2017年ドラフト会議直前の、とある巨人ファンの書き込み。
概要 
巨人は清宮幸太郎(早稲田実業高)のドラフト1位指名を公言していたが、清宮指名を公言・あるいは候補に入れていた球団は8つ以上とも言われ*1、競合は避けられない状況であった。
しかもこの年は清宮以外にも
- 3年夏の甲子園で安打・二塁打・本塁打・打点の記録を悉く塗り替えた中村奨成(広陵高、広島1位)
- 高校通算65HR、3年夏には地区予選ながら19打数12安打をマークしていた安田尚憲(履正社高、ロッテ1位)
- 高校通算52HRで「肥後のベーブ・ルース」と呼ばれた村上宗隆(九州学院高、ヤクルト1位)
- 関西大学リーグで史上初の複数回ノーヒットノーランを達成した東克樹(立命館大、DeNA1位)
- ユニバーシアード日本代表経験もあるサブマリン右腕の高橋礼(専修大、ソフトバンク2位)
- 同年のアジア選手権でMVPに輝いた田嶋大樹(JR東日本、オリックス1位)
など逸材が豊作であり、外れ1位以降で複数回重複も十分予想できることだった*2。
そんな中、巨専スレにいたID:ZPm78Vw+0は巨人が1位指名を外し続けたパターンを予想し、1位:鍬原拓也(中央大)・2位:岸田行倫(大阪ガス)を「考えられる限り最低」「これに遠ければ遠いほど良い」と書き込むが、両方とも当たってしまったことから難しい予想を見事に当てた見識の高さと、その後の落胆ぶりが注目されることになった。
【実際の指名】 
1位:公言通り清宮を指名したが、交渉権は日本ハムが獲得
↓外れ1位:村上を指名したが、交渉権はヤクルトが獲得
↓外れ外れ1位:鍬原拓也を単独指名
↓2位:岸田行倫を指名
書き込みの内容 
※個人情報保護の観点から元スレにあったワッチョイとIPはカット。
105 :どうですか解説の名無しさん [sage]:2017/10/26(木) 00:32:54.84 ID:ZPm78Vw+0
>>91
1位桜井を忘れるなよ
桜井とか2位でも指名されるか怪しい程度だったのにいきなり1位指名だからな
巨人ドラフトは何が起こるかわからない
579 :どうですか解説の名無しさん [sage]:2017/10/26(木) 16:29:35.01 ID:ZPm78Vw+0
考えられる限り最低のドラフト
ドラ1 鍬原
ドラ2 岸田
これに遠ければ遠いほど良い
201 :どうですか解説の名無しさん [sage]:2017/10/26(木) 18:09:53.21 ID:ZPm78Vw+0
岸田行ったら巨人弱体化狙ってるスパイが居ると断定すっぞ
416 :どうですか解説の名無しさん [sage]:2017/10/26(木) 18:15:04.55 ID:ZPm78Vw+0
どこかああああああああ岸田指名してくれえええええええええええ
633 :どうですか解説の名無しさん [sage]:2017/10/26(木) 18:17:25.08 ID:ZPm78Vw+0
どうして・・・・
もうマジでファン辞めたい
712 :どうですか解説の名無しさん [sage]:2017/10/26(木) 18:18:24.10 ID:ZPm78Vw+0
やべーマジで泣きそう
桜井ドラフトよりひどい
829 :どうですか解説の名無しさん [sage]:2017/10/26(木) 18:20:05.10 ID:ZPm78Vw+0
579 自分:どうですか解説の名無しさん [sage] 投稿日:2017/10/26(木) 16:29:35.01 ID:ZPm78Vw+0
考えられる限り最低のドラフト
ドラ1 鍬原
ドラ2 岸田
これに遠ければ遠いほど良い
およそ2時間前の俺をブン殴りたい
その後の指名 
巨人は3位でまたしても社会人捕手の大城卓三(NTT西日本)を指名。更に4位から6位まで二塁手候補を3人連続(北村拓己(亜大)、田中俊太(日立製作所)、若林晃弘(JX-ENEOS))で指名すると、育成ドラフトでは捕手を2人(広畑塁、小山翔平)指名する。
凄まじく偏った指名から、指名選手の守備位置を羅列した「投捕捕二二二」というフレーズは2017年の巨人ドラフトを象徴する言葉としてクローズアップされた。
指名選手一覧 
育成枠は現役中に支配下登録された選手のみ掲載。通算成績は2022年レギュラーシーズン終了時点。『一軍出場』は他球団への在籍経験がある場合、「通算出場数(指名球団での出場数)」で示す。
順位 | 名前 | 守備位置 | 出身 | 一軍出場 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 鍬原拓也 | 投手 | 中央大 | 80試合 | 現役。故障もあり2020年より育成契約→2021年に支配下復帰も同年オフ再度育成契約→2022年に再度支配下復帰。2023年限りで戦力外。 |
2 | 岸田行倫 | 捕手 | 大阪ガス | 136試合 | 現役 |
3 | 大城卓三 | 捕手 | NTT西日本 | 659試合 | 現役 |
4 | 北村拓己 | 内野手 | 亜細亜大 | 176試合 | 現役 |
5 | 田中俊太 | 内野手 | 日立製作所 | 286(209)試合 | 現役。2020年オフに梶谷隆幸の人的補償でDeNAに移籍。*3 |
6 | 若林晃弘 | 内野手 | JX-ENEOS | 330試合 | 現役 |
7 | 村上海斗 | 外野手 | 奈良学園大 | なし | 2020年限りで戦力外。 |
8 | 湯浅大 | 内野手 | 高崎健康福祉大学高崎高 | 109試合 | 現役 |
(育成選手は全8名とも支配下契約歴なし) |
ドラフト当時のチーム事情 
この年一軍出場があり、ドラフト時点でチームに在籍していた捕手は小林誠司・宇佐見真吾・實松一成のみであった。このうち宇佐見は内野手コンバート案が浮上していた上に*4、實松はドラフト後に戦力外となった*5為、捕手を多めに補強しなければならないチーム編成だったと予想される。
同様に二塁手もレギュラー格の中井大介*6がパッとせず、シーズン中盤以降は一・三塁手が本職のケーシー・マギー*7を二塁手として起用するなど層の薄さが露呈していた。
また、この年のドラフトは最上位以外は全体的に不作だった*8と言われ、将来のために数だけでも確保する意図は分からなくもないとする意見もある。
当時のなんJ以外での評価 
清宮・村上に入札するなど「若い大砲候補を補強ポイント」と定めておきながら、結局投手の鍬原を1位で獲得せざるを得なかったこと、高校生の指名が1人だけという徹底した即戦力中心にしたこと、それ以上に岸田・大城と立て続けに捕手を指名してチーム内の捕手の年齢層が20代前半から半ばに偏ってしまったことには、野球評論家から批判が集まった。
【元スカウト・得津高宏氏のドラフト診断】巨人の社会人捕手2人指名は納得できない!バランス良かった日本ハム
元スカウトで本紙評論家の得津高宏氏がズバリ採点した。
「今年はどうにも納得できない球団から話してもいいでしょうか。巨人の指名は、スカウトをやっていた者としては非常に違和感を覚えます。スカウトというものは投手をどれだけ取れるかというのをまず考えます。ですが、育成を除いて指名した投手は1人だけ。一方、上位で社会人の捕手を2人も指名した。しかも同じ関西から。バランスどうこういうより、はっきり言って異質です。若返りがテーマの球団にありながら、捕手には小林、宇佐見という若い選手がいる。高校生の捕手を取るならまだわかりますが…。外れ1位で村上を外し、慌ててしまったのでしょうか。取るべき選手はもっとほかにもいたのでは、と思います。低い評価をつけざるを得ません」
名スカウトのドラフト採点。「成功は日ハム、中日、オリ。失敗は偏向巨人」
ヤクルトで30年以上スカウトをしてきた片岡宏雄氏に、恒例のドラフト採点をお願いした。
(中略)「迷走しているように見えたのは巨人だ。クジで清宮、村上を外して1位で、鍬原に方向転換したが、まだ未完成で、1位では、しんどいだろうなと見ていた投手。しかも、2位以下は、捕手が2人、内野手4人、外野手1人と全員野手を指名した。高校生は1人だけ。こういう偏向したドラフトをやってしまうと後々、しわ寄せが生まれる。2位で大阪ガスの岸田行倫、3位でNTT西日本の大城卓三と社会人捕手を2人も取っているが、小林誠司をどうにかしてやろうとか、今年、出てきた宇佐見真吾を使おうという考えはないのだろうか」
2017年のドラフト会議を完全採点。清宮の日本ハムは90点。最低は……。(小関順二氏)
小林、宇佐見がいるのに捕手を2人も上位指名した巨人。
< 巨人 50点 >
巨人は清宮、村上の抽選に敗れ、最速152キロを毎試合のように計測する速球派、鍬原拓也(中央大・投手)に落ち着いた。シンカー、スライダーを前面に押し出した今春のリーグ戦は好投が続いたが、ストレートを押し出した秋は痛打を食らう場面が目立った。似ているのは投球フォームや不安定さも含めて増井浩俊(日本ハム)か。
また2、3位で社会人のジャパン代表クラスの岸田行倫(大阪ガス)、大城卓三(NTT西日本)と続けて捕手を指名したのは理解できない。
チーム内にはWBCの正捕手、小林誠司(来季29歳)がいて成長著しい宇佐見真吾(同25歳)もいる。ここに来季22歳になる岸田と25歳になる大城を入れれば年齢差が狭い中に4人がひしめくことになる。
ドラフト制度導入以前の巨人が王貞治、長嶋茂雄にあえてライバル的な新人をぶつける補強をしたが、今そういうことをすれば他のポジションに好素材の選手が行き渡らなくなる。
現状を見れば投手の層が薄くなる。高校生が8位の湯浅大(健大高崎・遊撃手)1人というのも寒々しい。
■巨人 ドラフト採点=50点
競合した清宮幸太郎(早実)、村上宗隆(九州学院高)を抽選で外したのだからマイナス50点は当然。1位の鍬原拓也(中大)以外は当初の予想どおりに野手で固め、社会人捕手2人の獲得は宇佐見真吾のコンバートを示唆するものか。上位候補の田中俊太(日立製作所)を5位で獲得できたのは望外の成果といえる。
その後の評価 
2017年組の中で真っ先に頭角を現したのは大城。持ち味の打力を武器に1年目から第2捕手兼一塁手として一軍に定着すると、2019年から東海大相模高・東海大の大先輩である原辰徳が三たび監督に復帰したこともあって出場機会が増加し、2020年には正捕手を争うまでに成長し、最終的に規定打席には届かなかったものの打率.270、9本塁打、41打点の好成績でベストナインを獲得。課題だった守備も次第に改善され、現在は正捕手の地位を確固たるものにしている。また2023年のWBCで日本代表に初選出され、第三捕手としてチームを支えた。同年は打率.281、16本塁打、55打点と打撃成績は軒並みキャリアハイを更新、また初の規定打席到達を果たし2度目のベストナインに輝いた。
北村・田中・若林・湯浅は仁志以来固定されていないセカンドのレギュラーを争ったが、いずれも一皮剥けず「ドングリーズ」と揶揄され、吉川尚輝の台頭でまとめて微妙な立ち位置に収まっている*9。後に田中は人的補償でDeNAに移籍、開幕戦でよりによって巨人相手に6打点を挙げる活躍*10で巨人ファンの頭を抱えさせたがそれ以降は攻守に精彩を欠き移籍先でも定位置を確保するには至らず、2023年に戦力外通告を受けてしまった。残った3人の中では若林が定位置こそ取れなかったもののスーパーサブとして一軍に定着している。
史上最低と言われた片割れの岸田は次世代の正捕手候補として期待され、2020年にはプロ初ホームランも放ったが、それ以降は二軍と第3捕手の枠を行ったり来たりしており、大城の定着もあって現状レギュラー争いとは遠い位置にいる。ように思われていたが2023年6月30日の対阪神戦にて延長10回にてサヨナラホームランを放った。そこから1週間に1回程度ではあるがスタメンマスクを被っており第二捕手的な起用をされている。
そして問題のドラフト1位・鍬原は開幕前から上半身のコンディション不良で別メニュー調整となり、「嫌な予感が的中した」と巨人ファンを嘆かせた。故障から復帰した後はプロ初勝利こそ挙げたものの、以後は制球の悪さとランナーが出ると露骨に乱れるという弱点が重く響き目立った活躍ができず、また故障も多くドラフト1位にして育成降格の屈辱を味わった。その後しばらくは育成と支配下を行ったり来たりする不安定な扱いが続いており、巨人ファンからも終わった選手として見られていたが、2022年シーズンに突如支配下登録されるとオープン戦でこれまでとはいい意味で別人のような安定した投球を披露。その後シーズンに入っても好投を続け、何の因果か同じく最低のドラ1扱いされた翁田大勢*11や同じくドラフト1位の平内龍太と共に離脱者が相次いだ巨人のリリーフ陣を支えた*12が、翌2023年は僅か5登板と再び不振に陥りオフに戦力外通告を受けた。
以上のように安定した定位置を奪った選手こそ大城くらいのものだが一軍戦力は多く確保されており、「考えられる限り最低」と言われた評価は概ね覆されている。