「ソイ・ディヴィジョン」

Togetterまとめ

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登場人物

あらすじ

「こうして、貯蔵区画を突破するとな、いよいよだ」
「……地上がある。死の大地だ。重金属酸性雨で泥濘んだ大地が、お前たちを迎えるであろう」

近未来都市ネオサイタマ。古事記に記されたマッポーの一側面を体現するこの街には、大小表裏様々な形でジゴクが現れる。
一目でロクなものではないとわかる配給食材をつつきつつ語るアラヤ老人と労働者3名。彼らが現在いるのは非合法地下労働施設「ソイ・ディヴィジョン」。
最大手の大豆加工業者「ジョウゾウ・コーポレーション」が保有するこの施設では、最高級オーガニック・ショーユを製造している。だがその実態は、身寄りの無い者や犯罪者などを連行し、教育プログラムによって職人意識を植えつけ、劣悪な環境下での管理労働を強いるものであったのだ。
暴力と恐怖で忠誠を刻みつけられた彼らは、今日もマイコ音声のアナウンスと共にパブロフの犬めいて労働を開始する。

アラヤ老の話が終わったころ、地上では一人のフリージャーナリストがソイ・ディヴィジョンを監視していた。
会議室に目を向けた彼は信じがたいものを目撃する。いかなることかドゲザを強いられている重役、その前には十字軍めいたヘルメットをかぶる……ニンジャ！？
ニンジャ圧力でジョウゾウ社を事実上掌握するアマクダリ・セクトのラオモト・チバは、不採算部門であるソイ・ディヴィジョンを大規模な違法薬物工場へ改装していたのだ。
慌てて逃亡するジャーナリスト。しかし十字軍ニンジャ・クルセイダーの動きは素早かった……。

「大将に、報告、すぐ。ハイドラ、ショーユ、呑んだ。いつも、大丈夫。今回、おかしい。ショーユに、良くない事、起こってる」

ショーユ工場の異変にいち早く気付いたのは、皮肉にもそこよりもさらに地下の空間に潜伏するサヴァイヴァー・ドージョーの面々であった。
染みだしてくる廃棄ショーユ、即ち貴重な補給地点を荒らされたことに、狂人フォレスト=サワタリの妄想は否応なく掻き立てられる！！

様々な人間の計略が波打つも、決して溢れはしないバランスで成り立っているソイ・ディヴィジョン。だが、それを打ち壊そうとする者がいる。
赤黒の殺人鬼は、再びネオサイタマの闇の中へ戻ってきたのだ……。

解説

ジゴクめいた環境で隔離生活を強いられているのに、それ以外の生きる術を知らぬがゆえに外を恐れ、一生をそこで過ごすことを望むモータル達。
その生き様は現代社会に生きる我々とどこか共通点を感じ取ることが出来るだろう。奴隷たちの長く続いた停滞を破壊するニンジャ達を前に、彼等は何を思うのか？
そして「醤油部門」を巡るこの戦いで、いつにも増して復讐に燃える殺戮者。その胸中やいかに？

Twitter連載時はサイバーパンクの名作、「ソイレントグリーン」を連想させるタイトルや背景設定にニンジャヘッズ達の悪い予感は募って行くばかりであった。しかし、その予想は更に悪い形で裏切られる事となる…日本よ、これがショーユ工場だ！