Tradition/ブリオッシュ

Last-modified: 2022-07-13 (水) 14:41:54

基本情報

  • イデア名:Brioche(ブリオッシュ)
  • 身分:人間

主人に忠実な女騎士。デイジーデイジーが奴隷商から彼女を攫ってから、彼女に参謀として仕えていた。
コゼットの護衛を任務として受けたこともあるが、その時言われた台詞がもとでデイジーに対する複雑な感情を自覚している。

 

Heroic Taleの記述では、他のキャラクターの二つ名についてある程度推測することができる。順番にフェルシーカナリスミルドレッドゼフェルスカーレットのことと思われる。

収録弾

Tradition

No.46 重撃剣(ブリオッシュ)

 

ブリオッシュは幼少期から意志を潰され、徹底して実技ばかりを覚えさせられた。それ故に高値がついたと云う。何も感じない。主人の鞭は絶対なる支配の象徴だったが、それを平然と蹴散らした盗賊が自分を奪い去った時も、所有権が移ったとしか思わなかった。ところが新しい主人は、これまでにはない要求をしてきた。ブリオッシュ自身が欲するもの、求めるものを再三聞かれるのだ。そんなものはない。命令されれば何でも差し出せるつもりでいたが、自分が持ち合わせないものを要求されるのは苦痛だった。平穏が壊されたと感じた。放っておいて欲しいと叫ぶと、女頭領はあっさり引いて遊びに出かける。一人になっても気分は晴れず、新しい主人の顔が頭から離れない。このような感覚は始めてだ。しかも当時の切り込み隊長が何を勘違いしたのか、頭領に対して馴れ馴れしすぎると因縁をつけてきた。こみ上げてきた謎の衝動を隊長にぶつけ、地を這わせて顔面を踏みつけると帰ってきた頭領は爆笑した。

 

「あなたが欲しい」

 

ブリオッシュは唐突に言った。爆笑は引きつりに達し、頭領は転げ回る。

No.65 圧壊剣(ブリオッシュ)

 

ブリオッシュに私心はない。ただ主人に仕えるのみである。と言いたいところだが、主人の方こそがブリオッシュに意志なるものを期待するのだから悩ましい。あなたに仕えることが望みです、と言うと主人に含み笑いされ、じゃあまあ一人守って欲しい女がいる、と雪国で小さな魔女に引き合わされる。握手を交わした時、魔女は言った。

 

「今後は一歩下がってなさい。デイジーは私のものだから」

 

分かりやすい命令なのに、なぜか胸が混ぜかえる。と同時に、小さい、細い、肌は白磁のよう、と見た目の印象がやたらと認識を占める。その認識は主人で塗り替えられた。顔を覗き込まれている。何分か固まっていたらしい。主人は面白がっていた。

激震細腕 ブリオッシュ

 

剣を十回振るのは容易い。翌日剣に重りを足し、十回多く振るのは容易い。
デイジーデイジー式健康法を3年続けてブリオッシュは怪物になった。
盗賊団の一員として襲撃対象や別の盗賊と交戦していると、二月に一回ほどは同格の規格外とまみえることがある。《丸模様》と《火口》の二人組、夜にしか現れない《銀十字》、薔薇の手先《消し炭》に、どこか頭領にも似た闘士《煉瓦姫》などなど。
普段は無感情なブリオッシュも、競争下では熱くなる。有象無象相手ならともかく、見たこともない曲芸のような剣技を相手にのめり込み、いつの間にか退けなくなっている。
勝つことも負けることもある。しかし殺すことはあっても殺されることが無かったのは、頭領の撤退判断が迅速だからだ。
暴走して頭領を煩わせてしまっている。作戦立案には長けるのだが、これでは参謀失格だ。
デイジーデイジーは気にしなさんなとブリオッシュの肩を叩き、巷に知れているらしい彼女の二つ名を呼んだ。
《猪鉄塊》。