Sims

シムス級駆逐艦　シムス

Mahanよりも煙突が少なく、上部構造物もスッキリとした近代的な見た目。魚雷発射管は中央上部にあるため両舷への投射が可能になっている。

性能諸元

基本性能

※アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし

・兵装

・艦艇スキル

ゲーム内説明

卓越した機動性を持ち、武装に優れた高速駆逐艦。搭載された両用砲は発射速度が高く、照準速度に優れていたため、当時として高い火力と対空能力を備えていた。

解説

最近流行の「やたら手数の多い主砲を搭載した駆逐」の元祖とも言える存在である。現環境に使い勝手の良い主砲と魚雷、他者を寄せ付けぬ旋回性能等多くの優秀な点を持っている。課金艦としては相当な古株であり、優秀な後輩も数多く輩出されているため流石に第一線という訳にはいかないが…未だに現役である。駆逐のお仕事に忠実に巧みな隠蔽で近づき、発見されたならば主砲の回転率を見せつけてやろう。なお、PC版で言われたSimsのsは複数形のSの原因となった欠点は殆どが改善され、しむしゅっしゅと言わんばかりの初期に実装された課金艦らしからぬ優秀な性能に収まっている。

・主砲
米駆乗りの艦長にはお馴染みのMk.30 5-inch両用砲は計4門。基本的にはツリー艦のマハンのものと同一だが、装填が4秒から3.6秒(エリート特性と消耗品込みで約3.4秒、装備品も加えると3.2秒)に短縮されており、旋回速度も何故かマハンの15度から24度へと大幅に速くなっているため、回避機動を取りながらの砲撃もお手の物である。しかし門数の少なさから、DPMで見るとAP弾ではレーベレヒト・マースやマハン等のガチムチの砲駆には劣ってしまい、同格でも中央値付近の値でしかない。加えて弾道が米駆らしくかなりゆるふわであり、遠距離で回避中の駆逐艦に当てるのは困難である。そのため対駆逐艦性能はあまり高くない主砲だと言わざるを得ない。HE弾ではDPMこそ同格でも上位であるが、門数の少なさから発火回数の期待値はさほど高くない。このようにカタログスペックではマハンなどの同格砲駆に劣る点も多いが、本艦の主砲には圧倒的な主砲旋回速度から来る使い勝手の良さがある。腐らせるのはもったいないため、砲駆と巡洋艦正面から撃ちあうのは避けつつ、雷駆や戦艦などの有利な相手を選んで適宜使って行きたい。また、優秀な旋回を生かし敵の主砲旋回に追いつかれることなく敵艦の周囲を回る一方的な攻撃（NDK：ねえどんな気持ち？）も可能で、魚雷装填時間を稼いだり、手数による炎上も見込める。

・魚雷
本艦の搭載するMk.14 21-inch魚雷はマハンの魚雷よりも、アメリカ駆逐艦の弱点でもあった微妙な射程が6.6kmから7.5kmまで伸び、ダメージも115ほど増えて強化されているのだが（※何故か雷速だけは低くなっている）、日本駆逐艦などの魚雷と比較してしまうと色々な点で物足りない。斜線数が8と微妙に少ないためαダメージ（全門斉射した時のダメージ）、DPM共にドイツ駆逐艦並みであり、雷速の遅さ故に素早い駆逐艦や軽巡洋艦に対して命中させるのは難しい。被発見距離は1.68kmとドイツ駆逐艦と並んで短いが、それを雷速の遅さが打ち消してしまっている。このような弱点はあるものの、ツリー艦のマハンの持つ魚雷（発射管が独特な配置で扱いづらい）より癖が無く、魚雷管の旋回速度も24度/秒と速いため扱い易くなっている。
そのため、必殺の武器というよりは敵の進路を固定させて主砲で仕留めるための補助武器として考えた方が良いかもしれない。この考えに基づき使用する場合、装填時間もファラガットとそう変わらない事を活かして積極的にばら撒いて行こう。対して雷駆に近い運用を行う際は、瞬間火力の低さを念頭に置いて、フルヘルスの戦艦への攻撃は避けるなど目標選定を慎重に行おう。また、素のままだと艦艇スキル「発煙装置Ⅱ」のクールタイムが90秒と長く、魚雷装填のサイクルと合致しにくいので艦長スキルのLV8で「雲隠れ」を取得、再使用までの時間を短縮しておくと扱い易さが向上するので検討してみて欲しい。

・対空
素の対空値は136と高めで対空警戒Ⅱも使用可能なため、駆逐艦にしては優秀な対空能力を持つ。対空警戒を使用中の1.5km以遠の対空ダメージについては、同じく対空警戒を使用したフィジーとほぼ同等である。そのため格下空母に対してはある程度対抗可能。しかし同格以上の凶悪な空母たちの前には蟷螂の斧も同然である。どちらにせよ、優秀な転舵性能や場合によっては煙幕も使って回避しよう。

・機動性
優秀。素の最高速度は37.23ノットと平均以上の速度を誇る。他国同格では素で38～39ノットを持つ艦も存在するのでそれらには劣るが、第2グループの上位に食い込んでいるので十分優秀と言えるだろう。エンジンブーストで更に高速を発揮することも可能。加速性能も37.23ktまで8.7秒で加速する加速度はイギリスのジャービスに次いで優秀。転舵性能も優秀である。転舵速度が素で10度/秒を超えるのは本艦とジャービスのみで、突出した性能を誇る。これらを総合すると機動力は優秀と言える。
これを活かし、敵戦艦などの砲塔旋回が遅い艦に対してはぐるぐると周りを回り主砲射線に入らず攻撃を行えるドックファイトのようなことまで可能である。逆に本艦を相手取るときはこの旋回に十分注意しよう。魚雷や主砲などを避けた後に速力で一気に詰められて魚雷と主砲の餌食…ということは避けたい。

・隠蔽性
被発見距離5.88kmは同格最高であり、マッチ帯で本艦を超えるものは格下のグネフヌイ、鞍山、格上の雪風のみである。装備の「適正」で「隠蔽システム改良Ⅰ」を選択すると5.29km、さらに迷彩と軍需物資の石炭を積めば4.94kmという笑ってしまうほどの数値まで高めることが可能（これはどうあがいてもマッチしないTier2のサンプソンに次ぐ）。勿論他の駆逐艦も同様の構成で隠蔽を縮めることが出来るので常に一方的に1km以上の安全距離を持ってスポットし続けられる訳ではないが、この隠蔽の良さは本艦の明確な長所である。ただし本艦の性質上、日本駆逐のような効率的な隠蔽雷撃は難しく隠蔽に特化させるかどうかはプレイスタイルと要相談である。

・生存性
HPは15000に届かず、6%という高めの装甲防御を加味しても至って平均的である。しかし高い隠蔽と速度、優れた旋回能力を持っており基本性能だけでも生存性が低いとは言えない。さらに本艦には優秀な艦艇スキルが揃っており、これらを適切に使用できれば高い生存性を誇るだろう。

・消耗品
「高品質石炭」「高級船員食料」「改良型ディーゼルエンジン」が良いだろう。

・艦艇スキル・艦長スキル
艦艇スキルは「エンジンブーストⅠ」「発煙装置Ⅱ」を2回、「対空警戒Ⅱ」を3回使用可能。
艦長スキルは旋回能力に優れた本艦の特性を生かすべく、レベル9で「出力全開」を取得したい。レベル8の「雲隠れ」を取得すると煙幕の効果時間が素の28秒から32.2秒(「雲隠れ＋」なら33.6秒)に増えるので、プラス11秒が煙幕の消失時間となり扱いやすくなる。またリキャストタイムも30秒程度短縮できるので取らない手は無いだろう。レベル2で「戦場支援」を選択するかどうかは人によるだろうが、いずれにせよレベル4の「対空防御専門家」は取得して効果時間の延長とクールタイム短縮を図っておきたい。

・装備
　・兵装　主砲改良Ⅰ or 主砲改良Ⅱ　主砲改良Ⅰが無難だろう。しかし素の砲塔旋回速度が速いので何も積まなくても特に問題はない。発射レートを高めたい人は主砲改良Ⅱを選ぶと良い。主砲は壊れやすくなってしまうが、本艦は主砲・魚雷のどちらでも戦えるバランスの良さを持っているため多少主砲がお亡くなりになっても継続戦闘は可能である。
　・防御　舵か加速　装備なしでも舵・加速のどちらも優秀ではあるが。
　・適正　隠蔽改良

・エリート特性
　・エリート砲術員　主砲装填速度-3%、主砲旋回速度+7%
　・エリート魚雷オペレーター　魚雷装填時間-3%、魚雷管旋回速度+7%
　・功績　EXPアップ+10%
※「エリート魚雷オペレーター」を選択しても魚雷装填時間は1.58秒しか短縮できない上に発射管の旋回も十分速いのであまり意味は無い。よって基本的には砲駆である本艦には「エリート砲術員」を選択して主砲の強化を推奨したい。

・総論
優秀な機動力を誇る船体に、癖は強いが特徴的な砲と魚雷を搭載し扱い易さとバランスの良さを両立した艦となっている。特にツリー艦のマハンよりも癖が少なく、火力や機動性など秀でている部分も多い事から上位互換とまで言われている。また、本艦は他のプレミアム艦と比較しても取得経験値が多くなるような調整がなされているのか、艦長育成の効率が高い。とはいえ、米駆の常で生存性は高いが活躍するためには駆逐艦に関する基本的な知識や相応の腕を要するため、初心者が購入してすぐに活躍できるというタイプの艦では無い。米駆にしては扱い易い、という程度なので「他国駆逐艦を中ティアまで進めているが米駆はこれから」という艦長や「他艦種は色々開発したが駆逐艦についても乗り方を研究したい」という艦長に向いていると言えよう。

戦闘名誉章

史実

ベンハム級の後継として開発された。次級はベンソン級である。
本級は第２世界大戦直前に就役したアメリカの最新鋭駆逐艦であり、大戦を通じ洋の東西で活動し続けた。

艦名は第１次世界大戦中、米遣欧海軍部隊指揮官を務めた海軍大将ウィリアム・ウォーデン・シムスから。

就役直後は、５インチ単装砲５基 ５門、魚雷発射管はマハン級と同じように４連装３基の１基を首尾線上に、２基を両舷側に配置していた。だが、すぐに１５０トンのオーバーウェイトによるトップヘビーが判明し、ゲーム中と同じ５インチ砲４基４門、魚雷発射管４連装２基に改められた。

この「シムス」は４２年５月の「珊瑚海海戦」に参加する。日米間で初の（つまり世界史上初の）純粋な空母航空戦となったこの海戦で、「シムス」は補給活動を終え分離された給油艦「ネオショー」を護衛して退避を実施していた。しかし偵察任務を帯びた翔鶴の九七式艦上攻撃機により、「ネオショー」を「空母」と誤報されてしまったため、最終的に九九式艦上爆撃機３６機の襲撃を受けることになった。
結果、３発の２５０ｋｇ爆弾の直撃（内、機関室内に２発）を受け、真っ二つに折れて轟沈。生存者は１９０名中１５名であった。

小ネタ

米空母「ワスプ」撃沈の際、日本の「伊号第十九潜水艦」の発射した酸素魚雷6発が他の2隻にも（たまたま）命中し、3隻同時雷撃という世にも珍しい戦果を上げているが、そのうちの一隻がシムス級7番艦「オブライエン」である（被害は大破、のちに真っ二つに折れて沈没）。更にもう1隻は戦艦「ノースカロライナ」で被害は中破であった。

本艦は2021年12月のパールハーバー・イベントで任務をこなすことで入手可能であった。これは1941年12月8日（現地では12月7日）に行われた真珠湾攻撃に因んだイベントであるが、本艦は当時ハワイにはおらず真珠湾攻撃とは全くの無関係である。また、本艦の国籍とシルエットから報酬をアトランタと勘違いした艦長（筆者含む）もいたが、アトランタも真珠湾攻撃とは無関係である。

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