八十八星夜話/あとがき

Last-modified: 2012-01-07 (土) 17:36:32

八十八星夜話 あとがき

夜空を彩る星座たち。
伝承によれば、最初の星座の誕生は、神代の時代までさかのぼる。
かつてこの世界は6つに分かれていた。
分裂していたのは世界だけではなく、そこに住まうスピリットたちの和も乱れに乱れていた。
ある世界では支配権をかけた戦乱が続き、ある世界では命持つ者と亡き者の抗争があり、
ある世界では時の流れさえも浸食しながら互いを壊し続ける。
そんなあまりに勝手なスピリットたちの振る舞いは、ついに神の怒りを買った。
神は自らの軍団を送りこみ、スピリットたちを根絶やしにするばかりか、世界そのものをすべて滅ぼしてしまった。
後に「鉄の時代」、あるいは「血の時代」とも呼ばれることになる醜い争いの日々は、こうして終焉を迎えたのだ。
続けて神は創造主をつかわした。
創造主は、自らの肉体を大地や海に変え、世界を作りなおしたという。
我々が今住んでいるこの世界は、創造主そのものなのだ。
かつて6つだった世界は、創造主によりひとつになった。
記録には残っていないが、この世界の元になった者ならば、とてつもなく大きな巨人だったのだろう。
創造主はこの時、自らの意思を夜空に放った。
「怒り」「悲しみ」「思いやり」……彼の想いは12に分かれ、天を巡る星座となった。
やがて12の星座の力を宿したスピリットが生まれ、その支配の元、「春の時代」と呼ばれる最も幸福な時代が訪れた。
なにがしかの強い力は星座となって夜空に上る。
最初は12しかなかった星座だったが、その後の「英雄の時代」を経て、その数は88にもふくれあがった。
星座の力は様々な形で我々の元に現れた。
あるものは創造主の十二宮のようにスピリットとなり、あるものは炎の矢となって降り注ぐなどの現象として存在し、
あるものは船や祭壇など命持たない物質となった。
現在を、わたしはあえて「星の時代」と呼ぼう。
太陽と月を巡る争いを、わたしたちは十二宮の力を借りておさめることができた。
別の言い方をすれば、十二宮の力さえあれば、おさめることができる戦いでもあった。
これから先、もしかしたらすべての星座の力を借りねばならない動乱がないとも限らない。
遠い未来のあなたのために、星座に関してわたしの知りうるすべてをここに残した。
もし、勝利が必要になったとき、星座を集める助けにしてほしい。
そして同時に祈りをささげよう。
星座の力が必要になるような大きな争いが、二度と起きない平和な時代が訪れるようにと。
                                    星文学者 リリア 八十八星夜話 あとがき

バトスピショップバトルEXの優勝商品として配布された『八十八星夜話』そのものの巻末に記されている書き下ろしのあとがき。
リリアが過去、現在そして未来のことを記している。
過去に関してはリリアも直接見聞きした訳ではないのだろう、ところどころ異界見聞録などと異なった記述が見られる。

世界が6つに分かれていた「鉄の時代」は紛れもなくロロの時代。支配権をかけた戦嵐は赤の、命持つ者と亡き者の抗争は紫の、時の流れをも浸食するのは白の世界の話。ここでは、世界の乱れに「」が怒り、自らの軍団、つまり虚無の軍勢を送りこんだと書かれている。
「創造主」とはロロのことで間違いないだろう。どのようにしたのかはわからないが、彼が自らの肉体を使って新たな世界を創り出した経緯はギャラクシーエターナルレクイエムに記してある。ここでは世界が一旦滅んだあとにロロが遣わされたような書かれ方をしているが、実際には、ロロが訪れてしばらくしてから崩壊が始まっている。それと、ロロは巨人ではないだろう。うん。

以降、星座に関する記述が「春の時代」「英雄の時代」と続き、星座編の「星の時代」と来て、これから先の話で締めくくられている。

覇王編の時系列がどこなのか明確にはわからないが、「英雄」というワード、そして覇王編のスピリットに鉄の時代のスピリットの成長した姿が多いことなどから、おそらく「英雄の時代」辺りに当てはまるのではないかと推測される。

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