資料/アニメージュ2005年2月号 今こそファフナーを語ろう! CAST編

Last-modified: 2014-03-14 (金) 01:44:10

石井真(真壁一騎)、松本まりか(遠見真矢)、喜安浩平(皆城総士)、仲西環(皆城総士)、白石稔(近藤剣司)、小林沙苗(カノン・メンフィス)

みんなが成長した全26話を振り返って

──まもなく最終回のアフレコですが、今の心境は?
石井 よくある言い方なんですけど、本当に半年間あっという間だという感じです。最初は周りがみんな敵というイメージだったので、随分変わったなぁ、と。
白石 ひどい。敵と思われていたなんて、知らなかった(笑)。
石井 最初は一騎はみんなの中になじめてなかったから。でも今は、なんて居心地のいい場所なんだろう、と。一騎もみんなにうち解けていったけど、僕も同じようにみんなの中に入っていけた半年だったと思います。
松本 真矢は、最後はファフナーに乗れてよかったけど、結局、総士と一騎の間には、入っていけなかったのが残念です。
小林 え、三角関係だったの?
仲西 (喜安→松本→石井と指さして)こういう線で好きだったということでしょ。
松本 (自分は抜かして、喜安→石井と指さして)違うよ、こっちからこうだってば。
白石 ははは(笑)。
──真矢はやっぱり一騎が好きだったんですよね?
松本 成長していく中で、人を好きになる気持ちが芽生えていったという感じがします。一騎くんに恋したところも、真矢にとっては成長の証しなのかな。
──恋が一番発展しそうだったのは、剣司ですよね。
白石 発展した矢先に、咲良は倒れちゃいましたけど。剣司はみんなと違って、最初から咲良のために戦おうとしていたところがあったんじゃないか、と思うんです。行動原理が親しみやすいというか、一般市民が戦いという非日常の空間に放り込まれたら、どんなふうになるのかを体現していたのが剣司じゃないか、と。
──小林さんは途中参加ですが、今の気持ちは?
小林 終盤になってくると、みなさんに優しくしていただけるようになって嬉しいです(笑)。
喜安 最初は優しくなかったふうに言うね(笑)。
小林 そんなことはないですけど、途中から入ってきて、私自身もみなさんの和気あいあいの雰囲気になじめず、でも、カノンも竜宮島になじめないという役どころだったので、これは感情移入しやすいな、と思っていました。最後のほうになってやっと、カノンに自分の感情が芽生えてきた時は、すごく嬉しかったです。
──乙姫は、みんなとはちょっと違った立場にいましたが、仲西さんは演じていてどうでしたか?
仲西 島のことを全部分かっていて、自分の運命も分かっていて、3ヶ月という短い時間を生きたんですけど、島のコアなんて、現実には絶対にあり得ない状況じゃないですか。もし自分が乙姫だったらと考えても分からないことばかりで、この3ヶ月、ちょっと情緒が不安定な感じでした(笑)。
──最後になって、やっと女の子らしい感情が出たと思うんですが?
仲西 そうですね。私はけっこう感情に出してしまうタイプなので、乙姫のような気持ちを抑える役は、すごく難しかったです。
──『ファフナー』は抑えめの役が多かったですよね。
小林 剣司は違いますよね。
石井 いいよな、やりたい放題感情出せて。
仲西 そうそう。うらやましかったもん(笑)。
──毎回、何が起こるか分からなくて見ていてハラハラさせられた『ファフナー』ですが、衝撃シーンを挙げるとするとどこですか?
白石 何よりもやはり、翔子が死んだ時が一番ショックでした。
石井 あそこから全てが始まっているよね。その後は、毎回毎回、衝撃的で。
仲西 甲洋もそうだけど、咲良も衝撃的でしたよね。
白石 希望が見えてきたところで倒れてしまった。その不条理さがぐっと来ました。
石井 僕としては、やはり23話ラストの、総士が死んだと思わされたシーンですね。一騎の目の前で吹き飛んじゃって、半狂乱になって「総士ーっ!」と叫ぶ。あのシーンはずっと頭から離れないです。
喜安 23話は総じてすごかった。みんな本当にあっけないくらいに、どんどん倒れていったから。狩谷先生がフェストゥムに乗っ取られるシーンも衝撃的でしたね。沢海(陽子)さんの芝居もすごかったけど、あの展開は残酷で、すごく無常観があったと思います。
──小林さんはいかがですか?
小林 カノンは登場していませんが、1話と2話がとても衝撃的でした。島で一緒に暮らしていた友達や、隣近所のおじさんおばさんが、いきなり戦闘体勢に入っていくという展開にビックリしましたね。それから、23話で、あんなに素敵だったおじさんやおばさんがいとも簡単に死んでいくところ。「私は死んでいくけど、あなたは元気でね」なんて別れの言葉もなく、ばたばた倒れていく。そのあっけなさがすごくリアルに感じられて、またしても衝撃を受け、いろいろ考えさせられました。
──松本さんは?
松本 私はこれから収録する最終回です。どこかで生きているかもしれないんだけど、総士は結局いないままなんだなって思って。最後は一騎と総士と真矢で、何か希望を感じて終わるのかなと思っていたので、悲しいです。希望はないわけじゃないんだけど……。
喜安 たしかに肉体を含めて、そこにいたほうが、よかったとは思うけど、希望があるみたいなことを、今さら上っ面で描いてもしょうがない気もします。これから演じるんですけど、最終回はひとつの区切りでしかなくて、生き残った人たちにはこれから先だっていいことや悪いことがたくさんあるんだろうな、と。
──最終回の総士の印象は?
喜安 これから演じるので、今はあまり最終回については考えないようにしています。みんなと一緒に芝居をして、総士がどんな気持ちで結末を迎えることになるのか、僕も楽しみです。一つ言えるのは、体は消えてしまっても総士は島にいるということです。
仲西 そう、いる。風になってる。
白石 かっこいいな、風になる。
──で、一騎と真矢は、いよいよ付き合い始める、と?
喜安 障害がなくなったから(笑)。
松本 うーん、どうしようかな(と、石井さんを見つめる)。
仲西 なんかこの二人がリアルで付き合うみたいだね(笑)。剣司だって咲良がいるよ。
白石 でも、いつ目覚めてくれるのか。咲良がいっこうに目覚めなかったら、カノンと付き合っているかもしれないです(笑)。
松本 軽い男だ(笑)。
仲西 そんな男は、カノンがお断りです。ね?
小林 うん。
一同 (爆笑)