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M10 Wolverine

Last-modified: 2017-10-19 (木) 20:54:56

Tier 5 アメリカ 駆逐戦車 / 日本語表記: M10 ウルヴァリン Edit

M10_stockHD.jpg
3-inch AT Gun M7&T72砲塔の初期状態。
M10_improvedHD.jpg
76 mm AT Gun M1A2&T72M1砲塔の最終状態。

 

M10_105mmHD.jpg
M10_76mmM1A2.jpg
T72砲塔+105 mm AT M4(上)とT72M1砲塔+76 mm AT Gun M1A2(下)
改良砲塔は後部に出っ張りがあるので見分けは簡単。(前からは難しい)

v0.9.7まで

スペック(v0.9.8) Edit

車体

耐久値340⇒360
車体装甲厚(mm)38/19/19
最高速度(前/後)(km/h)48/12
重量(初期/最終)(t)27.84/28.88
実用出力重量比(hp/t)17.31
本体価格(Cr)415,000
修理費(Cr)約2,000
超信地旋回
 

武装

名称発射速度(rpm)弾種平均貫通力(mm)平均攻撃力AP弾DPM精度(m)照準時間(s)総弾数弾薬費(Cr/G)重量(kg)俯仰角
3-inch AT Gun M714.29⇒14.63AP
APCR
HE
101
157
38
110
110
175
1,572⇒1,6090.431.75456
7G
56
1,450-10°/+30°
105 mm AT M47.59⇒7.69HE
HEAT
53
101
410
350
2,657⇒2,692
(HEAT)
0.531.730166
10G
2,670
76 mm AT Gun M1A116.22⇒17.14AP
APCR
HE
128
177
38
115
115
185
1,865⇒1,9710.411.75496
7G
68
1,567
76 mm AT Gun M1A218.18⇒18.75AP
APCR
HE
128
177
38
115
115
185
2,091⇒2,1560.381.75496
7G
68
1,590-10°/+20°

※俯角は車体後方向きでは-8°

 

砲塔

名称装甲厚(mm)旋回速度(°/s)視界範囲(m)重量(kg)
M10T7257/25/25173703,700
M10T72M157/25/25163704,400
 

エンジン

名称馬力(hp)引火確率(%)重量(kg)
Wright Continental R-975EC235020515
Wright Continental R-975C140020516
GMC 604642015549
Ford GAA early50020708
 

履帯

名称積載量(t)旋回速度(°/s)重量(kg)
M10T4128.49287,000
M10T4231.7307,000
 

無線機

名称通信範囲(m)重量(kg)
SCR 508395100
SCR 506615110
 

乗員

1Commander2Gunner3Driver4Radio Operator5Loader
 

拡張パーツ

Vertical Stabilizer×Improved Ventilation×"Cyclone" Filter×Fill Tanks with CO2×RammerMedium Tank
Spall LinerMedium"Wet" Ammo RackClass1Additional Grousers×Enhanced SuspensionVertical Coil Springs 2 Class
 

隠蔽性

非発砲発砲時*1
静止時17.78%4.39%
移動時10.66%2.63%
 

派生車両

派生元T40(TD/14,430)
派生先M36 Jackson(TD/21,850) / M18 Hellcat(TD/25,500)
 

射界

射界全周
 

開発ツリー

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車両に関する変更履歴

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解説 Edit

  • 概要
    v0.6.5パッチで追加されたTier5のアメリカ駆逐戦車。
    全周旋回砲塔を搭載した異色の駆逐戦車の一台で、同車種では突出した視認範囲を持つ。
    v0.9.8にて車輌モデルがHD化。
 
  • 火力
    初期砲の3-inch砲がこのクラスの駆逐戦車の火力としては貧弱な上、105mm榴弾砲も本車専用に切り替わっているため、T40で76 mm AT Gun M1A1を開発しておかないと乗り出しが辛い。
    最終的には大口径榴弾砲の105 mm AT M4か性能の向上したバランス型の76 mm AT Gun M1A2かの2択となるが、どちらもT40から発射速度が微増したのみで、ダメージ・貫通力は据え置き。火力の増加が著しいTierでもあるため、全周旋回砲塔を生かした柔軟な運用が欠かせない。
    俯角は-10°とアメリカ戦車らしい優秀さであり、地形は積極的に活かしていこう。
    • 105 mm AT M4
      いわゆる10榴。高い榴弾の攻撃力で相手を選ばずダメージを与えられる。
      他車両の同口径砲と比べて装填・照準時間が短い上、弾道が低く、弾速も若干早いため僅差射撃がしやすいが、やはり大口径榴弾砲の宿命として精度の悪さは如何ともしがたい。運が悪いとかなりの近距離で外れる事もある。
      また、10榴自体は同格中戦車が搭載できる事に加え、砲塔旋回の遅さと耐久面の脆さから中戦車のように積極的に距離を詰めて精度を補う使い方もリスクが高いため、この車両に合わせた立ち回りや位置取りに頭を悩ませる事になるかもしれない。
      生かすべき長所として、T40の同砲の俯角が4度しか取れなかった事に対し、本車では10度取ることができるため斜面・稜線に強い。また、旋回砲塔のおかげで隠れて敵に近づいて背後から素早く撃ち込むといった使い方も可能だ。
      同国同格のT67は単発火力の高い砲を装備できないので、この砲を活用できれば攻撃面においても差別化できる。
       
    • 76 mm AT Gun M1A2
      精度とDPMに優れるバランスの良い76mm砲。
      本車両の76mm AT Gun M1A2の発射速度はTier6中戦車であるM4A3E8 Shermanのものより速い。
      だが単発火力と貫通力の面ではT40の最終砲から変わっておらず、格上の重装甲車両を相手取るにはやや辛い。機動性を活かして、弱点を狙える位置取りや薄い相手を撃てる状況を探そう。
 
  • 装甲
    v0.9.8にて車体正面の大部分が51mm→38mmと薄くなり、防盾裏の装甲もごっそり削られている。基本的に頼れるものではなく、同格には簡単に貫通を許してしまう。
    具体的には車体正面は上部下部共に約60〜70mm、砲塔正面は約70〜80mmで車体よりは硬いが、どちらにせよ格下の軽戦車砲なら弾く可能性はあるといった程度でしかない。
    さらに側面はペラペラで、貧弱な機関砲にも貫通を許してしまうほど薄い。10榴が命中しようものなら貫通・爆散は必至で、以前にも増して敵に撃たれない慎重な立ち回りを心がける必要がある。
    オープントップであるがゆえに自走砲などの曲射榴弾にも弱い。
    砲塔後部には弾薬ラックがあるため、榴弾が飛び込めば致命傷となる。
 
  • 機動性
    加速・最高速度共にそこそこ。陣地転換はスムーズに行えるだろう。
    後退速度と出力重量比自体はT40から若干悪化しており、とっさに下がって隠れるような挙動ではわずかな遅れがダメージのもとになりやすい。
    登坂時はかなり減速する為、稜線を使う際は横からの狙撃や自走砲には十分警戒しよう。
    改良砲塔に換装すると旋回速度が僅かに下がるが、耐久値と装填速度が向上する。
    また、全周旋回砲塔とはいえ旋回速度は非常に遅く*2、格闘戦には向いていない。固定砲時代と同じく、予め敵のいそうな方向に砲塔を向けておく等の基本を忘れずに。
     
  • その他
    • 偵察性能
      概要で述べた通り、視認範囲は370mと圧倒的。これは同格軽戦車をも上回る広さであり、Tier6以下の全駆逐戦車中トップクラスの値である。*3
      無線範囲や隠蔽率のどれも高いレベルに纏まっているので、視界を活かしやすく、偵察運用の適性も高い。たとえ最後の1台になっても侮れない戦力となるだろう。
    • 研究・開発
      火力の項で述べた通り、乗り出しは最低限初期砲を換装してからが望ましい。
      一見すると必要経験値の低い105mm榴弾砲(1,500)は搭載に履帯の研究が必要なため、初期状態から積むには結局4,050ものフリー経験値を用意しなければならない。素直にT40で76 mm AT Gun M1A1を研究しておくのが上策である。
      他のモジュールについては、アメリカ車輌でも特に互換パーツの多いTier3自走砲M7 Priestから最終エンジンFord GAA earlyを引き継げる。重量はあるものの、中間エンジンをすっ飛ばして500馬力もの出力を乗り出しから扱えるのは嬉しいところだ。
      無線機もアメリカらしく流用性が高く、様々な車輌から引き継ぐ事ができる。
      共有装備の搭載のために真っ先にフリー経験値で履帯を研究するのもいいだろう。
 
  • 総論
    Tier5駆逐戦車としては重装甲戦車に対する打撃力不足が顕著だが、充分な機動力を維持しながら車体の向きに制約を受けない広い射界を手に入れた本車は、待ち伏せも単独で行える強力なポテンシャルを秘めている。
    しかしながら、一見強力に思える視認範囲や俯角を生かすのは決して容易ではない。
    10榴を使用する場合、ただ単調に茂みや稜線を使って戦うだけでは同じ視界とより深い俯角を持つ中戦車M4 Shermanの方が様々な局面で取り回しがよく、劣化版になりかねない。しかし76mm砲をメインとした場合、同じ砲を極めて優れた機動力で扱えるT67と対比されるとかなり厳しいものがある。
    そこで、まずは軽戦車・中戦車・駆逐戦車の各々の特性と本車を比較し、弱点を徹底的に把握する事をお勧めする。例えば、優秀な隠蔽は静止時のものである事、発砲すれば簡単に見つかる事。後退速度が極めて鈍く、稜線を使っても「撃つ・下がる」が大きな隙になる事。当然自走砲の的にもなりやすい事。砲塔旋回速度が異様に遅く、接近戦に弱い事……など、これらを知り尽くせば、自然と相手の土俵で戦う事を避けられるようになるだろう。
    そうして相手をこちらの土俵に引き摺り出した時、本車の強力な特性が真価を発揮するのである。
 

史実 Edit

M10_1943.jpg

 

1941年にT40の前身であるT24を試験したアメリカ軍は、戦車駆逐車には全周周回可能な砲塔が必要であるという結論に達した。兵器局はその結論に沿って、全周周回砲塔にT1重戦車用に開発された口径76mmの3インチ戦車砲M7を搭載するT35という設計案を作成、1942年1月には試作した砲塔をM4A2中戦車に搭載した車両が製作された。その後傾斜装甲の一層の導入や車体の軽量化などさらなる改良が加えられ、1942年6月にM10 GMC(Gun Motor Carrige:自走砲)として制式化された。

 

M10はM4A2をベースとしているため、搭載するのはゼネラルモーター製のGMC 6046ディーゼルエンジンである。装甲は傾斜装甲を広く採用したほか、装甲厚をベースとなった戦車型から減らし、最大装甲厚は57mmとなっている。これによって、T40で問題となった機動性を確保している。防御力の不足に備えて車体には増加装甲を装着するためのボルトが付いていた(ゲームでも確認できる)が、結局これに対応した装甲が製作されることはなかった。
砲塔は試作車ではそろばん型の変わった形状をしていたが、最終的により単純な5角形の砲塔となった。ところが完成後の試験で重量バランスに問題があることが発覚したため、砲塔後面に応急的にカウンターウェイトを張り付ける改造が施された(ゲームでは再現されていない)。その後1943年からははじめからカウンターウェイトを搭載し、形状が改良された砲塔が生産された。ゲームに登場する改良型砲塔はこちらである。
3インチ戦車砲M7は76mm Gun M1A1と同一の口径、弾頭だが装薬が異なり、弾薬の共用はできなかった。
砲塔は索敵能力を重視しオープントップであり、また精密な砲撃を可能とするため手動旋回だった。

 

そのほかバリエーションとして、フォード製のM4A3をベースとしてガソリンエンジンを搭載したM10A1が存在する。M10A1は基本的に本土で訓練用として用いられたが、一部が砲塔を外した砲牽引車としてヨーロッパに派遣されている。また、M4中戦車と同じ76mm Gun M1A1を搭載し、各部をさらに軽量化したT72も試作されたが制式化されなかった。
また、M10はレンドリースでイギリス軍や自由フランス軍、ソ連軍にも供与された。イギリス軍は本車を「ウルヴァリン」(クズリ) のニックネームを付けて運用していたが、一部をより強力な17ポンド砲装備の「アキリーズ」に改造している。
M10の生産は1942年9月から始まり、1943年12月までに約5000両が生産された。M10A1は1942年10月から1943年末までに約1700両が生産されたが、最後の300両は砲塔を外した状態で完成している。

 

M10は初めての本格的な戦車駆逐車として戦車駆逐大隊に配備された。
初めての実戦は1943年3月のチュニジア戦で、この時は想定通り敵戦車部隊を迎え撃って撃退している。
しかしその後、戦線が北アフリカからシチリア、イタリア本土へ移ると、M10は戦車と同じように、歩兵への支援射撃任務に就くことが多くなった。1944年からのフランス戦ではその傾向が一層顕著になり、大隊単位ではなくより小さい単位に分割されて歩兵と共同作戦を行った。
同軸・車体機銃を持たず、オープントップの手動旋回式砲塔を備えるM10にとって、このような作戦は不向きであり、市街戦などでは歩兵の近接攻撃で損害を出すことも多かった。そのため乗員は砲塔に機関銃を据え付け、装甲カバーを自作するなどの工夫を行って損害を抑えようとした。
「敵が機甲戦力で攻勢に出る」ことを想定して策定されたアメリカ軍のドクトリンは、連合軍が戦車の少ないドイツ軍に対して攻勢に出る現実に合わなくなってしまっていたのである。
とはいえ、時たま行われるドイツ軍の攻勢に対しては、大隊以下の規模ではあったものの、前線に素早く駆けつけて対戦車戦闘を行った。

 

その一方で、ティーガー Iパンターといったドイツの強力な戦車に対しては、M10の76mm砲は威力不足だった。1944年の暮れから対戦車火力の高いAPCR弾が配備されるようになったがごく少数で、無駄撃ちは出来なかった。

 

運用・装備の両面で不十分な状態にありながらも、M10はM36M18とともに、終戦まで戦車駆逐大隊の主力としてヨーロッパや太平洋戦線で戦い続けた。
なお、戦後の台湾軍においては、105 mm M4を密閉砲塔に搭載する改造を施した車両が存在したようである。

 

参考資料
『British and American tanks of World War Two』Peter Chamberlain, Chris Ellis
「アメリカ軍駆逐戦車」『グランドパワー』2011年7月号
http://combat1.sakura.ne.jp/M10.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/M10_%28%E9%A7%86%E9%80%90%E6%88%A6%E8%BB%8A%29http://army.chlin.com/BBS/viewthread.php?action=printable&tid=725

情報提供 Edit

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*1 76 mm AT Gun M1A2時
*2 改良砲塔はMausやKV-2と同じ
*3 v0.9.6にて駆逐戦車の視界が広範に低下調整を受けた中で本車は対象外であったため。Tier7になると同じく視界範囲低下を免れたT25/2の380mが最大となる。