技術/インピーダンス

Last-modified: 2008-06-16 (月) 22:04:22

インピーダンス

イメージ

(どっかで見た説明なんだけどどこで見たんだっけ・・・)

まずインピーダンスの大きさをホースの太さと考えよう。
その中を流れる水が信号とする。

ここで、細いホースから太いホースに水を流すことを考えよう。
ただし、つなぎ目は水が漏れないようにはなっていない。

細いホースから太いホースには水を簡単に流し込めるけど、逆はそうもいかず漏れてしまう。
そんな感じでちゃんと水が正確に流れていかない状況が、インピーダンスマッチングが取れていない状態といえる。逆の場合はインピーダンスマッチングが取れている状態である。

水が漏れるということは、なんらかの伝達ミスが発生している状態であるということである。

(ちがうかもしんない)

 

こちらの説明も近いものを感じます。
http://www.hifido.co.jp/merumaga/gyoumu/070413/index.html

堅苦しい話抜きの説明

インピーダンスとは

単純に言えば抵抗です。
テスターで簡単に測定ができます。 普通は直流抵抗のみ測定可能
(ただし、内部にアンプなどの抵抗・コイル・コンデンサ以外の部品が使われている場合は基本的に不可能)

ロー出しハイ受け

音響機器間をつなぐ際に破ってはいけない法則。破ってしまうと面倒なことが多い。
大抵の機材はこの法則が守られるように設計されているが、ギターやベースなどの機材では、設計上高インピーダンス出力となっている。これらの機材では、ミキサーなどの機材に接続する際、DIやトランスなどを使ってインピーダンス変換をする必要が出てくる。

 

・この法則を簡単に破る方法
ベース・ギターの出力を直接ミキサのインプットにぶち込みます。
音の変化が良く分かると思います。起こりうる現象は

  • 低域が・・・
  • なにこのノイズ

など。
まれに受け側の機材を破壊する恐れもあります。
(大出力な物は・・・)

ちょっと電気的なことに足を突っ込んで説明

インピーダンスとは

交流回路における抵抗値です。インピーダンスの直訳は抵抗となります。
直流回路においてはコンデンサは無限大の抵抗、コイルはほぼ抵抗なし(=ただの導線)とみなせますが、交流回路においては周波数によってコイル・コンデンサ共に抵抗値が変わってくる特性があるため、考え方をいろいろと拡張している。表記には複素表示が良く使われる、が音響分野ではあんまりそんなことは気にしない。
(実際、スピーカのインピーダンスなんて周波数で結構変化するのに、その辺無視して"8Ω"とか表記してる、とか。)

電力伝送

電力伝送は出力・入力(送信側・受信側)のインピーダンスが一致したときに最も電力を送ることができる。
ただし、出力側で消費される電力と入力側で消費電力が同じになる。

つまるところアンプでこんな事態が発生すると、アンプ内でスピーカの出力と同じ電力が消費されてしまう。もっと言えばアンプ内での消費は熱となるため、ありえないくらいの発熱を起こしたりするとか。

音声信号(数V程度の低電圧/周波数~20kHz程度)のレベルでは音に対する影響は

  • 入出力のインピーダンスが一致する場合、影響は最も少ない
  • ロー出しハイ受けは入出力のインピーダンスが一致する場合とほとんど変わらない。
  • ハイ出しロー受けはノイズやらで影響受けまくり

ということで余裕を持ってロー出しハイ受けが基本となってます。
厳格に決めてしまうとそこの部品の精度が求められて、結果的に機材のコストアップにつながるというのもおそらく一因でしょう。古い機材もマッチングが取れなくなってしまうし、あまりいいことはないですね。

ノイズとの関係

ノイズは基本的に外部の電磁波の影響によって引き起こされる。(電源に起因するノイズはまた別)
この場合、ノイズは電流として導線内に発生(誘起)する。この電流として誘起されるという特性は重要である。

ここで、入出力共にインピーダンスが高い伝送路とインピーダンスが低い伝送路を比較する。出力側の送り出す電力が同一である場合を考えるとオームの法則より、インピーダンスが高い伝送路では低い方よりも電流が小さくなる。
このため、電流として誘起されるノイズの影響が大きくなってしまう。

このことから、単純に考えれば全体のインピーダンスの低い伝送路の方が外来ノイズに対して強いということが言える。

 

キーボードやMTRなどの機器の出力は比較的大きいのにも関わらず、DIなどを使用する理由はこのため。キーボードやMTR、CDなどのラインアウトは数kΩの高インピーダンスであるので、それなりの距離を伝送する際はDIなどでインピーダンスを下げるという作業を行う必要がある。

電気的な音質のこと

  • 音声信号レベルの話

音声信号は基本的に電圧伝送なのでパラっても音量は変わらないが、送り側の出力の余裕加減とかインピーダンスのなんたらで音の方は若干変化したりしている。DI-1のパラアウトはその音の変化がかなーりわかる。
つーことで
DI-1のパラアウトは基本的には使わないほうが音は良くなる。
このためDI-9では意図的にパラアウトを装備させていない。

同様の話で、マルチBOXなどでパラるのもやはり音質劣化が発生する。
ただし、DIを使用してハイインピーダンスな機器(ベース、ギターなど)を収録する時よりは劣化具合はそこまでひどくない。ただ比較すると劣化していることははっきりと分かる。

ベースなどDIで収録する際にパラアウトを使用すると、DI,アンプ側の入力インピーダンスががくーんと落ちてしまい、ロー出しハイ受けの鉄則が最悪の場合崩れてしまい、音に多大な変化をもたらす、というかノイズが異常なくらい増える。

  • 結構大きな信号というかアンプ出力

スピーカでのパラも結構音が変化する。以前MR902で行ったときはハウリングの発生のしやすさが格段に変わった。

とりあえず、不要な分岐はあまり作らないほうが得策である。

※DI-1のパラアウトはDIへの電源供給に関係なく使用できる(当たり前)ので、大きなサポートならメインの電源落ちてもステージの電源が生きていれば、一応なんとなくサポート続行できたりする。というかそんなことが過去にありました。(雑草グリルパン事件)

ウォークマン等のポータブルオーディオ機器の出力について

近年音源にポータブル機器を使うことが増えています。
ここでこれらの機器とコンソールを接続する際、どうするのが最も良いのかを検討してみます。

基本的にポータブルオーディオに付属する出力はヘッドホンや外付けスピーカを接続することを前提に設定されています。一般的にスピーカのインピーダンスは8Ω程度、ヘッドホンは20Ω~150Ω程度のものが一般的には使用されています。
このためポータブルオーディオの出力インピーダンスはそこそこ低い値となっていることが予想されます。

と、書いてみたけど最近はオペアンプでヘッドホン駆動とかよくあるんで高インピーダンスにもそこそこ対応してる気もするなぁ・・・・
ただし、ポータブルオーディオの電源電圧は1.5V程度のものが多く、また高インピーダンスの機器に接続すると電力出力が低下する(これはオームの法則やらで言える事)為、高インピーダンスの入力にポータブルオーディオを接続すると電圧が低くなる為、元のゲインが非常に小さくなってしまう。

(考え中)

結論としては、ポータブルオーディオの出力電圧は比較的小さいので、コンソールに接続する場合はLINE、MICどちらでも構わないと考えられます。
但し、(音声)出力設定を小さめのままにしておくとSN比が悪くなりやすいので、なるべく最大音量に近い音量設定でで出力した方がよいと考えられます。ただ、電池の減りが早くなる可能性はありますが。

 

一部のポータブル機器は出力レベルをLINEレベル(民生機なので-10dB)まで引き上げる機能を有するものがあります(SONYの一部製品によく見受けられます)。また、LINE OUTを備えている機種もごくまれにあります(MDウォークマンの録再機など)。
このような機器の場合は出力レベルをLINEに設定し、コンソールのLINEインプットに入れるのがトラブルも少なく良い方法だと考えられます。

もっとキモイ所に足を突っ込んでみる

インピーダンス整合

(多少違うけど)入力と出力のインピーダンスが不一致だと、いろいろと問題が発生しやすいという話。
発生しうることとしては、
・電力の損失の発生
・信号の反射の発生
・伝送路内に定在波が発生→電波障害や感電の危険性
など。
高周波であるほどこの影響は大きい。

まぁ音声信号の場合、反射したところでその波長が長いのでそんなに気にしなくて良い。また損失に関しても、それほど小さい電力を扱うわけではないのであまり問題にはならない。
そういう理由もあり、音声信号ではロー出しハイ受けの法則が一般的となっている。

デジタル信号ではそういうわけにもいかないので(高周波信号であるので)、インピーダンスはきっちり整合させている、がこちら側でそんなに気にする話でもない。
身近なところだとテレビのケーブルのコネクタとかインピーダンス整合をきちっと取れるようにしてあったりする。あと電波を扱うもの(ワイヤレス)もこの辺が重要になってくる。
(いらん話だが、TVとかの一般的な同軸ケーブルは75Ωの特性インピーダンスを持っているのに対し、無線関係で使われるものは50Ωが基本だったりする。ワイヤレスは後者。)

表皮効果

簡単に言えば周波数の高い信号ほど導体の表面近くに流れやすいという話。マクスウェルの方程式から導出可能である。
この効果から、某社の中心に太い銅線、外側に細い銅線といったぱっと見胡散臭いケーブルが開発されている。音の方は聴いたことがないので良く知らない。(批判してるわけではないですよ)
まぁ、繊細な音の変化を求めなければそれほど気にすることでもないと思われる。
気になる方は"モンスターケーブル"で調べてみるといい。

胡散臭い話だが、実際に高周波の変圧器なんか扱っているとこの問題が顕著化してしまうようだ。太い一本の銅線では周波数が上がるにつれて抵抗値が上がってしまうので、それを抑えるために細い銅線を束ねたものを使用しないと発熱だけで電力消費が半端じゃなくなるらしい。某大学の研究室でそんな話聞きました。


  • http://www.hifido.co.jp/merumaga/gyoumu/070413/index.html -- 一番上のたとえ、ここでは?? 2007-05-26 (土) 21:45:58
  • うーん、なんか違うような・・・多分雑誌か書籍だったと思います・・・ちょっと表現が食い違いますし -- QqQ? 2007-05-29 (火) 23:11:05