エレーナ

Last-modified: 2019-09-09 (月) 20:43:11

エレーナ(エレーナ・ガルズ・ヴェロネーセ)

イタリア系有翼人種の武装民間機搭乗員。リグーリア出身。
 第1次世界大戦にもパイロットとして従軍したイタリア軍人サルバトーレ・ヴェロネーセと有翼人種(カフカス鳥民国出身)の母の間の娘。
彼女の家庭は裕福な階層であり、豊かで充実した教育を受けた教養ある娘である。
イタリア空軍の将校であった父サルバトーレに連れられて幼い頃から飛行に親しんでいた。
また彼女は「パンの為のファシスト」である両親と異なり、エレーナはイタリア少女団などの活動やファシズム教育によりファシズムに親しみを感じていたが、
ファシズム的な型にはまらない、どちらかというと柔軟で適応力が高い性格だった。

「如何なる宗教的弾圧もなく独立と統一を獲得したヨーロッパ唯一の国家」※とよばれたイタリア王国において、ユダヤ人同様に他国と比較しても有翼人種に対する
偏見や迫害が少なく、豊かな教養や家柄を資産として幸福な一生を送るはずであった。
しかし、1938年に始まるイタリア・ファシスト政権による反ユダヤ、反有翼人種政策により事態は暗転。
父サルバトーレは有翼人種の母と婚姻し、姦通した罪で投獄。エレーナと母は財産を制限され、母は失意のうちに病死。
公職の道も閉ざされ、社会的に弾圧、迫害され始めて生活に困窮していたエレーナは、父サルバトーレに恩義を感じる空軍大尉(フェルナンド・クスクナ)
に保護され、彼の提案で満州へ亡命。現地の武装民間機乗りであるドン・ガスパッチョの護衛機搭乗員として雇用される事となる。
モデルは白色レグホン。年頃の年齢なので毎日卵を産むが、産卵をコンプレックスにしている。

乗機は大尉の飛行機を借りており、当初はMacchi C.200サエッタに搭乗、やがてイタリア本国よりMacchi C.202フォルゴーレが送られてくると、そちらに乗り換えた。

※藤澤房俊『ムッソリーニの子どもたち 近現代イタリアの少国民形成』ミネルヴァ書房 2016年 P.253