【バレエ ドラゴンクエスト】

Last-modified: 2024-03-23 (土) 14:43:54

概要

【ドラゴンクエスト】の楽曲によるバレエ公演。
1995年7月初演。以後2007年まで約20公演が催され、2002年にはDVDが発売された。
 
2017年に演出・衣裳・舞台装置を一新して公演が再開された。
衣裳はイギリスで製作、モンスターの特殊衣裳は「スター・ウォーズ」も手がけたスタッフが担当とのことで、実は世界レベルのスタッフが携わっている。
なお、音楽は従来通りである。
 
公演時のクレジットは、「音楽」は当然【すぎやまこういち】
「台本」のところに「(【堀井雄二】原作による)」との但書が入る。
また「協力」として、現在は【スクウェア・エニックス】がクレジットされる。

詳細

桐朋音大教授の佐野光司が企画し、スターダンサーズ・バレエ団のオリジナル作品として制作された。
桐朋ってどこよ?と思う人も中にはいるかもしれないが、東京芸大に次ぐ名門の音大である。
なお、佐野は「交響組曲 ドラゴンクエストIV」(ロンドンフィル版)の解説を書いており、その中で「『ドラゴンクエストIV』はバレエ化するべきだと思う」と述べていた。
 
一般にバレエ音楽というのは舞踏によって物語を語るという性質上、音楽そのものでのストーリーの表現は控えめなのだが、映画などの劇伴音楽と比べると舞踏の抽象的な表現を補完する意味で音楽の持つ役割は大きい。その点はゲーム音楽、特に昔のグラフィックでの表現に限界があった時代のゲーム音楽の役割と共通するところがあると言える。(実際、Nintendoドリーム2005年11月号に掲載された任天堂の近藤浩治との対談でも「僕はゲーム音楽はバレエ音楽に近いと思っている」という趣旨の発言をしている)
そして古典的な西洋ファンタジーかつ王道的な勧善懲悪の世界観もバレエにマッチすると判断されたのだろう。専門家ならではの慧眼である。
 
ストーリーはシリーズ各作品の要素が混ざったオリジナル作品だが、佐野によるとDQ4が元になっているとのこと。
二幕構成で、第一幕で仲間を集め、第二幕で魔王の本拠地に乗り込む流れになっている。
ちなみに仲間の1人として【トルネコ】にそっくりな太った「武器商人」も登場するが、彼の登場シーンでは観客の歓声が一段と大きくなるとのことだ。

使用楽曲 

DQ1~6から40曲以上を使用。
DQ4の曲が最も多く、3・5の曲がそれに次ぐ。
ほか1・2からも若干と、初演時に未発売だったDQ6からも1曲だけ入っている。
またわすがではあるがバレエ用に描き下ろされたオリジナル楽曲も存在する。
 
基本的に【交響組曲ドラゴンクエストシリーズ】の譜面で演奏されるが、一部はバレエ用にアレンジされているので、気になる人はチェックしてみよう。
 
具体的には下記の通り。