計画として結実して、1953年および1955年に各1隻の建造が認可された。これによって建造されたのが本級である。なお、先述の通りフランス海軍としては初の新造空母となった。なお2番艦「フォッシュ」は退役後ブラジルに売却され「サン・パウロ」と命名され2017年まで運用されておりその後は最低125万ドルで売却しようとしたものの艦内に大量のアスベストが使用されていたことが明らかになり長らく係留されたり大洋を彷徨ったりを繰り返していたが2023年2月3日にブラジルの沖合に沈めたとしている。一躍世間のお騒がせ艦となった。

原子力空母、シャルル・ド・ゴール

先に述べたように1960年代に就役したクレマンソー級だったが、1970年代にはすでに後継艦の計画が練られていた。当初は満載排水量20,000トン級のSTOVL空母3隻の整備が検討されたものの、垂直/短距離離着陸機では速度や搭載量の点で要求に合致しないと判断されたことから、クレマンソー級と同様のCATOBAR空母へと方針転換された。これらの検討を経て、1980年9月23日の国防会議において、政府はクレマンソー級の代艦として原子力空母2隻の建造を承認した。この1隻目の空母がシャルル・ド・ゴールである。当初計画では1992年の就役が予定されていたが、予算上の理由から、発注は1986年2月4日までずれ込み、作業は1987年11月24日より着手された。この時点では1996年の就役が予定されていたが、1989年6月には、更に2年の遅延見込みが公表された。しかしその後も、更なる遅延が発生した。こうして2001年に就役したシャルル・ド・ゴールは、現在も米軍以外では世界で唯一の原子力空母である。また、世界で唯一核兵器を所持する国で空母からの核攻撃が可能な艦でもある。勿論現在も現役である。最初は空母開発で少し海軍列強に遅れを取っていたフランス軍だが、現在では米国と肩を並べるような空母兵器を有するところを見ると、感慨深いものがある。

次世代航空母艦PA-NG

 
上に述べたシャルル・ド・ゴールは、2038年に退役が計画されているため、空いていた2隻目のフランス空母として、全長300m、最大排水量75,000t(シャルル・ド・ゴールは45,000t)の大型空母を2038年に就役させる方針である。なお建造には10年以上を要するものと見られ、見た目もかなり米の原子力空母に似ている他、最新技術の電磁式カタパルトも搭載予定である。活躍に期待したい。

艦載機の歴史

 

V156F

 
V156Fとは、アメリカ海軍の初の単葉機の急降下偵察爆撃機となるVought SB2U Vindicator*2をベースとし、フランスもとい欧州向けに装備変更されたフランス海軍向けモデルチェンジ版の艦上爆撃機である。主な装備変更といえば、スラストレバーが逆転*3し、米国の計器類はすべて置き換え*4たほか、無線機や機銃をフランス謹製のものに換装している。

1939年5月までにヴォード社へ約40機の注文が入り、モデルチェンジ型として初飛行は同年8月6日に成功した。さぁフランスへ輸送だと考えている間の1939年9月3日にフランスがドイツへ宣戦布告し、戦争状態に入ってしまった。当時の米国は米国中立法に基づいた禁輸措置が施行されており、困ってしまったので、カナダからこっそり輸送を完遂した送ったのカナダだしセーフ理論

受領したフランス海軍では航空母艦ベアルンのAB1飛行隊*5に配備したが、ベアルンが米仏輸送任務を命じられたことで*6AB1飛行隊の11機はV156Fとともにドーバー海峡に面したフランス都市ブローニュ近郊の陸上航空基地に配属された。また詳細は不明だが、AC1やAB2、他の飛行隊などを混成したAB3飛行隊がシェルブールで編制されている。

彼らは英仏輸送護衛や哨戒、迎撃などの任務に携わりながらフランス降伏まで激戦を戦い抜いたが、1940年6月15日の伊軍戦闘機部隊による攻撃で残存していたV156Fすべてを失った。そのため、現存機は残念ながら存在していない*7

AB1飛行隊とアラスの戦い、そしてダンケルク撤退戦

 
1940年5月20日、ドイツA軍集団の第三装甲軍団はついに英仏海峡の海岸線へ到達し、本格的にフランス侵攻計画を実行する。この進行速度の鈍化を試みるべく、AB1飛行隊はオワーズ川および周辺運河の主要橋の爆撃を命じられる。いわゆる英仏軍とドイツ軍のアラスの戦いに呼応した敵軍団の背後を攻撃する狙いがあった。ところが今まで海上護衛や制空戦をしてきたパイロットたちにとって地上攻撃目標というのは殆ど経験がなく、あまり有意な戦果が得られなかった。しかも当然ドイツ空軍による迎撃を受けてしまい、Bf-109E戦闘機部隊によって逆に5機のV156Fの損失を許してしまった。

一方、アラスの戦いでは英仏軍が敗れているが、このときの英仏軍のすさまじい反撃はドイツ軍への圧力に変わり、結果的に軍団の停止命令につながった。これがのちの1940年5月26日から6月4日までに起きたダンケルク撤退戦(ダンケルクの奇跡)につながる。このとき、AB1飛行隊には撤退する部隊の護衛を担当し、残存していた6機のAB1飛行隊はドイツ機甲師団へ攻撃したり、敵爆撃機Ju 87の迎撃などを必死に遂行。その結果として、さらに数機撃墜され、部隊はすでに壊滅状態だった。

そして、1940年6月15日。AB3飛行隊と合流すべく、フランス南部にあるキュエール航空基地に移動したAB1飛行隊だったが、イタリアのCR.42複翼戦闘機部隊による機銃掃射が行われ、駐機中だったV156FはAB3飛行隊のものとも全て破壊された。なんとも呆気ない同機の最期だった。

その後フランスの敗北もあり、大した活躍ができないまま歴史に埋もれてしまった同機だが、決して何もしなかったわけではなかったことを忘れないでほしい。

AB3飛行隊と短期的な対伊戦

 
フランス北方の英仏海峡にあったAB1飛行隊が戦っている一方、AB3飛行隊は結成したフランス北西沿岸沿いのシェルブールより南部にあるキュエール航空基地に部隊を移動し、主に末期にあった対伊戦にて運用されていた。詳しい戦闘詳細が残っていないが、1940年6月14日にイタリアのアルベンガ沖にてイタリアの潜水艦を発見し、これをV156Fによって爆撃、撃破したと報告されている。しかし、イタリア側では当日に潜水艦が撃破された記録がなく、戦果誤認の可能性が指摘されている。
 
その後、翌日にキュエール航空基地が空襲を受けたことで搭乗機が全滅。その数日後、反撃を試みるべくAB1飛行隊とともに残っていた残存機(機種不明)に搭乗し、イタリア中部にあるポルト・サント・ステーファノへの攻撃を実施(作戦日不明)。以降はコルス島(コルシカ島)に部隊は移動するが、フランス休戦と1942年12月末まで同島で戦い続けた。

MB157

 
MB157とはWWⅡ時代におけるフランスの制空戦闘機Bloch MB.150シリーズにして、最終製造番号かつ最後に試作した未完成機体のこと。正確にはフランス降伏直前に凡そ完成していたものの、戦火を逃れるべく輸送中に発見・接収したドイツ軍監視のもと完成させた試作機である。また当時のフランスに空母がなかったので当たり前だが艦載機仕様ではなく、あくまで新鋭エンジンに換装することで性能向上を狙ったプロトタイプとなる。

1942年に試験を行ったドイツ軍によると最高速度は驚異の710km/hを記録し、これは大戦中後期に登場した最優秀機P-51のD型と殆ど同じ値(700km/h~710km/h)を示し、日本だと零戦五四型(570km/h)はもちろん疾風(686km/h)すらも超える速さを秘めていた。もちろん、速さがすべてではないだろうが*8、これが早期に稼働さえしていればフランスの未来も変化していたかもしれない。ドイツの電撃戦が凄すぎた...

この結果に驚いたドイツ軍はエンジンを本国に輸送したり、機体をフランス南西部のオルリーで調査する。そして1944年のある日、連合国軍の苛烈な攻撃により保管していたMB157は工場もろとも破壊された。こうしてフランスの未完の怪鳥は表舞台から姿を消したのだった。

なお、ゲーム内のMB157は艦載機仕様による空力不足の設定もしくは他国空母との性能調整なのか、ワースト2位の艦載機速度のため注意しよう。

プロトタイプMB150と初量産型MB151

 
もともと最初期のナンバーMB150は、1934年のフランス航空省でのコンペに合わせて設計・製作されたのが起源。残念ながらコンペではお目にかかることは叶わなかった*9ものの、将来性からか開発をそのまま進めることになった。そして1937年に初飛行、1938年より初期量産型MB151が製造されたが、水平尾翼に問題が残っていたままだった。そのため最初に陸軍に届けられた123機の大部分は飛行不可能で、照準器やプロペラが外されてたり、エンジンカウリングは仮置きのダミーの状態で到着*10している。どうしろっていうんだ...

改良型MB152

 
MB151の各所の問題や、もともとMB150の生産性が悪かったことから大量生産向けの機体構造が盛り込まれた改良型MB152が1939年9月1日に初飛行に成功。フランスがドイツに宣戦布告する2日前というギリギリのタイミングとなる。ただ宣戦布告をしたあとの約8か月間、ドイツがポーランドやノルウェーなどの北東欧に侵攻していたことや、フランスの準備が整っていないことによって大規模な戦闘が無かった(いわゆる奇妙な戦争)。したがって改良量産機MB152の配備が間に合うこととなり、1939年内には大部分のフランス戦闘機部隊へ行きわたることができた。

フランスの戦い

 
1940年4月以降からドイツ軍との戦闘が急増したが、MB152の良さは頑丈な機体設計により継戦能力がそれなりに優れていたことぐらい。そのほかの項目では軒並み相対していたドイツの戦闘機Bf 109Eに完敗だった。機動性、操縦性、攻撃能力、行動半径、最高速度どれもが遅れをとってしまい、あげくには機動性に難を抱えた重戦闘機Bf 110にも追いつけなかった。一応、より出力の強いエンジンと機銃を積んだ改良型MB155も量産体制に入ったが、残念ながらフランスが陥落する間際となり、結局35機ほどで終了してしまう。

いくら頑丈でも攻撃火器に乏しければ後手に回ってしまうのは道理であり、たとえば1940年5月中旬以降の戦闘スコアは3個小隊(9機)のMB152が出撃すると、そのうち1個小隊(3機)しか帰れず、最悪全滅して全機未帰還ということも少なくなかった。そのまま5月末には戦闘機部隊の損害が甚大であり、再編のため前線から撤退せざるを得なかった*11

MB151やMB152のその後

 
その後フランスが休戦したあとの1941年4月、ドイツ休戦委員会は空軍の機体をDewoitine D520*12を標準とし、そのほかの単発戦闘機を廃棄or譲渡する方針を打ち出した。

そのため、MB152やMB155などの機体は使えるものはドイツ空軍が接収し、行動半径増加の改造を施されたほか、ルーマニア空軍に引き渡されたものなどそれぞれ運用され続けられた。

なお、1943年2月にギリシャからMB152の納入契約がなされたが、残念ながら当時のフランスを支配していたドイツから拒否されているまぁ当時ギリシャは、ドイツとイタリアを相手に戦争中だったので当たり前っちゃ当たり前

右舷の前部主砲のモデリングをよーく見ると...

 
何故か右舷の前部主砲のみ後ろを向いている...?
Screenshot 2023-05-25 16.48.32_0.png

編集用コメント

編集用のコメントはこちら
  • ページのみ作成。フランス空母か...史実は本家wikiより転載。問題がある場合は削除を... -- 2023-05-15 (月) 23:36:58
    • また、艦船画像はパッチノートより専用迷彩または、ヒスと思われる迷彩のものを仮でアップロードしたので実装後に撮影が終わった方は変更願います。 -- 2023-05-15 (月) 23:44:19
  • 小ネタ追加し、統合と調整を行いました。 -- 2023-09-28 (木) 19:51:53
    • 書きかけの小ネタを追記。 -- 2023-09-29 (金) 17:05:07

コメント欄

  • 箱回してたら9,8のプレ艦が出た‥。かなり回さないと手に入らないですね( ̄▽ ̄) -- ブリッツファン? 2023-05-25 (木) 17:11:05
    • プレ艦出たのは何回目でしたか? -- 2023-05-25 (木) 17:18:07
  • 10回回し✖️5回ぐらいに9が出て、その後、10回回し✖️3回ぐらいで8がでました。マルソーは出なかったです。 -- ブリッツファン? 2023-05-25 (木) 17:57:06
  • 今後爆撃機の項目で補って貰えるとは思うけれど、AP爆弾と絨毯爆撃の二つの特技についてはどこか目立つところに書いておいた方が良いと思ったので、リードに加筆しといた。「一機当たりの搭載弾数2」とかも、リードに書いておいた方が良いかなとも思ったが、そのあたりの判断・加筆は、空母使いの諸兄に譲らせて貰うよ。 -- 2023-05-26 (金) 01:25:46
  • 悪茶で聞いた感じガチャまわしてイベントトークン手に入れようとしてもベアルンを手に入れるだけのトークンは150連くらいしないと集まんないらしいっすw(150連するために2万弱かかるw)流石は金の亡者 -- 2023-05-26 (金) 23:23:43
  • ティア6なのに余裕で一万超えそうだったから10連程度で引くのやめた...2ヶ月後くらいに5000円程度で再販されてそう -- 2023-05-27 (土) 06:11:09
  • どカーンと楽しむなら、やはりエーリヒですね。コイツはチームプレーで楽しむ船ですねー。 -- ブリッツファン? 2023-05-27 (土) 10:39:08
  • 諭吉くんを2枚で出す価値はない… -- 2023-05-29 (月) 10:18:28
  • 使った感じ、戦闘機は強くてちゃんと扱えば余裕で晴天取れる。爆撃機はかなり微妙で、半貫通と過貫通ばっかり&火災なしのせいでダメージが全然伸びない。 -- 2023-05-30 (火) 15:23:17
  • まだ7戦だけど爆撃機はうまく当たるときは2中隊合計6000ダメくらい、だめだと(駆逐どころか巡洋艦狙いでも)ほんとに半貫通一個の500くらいとかある。平均すると毎試合4,5万安定して出せるかな?ただ敵に駆逐艦が多いとほんとに弱い。ティア違うけど、サイパンと比べると戦闘機が遅いから処理能力はかなり落ちた感じになる。戦闘機の処理力は体感グラーフくらいかな?(ティア7戦での)。サイパンみたいな強さはないけどツリー艦は艦載機ないから箱にできる。ただ、エーリヒの艦載機には全く追いつけないから最強ではない。あと、足が遅すぎて戦線が崩壊したあと方向転換して全力で逃げても戦艦に追いつかれる。主砲は射程が長いだけのゴミです。ざっとこんなもんかな? -- 2023-05-31 (水) 00:45:41
  • 見てての感想だけど、流石に戦闘機は数があって強い。エーリヒでも結構キツそうで、搭載機少ないのに1wave全滅とかも有り得るレベル。対して、爆撃は微妙。ダメージは全然稼いでくれないので、ラングレーみたいなもどかしさを感じる。まあこれで爆撃が強かったらサイパンみたいにぶっ壊れになる。癖が強いっていうプレ艦らしい強さだと思う -- 2023-05-31 (水) 06:17:52
  • 晴天製造機?w -- 2023-06-03 (土) 16:47:19
  • ヒル乗っている時についにこの船と当たった。3ウェーブ狙われたけど想像してたよりは痛くは無かった(それよりも兵装モジュールが壊される方が痛かった)。ティア8のインドミでは精度いいし火災も結構入るしで駆逐を狙っているんだけど、こいつは対戦した感じ精度がそこまで高くないのか回避とって1中隊1、2発でそんなに当たらなかった。煙幕たいて回避してノーダメだったんで対駆能力はそこまで高くないのかなって印象を受けた。4ウェーブ目から巡洋艦・戦艦を狙っていて、此方はかなり削っていてたのでやっぱり対巡洋艦戦艦が強いのかも。一戦しか対戦してないから、そこまで参考にはならないかも知れないけど書き残しておく。まぁ駆逐艦で当たったら隠蔽は剥がれるけど、3ウェーブでも瀕死になることはないから安心していいと思う。 -- 2023-06-06 (火) 18:32:06
  • 唯一の価値のパーソナルミッションでハブられてて草はえる -- 2023-06-11 (日) 08:27:31
  • フランス空母とか来るのかな? -- 2023-06-11 (日) 15:06:29
    • (ツリー艦の) -- 2023-06-11 (日) 15:06:50
      • まだ来ないと思います。というのも、本家wowsが新規艦艇を実装したらwows blitzが後追いでその新規艦艇を実装するという流れが多いからです。 -- 2023-09-30 (土) 12:08:54
      • まあブリッツが先で本家が後の例外も居るんだけどね。 -- 2023-09-30 (土) 13:11:22
  • 戦闘機強すぎで草 -- 2024-02-06 (火) 17:39:55

*1 実際には単葉機も運用されており、1937年3月にはフランスの輸送用単葉機Potez56が離着陸している他、なんなら1930年代のD.37戦闘機は単葉機である。また、V156Fは甲板着陸訓練を数日間とはいえ行っている。全く運用できなかったわけではない。どこから惑星話が出てきたんだ?
*2 ミッドウェー海戦時に海難事故を起こして落伍した三隈に対し、帰投が不可能になったミッドウェー基地航空隊所属のフレミング少佐が体当たり攻撃(機体を墜落させた説も有力)をしたのがSB2Uである。
*3 米国基準であり、現代航空機の主流だと前方に倒す=出力全開なのだが、当時のフランス側は後方に引く=出力全開としたらしい。一応WWⅡ前後といえば様々な制動方式があったが、特に馬車を制動するイメージが強かった欧米だと御者が手綱を引く=馬を止める(=エンジンを止める)が主流のため珍しい形式となる。ちなみに最終的に現代の航空機の主流を決定づけたのは、米国が生んだ傑作機Douglas DC-3が広まった影響だと考えられている。
*4 なにせ当時の米国はヤード・ポンド式計器である。ゆえにメートル式のフランスでは高度計がフィートとかさっぱり分からないのであった。ただし、のちに航空分野でも世界的覇権を握った米国にならい、たとえメートル法準拠の国家であっても現代の航空管制で国際フィートが用いられているも多い。ちなみに国際フィートの他に測量フィートというものもあり、使用の際は更にややこしい状況になってしまう。そして航空燃料の単位はグラムではなく大抵ポンド単位(lb)である...うーんこの
*5 当時のベアルンには制空戦闘部隊のAC1と戦闘爆撃部隊のAB1、偵察爆撃部隊のAB2が存在した。なお、遡るとミュンヘン危機で再編成を受ける前は7S1と7B1、7S2だった。
*6 もっとも空母としての運用能力も乏しくなっていたこともある。
*7 一応、もととなったSB2Uはアメリカのフロリダ州ペンサコーラにある国立海軍航空博物館にて静態展示されている。
*8 実際に上昇能力はMB155よりも高くなったとはいえ、せいぜい10m/s程度で各国の傑作機は軒並み15m/s~20m/sが多い。ただし、あくまでも試作機という開発途中の結果であり、一概に比較こそできないのも留意しておきたい。
*9 そのとき優勝したのはMorane-Saulnier MS406であり、WWⅡで最もフランスで生産された戦闘機となる。
*10 当時の欧州情勢が急速に悪化していたことや、非現実的な計画として1年以内に戦闘機940機も配備するV計画などの背景もあり、開発途中だった本機も含めるほかなかった。
*11 このようにフランス側の視点でみると厳しい航空劣勢状態だったが、一方のドイツ側でみても無視できない損耗率を記録しており、実際のところフランス空軍は想像以上の奮戦をしている。
*12 1940年頃に開発されたフランスの戦闘機。速度こそ少し遅いが優秀な機動性と攻撃火器も備え、Bf 109Eに対抗できたとされる。しかし、あまりにも登場が遅かったため、実際にどれぐらいの対抗能力があったかは戦闘回数不足で分からない。なおフランス降伏後も製造と使用は継続し、他国空軍でも運用されていることもあり、おおむね優れた戦闘機だったことは評価されよう。