目次
1話
りん「りなこ、すぐ姉さんのところに戻って!」 りなこ「どうしたのナ?」 りん「赤虫だ!」
遠くの空に赤い霧が立ち込めるのを見つけて、それに対応するために行動を起こすりん。
一見すると、りなこに比べてりんが優れた視覚能力を有していることを描写しているかのように見えるが
後にりん以外の姉妹は色覚が弱いことが判明。
このことから、赤霧の【色】がわからなかったためにりなこは赤霧に気付けなかったのではないかと推測される。
りなこ「まだかなまだかナ~早くみんなで水を飲みたいのナ~」
りなこ「う~ん、りなこちゃん遠くはよく見えないんだナー
ま、ねぇねならすぐやっつけちゃうだろうけどナ!
にしても、りんねぇねは甘いんだナ~。貴重な水を前に戻れる訳ないナ
まだかなまだかナ~早くみんなで水を飲みたいのナ~
ちょっと飲んじゃおうかナ。本物かどうか、りなこが味を確認しないとナ!
これは大事なお仕事ナ。ちょっと一杯…」
りなこ「……」
りんの飛び去った方向に向かって、目と耳を凝らしながら何が起こっているのかを見聞きしようとするりな。
視力の優れたりんとは違い、遠くの様子を窺い知る事が出来ないながらも
姉の実力を信頼して特に不安を抱く事はない様子。
その場に留まり一足先に水を飲んでしまおうかとちゃっかりしているところを何かの気配に気付いてしまう。
風に乗った空気の味を味覚の能力で知ることにより、水の近くに現れた新たな赤虫の存在を彼女は見つけてしまう。
りなこの表情の変わる瞬間、舌なめずりをする舌が能力を発動している時の緑色の光を発していることがわかる。
りんが応戦している方向を向きながらでは気付かずに
180度旋回し、空気の味を確かめることで感知することが出来たことから
りなこから見て最初に現れた赤虫の方角が風下、次に現れた赤虫の方角が風上であったと考えられる。
参考:1話(旅の記録)>画像
その後の彼女の選択が、姉妹達の運命を変える重要な鍵となる。
りつ「処理完了ニャ」
りつ「処理完了ニャ。りんお疲れ様ニャ
それにしても…ケホケホ」
りん「姉さん!大丈夫か!?」
りつ「平気平気、りんは心配性ニャ」
赤虫を倒して一息つくりんとりつ。
ミドリの根から飛び出たネコミミだけの存在が、りつの優しさと病弱さを僅かな動きで表情豊かに表現している。
りなっち「ひょいパク!」
りん「りなっち、それ取っておいて」
りなっち「はいはーい!ひょいパク!」
りなじ「あー!ずるいぞりなっち!」
りなよ「そうだそうだ!りなよも食べさせるのナ!」
水に混じって汲み上げられたバルブのハンドルのようなものを食べるりなっちの台詞。
掛け合いによるりな達の可愛らしさだけでなく、ミドリちゃんがある程度の大きさのものも汲み上げられることや
りな達が簡単に硬いものを食べられることがわかる場面。
りなっち(りなの見分け方)
りな・りつ「「「「「虫ナ/ニャーー!!」」」」」
わかばの初登場時、呆けて動けないでいるりんよりも早く反応するりなちゃんズとりつ。
直前のわかばが立てた水音には、普段は寝ているりなむも開眼して注目し
この台詞を発する場面では、目を閉じながらも口を動かして声を上げていることから
彼女達の驚きは相当なものだったと推察される。
わかば「めっさ気になる!」
わかば「わっあっ動いた!何これ何これ!
へ~なんだろうこれ。さっきのといい不思議…
めっさ気になる!」
初めて目にするミドリの根に興味を惹かれて駆け寄るわかば。
虫と認識されてりん達に処理されそうになるのを逃げながらも
自分の好奇心を抑えられない彼の性格が伺える。
りつ「こらっー!!」
りつ「こらっー!!」
わかば「ひぃぃ!?」
ミドリの根を触れられてわかばを怒るりつ。
突然ネコミミが生えて喋りだしたのだから、わかばが驚くのも無理もない。
この後、わかばは驚いた拍子に瓦礫に躓き転んで頭を打って気絶してしまう。
そして、頭から流れる赤い血から、りんに赤虫だと認識されてしまうのだった。
自主制作アニメ版↓のシーンと比較して、りつの怒り方が可愛らしい。
わかば「そうか!ぼくが行けば、いい塩梅ですね!」
大型の虫に捕らえられたりなよを助け出す為に、赤霧に向かって飛び込んでいくわかばの台詞。
放送当初、生きる事に執着せず、命を狙っていた姉妹達を助ける為に命懸けで赤霧に向かっていくわかばに対して
りんと同様、得体の知れない印象を持つ視聴者も少なくなかったが
その時のわかばの心境は「わかばメモ」にて明らかとなる。
2話
りん「毒…じゃないだろうか」
りん「体の具合が、少し変だ」
りつ「変って…りんがかニャ?」
りん「まだ関係性はわからないけど、距離や時間によって顔の辺りが熱くなる気がする」
りつ「えぇ!」
りん「他にも、胸元がドクドクしたり、視界が少しまぶしく曇る時も…ある気がする。
今までになかった現象だ」
りつ「それ大丈夫なのかニャ?」
りん「今のところ大して問題ないけど、これ…もしかして…
毒…じゃないだろうか」
りつ「毒って…りょくちゃんが話してたやつかニャ?」
りん「ああ。りょくは、そのうち毒を使う赤虫が出るかもって言ってた。
たしか、戦った後に遅れて効いてきて、本体が死んだ後も残るとかって」
りつ「痛むのかニャ?」
りん「そういうのはない…と思う。りくならこういう感触はっきりわかるんだろうけど」
りつ「どういう時にそうなるの?」
りん「あれの近くにいる時や見る時、あと、こうして話す時も少し」
今後の方針について、りつとの相談を終えたりん。
残った問題であるわかばの処遇について、その正体を掴みきれていない事からどうするべきかを決めかねてしまう。
姉妹にとって脅威になりうる存在ではないと判断しながらも、彼が原因であると思われる体調の変化に
わかばが毒を使っているのではないかという疑いを持つ。
りん「水を探しに6人で旅をした」
キイロを収穫中、わかばに他の島へ行った目的を聞かれてそれに答えるりん。
この時、りんは(りょう、りく、りつ、りん、りな、りょく)の6人のつもりで話し
わかばは(りつ、りん、りなっち、りなじ、りなよ、りなむ)の6人として受け取り
この会話の齟齬が、2話の最後で「島から出ると、だいたい誰かが死ぬから」と
聞かされたわかばを慌てふためかせることになる。
りつ「りん、何色なのニャ?」
りん「いつからそうなっている。お前、何かしたのか?」
わかば「気付いたらこうなってて…
えっ、あのこれ大丈夫ですかこれ?爆発したりしませんよねぇ!」
りつ「りん、何色なのニャ?」
りん「青に見てる…使った事のない色だ」
わかばの持つ明るさの変わる珍しいケムリクサについて
何色に光っているのかりんに尋ねるりつ。
この台詞によって、初めてりん以外の姉妹は色覚が弱いという事実が発覚する。
1話はもちろん、この直前のケムリクサの発光具合について話し合っていたやりとりですら
特に引っかかりを覚えることもなく、自然に視聴することも出来てしまう内容だったために
この言葉の意味することをすぐに気付いた視聴者は決して多くはなかった。
この事実を踏まえて1話を見返してみると、確かに姉妹のものの見え方でおかしな点がいくつか存在している。
姉妹の五感の差異を始め、これまでとは違う視点を持って見返すことで
今まで気付けなかった作品の新たな側面を発見をすることが出来るかもしれない。
会話を聞くりな達のそれぞれのポーズも見逃せない。
3話
りん「なっ…調子に…!不審な動きをしたらすぐ処理するからな!」
わかば「こちらこそ助けてもらってありがとうございます!
また、僕に出来る事があれば言ってくださいね!」
りん「なっ…調子に…!不審な動きをしたらすぐ処理するからな!」
大事なものを守ってくれたわかばに、信用しきることは出来ないながらも感謝の気持ちを伝えるりん。
そのお返しに、赤霧に落ちかけているのところを助けてもらったお礼をわかばに言われて
思わず赤面、動揺して頭をモノにぶつけてしまう。
姉妹達を思うわかばの誠実な本心に触れて、りんの中でわかばとの距離感が縮まった事のわかる場面であるが
この瞬間、一番不審な動きをしているのは他ならぬりんである。
3話 りん(AA置き場)
りつ「あれがいわゆる毒かニャぁ?」 りな「毒か」「毒だナ」
毒ですね。
4話
りつ「わかば君、ヌシの話はりんの前ではしないであげてニャ」
りつ「わかば君、ヌシの話はりんの前ではしないであげてニャ」
わかば「えっ?ええ、わかりました。僕も考えただけで怖いですよ」
りつ「そうニャ…ちょっとね、気にしててニャ」
わかば「はぁ…」
りな達が、以前にりょうがヌシを倒したことがあると自慢しながらも、その記憶がないということに驚くわかば。
彼女達の掴みどころのなさに呆気を取られているところを、りつに後ろから背中をポンポンと軽く叩かれて
りんの前ではぬしの話をしないで欲しいとお願いをされる。りんには内緒だニャ…
りん(私達だけでも出来たよ…りょう)
ヌシを倒した事を確認して安堵する一行。
白い煙をあげ、負傷した側の肩を庇いつつ柱で体を支えながら
今はいない姉妹に向けて言葉を投げ掛けるように独白し、みんなの無事を噛み締めるりんであった。
後ろではりな達がわかばとハイタッチをしていたり
ヌシの残骸があるであろう方向にポーズを決めていたりしている。
5話
りな「はいはいナー!」
りん「ここからはしばらく歩きだな」
りつ「そうだニャ…じゃあ今のうちに
りなちゃん、わかば君、ミドリちゃんにまたお水あげてくれるかニャ?」
りな「はいはいナー!」
わかば「あ、はい」
空橋でヌシを退けた一行は、引き続き水を求めて旅を続ける。もちろんここで言う歩きというのは、電車がミドリちゃんの足を生やして歩くことである。やはり軌道に沿って進むよりも、ミドリちゃんの足で車体を浮かせて歩くほうがエネルギーである水を多く消費するのか、りつは徒歩に備えてミドリちゃんの水の補給をりなとわかばにお願いする。ミドリちゃんに水を与える為に水道のバルブを開くわかばであるが、この時、わかばはハンドルを右に回して開いている。これは家庭用の蛇口に使われているJIS型の左回り開き右閉じのバルブではなく、水道本管によく使われている旧水協型の右開き左閉じのバルブを使用しているからである。
りな「出たな!変なポーズナ!」
りつ「そういえば、五島でこの子を見つけたのよニャ」
りな「これ五島で見つけたのナ?」
りつ「そうニャ。あそこは水は無かったけど、この子がいてニャ
車輪のついた箱はめったにないニャ。
おかげでミドリちゃんを守りつつ、移動も出来るのニャ。最高ニャ」
(変なポーズ)
りな「出たな!変なポーズナ!」
りな「りつねぇね、それもっとやって!それもっとやって!」
以前に五島を旅した時のことを話題にする一行。
大きくなったミドリちゃんを運ぶ箱は、どうやら五島で発見したらしい。
りつはこれを大変気に入っているらしく、ミドリちゃんで自慢のポーズを披露する。
りな達はこれを「変なポーズ」と呼ぶも、大変気に入っている様子。
りつが優しく「この子」と呼ぶ様子から、この箱もまた大切な旅の一員であることがわかる。
りん「姉さんの好きは私たちの大事だ」
戦力にならずミドリを育てるのに貴重な水を消費することを気にしていたりつが
わかばの言葉にほっとして泣き出してしまう。
りんはりつに「役に立つかなんてどうでもいい。姉さんの好きは私たちの大事だ」と言葉を投げかける
7話
わかば「安心出来る暮らしもきっと見つかりますよ!きっとあるから…みんなで探しましょう!」
りん「そう甘くない世界なのも知っているし、また私が間違って…誰か死ぬかも
これ以上は、いい事がないのかもしれないけど…」
わかば「ありますよ」
わかば「ここまでも、危ないものたくさんありましたし、りんさんに守ってもらってばっかりでしたけど
僕一人見ても、おかげでほら、こんなに色々と見つかったし
こんなに色々と出来るようになったんです。
いまいちりんさん達の役には立ててないかもしれませんけど…でも!
こうして水だって見つかったし、出来る事も増えてるし
安心出来る暮らしもきっと見つかりますよ!
きっとあるから…みんなで探しましょう!」
姉妹を想い苦渋の選択をしようとするりんに、彼女の本当にやりたいことを聞き出すわかば。姉妹との別れという辛い経験を共にしてきたりつとりなは、りんの悲しみを深く知る為に彼女のやりたいことを聞くまでもなく、やりたいように生きる事を推し進め、また、彼女の選択を尊重してきたのだろう。りんと最近出会ったばかりで、彼女の好きなことを一度は聞くも「そんなものはない」と突き返されたわかばだったが、常に気丈に振舞いながらも時折見せる彼女の優しい本性や、りくから聞いた弱い一面を知り、彼女に押し殺している本当の気持ちがあることを知った彼だからこそ、今ここで、悔しさを滲ませる彼女のやりたいことを聞き出そうとしたのかもしれない。彼の問いかけに、りんは少しずつ内に秘めていた想いを語り始める。姉妹が幸せに過ごすという、過酷な世界においては途轍もなく難しく、そして家族として当たり前の願いを持っていること。そして、これまでに多くのものを失ってきた経験からか、これからの旅路で起こりうるいい事についても諦めに近い思いを抱いていたことを口にする。そんなりんに、これまでの旅で新しく見つけたこと、出来るようになったことを挙げ、これからもいいこと事があるとわかばは彼女に語りかける。ここで、りんにとって一番大きな出来事だったであろう自分達だけでヌシを倒しせた事を挙げなかったのはりつにお願いされたことをわかばが守っているためだろうか。そして、りんが以前に言った「姉さんの好きは私たちの大事」を彼女に返すように、りんの好きなことをみんなで叶えようと、わかばは力強く自分の思いを伝えるのだった。今まで自分が打ち明けてこなかった気持ちに対して、わかばが正面から向き合ってくれたこと、そして、自分のやりたいことを叶える為に、これからの険しい道のりを共に歩んでくれると伝えてくれたことに、りんはこれまでにない和らいだ表情を見せるのだった。
8話
シロイノ「ピ?」<センチョウ キョカ クダサイ>
シロイノ「ピ?」<センチョウ キョカ クダサイ>
わかば「え?許可?さ、触ればいいのかな」
シロイノ「ピ」
進路を塞ぐ赤い木の根を切りに行く許可を、わかばに仰ぐ合体した白虫達。わかばはそれがどのようなことを意味するのかもわからぬまま、白虫達が進んで赤い根に向かうとするのを許可してしまう。それまで自分達の判断で自由に動いていた白虫達が、初めて人に命令されなければ出来ない行動を取ろうとしていることに、ロボット三原則を思い出して脳裏に一抹の不安を過ぎらせる視聴者もいた。
ロボット三原則とはSF作家アイザック・アシモフの小説に登場する
ロボットの行動を制御する法律、および安全規定である。
「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」を目的とする3つの原則から成る。
第一条
ロボットは人間に危害を加えてはならない。
また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条
ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。
ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条
ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
物語の中で、ロボットはこの原則に従って行動をすることを厳守しようとするのだが
状況によってさまざまな予期せぬトラブルが発生してしまう。
あるロボットが停止して動かなくなってしまってしまい、作業員は窮地に陥ってしまう。
そのロボットは高価な希少モデルだったため、自己を守る第3条が大きく強化されていた。
作業員の軽口によりセレンの採取を命じられたロボットは、第2条を遂行するためにその採掘地に向かおうとするだが
セレンがロボットに害を与えるために、強化された第3条によってそこから離れようとしてしまう。
採掘に向かおうとする第2条と危機から離れようとする第3条。
弱い第2条と強い第3条が拮抗してしまい、ロボットはセレンの影響を受けないある程度の距離の地点で停止してしまう。
どこも故障していないのにも拘らず、定められた原則によってその場に立ち往生してしまっていたのだ。
このように、設定された第1条・第2条・第3条が干渉し合った結果生じる
さまざまな問題について思考実験的に読み解いていくことが物語のテーマとなっている。
この設定に影響を受けた往年のSF作品では、ロボットの安全装置としてこの三原則を引用するものも多く見られている。
白虫達が許可を求めたのは、赤霧によって人格が上書きされるよりも先回りして命令を受ける事により、赤霧に支配されるのを防ぐためだったと考えられている。そして…
自主制作アニメ版
りつ「汚い手で樹に触るんじゃニャあ、こぉんのゴミムシがっー!!」
りつ「汚い手で樹に触るんじゃニャあ、こぉんのゴミムシがっー!!」
わかば「ひぃいぃぃぃっ!?」
怖い。突然拘束されたことを鑑みても、わかばが歯をガタガタ言わせながら震えて驚くのに十分な迫力である。
テレビアニメ版1話↑には、これを元にしたと思われるシーンが作られている。