考えられる限り最低のドラフト

Last-modified: 2024-03-30 (土) 18:53:01

2017年ドラフト会議直前の、とある巨人ファンの書き込み。


概要

巨人は清宮幸太郎(早稲田実業高)のドラフト1位指名を公言していたが、清宮指名を公言・あるいは候補に入れていた球団は8つ以上とも言われ*1、競合は避けられない状況であった。
しかもこの年は清宮以外にも

  • 3年夏の甲子園で安打・二塁打・本塁打・打点の記録を悉く塗り替えた中村奨成(広陵高、広島1位)
  • 高校通算65HR、3年夏には地区予選ながら19打数12安打をマークしていた安田尚憲(履正社高、ロッテ1位)
  • 高校通算52HRで「肥後のベーブ・ルース」と呼ばれた村上宗隆(九州学院高、ヤクルト1位)
  • 関西大学リーグで史上初の複数回ノーヒットノーランを達成した東克樹(立命館大、DeNA1位)
  • ユニバーシアード日本代表経験もあるサブマリン右腕の高橋礼(専修大、ソフトバンク2位)
  • 同年のアジア選手権でMVPに輝いた田嶋大樹(JR東日本、オリックス1位)

など逸材が豊作であり、外れ1位以降で複数回重複も十分予想できることだった*2

そんな中、巨専スレにいたID:ZPm78Vw+0は巨人が1位指名を外し続けたパターンを予想し、1位:鍬原拓也(中央大)・2位:岸田行倫(大阪ガス)を「考えられる限り最低」これに遠ければ遠いほど良い」と書き込むが、両方とも当たってしまったことから難しい予想を見事に当てた見識の高さと、その後の落胆ぶりが注目されることになった。


【実際の指名】

1位:公言通り清宮を指名したが、交渉権は日本ハムが獲得

外れ1位:村上を指名したが、交渉権はヤクルトが獲得

外れ外れ1位:鍬原拓也を単独指名

2位:岸田行倫を指名


書き込みの内容

※個人情報保護の観点から元スレにあったワッチョイとIPはカット。

巨専】


105 :どうですか解説の名無しさん [sage]:2017/10/26(木) 00:32:54.84 ID:ZPm78Vw+0

>>91
1位桜井を忘れるなよ
桜井とか2位でも指名されるか怪しい程度だったのにいきなり1位指名だからな
巨人ドラフトは何が起こるかわからない

巨専】ドラフト会議2017


579 :どうですか解説の名無しさん [sage]:2017/10/26(木) 16:29:35.01 ID:ZPm78Vw+0

考えられる限り最低のドラフト
ドラ1 鍬原
ドラ2 岸田

これに遠ければ遠いほど良い

巨専】ワッチョイ


201 :どうですか解説の名無しさん [sage]:2017/10/26(木) 18:09:53.21 ID:ZPm78Vw+0

岸田行ったら巨人弱体化狙ってるスパイが居ると断定すっぞ

416 :どうですか解説の名無しさん [sage]:2017/10/26(木) 18:15:04.55 ID:ZPm78Vw+0

どこかああああああああ岸田指名してくれえええええええええええ

633 :どうですか解説の名無しさん [sage]:2017/10/26(木) 18:17:25.08 ID:ZPm78Vw+0

どうして・・・・
もうマジでファン辞めたい

712 :どうですか解説の名無しさん [sage]:2017/10/26(木) 18:18:24.10 ID:ZPm78Vw+0

やべーマジで泣きそう
桜井ドラフトよりひどい

829 :どうですか解説の名無しさん [sage]:2017/10/26(木) 18:20:05.10 ID:ZPm78Vw+0

579 自分:どうですか解説の名無しさん [sage] 投稿日:2017/10/26(木) 16:29:35.01 ID:ZPm78Vw+0
考えられる限り最低のドラフト
ドラ1 鍬原
ドラ2 岸田

これに遠ければ遠いほど良い



およそ2時間前の俺をブン殴りたい


その後の指名

巨人は3位でまたしても社会人捕手の大城卓三(NTT西日本)を指名。更に4位から6位まで二塁手候補を3人連続(北村拓己(亜大)、田中俊太(日立製作所)、若林晃弘(JX-ENEOS))で指名すると、育成ドラフトでは捕手を2人(広畑塁、小山翔平)指名する。
凄まじく偏った指名から、指名選手の守備位置を羅列した「投捕捕二二二」というフレーズは2017年の巨人ドラフトを象徴する言葉としてクローズアップされた。


指名選手一覧

育成枠は現役中に支配下登録された選手のみ掲載。通算成績は2023年レギュラーシーズン終了時点。「一軍出場」は他球団への在籍経験がある場合、「通算出場数(指名球団での出場数)」で示す。

 順位    名前   守備位置   出身     一軍出場          備考        
1鍬原拓也投手中央大80試合現役。2019年オフに育成落ち、2021年に支配下復帰するも同年オフに再度育成落ち、2022年に再度支配下復帰。2023年限りで戦力外→ソフトバンクと育成契約。
2岸田行倫捕手大阪ガス136試合現役。
3大城卓三捕手NTT西日本659試合現役。
4北村拓己内野手亜細亜大176試合現役。2023年オフに現役ドラフトでヤクルトに移籍。
5田中俊太内野手日立製作所286(209)試合2020年オフに梶谷隆幸の人的補償でDeNAに移籍。その後2023年限りで戦力外。
6若林晃弘内野手JX-ENEOS330試合現役。2024年に郡拓也とのトレードで日本ハムに移籍。
7村上海斗外野手奈良学園大なし2020年限りで戦力外
8湯浅大内野手高崎健康福祉大学高崎高109試合現役。
(育成選手は全8名とも支配下契約歴なし)


ドラフト当時のチーム事情

この年一軍出場があり、ドラフト時点でチームに在籍していた捕手は小林誠司宇佐見真吾實松一成のみであった。このうち宇佐見は内野手コンバート案が浮上していた上に*3、實松はドラフト後に戦力外となったため、捕手を多めに補強しなければならないチーム編成だったと予想される。
同様に二塁手もレギュラー格の中井大介*4がパッとせず、シーズン中盤以降は一・三塁手が本職のケーシー・マギー*5を二塁手として起用するなど層の薄さが露呈していた。


当時のなんJ以外での評価

清宮・村上に入札するなど若い大砲候補を補強ポイントと定めておきながら、結局投手の鍬原を1位で獲得せざるを得なかったこと、高校生の指名が1人だけという徹底した即戦力中心にしたこと、それ以上に岸田・大城と立て続けに捕手を指名してチーム内の捕手の年齢層が20代前半から半ばに偏ってしまったことには、野球評論家から批判が集まった。

【元スカウト・得津高宏氏のドラフト診断】巨人の社会人捕手2人指名は納得できない!バランス良かった日本ハム


元スカウトで本紙評論家の得津高宏氏がズバリ採点した。

「今年はどうにも納得できない球団から話してもいいでしょうか。巨人の指名は、スカウトをやっていた者としては非常に違和感を覚えます。スカウトというものは投手をどれだけ取れるかというのをまず考えます。ですが、育成を除いて指名した投手は1人だけ。一方、上位で社会人の捕手を2人も指名した。しかも同じ関西から。バランスどうこういうより、はっきり言って異質です。若返りがテーマの球団にありながら、捕手には小林、宇佐見という若い選手がいる。高校生の捕手を取るならまだわかりますが…。外れ1位で村上を外し、慌ててしまったのでしょうか。取るべき選手はもっとほかにもいたのでは、と思います。低い評価をつけざるを得ません

名スカウトのドラフト採点。「成功は日ハム、中日、オリ。失敗は偏向巨人」


ヤクルトで30年以上スカウトをしてきた片岡宏雄氏に、恒例のドラフト採点をお願いした。

(中略)

迷走しているように見えたのは巨人だ。クジで清宮、村上を外して1位で、鍬原に方向転換したが、まだ未完成で、1位では、しんどいだろうなと見ていた投手。しかも、2位以下は、捕手が2人、内野手4人、外野手1人と全員野手を指名した。高校生は1人だけ。こういう偏向したドラフトをやってしまうと後々、しわ寄せが生まれる。2位で大阪ガスの岸田行倫、3位でNTT西日本の大城卓三と社会人捕手を2人も取っているが、小林誠司をどうにかしてやろうとか、今年、出てきた宇佐見真吾を使おうという考えはないのだろうか

2017年のドラフト会議を完全採点。清宮の日本ハムは90点。最低は……。(小関順二氏)


小林、宇佐見がいるのに捕手を2人も上位指名した巨人。

< 巨人 50点 >

 巨人は清宮、村上の抽選に敗れ、最速152キロを毎試合のように計測する速球派、鍬原拓也(中央大・投手)に落ち着いた。シンカー、スライダーを前面に押し出した今春のリーグ戦は好投が続いたが、ストレートを押し出した秋は痛打を食らう場面が目立った。似ているのは投球フォームや不安定さも含めて増井浩俊(日本ハム)か。

 また2、3位で社会人のジャパン代表クラスの岸田行倫(大阪ガス)、大城卓三(NTT西日本)と続けて捕手を指名したのは理解できない

 チーム内にはWBCの正捕手、小林誠司(来季29歳)がいて成長著しい宇佐見真吾(同25歳)もいる。ここに来季22歳になる岸田と25歳になる大城を入れれば年齢差が狭い中に4人がひしめくことになる

 ドラフト制度導入以前の巨人が王貞治、長嶋茂雄にあえてライバル的な新人をぶつける補強をしたが、今そういうことをすれば他のポジションに好素材の選手が行き渡らなくなる。

 現状を見れば投手の層が薄くなる。高校生が8位の湯浅大(健大高崎・遊撃手)1人というのも寒々しい。

週刊ベースボール 2017球団別ドラフト採点【セ・リーグ】


■巨人 ドラフト採点=50点

 競合した清宮幸太郎(早実)、村上宗隆(九州学院高)を抽選で外したのだからマイナス50点は当然。1位の鍬原拓也(中大)以外は当初の予想どおりに野手で固め、社会人捕手2人の獲得は宇佐見真吾のコンバートを示唆するものか。上位候補の田中俊太(日立製作所)を5位で獲得できたのは望外の成果といえる。


関連項目


*1 最終的には巨人の他にロッテ・ヤクルト・日本ハム・楽天・阪神・ソフトバンク、と計7球団が指名した。
*2 実際には、外れ1位指名で安田はロッテ・阪神・ソフトバンク、村上はヤクルト・巨人・楽天、と清宮のくじを外した6球団全てがそれぞれ再度競合し、残る中日と西武も中村と田嶋をそれぞれ指名したため、上記の中で単独指名となったのは、2巡目で指名された高橋を除くと東のみであった。
*3 結局内野手のコンバート案は見送られ、2018年オフに炭谷銀仁朗を獲得したこともあって一軍での出番が減り、2019年シーズン中に日本ハムにトレードされた。
*4 2018年限りで戦力外。トライアウトを経てDeNAに移籍し2021年までプレー。
*5 2018年オフに退団。