2020年6月9日のDeNA対巨人(横浜スタジアム)の練習試合中に起きた采配に対する、スポーツナビ公式の反応。
経緯
この日のDeNA先発は濱口遥大。練習試合なのでDH制が採用されていたが、シーズン中を想定してDHなしでのプレーボールとなった。
濱口は予定通りの5回を投げた後降板し、代打に楠本泰史が送られる。その後アレックス・ラミレス監督は代打の楠本をそのままDHに配置。つまり試合途中からDHが復活したのである。
これに対し試合速報を行うスポーツナビ公式は本来あり得ないDH復活にシステム上対応が出来ず、試合速報を中止。この際に表示された「DeNAvs巨人は想定外の事象が発生したため速報を中止しました」という文面がネタにされるようになった。
最終的にシステムが正常に動作していた日刊スポーツの速報サイトへリンクすることで事なきを得ている。
解説
一度放棄したDHを試合中に再度復活、というのは通常の試合ならば当然ルール違反であるが、練習試合ならば(両軍申し合わせの上で)認められている*1。また、スポナビの一球速報も「練習試合のためシステム上対応できない事象があり、速報を中止します」と断りを入れている。
今回は例年ならばスポナビの試合速報で配信されない練習試合が、新型コロナウイルスの影響で公式戦が遅れた関係で配信されたことが原因で起きたのであった。
速報画像
類似例
翌10日の同カード*2では、今度は巨人がこの変則采配を敢行。巨人はこの日先発の鍬原拓也を9番に据えたが、その鍬原が3回までに6点を失うと、4回の第2打席に代打・重信慎之介を送り、そのままDHに守備変更させた。
今度はスポナビも実況を継続したが、「DeNA vs 巨人で特別ルール適用のため、一部表示が実際の試合と異なっています。ご了承ください」と注釈された。その後、表記に関しては「途中でDH制が採用された試合は、オーダー等の表示が実際と異なります。ご了承ください。」と言う形に変更されている。
また、2021年のMLBオールスターゲームでは大谷翔平の「リアル二刀流」を実現させるために投手兼指名打者として出場する特別ルール*3が導入されたが、スポナビの実況では、大谷は「1番・投手」で先発出場、1イニングを投げ終えた後は守備変更でDHに変わると言う表現を行った。
2024年11月5日に行われた侍ジャパンvs広島東洋カープの練習試合では、6回裏の侍ジャパンの攻撃にて7番・DHで先発出場していた五十幡亮汰に代打・古賀悠斗が送られたが、古賀が四球を選び出塁するとその代走に再度五十幡が送られ、チェンジとなった後は古賀がDHに入るというカオスな選手交代が行われた。また五十幡に関しては7回裏の攻撃時に2番・キャッチャーでスタメンだった坂倉将吾*4の代走に入ったが、いずれもスポナビ速報は特に問題なく速報していた模様。
非公式戦の特別ルール
その他の公式戦ではまずお目にかかれない、もしくはルール違反となるが紅白戦・練習試合・フェニックスリーグで実際に起こったことのある事例に以下のようなものがある。
- 守備に就いていた野手をDHに変更。
- 後攻のチームが最終回の表を終えてリードしていても裏の攻撃をプレイ、もしくはサヨナラを決めた後も3アウトを取られるまで試合を続行。
- ランナーがいる状態でイニング開始*5。
- 点差があるのに延長イニング*6。
- ホームチームがサヨナラ負け*7*8*9*10。
- 途中交代でベンチに下がった選手が再び出場。
- メンバー表の交換後にスタメン野手の打順を変更*11。
- 球団スタッフが出場。
- DHを入れず、かつ投手も打席に立たせず1番から8番までの野手で打順を回す*13。
- DH2人体制で10人で打者一巡。
- 3アウトが成立していないのに攻守交代*14。
- 相手チームの選手を借りる*15。
- 代走を送られた選手がその後も試合に出続ける一方、代走に送られた選手が別の打順に入る*16*17。
- 代打に送られた選手が代打の代走として出場*18。
- 試合に参加するチームが3チーム*19。
- DHありの試合で野手が打順から外れる。
- 6アウト制を採用。*20
関連項目
- シークレット…ドラフト速報で起こった「想定外の事象」。