技術/電気・電源

Last-modified: 2008-06-16 (月) 23:41:03

電源寄りな話

コネクタ(コンセント)

コンセントの種類によって流せる(流してもいい)電流が変わる。
大抵その定格以上の電流を流すと発熱が大きくなる→電圧降下→火事???

平行(Aタイプ)

一般的。どこにでもある。接地端子付きのものもある。接地端子つきのものはB型とも。
American Type(Aタイプ、A型)というのが一応世界での通り名のようである。
かみ合わせは弱い物が多く、垂直に設置されているコンセントだと、コネクタやコードの重さによって自然と接触不良・脱落が発生し、下手をすれば火花が発生し火事の原因にもなりかねない。(というか、経自治のコンセントが軽く燃えている件について)
ロック式のものもあるが、ロック状態から無理矢理引き抜いたりしていると割とすぐに締め付けが弱くなり抜けやすくなる。
最大15Aまで。
15A付近、またはそれ以上の電流を流すとコンセントでの発熱量がかなり大きくなる。下記の電圧降下も生じる。

 

本気で抜け落ち対策をしたりするのならば医療用コンセントを使ってみる手もある、がかなり高価。
でも音質が向上するというメリットもあるらしい。
(まぁ、コンセントによって音質が変わるといわれてる。サンレコにも載ってる)

C型コンセント

舞台・スタジオ用。大電流を流す必要がある機材はこれが基本。通称Cコン。
かみ合わせがしっかりしているので、自然と外れたり抜け落ちたりする可能性が低い。
30Aまで。

 

経自治の分電盤だいぶがたついてきてるから、学生課に言ってCコン2系統ぐらいつけたものにしてもらえたら良いのにね。
余談ですが、府大がようやく受電施設の改良に乗り出しました。ようやくです。受電してるところの管理人のおっちゃんもそういや怒ってました、2年前。あとオンデマンド制導入しました。

 

小型のC型(通称ミニCコン)もあり、20Aまでに制限される。主に照明で使用されている。

T型コンセント

元々の用途は高電圧用。250V20Aの規格である。
昔は(C型が登場するまで)100Vで15A以上を扱うコンセントがなかったので、このT型が使用(代用)されていた。
しかし、平成3年10月に“T型250V20Aの差込プラグを100V機器に使用することは、「危険が生ずるおそれ」があるものとみなす”とされ、100V回路でのT型使用が規制(実質使用禁止)となっている。その代わりに上記の小型のC型(20A)を使用することになった。

 

つーことで体育館に残ってはいるけど、一応使用禁止って事で。

電源の極性

極性とは

日本での一般的な配電方法は単相2線での配電である。
このうち、片方の線はアースされており、大地と同電位とされている。これを0Vとみなし、もう片側の配線の間にAC100Vの電圧がかかるようになっている。

極性とはこのように2つの線の役割が違ってくる場合に出てくる。
簡単に言えば、電池には+と-の極性があるのと一緒、ということである。
電池などの直流電源では極性を間違えると機器が動作しないとか破損といった大きな問題があるのだが、交流電源では間違ったところで大した問題にはならない、という考え(?)が割と一般的だったりするのであまり気にする人がいない。

しかし実は大きな問題であり、さまざまなトラブルを解決できる最も容易な方法かもしれない。

極性による問題(の一部)

  • ギーアンやベーアンとPAシステムのGNDの電位差によるトラブル
    最近は強制的にGNDを統一することによって対応しているが、本当は極性にも関係する問題である為、コンセントの極性を入れ替えると結構収まる。まぁGND強制統一でもいいんだけど。
  • 電源からのノイズ
  • 音質
    あまり気にしないけど変化は大きい、らしい。家庭内のオーディオとかレコーディング環境では電源の極性を考えることは結構基本的な事になっている。パワーディストリビューターを使うことによる音質の向上も極性の統一が一枚噛んでいる可能性もある。
    また、極性を特に表示していない機器についても極性は存在している、と言われている。

極性の判断方法

  • コンセント側
    長い方が接地側。
    間違っていることもあるので検電ドライバで確認するのが正確。
  • プラグ側
    電源線にラインが入っている方が接地側。
    ないものも多い。

基本的にはこの2つの法則に従うものだが、間違っていることも多い。またタップで延長したりすると間違いやすい(このため一部の延長タップは片側に黒く塗った跡がある)。

電源ノイズ

ひきあげておいてみる

電源ノイズが起こる訳

http://www.paradiserecords.net/proaudio/pages/shinano.html →リンク切れ
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Power.htm

ちょっとコピペ

何故、電源品質が求められるのでしょうか。電圧波形は放物線状の理想的な正弦波を描いていると思われていますが、現実は波形のピークが潰れたりノイズが乗っていたり、かなりかけ離れたものになっています。その原因は電子レンジやエアコン、蛍光灯といった家庭用電化製品、コピー、ファクシミリ、PC等のOA製品や各AV機器にあります。これらはノイズ発生とともに、整流処理を行うため、交流電源から直流電源への変換時に起こるAC電源の電圧ピーク値を低下させています。AC/DC変換動作はコンデンサの端子電圧よりも電源トランスの2次電圧が高くなるとダイオードが導通(ON)となってコンデンサを充電し、逆に2次電圧の低い時はダイオードが遮断し電流をストップします。これによって、一定の電圧レベルと流れる方向が決まり、直流電流がつくられます。つまり、AC電圧の最高値を出すピーク付近だけ作動するため、電源周期1サイクルの間に消費されるエネルギーは、ダイオードがONになっている短い時間に充電されなくてはならないわけです。その結果、電圧波形のビークは低くなり、その分コンデンサの充電電圧が低いため、充電時間が増えるという悪循環が起こります。この症状を端的にあらわしているのが、家庭用オーデイオにおける電力消費量の多い時間帯と少ない時間帯との音質の差です。音量とは関係なくSN比やDレンジ、音場や定位の明瞭度といったものの変化が確認できます。

舞台用電源セミナー

http://www.chuokai.or.jp/kumiai/butaionkyo/semina2.html

クリーン電源装置, アース管理装置


電圧降下

負荷の増加による電流の増加により、電源線の抵抗分による電力消費が顕著化してきた状態、と小難しく書いてみる。

あっさり書けば消費電力増えて電源電圧下がってるよー、な状態。

 

対策方法は、

  • 電源系統を分散させて、一本の電源線あたりの電流を減らす
  • 抵抗値の低い(一般的には太い)電源線を使用する
  • 電源電圧を上げて電流値を減らす(オームの法則から)
  • 消費電力を抑える

など。
基本的には電源線の抵抗値を減らす、電流値を減らすことが重要。

テスタでの測定

テスタで電圧降下分を含めて電圧測定する場合は、他の負荷(機材)も接続、かつ動作させた状態で測定しないと意味がない。

理由は、テスタ自体に流れる電流は数mAとごくわずかであり、これによって引き起こされる電圧降下などほとんど無いに等しいため。他の機材での合計数Aの電流によって引き起こされる電圧降下は、実際にそれだけの電流を流してみないと測定は不可能。
つまるところ、一度機材を稼動させた状態で電圧を測定しないと意味が無い
(まぁ、無負荷で測定して異常に低い場合は考え物だけど)

機材に対する影響

日本向けに製造された機材であれば100V動作が基準として作られている。しかし、世の中に出回っているほとんどの製品は海外でも使うことが前提とされており、115V/230V基準で動作する機材がほとんどである。このため、純粋に100V基準で動作する機材は少ない。
(正直、100Vなんて電圧を扱っているのは日本ぐらいのものである)
通常の機材は基準の電源電圧±10%程度のマージンをみて設計されているので、日本製(日本向け設計)の機材であれば90~110V程度、海外製であれば100~125V程度の電源電圧で動作するように設計されている。YAMAHAのHP見てると、90Vでも動作しますと明記されていることもある。

 

この電圧範囲から外れた電圧で使用すると、設計にもよるが電源部分が不安定な動作を行うようになり、結果として機材全体が動作しない、音がおかしくなる、とかいろいろ不具合が発生する可能性が高い。

電源線の抵抗値について

導線の抵抗値は、一般的に導線の総延長に比例し、導線の断面積に反比例する。あとは金属の伝導率が関わってくるが、一般的にAg>Cu>Auであり、銅が使われることが一般的であるのであんまり気にしなくていい。第一銅より導電率高い銀なんか買えるかっての。
と思ったらCコンに使ってる電源線は銅じゃないね。
そういえば最近、銅の単価が上がっているね。

 

また、電源線などの導線は、単線より線の2種類があり、前者は1本の導線が皮膜に覆われた物、後者は細い導線が何本もまとめられて皮膜に覆われている。
一般的には同じ太さでは単線の方が抵抗値は低くなるが、単線は1本の導線であるため硬く、また比較的高価になりやすい。このため単線は固定された場所(分電盤内、建物内の電源の配線)での使用が一般的で、手に触れる機会が多いというか使う機会が多いのはより線の電源線である。

 

つまるところ太めの電源線の方が抵抗値は下がる(傾向がある)

ステップアップトランス

基本的に100V→115Vの昇圧用。巻線比がだいたい1:1.15(当たり前)
つまるところ元が110Vなら出力は127V程度になるので、状況が悪くなければ(ドラコで延々延長(100mとか)していなければ)無理に使う必要は無い。

また、トランス内部での電力消費も存在するので(だって導線が巻いてあるだけだし)、その分電流値も増加する。(トランスに手を触れてみるとほんのり暖かくなっているのがわかる)
よって使用する場合はなるべく根幹(主幹)に近い方に取り付けること!!
末端部に取り付けると、コンセント~ステップアップトランス間の電源線での電圧降下がさらにひどくなり、異常発熱や動作不良の原因になる可能性がある。

 

少し違う使用方法だが、海外製の115V基準で設計された機材は、あたりまえのことだが115Vで動作した場合に良い特性(最良かは不明)を発揮できる。これを実現するため、このトランスを使うという方法がある。
不安定なパソコンが電源電圧を上げることによって安定動作をするという事例が多々ある。まぁ電源の設計が悪い(マージンが取れていない)と言ってしまえばそうなんだけど。

 

逆に少し高めの電圧(105V~)をこのトランスで昇圧させると120V程度となってしまい、一部の機器でプロテクトがかかってしまう恐れがある(パワーディストリビュータ等)。
なのでむやみやたらに昇圧させるのも問題ではある。

 

どっかで100V機器との兼ね合いで117Vが良いとかいう記事を見た記憶がある。

漏電

漏電の話

http://www.lecef.co.jp/backno6.htm

 漏電とは何か、漏電遮断機の原理、事故防止法など載っています。

 漏電検出で重要なことは機器が大地に接地されている事です。漏電遮断機は大地に逃げる電流を検出する仕組みであり、接地されていない機器には効きません!!

漏電遮断機とメガテスタ

 BOXに置いてある漏電遮断機[三菱製]には「正相逆相間(Live-Dead間)にメガテスタを繋いではいけない」と書いてあります。なぜでしょうか。

http://www.toriton.or.jp/~enatex/denkigaku/006.htm

 このhomepageの回路図で分かる通り、正相逆相間(Live-Dead間)には漏電検出センサの増幅器が繋がっています。よってメガテスタの高電圧を掛けると増幅器が破壊されてしまうのです。

 また一般のテスタで漏電遮断機の正相逆相間(Live-Dead間)の抵抗を測ると無限大にならないのも、この事で説明がつきます。

配電計画書

最近形骸化してる奴です。

 

基本的にアンプ以外の機材は定格の消費電力を100[V]で割ったものを書いておいて問題はないでしょう。基本的に消費電力は大きく変動しません。

アンプに関しては、現状定格消費電力がはっきりと分からない上(電気用品安全法によるものと4Ω+4Ω定格出力時と2通り表記されている)、かなり大きく消費電力が変動するので(あと定格で書くと3600が都合悪すぎる)、説明書の後半部分に書いてあるDuty比+出力モード+負荷インピーダンスによる消費電力の表を参考にした方がいいかなと思う今日この頃。Duty比はバンドサポートとかダンパなら40%で十分かと思われます。インピーダンスは自分で勝手に(ちゃんと)考えてください。

 

細かいところの話をすると、アンプにはA級、B級、AB級、C級、D級の動作分類がされている。
これは、増幅素子をどの部分(信号)で使うかで分類したものである。さらにいえばアンプの効率のめやすになる分類でもある。


PAで使用されるアンプはAB級、D級であることが一般的。D級はデジタルアンプであるので、すたっふで所有しているアンプは(たぶん)全てAB級動作である。
AB級動作は…(自分で調べて。)


結局は、AB級動作では全ての増幅素子が同時に最大電力を消費することは無く、(設計にもよるが)最大出力時でも増幅素子は全素子が最大電力を消費した際の約半分程度(ともう少し)の消費しかしない。

あとちゃんと各相のバランス取れるように機材の電源接続を考えましょう。

電気寄りな話

電源の種類(配電の配線の種類)

単相2線

一般的なコンセントに供給される電源。
日本では実効値100V程度で割と安定してます。
日本の電力事情は何だかんだ言われていますが、供給される電力の安定性では世界トップクラスでしょう、とか。

 

配線のうち片側は接地(GND=0V)されている。このため極性が存在する。
この極性を統一した方が電源絡みのノイズ等のトラブルも減り、音質が向上するといわれている。
機材も単純な2pプラグのものでも極性が存在し、やはり音に変化があるという・・・
極性は検電ドライバで確認可能。

単相3線

単相2線の大元。
Live(赤)-Neutral(白)-Dead(黒)の3本配線がある。LとDにそれぞれ位相が180°違う交流電圧がかかっており、NはGNDされているのでL-D間は200V、L-NとD-N間では100Vの電圧が得られる。

 

L-NとD-N間での接続は先の単相2線と同じ。つまり極性ができる。

このほか

3相3線、3相4線、6相6線とか・・・
府立体育館で3相4線は見たことがある。CコンBOXもこれに対応していた。
そのほかは大本の送電設備側での話。電柱は3相3線。

電源の不平衡問題

平衡とは

単相3線ではLiveとDeadの2つの配線に電圧がかかっており、Neutralは0Vで電圧がかかっていない状態となっている。また、LiveとDeadの電圧は逆位相である。
このとき、LiveとDeadに流れる電流が同じ大きさであれば、Neutralには電流が流れない状態になる。
この状態が平衡している状態である。

不平衡になると・・・

LiveとDeadに流れる電流が異なる場合、Neutralに電流が流れる。このとき、Neutralの配線の抵抗によって電圧が発生し、Neutralの電位が0V(というより、大地と同電位)ではなくなる。こうなるとL-N、D-Nともに電圧が安定しない状態になり、負荷の種類によっては電流もさらに変動し不安定な状態となる。
このような状態を不平衡という。

この状態を放置しておくと割とブレーカーが落ちる。
あと電力会社側にとってもあんまりよくないので。

問題を起こさない為に

各相の電流量をなるべく同じになるように心がけること。

ま、相手が容易に消費電力が変動するアンプじゃ難しいんだけど、ホントは。
アンプについてはメインであればLRのアンプを異なる相に別々に接続、モニタであれば似たようなアンプ・スピーカ構成のを各相に割り当てられば良いかと。

他のEQやコンソールの消費電力はほぼ変動しません。