内向的直観(Ni)

Last-modified: 2024-04-30 (火) 14:32:59

内向的直観 (Introverted iNtuition, Ni)

複数の事象や現象、概念の共通性や関連性を捉え、ひとつの象徴的なイメージに集約します。

そのイメージはシンプルですが、そこから派生する解釈や可能性は多様です。 しかし、内向的直観は、その多様性よりも、イメージの収束性に重きを置きます。

これによって、一見複雑に見える世界を前にしても、根源的な要素を捉え、深遠な理解に到達することができます。

特定の物事についての枠組みやモデルが繰り返し洗練されてゆきます。

この過程は無意識のうちに起こり、突然にひらめきが生じます。 意識的な努力によって導かれる類のものではありません。

このひらめきは、本人にも理屈では説明できない予期や予感を与えるものであり、 これを信じる者は、何を為すべきか、次にとるべき行動は何か、確信を持つことができます。 長期的なビジョンを与えます。

キーワード
ひらめき、インスピレーション、印象、イメージ、集約、根源、シンプルマインド、 洞察、推測、内観、内的モデルとその洗練、パラダイムシフト、超越、 関係性、相互作用の認識、影響の認識、現象の解釈、経験の意味付け、シンボル、核心、確信、パラドックス、統合、収束、 アイデア、概念、抽象的、理論的、一般化、普遍性、法則、全体像、包括的、システムの理解、比喩、 パターン認識、傾向認識、予感、予期、長期的視野、ビジョン、啓蒙、改革

内向的直観が第一心理機能であるタイプは、INFJ, INTJです。
内向的直観が第二心理機能であるタイプは、ENFJ, ENTJです。

この心理的機能を活用しないタイプにとっては極めて説明が難しいものです。 また、内向的な性質を持った心理機能なので、本人はこれを言葉で説明するのに苦労します。

ときに問題解決に向けてあれこれと考えるとき、ただ言葉で説明して分析し整理するだけでは 到底太刀打ち出来ない時がありますが、 イメージやシンボルを用いた手段でこれを難なく成し遂げることができるのは事実です。

内向的直観を活用するタイプは、このことによく気がついていて、自分の懸案に対して、自然とヴィジョンが生じるのを待ち、 一旦そこに至ると、確信を持ってそれを信頼します。

内向的直観は情報の受容に関わる心理機能で、意識内で自然と起こるものです。 そして、予感やヴィジョンを与えるものの、 その明確な理由を与えることができないので、神秘的な能力のように見えます。

内向的直観が優勢なタイプは、外界の環境の詳細にはあまり目が行き届きません。 観察対象をありのままに詳細に捉えるとしても、それは限定された範囲になってしまうことが多いでしょう。 五感によって得られる情報を限定し意識を集中させ、 受容的な態度を保つことで五感を超えたインスピレーションを得るという点において、 瞑想と一致してることは注目に値します。

様々な経験を通して、 五感から得られる情報を無意識のうちに収集し、意識下で統合的なプロセスが起こっていると考えられます。 そして必要なときにヴィジョンが浮かび上がるのです。

これらは、単なる予感であったり、明確な視覚的ヴィジョンであったりします。 また、聴覚や触覚に訴えるものもあるでしょう。

これらは、本人にとって本当に起こっているように感じられたりもするものですが、大抵の場合、現実と区別されます。 実際は、経験の最中よりも後から時間をかけて意識に登ってくることの方が多いかも知れません。

パターン認識が得意で、背後に働いている力、隠された意味、物事の関連性を見出します。 出来事や人の行動から読み取ることのできることを把握し、次に起こり得ることを予見します。

そのような象徴的なシグナルは他のタイプには見落とされがちですが、 この心理機能を利用するタイプは、ちょっとしたシグナルからでも結論に至ることがあります。

このような予見はときに自分のみならず他人に対しても警鐘を鳴らすことになります。 そして、必要が迫れば、人々を啓蒙し変革を促すよう働きかけるかもしれません。

個々の具体的な事実にはあまり興味はなく、普遍的な法則や抽象的な理論を認識します。

突然、明確な理解が意識に上ったとき、本人は言葉にせずとも、 「そうか!わかったぞ!」とか「なるほど!」などと心の中で叫んでいるかもしれません。

この内向性で情報受容の心理機能が一旦確信に至った後は、外界に対しての心理機能の働きによって このヴィジョンが実現されることを強く望むようになります。

そうして、実現すべき課題に取り組みはじめるわけですが、これはときにヴィジョンを生み出した時よりも ずっと困難がつきまとうものです。 この心理機能にばかり耽っていると、関心が狭まり、現実を認識する努力を怠ってしまいます。

一旦強い確信に至ると、新しい事実や変化する現実を観察することに対して消極的になる傾向があります。 その弊害として、実現不可能な世界観に閉じこもってしまう可能性があります。

イメージやシンボルには、異質だと思われることや逆説的で一見矛盾していると思われるものさえも統合する 働きがあります。この点、思考による分析とは異なります。 これによって、新たなレベルでの理解が可能になります。 複雑なシステムや理論であっても、それらへの関心を少数のことに集中させ、 概念どうしの差異、類似性、そして関連性を認識しながら、より統一的で普遍的な理解に至ろうとします。

コメント

  • 絵が上手な人は不思議と優しい温厚な人が多い気がする -- INTJ 2021-04-02 (金) 23:14:36
    • 多分、芸術が内向感情機能の分野だからです。 -- INFP 2021-04-26 (月) 19:01:12
  • Niがバリバリに働いてると、何をしていても頭の中に色んなイメージが行きかってるし、誰かと話している瞬間にも思考の軸がポンとどっかに飛んでいきますね。 -- 2021-05-21 (金) 13:20:16
  • 考えて出した結論ではないけれど、「あ、こうした方がいいんじゃない?今気付いたけど」みたいなのがNiなのかなーって思います。 こうしたらどうなるみたいなのを考えるのではなく見つけるといった感じ。 あるいは、ややこしい話を聞いて、ああこういう風なニュアンスってことですね?って察する、とか? -- 2021-05-31 (月) 09:20:08
  • 先の方と似たような話ですが、他人同士の会話に途中から行き合わせて、その会話の主題はもとより、一方が他方に何を求めているかとか、その会話の「あるべき着地点」みたいなものが先に分かるような感覚をしばしば覚えます。でも肝心の話者同士はその流れが見えずに迷子のようになっているときもあって、なにがそんなに難しいのかなと内心思うことも。 -- 2021-06-04 (金) 15:43:19
  • 直感的な閃きだから論理的合理的な答えを先に出せるというのとは違うかも、、「そんな問題より、宇宙ってやばいよな」みたいな思考に常になっちゃうような人だと思う、それが芸術家とか宗教家とかになって自身の直感を表現しているんだろうね。 -- 2021-07-26 (月) 19:50:41
  • 分かっている(と本人が信じている)答えに他人を導くためにこじつけ -- 2021-10-08 (金) 20:57:09
  • 後付けで論理を付けれるのが直観でそれがないのはただ頭のおかしいやつ -- 2022-01-06 (木) 20:28:50
  • 直観が働いている時の前が見えなくなる感も、何かを思いついた時の「ピーン」って感じも、ここ一年半あんまり感じないんよね⋯なぜか未だにintj判定だけど -- 2022-03-25 (金) 15:18:08
  • ぼんやりテーマについて考えていて、全然そのテーマと関係ないことでも要素として取り入れることが出来そうかつ、今の雰囲気ならこれはウケる、Goだ!って時はほぼ正解。逆にほんとに丁寧に堅苦しく調べて、型は正しいけど準備してもなんかつまらんなって時も間違えなく結果イマイチ。 -- 2022-04-23 (土) 13:39:00
  • Seが刺激耐性で微妙な差を感知できるなら、Niは何の耐性になってどんな調整がうまいんだろう?ぱっと思いつくのは普遍化の範囲がおかしい時(いわゆるクソデカ主語)に違和感を覚えたり、実際に普遍化の範囲を考えるのが得意かな?ってくらいだけど。 -- INFJ 2022-05-05 (木) 10:37:31
  • Seと対になってる事を考えれば、自ずと一つの仮説に行き着くのではないかな。Seは目の前の現実に柔軟に対応する能力で、その活動範囲は広大であるものの、習慣化による効率を図るSi以上に多くの事を切り捨てて、後に何も残さない。NiはSeが対応していない部分に特化、同じく抽象概念を扱うNeよりも範囲は狭い代わりに、普遍的なモノを残すのが上手い。具体的に言うと、他人が何かで意見が割れてる時とかに落としどころを見つけるのが上手いのがNiだと思ってる。全然、違う背景を持った人たち同士が、どの部分で揉めてるのかが把握できずに無駄な争いを続けてる時とかに、パターン化によって共通点を見つけ出し、双方が納得できるような答えを見つけ出す。人種問題のように、子供の頃から誰もがニュースで見聞きしてるような事については、無自覚に多くのパターンが蓄積されてるものだから、Ni主機能の人は理想主義になりがちなのだと思う。戦争中の国とかに生まれてたら、他の機能がメインの人の方が理想主義に走りそうではあるし、クソデカ主語を使う人というのは、何かしらの分野で思い詰めてるような人が多いから、違和感を持つのではないかな?自分の方が普遍化は上手いし、日常的に些細な事でも行ってるものだから、なんか大げさで胡散臭く見える。INFJがSeについて語ってる時とかも、ESTPに同じ事を思われそう。 -- 2022-05-05 (木) 13:51:27
    • なるほど。対立する意見とか双方の意図を読み取って、その先にある目的を見つけたり、落とし所を見つけたりも確かに得意だわ。変な話かもしれないけどそういうのとか人のふりを見て格言めいたことが浮かんだりもするね。昔から感覚過敏があったりもするからSe関係について語ると突っ込まれるのもよく分かる。ありがとう。 -- INFJ 2022-05-05 (木) 20:46:41
  • INTJ-Aの想像ですが、Se機能が不快な感触以外にも、好きすぎてツライ、胸がいっぱいになって苦しい、といった真綿で首を絞められるような幸福感も拾うのであれば、快・不快とは別次元で恐ろしいですし、INxJは身体的な鈍感さに救われていると思います。Se劣勢であろうと、しんどいものはしんどいですし、社会で生活する上で困ることだってありますけど、私は「辛い過去は無いと思えば無い派」です。ドラマの主人公が自分と同じ踏んだり蹴ったりな境遇にあり、涙を流して悲しんでいるからといって、自分も同じような反応を示すとは限らない(物事の受け取り方は人それぞれ)。苦しみを自分自身に投影するより、鈍感でいられなくなることで、この鈍感さで、悩み苦しむ他の誰かにバカバカしく思われ笑ってもらえなくなったり、心の支えとして機能しなくなるかもしれない未来の方が懸念事項です。 -- 2022-08-04 (木) 18:07:20
  • INxJに関して「唯物論に傾倒することがある(未成熟なSe)」という海外の記述を読んだことがあります。確かに私は何かに打ち込んだとしても、~~が恋人、女性を愛するように~~を愛したといった感覚がありませんでした(すみません、当の漫画には詳しくないのですがボールは友達というセリフを思い出しました)。ただ、実際、本の裁断(自炊)は心理的にキツくて二度とやりたくありません。このSeの意図するところは「対象を観察する自分を観察する」のはずですから、決定的な出来事が起こるまでに観察が間に合わないということは、本人にとって実質的に恋人であるものが望まない形で滅ぼされるとき、何も言い訳できないという事態に陥ります。 -- 2022-10-12 (水) 01:44:02
  • 良い方向に使われていれば何にも代えがたい指針となってその人間を導くんだろうけど、悪い方向にしか働かないと絶望しかない。事の全てに未来へのジャッジが入る。本を書こう、しかしそれは永遠に残らない。絵を描こう、でもそれは一瞬の楽しみにしか消費されない。ピアノを弾こう、だが私が死ねばこの技能は何の役にも立たない。芸術は感情の消費だ。すべての可能性が収束して、前途が途絶えて尽きていく。私には本を読んで、知識の結実を目指して足掻く事しか残されていない。そして身に着けた思考と技能を、一片でもいいから世界の役に立たせなければならないと思う。考えるに、「人間が普通に生きる」には愚かで盲目的で妄信的、近眼的でなければならない。もしくは絶対的に賢くならなければ、その個人にとっての真の希望は手に入らない。生きている人間はどちらかだ。 -- 2023-11-20 (月) 21:58:30
  • INTJ私の論文の書き方には、まさにNi-Teが現れている。関連分野の本をひたすら精読、ぼーっとし、ひらめきが降りてくるのを待つ。すると結論だけ思い浮かぶ。必要な根拠が書いてありそうな本を新たに探し(一見無関係のジャンルも)、研究を抜き出し、AならばB、BならばCが成り立つよう順番を入れ替え、組み合わせて閃き(結論)の根拠とします。自分で研究することは苦手なので、他人の研究が全てあっていれば自分の結論は正しいはずだ、という構成にします。 -- INTJ 2024-01-05 (金) 04:44:10
    • こんなに言語化してくれるなんて…INTJ→INFJを行き来してますが、自分の思考パターンが上手く説明出来なくて全く話が噛み合わない人がいることや、ただしく意思疎通が難しい人達が一定数いたこと、それがどこから来ているのか腑に落ちました。一度理解した・腑に落ちたことも必要に合わせていい意味で信用せず、常に疑う性質が必要ですね。頑固と言われる所以はここからきているのかも。 -- INFJ 2024-04-30 (火) 14:32:59