M10 Wolverine

Last-modified: 2024-01-01 (月) 15:16:30

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Tier 5 アメリカ 駆逐戦車

公式紹介ページ

スペック

車体

HP470
車体装甲厚(mm)51/38/38
最高速度(km/h)38
重量/最大積載量(t)27.74/23.49
本体価格(シルバー)415,000

詳細

パッケージ名エンジン武装履帯砲塔
出力弾種貫通力ダメージ総弾数弾代発射速度
照準時間
精度
旋回速度砲塔装甲旋回速度視認範囲HP通信範囲
初期状態Wright Continental R-975EC23-inch AT Gun M7M10T41M10T72470395
350AP
APCR
HE
101
157
38
110
110
175
5456
7G
56
14.29
1.70
0.43
2857/25/2517370
105 mm AT SPH M4 L/23開発時Wright Continental R-975EC2105 mm AT SPH M4 L/23M10T42M10T42395
350HE
HEAT
53
101.59
410
350
30166
10G
7.59
1.70
0.53
3057/25/2517500
76 mm AT Gun M1A1開発時Ford GAA earlyFord GAA early76 mm AT Gun M1A1M10T42M10T72500615
500AP
APCR
HE
128
177
38
115
115
185
5496
7G
68
17.14
1.70
0.41
3057/25/2517370
76 mm AT Gun M1A2開発時Ford GAA early76 mm AT Gun M1A2M10T42M10T72M1615
500AP
APCR
HE
128
177
38
115
115
185
5496
7G
68
18.75
1.70
0.38
3057/25/2516370

解説

  • 概要
    Tier5アメリカ駆逐戦車
    米TDの全周砲塔第1号。
    他国戦車が固定砲塔なのに対し、中戦車張りの性能と機動力で敵を翻弄できる。
    安定した性能の76mm砲と、強力な火力を浴びせる105m砲があり、軽量化したシャーマンのような感覚で使えるが、防御力はそこまで高いわけではないのでなるべく被弾は避けたい。
    砲塔旋回が遅い点に気をつければ中戦車に近い運用もできる。
    優秀な砲を持ち、隠蔽率も良好な上に、視界も広く、砲の俯角も十分あり、非常に扱いやすい駆逐戦車となっている。
    砲の自由度を稜線射撃に生かしたり車体を傾けて防御力を増させたりと、特性にあった扱いを覚えると頼もしい車両になってくる。
     
  • 火力
    主砲は、大口径榴弾砲の105 mm AT M4か性能の向上したバランス型の76mm AT Gun M1A2かの2択となる。
    • 3-inch AT Gun M7
      当車両の初期砲兼史実砲となっている3インチ砲。
      T56の初期砲であり、M8A1T67にも搭載可能とアメリカ対戦車砲としてはお馴染みの砲。
      発射速度や照準速度といった細かい性能は向上しているが、貫通力やダメージといった基本性能は同じ。
      Tier3時代ならまだしも、Tier5でAP貫通力101mmは駆逐戦車としては少々力不足。
      フリー経験値を使って105mmを開発するか、または課金弾で貫通力を補って次に進みたい。
    • 105 mm AT SPH M4 L/23
      いわゆる10榴。高い榴弾の攻撃力で相手を選ばずダメージを与えられる。
      他車両の10榴と比べると、弾道が低く弾速も若干優れているため予測撃ちが当てやすいという利点がある。
      さらに、装填が多くの榴弾砲と比べると2~3秒ほど早く、照準時間も短い。
      とはいえ精度の低さは如何ともしがたく、近接機動戦の苦手なこの車両では中戦車のように積極的に距離を詰めて精度を補う使い方もリスクが高いため、最初はこの車両に合わせた立ち回りや位置取りに頭を悩ませる事になるかもしれない。
      T40の10榴は俯角が5度しか取れなかったが、本車両では10度取ることができるため、斜面・稜線での使い勝手が向上している。
      また、隠れて敵に近づいて背後から素早く撃ち込むといった使い方も旋回砲塔のおかげで可能となっている。同格のT67は単発火力の高い砲を装備できないので、この砲をうまく使えたら、攻撃面においても差別化できる。
      難点としてはパッケージの関係で、改良砲塔との併用が不可能な点が挙げられる。
    • 76 mm AT Gun M1A1
    • 76 mm AT Gun M1A2
      精度とDPMに優れるバランスの良い76mm砲。
      M1A2はM1A1の上位版で、基本性能はそのままに発射速度と精度が向上している。
      本車両の76mm AT Gun M1A2の発射速度はTier 6中戦車であるM4A3E8 Shermanのものより速い。
      乗員の熟練度100%なら3.2秒に1発という速射が可能であり、76mmが通じる相手ならHPを削り取っていける。
      だが単発火力と貫通力の面ではT40の最終砲から変わっておらず、格上の重装甲車両を相手取るにはやや辛い。
      機動性を活かして、弱点を狙える位置取りや薄い相手を撃てる状況を探そう。
      幸いAPCRの貫通力は177mmと高めなので、課金弾を何発か持っておくと楽になる。
       
  • 装甲
    車体正面は51mmの傾斜装甲のため数値以上に硬く、側面も38mmとM4並の防御力を持つ。
    砲塔はそこまで厚くなく、正面は57mmとそれなりにあるが側面は25mmとかなり薄い。
    さらにオープントップであるがゆえに自走砲などの曲射榴弾に弱く、砲塔後部には弾薬ラックがあるため大きな弱点となっている。
    もともと砲塔旋回速度は遅いが改良砲塔の旋回速度は更に遅く*1、軽戦車や中戦車のような接近戦は難しい。
    砲塔の旋回だけでは敵を捉え切れない事もあるので同時に車体も旋回させたり、予め敵のいそうな方向に砲塔を向けておく等の工夫が必要になってくる。
    車高は砲塔が乗っているため駆逐戦車にしては高めだが、M4よりは少し低い。
    なお、砲塔を換装すると耐久値が向上するが、旋回速度が若干下がる。
    元が低いので大きな違いではないが、欠点には違いないので覚えとこう。
     
  • 機動性
    最高速度はそこそこ出せるため、陣地転換はそれなりにスムーズに行える。
    ただし後退速度と出力重量比はT40から若干悪化しており、とっさに下がって隠れるような挙動ではわずかな遅れがダメージのもとになりやすい。
    また上り坂では速度は非常に遅くなる。稜線を使う際は横からの狙撃や自走砲に注意が必要。
    追加されたM10 Late(GAA)パッケージでは500馬力のエンジンが搭載され、中戦車並の機動性が確保できるようになる。
     
  • 索敵能力
    370mと駆逐戦車としてはまずまずの値。
    いざというときには偵察運用も可能。
    ただし大柄なため、隠蔽率は駆逐戦車としては少々控えめ。
     
  • 総論
    視認範囲、通信機の範囲、隠蔽率のどれも高いレベルに纏まっているので、偵察運用の適正も高い。
    待ち伏せも単独で行えるため、たとえ最後の1台でも侮れない戦力となる。
    主砲の貫通力が駆逐戦車としては少々物足りないが、その辺は運用でカバーしよう。

史実

 それまでのM3中戦車をベースに、対戦車砲を搭載しただけの駆逐戦車に満足のいかなかった米陸軍戦車駆逐委員会に対し、新しくT35E1として試作車両を1942年4月に仕上げました。
試作車はM4A2の車体に傾斜を多用した避弾経始を図ったものに、3インチ砲を搭載したオープントップの全周囲旋回砲塔を搭載することで高い評価を受けました。
 T35E1は、防御力よりも機動力を委員会から要求された結果、装甲厚が減らされ軽量化による速度向上を果たしました。 
装甲が薄くなった替わりに、外装式の追加補助装甲を取り付ける取り付け具が砲塔側部や、車体のあちこちに設けられました。
1942年6月に、M10駆逐戦車として正式化されました。 1943年の生産終了までに4,993両が生産され、10月にはM4A3をベースとするM10A1が1,413両作られました。 
うち、イギリス軍には1,648両が供与され、カナダやオーストラリア軍へも配備されたとされています。 
M10系列は、大きな改修が施されなかったものの、砲塔容積により、前期/後期に分けられ、さらに、砲塔後部のカウンターウェイトが3種類、生産時期により変更されました。 
後期モデルになると、砲塔と車体側面の追加装甲取り付け器具を省いたまま、ヨーロッパ戦線へ送り出されたものもあったそうです。

また、イギリス軍において、ウルヴァリンの名称で呼ばれ使用されましたが、主砲をファイアフライにも使用された強力な17ポンド砲へ交換、作業はマズルブレーキと砲塔部の小改造で済むため、後期型M10は大戦後期殆どが17ポンド砲に交換されて、アキリーズと呼ばれるようになりました。 アキリーズはギリシャ神話に登場する俊足の英雄「アキレウス(アキレス)」から付けられたそうです。
ただし、供与された内の何両がアキリーズに改造されたのかは、詳細不明となっています。

ウルヴァリンは、イタチ科のスグリを指します。 時に、自分より大きな鹿や羊を木の上から奇襲をかけて、強力な顎で脊椎などの急所を噛み砕いて仕留める為、この事が駆逐戦車に合致する事から、この名がついたのではないかと思われます。

避弾経始を採用した車体から、V号戦車パンターに似ていた為に1944年末のバルジの戦いにおいて、当時のドイツ国防軍SS特殊部隊を率いるオットー・スコツェルニーによって、ミューズ側にかかる橋を爆破される前に奪取する作戦「グライフ作戦」が立てられます、これは、ドイツ軍コマンド部隊がアメリカ軍に化けて橋へ前進して爆破するという奇策でした。
作戦のためにパンターを徹底的に改造、砲塔周辺を鉄板で囲いM10そっくりに仕上げ、キューポラ撤去に伴いハッチに変更、スカートやシュルツェンの取り外しや、尾部と前部を大改修し、フックや砲固定のトラベルロックを追加、側面に予備履帯を付ける、マズルブレーキを外すなど、塗装を含めて遠目には判らないほどのオーバークオリティな偽装を施した事は有名で、ゲーム中でもドイツ軍課金戦車M10/パンターとして登場しています。 後にアメリカ側で調査された際には、情報士官も認めるほどの出来栄えだったと言われています。

本来、鹵獲した米軍車両を使う予定が、数が揃わずに苦肉の策として、オットースコツェルニー中佐によれば、およそ12両が配備されたそうですが、進軍に手間取り作戦には間に合わなかったそうです。 
他にもIII号突撃砲をオリーブドラブに塗り米軍の星マークをつけたものや、1号戦車をベースとしたハリボテシャーマンも用意されていたらしいのですが、どう見てもこれらは疑問符しか湧かないような物でした。
なお、SS特殊部隊員はグライダーからパラシュートで降下、アメリカ軍の中に紛れ込む作戦でしたが、捕虜などから調達した軍服が階級や部隊などまちまちで、冬なのに夏服があったりとか・・・、おまけに、なぜかソ連兵の軍服まで混じっていたりして、なかなかちゃんとした数が揃わなかったそうです。 隊員は英語ペラペラな元船員の兵士が招集されましたが、時間的な制約から特殊部隊の訓練は受けておらず、コマンド部隊としては素人同然でした。
実戦でのスコツェルニーの作戦は失敗といっていい結果でしたが、アメリカ軍に化けたのではなく普通のドイツ軍服SS隊員に遭遇したり、アメリカ軍に噂が飛び交った結果、「偽米兵がパラシュートで降下してきた」、「アイゼンハワーをさらいに来た」、「すでにドイツ軍に包囲されている」などとと噂が尾ひれを生やして大パニックに陥ったそうです、しまいには疑心暗鬼の塊になり大変だったそうで、米兵を見かけたら「ミッキーマウスのガールフレンドは?」とか「イリノイの州都は?」など、アメリカ人なら分かる質問をする事が決められ、しばらくの間、憲兵が問いかける事が続いたそうで、結果的には成功だったともいえるそうです。
ちなみに、アイゼンハワーの噂は、捕虜になったコマンドが尋問中に咄嗟についた、「パリに滞在中のアイゼンハワーの誘拐・殺害」という出任せが、流布したと言われています。
余談ではありますが、スコルツェニー親衛隊中佐はこの作戦は失敗だったと語り、またアメリカ軍の軍服を着たドイツ兵はスパイとして銃殺されたそうです。

ある部隊の将校の乗ったジープが通りかかった野戦憲兵に呼び止められ、「イリノイ州の州都はどこか? アメリカ人ならわかるはずだ!」と問うと、「スプリングフィールド」と答えたところ、憲兵に拘留されてしまいました。
実は、この憲兵を含めて、「シカゴ」と誤認している事が多かったそうで、「スプリングフィールド」が正しいと知らなかったために、誤って軟禁してしまいました。 その将校はなんと、オマル・ブラッドレー野戦司令官だったのでした。

コメント

  • こいつの砲ってどっちがいいんだろ?自分はソロ時は10榴でワンチャン狙い、プラ参加時は支援特化のM1A2にしているのだが・・・ -- 2017-02-14 (火) 10:37:58
    • T67との差別化を考えれば10榴なんだけどパッケージの関係で76mmに対して機動性が悪化するんだよねぇ…悩ましい -- 2017-02-14 (火) 12:50:40
    • 10榴の恩恵が一番大きいのってTier4TDだと思うんだよね。米国のT40(俺は貫通弾のAP派だけど)、ドイツのStuGIII B、Hetzerとかね。 -- 2017-02-14 (火) 12:55:43
    • 回答ありがとう。やっぱしどの砲も帯に短し襷に長しなんだよねえ・・・使用感としては、 -- 2017-02-14 (火) 18:41:02
      • 途中送信&コメ欄汚しごめん。使用感としては、バランスよく立ち回りたいなら76mmだけどクレジット収支を考慮するなら10榴って感じかなあ -- 2017-02-14 (火) 18:45:18
  • やっと2優等になったソロのみ76mmメインの意見でゴメンだけど、ソロなら基本10榴推し。76mmは速射できて足も精度もまあまあで器用だけど器用貧乏になりがち。こいつ自体T67と比べるとバランス型だけどね。 -- 2017-03-29 (水) 13:57:54
  • 自走砲で前線張ってるこいつにスリーポイント決められると楽しい() -- 2018-05-26 (土) 21:56:02
  • こいつとT67ではどちらが使いやすいですか? -- 2019-09-25 (水) 18:08:17
    • 比べるものでもないかと。まぁT67は絶対に見つからない、位の技術というか、ちょっとどころじゃなく特殊だから普通に扱うならウルヴァリンかな。 -- 2019-09-25 (水) 20:02:25
    • 足速いけど視界が短いのがT67、機動性はそこそこだけど視界が長いのがこいつ。T67はハマれば強いけどWolverineの方が汎用性が高いので使いやすさという点で言えばWolverine。 -- 2019-09-25 (水) 20:05:03

*1 MausやKV-2と同じ