埼玉西武ライオンズの本拠地・西武ドーム*1の蔑称・愛称。「屋根付き」「自然共生(強制)型球場」とも。
なんJに限らず野球chや野球板など、古くからネット上では広く用いられている別称でもある。
概要
1979年、ライオンズの所沢移転に伴い屋外球場「西武ライオンズ球場」として開業。さらに1998年には「屋外球場に屋根を被せる」という類を見ない方法でドーム球場化し*2、西武ドームと改称した。しかし、外壁は部分的にしか設置されず、外壁のない部分は骨組みのみで外気吹きさらしという中途半端な構造*3の球場となった。
この中途半端な構造とした理由は、「税法上、完全ドームとするより固定資産税を節税できるから」であるとされたが、国税庁は「西武ドームの屋根は完全ドーム球場と同等であり、固定資産税上でも優遇できない」と判断したため、肝心の節税という恩恵は受けられず本末転倒な結果になっている。
以上のことから、「ドーム球場ではなく屋根の付いた奇怪な何か」という意味合いで、ライオンズの別名「猫」と組み合わせて「猫屋敷」という呼び方が生まれたものと思われる。
元々は蔑称の意味合いが強かったが、現在では普通に西武ファンも使用しており愛称となっている。
球場の難点
- 上記の構造ゆえ、ドーム球場の長所の一つであるはずの空調設備は設置できず*4、かといって屋根があるため屋外球場のような風通しや開放感もない。そのため春先・秋は極寒、夏場はサウナ状態*5、さらに荒天時は雨風が吹き込む有様*6となっている。
- 西武ドーム周辺は西武球場前駅含め、多摩湖・狭山湖周辺を中心に文字通り森林地帯である。夏季あたりになると、蝉、蚊、蜂など所沢の森に住む昆虫軍団が大挙して場内に侵入し、夏休み終盤には大量の蝉の死骸が落ちていることも。
- 外野守備中の平田良介(中日)が「(蜂を刺激すると怖いので)ココには打たんといて」と念じていたというエピソードがあるほか、2019年9月1日には甲斐野央(ソフトバンク)が、2021年6月9日にはエドウィン・エスコバー(DeNA)が左腕(利き腕)をそれぞれ蜂に刺されるという実害も発生している。
- 2013年5月5日にはカラスの襲撃を受けたハトがグラウンドに落下する事件が起きた。
- 地形と西武球場前駅の位置の都合で、出入口が事実上バックスクリーン裏の1ヶ所にしかなく*7、後述する激しい混雑の原因となっている。
- 加えて山を削って作られたことから、内野席へ行くルートはウォーキングコースじみた急な坂道となっている。店舗は外周をぐるりと囲むように設けられているため、物販の利用にも一苦労である*8*9。
- コンビニは駅前の1店舗しかなく、試合前やイベント開演前は大混雑となる。しかも球場との間には信号機付きの横断歩道があり、これはこれで別な渋滞が発生する*10。
アクセス
球場の所在地は埼玉県所沢市*11だが、中心部から離れた郊外にある。
至近に西武球場前駅があり、池袋から約30分で直通する特急列車も運行されており都心からのアクセスは良好。他方、路線網の関係で埼玉県内からの鉄道アクセスは不便である*12。
加えて、試合またはイベント終了後1時間前後は、西武球場前駅内外で混雑が慢性化している。同駅には狭山線と山口線(レオライナー)が乗り入れているが、どちらも構造上列車本数が限られており*13、さらに山口線は新交通システムの小型車両4両編成なので収容力が低く、本数も少なければ終電も早い*14ためである。鉄道以外の交通として西武バス・立川バスが多摩都市モノレール上北台駅・JR立川駅*15まで運行されており、都内多摩地区からのアクセスには便利だが、鉄道との利用客分散にはなっていない。
それでも、通常の野球の試合であれば帰宅タイミングが分散し混雑が酷くならない場合もあるが、コンサート等のイベントではプロ野球より電車利用の来場人数が上回るイベントが多く、ほぼ全員同じ帰宅タイミングのため、駅前ではまともに動けないレベルの混雑が発生する。プロ野球の場合、西武ファンは埼玉県民や西武線沿線の東京都民が圧倒的に多いため多くが途中駅で降りてしまい池袋時点では空いていることも多数だが、コンサートの場合は大多数が池袋まで向かってしまうので、池袋行きの場合は終点まで混雑したままであることも多い。