内向的感覚(Si)

Last-modified: 2024-03-04 (月) 16:26:57

内向的感覚 (Introverted Sensing, Si)

私たちは、眼、耳、鼻、舌、肌のそれぞれの感覚器官を通して、 視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感を得ることができ、外部の情報を受け取ります。 また、体内から様々な情報を受けとり、自分自身の肉体の存在に気がついています。 そして、経験したことを記憶しています。

その記憶は、現在の体験と関連する過去の体験を比較するときに必要となります。 今現在の経験はすぐに前回の経験と結び付けられ、 似ている点や異なる点が新たに記憶され整理されます。

各時点での経験と記憶を繰り返し比較することで、 この世界についてのイメージがより鮮明で広がりをもったものになってゆきます。 個人的な経験によって蓄積された記憶は知識の源となり、日常的に「すべきこと」を思い起こさせます。

キーワード
習慣、馴染み、歴史、伝統、文化、既存、規範、信頼、粘り強い、仕事を終わらせる、詳細、記憶、連想、現実、イメージ、 経験、過ちを繰り返さない、注意深い、ミスを避ける、慎重、データをよく見る、保存、備え、蓄え、 安定、郷愁、懐かしさ、いつもと同じ道、質実剛健、義務、誠実、忠誠、従順、保護、守備、安全、 ガイドライン、古くからの親友、身体感覚、自己の存在感覚

内向的感覚が第一心理機能であるタイプは、ISFJ, ISTJです。
内向的感覚が第二心理機能であるタイプは、ESFJ, ESTJです。

内向的感覚は、身体の内部からの情報を感受します。 体内の感覚を敏感に感じ取ります。例えば、疼痛、餓え、渇き、体温、筋肉の緊張などです。 これら身体的な感覚に敏感であること、そして身体の異変に気がつくことは、 生命の維持において大変重要だったことは想像に難くありません。

身体の内部に注意を向ける医療やスポーツは特に東洋で発達しました。 このタイプが、そういった伝統的な健康法に興味をもち実行していることがよくあります。

内向的感覚の主な働きは記憶の維持と活用にあります。

あるものは食べると腹痛を催すから避けるべきであるとか、 ある場所は雨が降ると危険で近づいてはならないとか、 どのあたりに食べ物を隠してあるといった記憶は生物にとって大切な情報です。

過去に経験したこと学習したことは記憶として蓄えられ、 折りにふれて、その情報を脳内から受け取ることになります。

内的に蓄えられたデータや記憶は経験のたびに比較検討されしまい込まれます。 内向的感覚が発達しているタイプは、記憶に優れ、詳細なデータをきちんと分類整理します。 また、何か昔の得た記憶を連想させるような出来事に出くわすと、過去の記憶が次々に蘇ります。

内向的感覚は、情報受容の心理機能であるので、能動的に働かすものではなく、自然と起こるものです。 そのため、記憶の想起や連想はときになんら意志とは関係なく制御されないまま現れてくることがあります。

大量のデータを何の意味付けも得られないまま抱えていることがよくあります。

他者の蓄えた有益な情報も知識の源になります。 そのため、よく本を読み、文献を調べ、細かい点まで注意して見ています。 また、歴史的なことにも興味を持ちます。

記憶中心の学習を求められる学生やホワイトカラーの職業人では、この物覚えの良さが強みになります。 それゆえ、テストで良い点を取ることができ、仕事場では頼りになる同僚になることでしょう。

一方、関連性を見出したりや意味づけを行ったりせず、ありのままの状態を具体的に想起するので、 抽象的で具体性に欠くアイデアやその着想に基づいた話には興味が持てません。 また、背後にある意味にまで考えが及んでいないことがあります。

対比を繰り返し、経験から学ぶ態度が確立されます。 繰り返せば繰り返すほど、馴染み深く感じるようになり、信頼を置くようになります。 繰り返しと比較検討によって、詳細で緻密なことろにまで意識をゆき届かせることができるようになります。 特定の仕事において、一通りの過程を習熟しすると、その後は脇道に逸れることなく粘り強く繰り返すことができます。 細かいところまでよく気づき、記憶力がよく、仕事を最後まで終わらせようとするので、非常に信頼されます。

身なりや食生活はあまり変化がなく、質素になる傾向があります。 目新しい商品に興味を持つことはあまりないでしょう。 物を買うときは注意深く、本当に必要なものだけ選び、好奇心で買うことは控えます。 そのため、生活全体が華美になることはありません。 貯蓄を大切にし、もしもの時に備えます。

習慣を信頼し、既に確立された方法を好みます。 なぜなら、それらは多くの経験に基づいて効果、実用性が実証されたものであると考えられるからです。

古くからの人間関係、古くからの方法などをとても大切にします。 その一方、新しい人間関係、別の手順などを受け入れることには消極的で閉鎖的になってしまい、 新しい可能性とそのインパクトについて考えが及ばないことがあります。 その場合、柔軟な発想がない頑固な人である受け取られることになります。

規範、伝統、ルールを身につけ、歴史的価値観や作法、熟成した文化など、末永く続くと期待できることを信頼します。 そのことから安定感のある方法、組織、制度に対して惹きつけられ、それらを担い維持する役割を負うようになります。

コメント

  • 自由を嫌い、ルール作ったり我慢させたがる内向的感覚者の方がむしろ規範型的に見える、すなわちINTJ、INFJよりINTP、INFPの方がJっぽい。そうやって我慢させることで、鬱憤が溜まった若者が社会を破壊することに繋がる。 -- INTJ 2021-03-29 (月) 03:41:47
    • このサイトのJとPの説明は、間違っていると思います。まず、4文字目のJとPは、2文字目の知覚機能と、3文字目の判断機能のどちらが外向されているかを表していて、主にその人の、他の人から見た印象に影響します。 Jは結論付けや計画立てを好み、決め付けてかかる様に見え、Pは結論を急ぐ事を嫌い、判断の為の情報収集を好み、優柔不断に見えます。 -- INFP 2021-04-26 (月) 18:50:14
  • 真面目じめじめカビ臭い -- INTJ 2021-04-14 (水) 21:36:00
    • 真面目なら、的確な指示を出して上手く利用してやればいいんじゃないの、って思うじゃないですか。  でも新しいものを受け入れてくれない、理屈通ってない理由で真っ当な指示を突っぱねた上で本人が慣れ親しんでる変なやり方で真面目に続けられるなら真面目が仇になりますね。   カビ臭いのはまぁ新鮮ではないですしカビも生えそうかも? -- 同じくSi持ってないタイプだよ? 2021-05-04 (火) 23:22:17
  • すべての機能のうち、よく使うものでタイプが決定されるだけであって基本的にすべての人間が全種類の機能を使っています。 したがって”持っていない機能”というものはありません。 初心者にありがちな勘違いですね -- 2022-02-21 (月) 14:40:18
  • 最終的にはintjの人も必要になる感覚だから、もしSiを使ってる人がかび臭いというならintjもちょっとだけかび臭いんだよなあ -- 2022-04-18 (月) 00:35:24
  • こういうのをカビ臭いとか言っちゃうタイプって周りから浮いた突飛な事をするのが格好いいとでも勘違いしてるのが多いよね そういうのが組織の中で暴走しないためにこういう人達が存在する -- 2023-02-24 (金) 17:18:17
  • Siを第1、第2機能として持ってる人達の部屋って凄い整理整頓されてて綺麗そうだよね -- INTP 2023-03-18 (土) 13:14:29
  • Siとは関係無いキーワードが多すぎます。Siは内向的知覚機能、言い換えれば「自分なりの認識」です。Niと同じように自身の主観を介した知覚であり、判断機能ではないのでSiはルールを “決めたり” 伝統を “大切にしたり” しませんSiは情報を取り入れるだけですが、なぜか誤解が多いです。Si単体では現在の情報を過去と照らし合わせる事を行います。身の回りの物と過去の記憶が何らかの形で繋がり、その瞬間を再び体験するようなリアリティで呼び起こすのがSiです。一瞬のうちに以前の経験と照らし合わせるので時には錯覚さえ起こります。新しいものが既存の何かと似ていると感じるとその物にまとわり付いていた雰囲気ごと蘇り、その慣れた空気に安心感を感じるのであって、タイプ6の動機とはまた別物です。タイプ6と混同されていますが、タイプ6のように外の指示に頼るのは外向的判断であって、Siは内向的知覚なので自分の経験に頼ります。また「安定」は恒常性のような内的なものであって体内のバランスを保つ事であり、保守主義とは意味が異なります。そもそも「主義」や「べき」は知覚ではなく判断機能です。 -- ISFJ 2023-04-19 (水) 12:30:07
    • Niが「抽象化された情報を取り入れる」とか「情報を取り入れて抽象化する」、そして「抽象化された情報と照らし合わせる」だとしたら面白い対比だね。だからタイプ論にも書かれているように、何かを見たりしたときに自分の過去の記憶や経験でなく、抽象化された知識の中の類似するもの(姿形というより概念的に似ているもの)に結びついたり頭に浮かんだりするのか。類推が得意になるわけだ -- INFJ 2023-05-03 (水) 19:28:46
    • MBTIに書いてあるかはわからないけど、自分の感覚で話します。知覚機能は、快・不快、の感覚を生みます。結果として快をより得に行く、不快を避けるといった行動を決めて向かわせる衝動性みたいなものを生みます。人は判断だけで行動を決めないし、何なら感覚的習慣的衝動的に決める事の方が平和な日常だと多いです。なので、Siであれば習慣を好む、Niであれば意味など抽象性、Seであれば具体性や実利を好む、みたいな側面があるかと思います。つまり何が言いたいかというと、ISFJさんのただ情報を取り入れる機能で、ルールを決めたり、伝統を大切にしたりしないというのは合っていると思います。が、Siにはルールを決めて安心したい、伝統を大切にしたい。そういった衝動みたいなのは存在する傾向がある思います。なので、決めないとも言えるし、決めるとも言える。(実際は単体の機能だけが働く事は無いので、より複雑ですが) -- 2023-06-10 (土) 20:38:15
      • Seな人から正直言えばですが、快・不快を知覚時点でもつのはSiとNiがもっぱらだと思います。知覚外向型であっても裏ではSiやNiが抑制されながらも動いているのでなることがありますが。SeとNeはむしろそういうような情動を抑制するといったほうがいいでしょう。これならば、外向型の両者が自分の身の危険とかをガン無視しがちなのは説明できますからね。鳥を見て窓から落ちるとかね。 -- 2023-06-12 (月) 19:58:44
    • 自分の場合、安全や安定を求めるのは、それが身体的に快適だからです。実際に快適さを得るためにどうするかというと、Neが弱いからか、新しい方法はあまり思いつきません。そうなると、自分や世の中の人々が過去にうまくやってきた実績のある方法を参考にするのですが、こういうところが保守的なのだろうなと思います。 -- 2023-06-27 (火) 21:36:06
  • ルールに従って上手く生きた過去の経験に頼って、ルールを決めたり守るのが大事だと考えるようになるんだけどね。親の言うことを聞いたり、先生の言うことを聞いたり、その結果でね。まあ、悪いことじゃないと思うよ。ルールが無いと、あっという間に秩序は乱れるんだから。 -- INTJ 2023-05-10 (水) 04:21:12
  • Siある浪人生とかが「過去を取り戻す」みたいなこと言ってるたびに「ほへ…?」ってなる。 -- ISFP 2023-10-23 (月) 04:56:54
  • マウスの握り心地とかキーボードの打鍵感みたいな数字に出来ない感覚的な事までよく覚えてるので、Siユーザーはレビュワーとして最も信頼できるな。Seも感覚には敏感だけどそれを記憶するのはいまいちなんで、どうしても手に取って確かめるしかない。こういう所がSe=脳筋ていわれるんだろう、Siはスマートなんだよな -- ISTP 2023-11-02 (木) 09:41:57
  • si持ちとni持ちは相容れない。前者は過去の話をするとき「その時どうすればよかったの?」と言う。しかし、後者は今この話をすることで、次どう改善するかを重要視する。話し方としては、前者は事実について滔々と話し、後者は推測について淡々と話す。同じトピックだったものの論点がずれていき、必然的に結論も違うところに両者着地する。 余談だがmbtiは横の区切りしか提供しない。更に分割するときでさえ横にしか区切らない。縦の区切りは提供されていないので、どのタイプであるから有能である、ないとはまた話が変わってくる。いわば横のものを上下比較することに間違いがあるわけで、例えれば農家が農業をよりよく効率化することでさえ、彼らは十分賢いと言える。 -- 通りすがりの人? 2023-11-05 (日) 13:24:09
  • これSiだと思うんだけど、街を歩く度に過去の出来事とその時感じた雰囲気を高い頻度でもう1回過去と重ねて感じることが凄く多い。出来事というより、以前歩いた時の町の感覚とか雰囲気をそのままリプレイする感じ。 -- 名無し? 2023-11-12 (日) 06:44:08
  • 普段見聞きしたことを記憶するなんて誰でもやっていることだと思っていたから、逆にSi主以外の人は何を見て日々暮らしているんだろうと不思議になる。 -- 2023-12-06 (水) 15:38:51
  • Seだと日々更新される情報の詳細受け取ってTiFiですぐ判断する感じ?使わない情報は自然に忘れていく。その場に適応したりチャレンジ精神あっても堅実、過去、遠い未来はそこまで重視してないと思う。Si優勢の人って旅行とか宿、同じ場所時間あけたらもう1回行きたいもの?新しい所の方がいいかと悩む -- 名無し? 2023-12-12 (火) 16:24:23
  • 本当、これは因習というか、村八分的で将来の見通しができない心理機能だなと。だからこそ今の時代は「気づき、目覚め」がにわかに出てきた。滅びの未来を避けるため皆が知らなければならないことよ。 -- INTJ 5w4? 2024-02-18 (日) 03:29:09
    • ほんこれ。現状維持を目指すだけでは緩やかに破滅へ向かっていくことくらい日本の現状を見れば明らか。なのに失敗を恐れてるのか知らんけど、Siユーザーは動こうとしないどころか邪魔までする始末。今の社会に必要なのはNi-Se軸的発想だと思う。 -- ISTP 2024-03-04 (月) 16:26:57