Tier 6 アメリカ 中戦車 (課金戦車) / 略称:Thunderbolt
車体正面の増加装甲がどことなくT26E4 Super Pershingを彷彿とさせる。ただし空間装甲ではなく主装甲の一枚板である。
側面には史実通り“Thunderbolt VII”と刻まれたマーキングがある。
スペック(v1.10.0)
車体
耐久値 | 840 |
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車体装甲厚(mm) | 124/38/38 |
最高速度(前/後)(km/h) | 42/18 |
重量(t) | 37.0 |
実用出力重量比(hp/t) | 13.51 |
本体価格 | 3,100G相当 |
修理費(Cr) | |
超信地旋回 | 不可 |
ロール | 攻撃的中戦車 |
武装
名称 | 発射速度(rpm) | 弾種 | 平均貫通力(mm) | 平均攻撃力 | AP弾DPM | 精度(m) | 照準時間(s) | 弾速(m/s) | 総弾数 | 弾薬費(Cr) | 重量(kg) | 俯仰角 |
76mm Gun M1A2 | 16.67 | AP APCR HE | 128 177 38 | 115 115 185 | 1,917 | 0.38 | 2.1 | 792 990 792 | 71 | 96 2,800 68 | 1,590 | -10°/+25° |
---|
砲塔
名称 | 装甲厚(mm) | 旋回速度(°/s) | 視界範囲(m) | 重量(kg) |
M4A3E8 Thunderbolt VII | 64/64/64 | 38 | 370 | 5,350 |
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エンジン
名称 | 馬力(hp) | 引火確率(%) | 重量(kg) |
Ford GAA | 500 | 20 | 708 |
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履帯
名称 | 積載量(t) | 旋回速度(°/s) | 重量(kg) |
M4A3E8 Thunderbolt VII | 39 | 38 | 8,300 |
---|
無線機
名称 | 通信範囲(m) | 重量(kg) |
SCR 508/1 | 570 | 100 |
---|
乗員
1 | Commander | 2 | Gunner | 3 | Driver | 4 | Radio Operator | 5 | Loader |
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拡張パーツ
Class2 | Class2 | Class2 | Class2 | Class2 | Class2 | ||||||
× | × | Class2 | Class2 | Medium |
隠蔽性
非発砲 | 発砲時 | |
---|---|---|
静止時 | 11.34% | 2.80% |
移動時 | 8.49% | 2.10% |
車両に関する変更履歴
v0.9.18 | 新規実装 |
v1.9.0 | 修理費用を11%ダウン HPを750から840に変更 |
解説(v0.9.18)
- 概要
v0.9.18で追加されたTier6のアメリカ課金中戦車。
アメリカの誇る戦車指揮官クレイトン・エイブラムスが搭乗したM4A3E8 Shermanである。
JumboとEasy Eightの中間といった趣の性能を持つ。
- 火力
俯角は-10°と優秀だが、M4A3E8 Shermanよりは2°劣っている。- 76 mm Gun M1A2
アメリカTier5-6で広く使われるお馴染みの主砲。
同郷のM4A3E8 Shermanのものとは発射速度で劣る代わりに、照準時間と精度で勝る。
打撃力は変化がなく、やはり他国のTier6中戦車と比べて少々不安が残る。格上には課金弾を使用しても通用しない相手が多いので、M4A3E8と同様、機動力を使って側背面を狙う立ち回りが必要になる。
- 76 mm Gun M1A2
- 装甲
正面装甲は同格重戦車やM4A3E2 Sherman Jumboと同等かそれ以上というTier不相応の頑丈さを誇り、格下の射撃は弱点を撃たれなければ殆どシャットアウト出来ると考えていい。
弱点であるターレットリングとキューポラを隠すよう意識して戦おう。- 砲塔
防盾は177.8mmと分厚く、格上の砲撃も防ぎうる。砲塔側面の鉄板も30mmの空間装甲扱いであり、正面からに限れば砲塔側面も120mm相当とそれなりの防御力。
それ以外はほとんど抜かれるが、ハルダウンすればターレットリングやキューポラといった弱点の面積を削減することも可能。 - 車体
車体正面上部は123.5mm+傾斜で160mm超相当と、こちらもJumboをも凌ぐほどの重装甲。
一方下部は50.8mm傾斜で100mm相当の弱点であり、機銃口もやや広く63.5mmと薄くなっている。
側面はM4A3E8と同一で38.1mmと薄く、空間装甲や予備履帯が装備されているが大差はない。昼飯の角度はよりシビアに取る必要がある。
- 砲塔
- 機動性
増加装甲の副作用かM4シリーズの中では最も重く、出力重量比ではM4A3E8にはもちろん、Furyにも若干負けている。
旋回性能は平均的だが、総合的な機動力は中戦車としては今一つな所である。
- 総論
M4シリーズでは最もバランスに優れた主砲と正面には頑丈な装甲を備えているが、側背面が極端に薄く、機動力も劣る。
中戦車としても重戦車としてもどっちつかずの性能とも言え、特にTierミドルやボトム時に活躍することは難しいが、課金戦車故のクレジット優遇と乗員育成には有用である。
史実
↑ウェストポイント博物館にあるThunderbolt VIIのレプリカ
M4A3E8 Thunderbolt VII(サンダーボルト・セブン)とは、アメリカ屈指の戦車指揮官クレイトン・W・エイブラムス Jr.(1914~1974)が搭乗したM4A3E8 Shermanである。
彼は搭乗した7つの戦車全てに「Thunderbolt(サンダーボルト=雷)」という愛称を付けていた。
・第2次世界大戦
1944年9月、エイブラムス中佐はフランスのロレーヌ地方における最大の戦車戦アラクールの戦いに参加した。
エイブラムスの部隊は連携力でドイツ戦車と戦い、PantherやTigerを含む55両を撃破し、アラクールにおける連合国軍の勝利に貢献した。
一方で同部隊も14両のM4 Shermanが撃破されるという少なくない被害を受けている。
↑当時のエイブラムスとされる写真
アラクールでの戦闘指揮以上にエイブラムスを有名にしたのは、1944年12月~1945年1月のバルジの戦いである。
1944年末、敗色濃厚になっていたドイツ軍は、ヒトラーの命令の元、連合国軍の重要な兵站基地アントワープを攻略する一大反攻作戦を実行に移した。
補給を崩す事で西部戦線を押し返し、ダンケルク*1を再び起こそうと意図したのである。
その中でアントワープへの交通の要所バストーニュの攻略はドイツ軍にとって必要不可欠であった。
ドイツ軍はアルデンヌの森を通過して奇襲を敢行し、瞬く間にバストーニュの街を包囲した。
この突然の攻勢に第101空挺師団などの精鋭が急遽投入されたが、アメリカ軍は数的劣勢に立たされていた。
しかも冬装備・弾薬・食料・医療品がいずれも不足しており、おまけに何年かに一度の最悪な冬の天気が重なった為、空軍は装備の空中投下や支援攻撃も行う事ができなかったのである。
↑Thunderbolt VII
そこに現れたのがジョージ・パットン将軍率いる第3軍であった。
パットン将軍は「軍事的には不可解で非合理的だが、ヒトラーならやりかねない」という分析に基づいてドイツ軍の奇襲を予見しており、アルデンヌ付近まで軍団を転進させていたのである。
そして、その軍団の先鋒を務めた人物こそクレイトン・エイブラムス中佐であった。
エイブラムスの指揮する戦車部隊は機動力を活かして巧みに連携し、火力と装甲に優れたドイツ軍の戦車部隊を見事打ち破ってみせた。
連合国軍は奇襲で大きな打撃を受けたものの、これによってバストーニュの包囲網は断ち切られ、結果的にドイツ軍は最後の反攻作戦で敗北を喫する事になったのである。
バストーニュでの活躍を受けてエイブラムスは「戦闘において比類ない英雄的行為をした者」にのみ与えられる殊勲十字章(Distinguished Service Cross)*2を授与された。
エイブラムスの上官であるパットン将軍は、
"I'm supposed to be the best tank commander in the Army, but I have one peer — Abe Abrams. He's the world champion."
(私は陸軍で最高の戦車指揮官ということになっているが、私には一人の仲間がいる。エイブ・エイブラムス。彼は世界チャンピオンだ。)
と述べたとされている。
・その後
戦時中の最高階級は大佐(戦時の臨時昇進)だったが、戦争終結と共に中佐へ降格となった。
戦後、ヨーロッパへの配属で大佐となり、加えて陸軍戦争大学へ入学している。
朝鮮戦争には遅れて参加し、第1・第10・第9軍団の参謀長を順に務めた。
朝鮮戦争後は大佐→准将→少将→中将へと出世街道を進み、1964年には大将に昇進して陸軍参謀次長に就任した。
1968年6月からはベトナム派遣アメリカ軍の最高司令官となり、ニクソン大統領のベトナム化政策*3を指揮している。
↑四つ星の帽子が特徴
1972年10月からは第26代陸軍参謀総長に就任し、亡くなる直前まで職務を全うしていた。
葉巻の愛好家だったエイブラムスは肺癌を患っており、1974年9月4日に手術の合併症が原因で亡くなった。
まだ59歳の若さだった。
↑エイブラムスについての書籍(著:ルイス・ソリー)
・受け継がれた名前
エイブラムスが参謀総長に就任した頃、彼はXM1計画という新型戦車開発を推進していた。
死後、その新型戦車は開発推進者で偉大な戦車指揮官の名を採り、第3世代主力戦車M1 Abramsとして採用・量産されたのであった。
1991年の湾岸戦争にてM1 Abramsは真価を発揮するのだが、それはまた別の話である。
↑M1A2 Abrams
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