2017年 新歓オリエンテーション ミキサー

Last-modified: 2017-12-13 (水) 21:02:01
 

今回の新歓オリエンテーションでは、新しく買って頂いたミキサー (YAMAHA MGP16X) を使用しました。技術的知識が乏しい中で担当してしまったので、間違っていることもあるかとは思いますが、イベントを通して分かったことを書きます。
ミキサーの仕事についての基本的な説明は、以前の引継ぎページを見てください。[ GAINとフェーダーの調整について、音量・音量チェックについて、マイクについてなど ]

 

MGP16X

普段昼放送で使っているミキサーがデジタルミキサーというものに対し、今回使用した新しいミキサーはアナログミキサーです。2系統のエフェクト機能を内蔵、さらにBGMを自動調整するDucker機能、音量を一定に揃えるLeveler機能などがあり、とても素晴らしいです!嬉しい!
  アナログミキサー
入力された音声信号をアナログのまま処理する。すべてのボタンやフェーダーがコントロールパネル上で一覧でき、基本的な音声信号の流れを理解していれば初心者でも使いやすい。メモリー機能はないが、瞬時の対応が簡単。
⇔ デジタルミキサー
入力された音声信号をデジタルに変換して処理する。フェーダーに割り当てるチャンネルを切り替えながら操作するため操作が少し難しいが、機材量のわりに多機能である。メモリー機能があり、一つひとつのセッティング状態を記録できる。

コントロールパネルの機能

新しくなったので簡単に書きます。ここで書ききれないので、基本的なものについてです。説明書に詳しく説明があって正しいので時間のある人はそちらを読んでください…

◇チャンネルコントロール部

 

DSC00756 3.jpg

 

① +48スイッチ
  コンデンサーマイクを作動させる為に必要なファンタム電源を供給する。
② 26dB(PAD)スイッチ 
  入力信号を26dB減衰させる。入力レベルの大きい機器接続時に用いる。
③ ハイパスフィルタースイッチ 
  100Hz以下の音をカットする。マイクに入る息のノイズやハンドリングノイズを軽減する効果がある。
④ DUCERスイッチ 
  8CHに一定レベルよりも大きい信号が入力されている間、音量を自動的に下げる。マイクでのアナウンス時 にBGMを自動で下げるのに使う。
⑤ LEVELERスイッチ 
  ジャンルや年代によって異なる楽曲の音量を一定に自動調節できる。
⑥ GAINコントロール 
  入力信号に対する感度を調節する。
⑦ COMPコントロール
  コンプレッサー機能(大きな音を圧縮して全体の音圧を高める)のかかり具合を調整する。音を聞きやすくすると共に、機材を保護する目的がある。
⑧ STEREOIMAGEスイッチ 
  入力されたステレオ信号をMONO・BLEND・STEREOの3種類に切り替えられる。
  (モノラル…単一信号を出力、ステレオ…2種類の音声信号を出力)
⑨ EQ
  特定の周波数の音を増幅、減衰させる。中音域の場合、上のツマミで基本周波数を設定し、下のツマミで調節する。
⑩ AUXコントロール
  各チャンネルからAUXバスに送られる信号レベルを調整する。
  AUXバス…外部機器(モニタースピーカー・エフェクター・録音機 等)に信号を送る回路
⑪ PREスイッチ
  AUX2に送られる信号をフェーダーの影響を受けないようにできる。
⑫ FXコントロール
  各チャンネルからFXバスに送られるポストフェーダーの信号レベルを調整する。
  FXバス…内部エフェクターに信号を送る回路
  ※ポストフェーダー…チャンネルフェーダー調節後(=フェーダーと連動する)
⑬ PAN(BAL)コントロール
  左右のスピーカーからの出力の割合を調整する。
  BALコントロール…ステレオチャンネルの左右の音量バランスを決める。(既に左右は振られている)
⑭ ONスイッチ
  チャンネルを有効にする。
⑮ インプットメーター
  各チャンネルに信号が入力されるとSIGが点灯する。入力信号が大きすぎるとPEAKが点灯する。
⑯ バスアサインスイッチ
  各チャンネルの信号をどのバスに送るかを決める。
  ・1-2、3-4 →GROUP1-2、3-4バスに出力 ・ST →STEREOバスに出力
  GROUPバス…複数のチャンネルをまとめて操作するための回路
  STEREOバス…全体の音量を操作してSTEREO OUTに出力するための回路
⑰ PFLスイッチ/インジケーター
  プリフェーダーの信号をMONTOR OUT端子とPHONES端子でモニターできる
  ※プリフェーダー…チャンネルフェーダー調節前(=フェーダーがら独立して一定)
⑱ チャンネルフェーダー
  各チャンネルの信号の出力レベルを調節する

 

◇USB端子

 

DSC00754.jpg

 

① USB端子
  USBケーブルを使ってiPod・iPhoneを直接接続できる。認識されると横のインジケーターが点灯する。
  ※iPod ・iPhone専用なのでそれ以外は接続しない! ケーブルの抜き差しは間隔を開けて行う。
② ルーティングアサインスイッチ
  入力信号の出力先を決める。USB端子接続で使用する場合は押し込むことを忘れずに。

 

◇内蔵エフェクター

 

DSC00751 2.jpg

 

① エフェクトプログラム表示
② プログラム選択ノブ
  まわして選択、押し込んで決定。
③ パラメーターコントロール
  エフェクトの効き具合を調整する。
④ AUXコントロール
  AUXバスに送られる音レベルを調整する。
⑤ TAPボタン
  DELAY、SINGLEDELAY選択時にテンポを設定できる。
⑥ ONスイッチ
  内蔵エフェクトを有効にする。
⑦ SINインジケーター
⑧ バスアサインスイッチ
⑨ PFLスイッチ
⑩ FX RTNフェーダー
  内蔵エフェクターから、バスへ送る音レベルを調整する。

 

オリテでの操作・気を付けたこと

 

今回の接続チャンネルとマイク
1・2CH→MCマイク(NEW・A1)、3・4CH→団体マイク(A2・オーテク)、5CH→新勧委員挨拶マイク(有線)、6CH→予備CH(amoroso実演マイク)、7・8CH→黒デ、9/10CH→予備CH(amoroso準備時影マイク)、11/12CH→PJ、13/14CH→予備CH、15/16CH→USB(iphone)

 

・マイクのチャンネルのハイパスフィルター、黒デ・USBのチャンネルの2dBスイッチは常にONにして使いました。

 

・COMPは大体全部のチャンネルで真ん中にしていました。有線マイクだけは0に近くしておくとハウりずらくなった気がしました…理由が説明できなくてすみません。

 

・iPad、iPhoneにdjayを入れて、黒デとUSBポートに接続して使用しました。djayひとつで自動でクロスできるのですが、実演をする関係とプロのご意向でミキサーでもクロスする作業があったのでこのような接続になりました。

 

・LEVELER機能は、使えることに気がつくのが遅かったので今回は使わないことにしました。随分変わるのでぜひ初めから試してみて下さい。

 

・amorosoは実演で歌を歌います。マイクはすべてamorosoが用意したものを使い、MCと団体用のマイク(1~6CH)と差し替えて使いました。映像団体の間に影マイクを空いているチャンネル(9/10CH)に差し変えて対応しました。
※一人では難しいので、ADや近くの連絡や舞台付きに相談して手伝ってもらいました。また、マイクチェックが何度も必要になるので、舞台付きやカンペなどマイクに関わる人としっかり話し合っておくことが重要だと思います。
※マイクの差し替えごとにマイクチェックを行って下さい。
  →PHONSE端子にイヤホンを接続し、モニターしたいチャンネルのPFLスイッチを押す!

 

・オリエンテーションでは途中で技術職の実演紹介が入ります。ミキサーは例年クロスの実演をします。今回はクロスに加えエフェクトの実演をするという試みでしたが、エフェクトが目立つ曲を探すのが意外と大変でした…!色々試しましたが、EQでの演出の方がわかりやすいという結論になり、今回はクロス+EQの操作という実演になりました。次回どうするかは色々試してみて下さい!

 

・ツマミはとても回転しやすいです。気がつかないうちに動いてしまうことがあるので注意です!特にEQを使うと感じる音量も大きく変わるので演出等の後に戻すのを忘れないように、、忘れるとBGのつもりが爆音になったりしてパニックになります。

 

・MC、団体マイク共に話し終わったらその都度マイクのスイッチを切ることを徹底することが重要です。逆にスイッチを入れる時も雑音防止の為になるべく直前でつられると良いです。
私も一番苦労したのがマイクスイッチです。特に団体発表の影マイク…!とにかく回数が多いので集中し続けないと本当にミスだらけになります。隣のADにも協力してもらって、2重で対策するといいと思います。

 

・団体の映像発表も事故防止の為にその都度のPJボタンのつけ消しを行いました。

 

・マイクであまりにも小さい声で話されてしまうと、全体に聞こえるようにする為にはどうしてもハウリングしやすくなってしまいます。本番でもスタンドマイクと話す人の距離が離れていてハウリングさせてしまうということが起きたので、声の大きさやマイクとの距離について出演者への指導が重要です。

 

・マイクや音楽のトラブル対策に関しては、事前に対応の流れを考えてブースやMCまわりの人達と共有しました。マイクのトラブルの際はすぐにスイッチを切って、他のマイクに切り替えてから原因探し、復旧をするようにしましょう。

 

・団体の持ってくる映像はそれぞれ音量レベルが違うので必ず全部チェックした方がよいと思います。あまりに大きい音だった団体は覚えておいて、後でPJさんに頼んで映像をつなげる作業のついでにある程度揃えてもらったりしました。

 

最後に

オリテのミキサーはすごく操作が多いし、とても責任感ある役職だけど、その分得られる達成感が大きいです!緊張するけど、イベント終わる最後の最後まで冷静でいることが大切だと感じました。新入生に見せる大きなイベントだから、誇りをもって頑張って下さい。これからのオリテでミキサーを担当する皆さんの成功を祈っています!!
(2017 岩瀬百花)