Alco PA/PB
Last-modified: 2022-05-27 (金) 17:57:22
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ゲーム内説明
- Alco PAは史上最も美しい機関車として評価されることの多い車両です。Pは"Passenger(乗客)"、Aは"運転台付きのユニット"を意味しています。
- Alco PBは、運転室を持たないブースター・ユニットBで、PAとより高い馬力定格を実現しています。
概要
- Alco PA及びAlco PA/PBは、アメリカ車両群で1946年に登場するディーゼルエレクトリック式機関車です。特筆すべきはその速度で、他車両群と比較しても群を抜いて早い時期に188km/hもの高速を発揮できるため、旅客列車の所要時間短縮に大きく貢献します。同じく特筆すべき高速を誇るPioneer Zephyrとは異なり出力も十分にあるため、加減速でのもたつきも小さくなっています。
- 半面、貨物列車としては、貨車の最高速度が80km/h~120km/hと低く、速度というメリットを生かすことができません。こちらは他の出力の大きい機関車に任せるほうがいいでしょう。
史実
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- アメリカン・ロコモティヴ・カンパニー(ALCO)は、ディーゼルエレクトリック方式の機関車の開発においては先駆者で、1931年にHHシリーズをどのメーカーにも先んじて開発していました。しかし、GM-EMDが1938年に開発した'FT'を目にして、この分野の競争には強力かつ高速な新しいエンジンが必要であると考えました。そのため、まず1940年にこれまでにも協力関係にあったGEとパートナーシップを締結し、そしてEMCに対抗するために241形エンジンの開発を開始しました。ところが、当時は第二次大戦が勃発した時期でもあり、程なくしてアメリカ政府軍需生産委員会の国家生産計画により、ALCOは強力なエンジンが必要になる本線列車用の機関車ではなく、主に入換機関車の製造を担当することになり、結果として開発は遅々として進みませんでした。
- 状況が好転したのは戦時中の1943年で、ALCOは軍需生産委員会に対し本線列車用のディーゼル機関車の製造割り当てを要求し、少数ではありますが無事割り当てを受けることができました。これにより241形エンジンの開発もようやく進むことになりましたが、いざ試験を開始したところ、241形エンジンにはいくつかの看過できない問題があることが判明しました。そのため、1944年には241形の量産を諦め、241形をベースとして欠点を克服した244形エンジンを新たに開発することを決定しました。1945年から始まった244形エンジンの試験は、ある程度のマイナーチェンジが必要ではあったものの概ね良好な結果が得られました。これにより、244エンジンを使用する貨物用と旅客用の機関車がさっそく開発され、販売されることになりました。この旅客用の機関車が、ALCO PA/PBです。
- PAとPBの差は、ゲーム内説明にある通りです。アメリカでは、片側に運転席がある機関車をAタイプ、ない機関車をBタイプと呼称しており、本車両も同様になっています。運転席がない分、PAよりPBのほうが車体長がやや短くなっていますが、ALCO PA/PBでは出力の差はありません。基本的には、PBは他のAタイプの機関車と連結して使用されます。
- 'ALCO PA/PB'には、電動機出力が1,490kWの'PA-1/PB-1'と、1,680kWの'PA-2/PB-2'の2つのモデルがあります。ゲーム内に登場するモデルは、パラメータからするとPA-2/PB-2と思われます。最終的な製造数は、すべてのモデル合計で297両でした。
- 一部の車両は、エンジンを244形エンジンから後継の251形エンジンに載せ替え、'PA-4'となりました。
- 貨物用のFA/FBの製造数は、旅客用をはるかに上回る1,401両でしたが、244形エンジンの製造工程上の問題による緊急修理等のトラブルにも見舞われたため、ライバルメーカーGE-EMDの貨物用機関車である'F7'や'GP7'(合計で6,500両製造)にはほとんど太刀打ちできませんでした。そのため、ALCOは更なるテコ入れのために251形エンジンを開発し対抗しようとしましたが、251形では241形と244形のようなトラブルが起きないように慎重に試験を行ったため、開発が遅れました。1953年にはこの開発遅延を理由にGEから提携を打ち切られ、以降はGEが開発したディーゼル機関車が新たにライバルに加わってしまったため、251形エンジンは高い信頼性を持つエンジンとして世に出たものの、ALCOの利益にほとんど貢献できませんでした。
- ALCOは結局機関車開発競争に敗退し、1969年には会社も消滅しました。機関車設計部門は、子会社だったモントリオール・ロコモティヴ・ワークス(MLW)に引き継がれた後、それを買収したボンバルディアが最終的に機関車開発から撤退したことで、系譜は途切れています。
- ボンバルディアは現在も機関車を製造していますが、そのベースとなっている技術は欧州メーカー由来のもので、ALCO由来のものではありません。
- エンジン事業はゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GEとは別の会社)に引き継がれた後、最終的にはフェアバンクス・モースに売却されました。251形エンジンはALCOの利益には貢献しませんでしたが、その洗練された基本設計と高い信頼性が評価され、MLWが開発した機関車にも引き続き採用された他、発電用など鉄道以外の分野でも採用されました。2020年の時点でも、251形エンジンはフェアバンクス・モースの発電用エンジンのラインナップに掲載されています。
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