技術/マイク・ハウリング

Last-modified: 2010-06-19 (土) 08:43:32

マイキング

SHUREのカタログにコラム的な感じで掲載されていたので参考にしても良いかと。
(2005年5月版には未掲載)
またドラムのマイク選定、マイキングについてはサンレコやプロサウンドのライブ報告の所を見るなり、サンレコでたまにある特集を読んでみると面白い。

とりあえずコピペ

  • マイキングの基本
    最良の音質で収音するには、音源に適したマイクロホンを選び、適切な位置に設置することが必要です。マイクロホンの選択と設置方法が正しければ、収音した信号をエフェクタやプロセッサで後処理する必要はほとんどありません。

  1. 音源の周波数帯域に適した周波数特性のマイクロホンを選びます。周波数特性が合わないと、高音域部分や低音域部分を収音することができなくなります。

  2. 音源からの距離や位置をいろいろ変えてみて、音質のバランスと部屋の残響音の量が自分の好みになる点を見つけ出します。距離や位置を変えても好みの音にならない場合は、違うマイクロホンに変えたり、周囲からの音を遮音したり、音源自体の音を変えてみます。例えば、使い古した弦を張り替えるだけで、ギターの音は変わってきます。

  3. 部屋の残響特性が悪かったり、不要な音を収音してしまう場合は、音源の中で最も音量が大きい部分にマイクロホンを近づけるか、周囲からの音を遮音してみます。そして再度、違うマイクロホンを試したり、マイクロホンの位置や遮音の方法を変えてみて、求める音質に近づけていきます。

SHUREさんのカタログから。

とりあえずは人のやっているものをぱくって、んで自分でもいろいろ試してみた方が良いですね。他の人がやっていて、これはいい音だと思ったらチェックしたいところ。

個人的感想として

ドラム周り

  • タム類(SN,HT,LT,FT,etc.)

MD421はちょっと特徴のある音になるので少し目立つ。
SM57はまぁいわば普通の音、聞きなれた音。
Beta98はコンデンサマイクだけどSM57に良く似た音。

MD421だけキャラが違うので、HTにこれ使ってFTにSM57なんて使うとHTの方が目立ちやすくなる、というよりFTより図太い音が鳴ります。面白い。
SM57,Beta98は近接効果を利用するため、なるべく打面に近づけるようにしないと音が軽くなっていきます。Beta98はクリッピングマイクなので固定も簡単で、演奏中にずれる心配も少ないのでこの用途には最適、なはず。コンデンサだと思って結構打面から離すことが多いですが、そーゆー用途のために作られたものなので最適なポジションに固定してやりましょう。

そういえばATM25もタム用に作られたマイクだったりします。

 
  • スネア裏取り

ゲートはほぼ必須。
スナッピーの音が欲しい場合はかなり有効です。
位相に関しては必ずしも逆相である必要はないかと。表取りの音とMixしてみて、必要に応じて変えたほうがいいようです。

 
  • バスドラ

ホールに突っ込むマイクとしてはATM25とMD421と甲乙つけがたい。どちらも特徴のある音。どちらともいい感じ。多少ATM25の方が日本人好み?な(いわゆるJ-popに使われているような)音がする気もする。アメリカ人はSHUREを好みますが。個人的にATM25の方が扱いやすいというか音が好き。
セッティングとしてはあまり突っ込みすぎても抜きすぎても微妙。マイク半分くらい入る程度かなぁ・・・あとは抜いたり挿したりして調節。あとはコンプで潰しすぎない方が芯が残って扱いやすいかと。

SM58で取るという事例も多い。SM57でも似たようなもんでしょう。

皮の音はなんでもいーんじゃないでしょーか。SM58とかBeta58とか。ゲートあったほうがいいかもね。
ただドラムまわりが更にうざくなり、ステージのスペースも奪ってしまうのでその辺は考えて。あとは16chマルチがいっぱいいっぱいになったりならなかったり。

 
  • ぎたーまわり

・SM57とaudio-technica AE3000
ギターにコンデンサマイクって結構使えるなーと実感した時。
第2期再購入関連でマイク借りた時にやってみた組み合わせ。SM57とC460Bとの組み合わせ同様にギターの音を最大限に拾ってくれる、と思う。AE3000の方がダイヤフラムのサイズが大きいせいか、単体でも芯がそこそこ出る。でもSM57の方が遥かに芯が出るというか低域が出る。
ただマイクスタンドが足りなくなる。

・SM57とC460Bの組み合わせ。
57のおかげで太くて芯の音は取れるわ、しろーさんのおかげで高域まで伸びやかな音は取れるわ、Mixしてもケンカしないわで良かった。クリーンからディストーションまで何でもこいやー、って感じ。ただギターアンプ周りがうざったくなる。あとC460B単体では音の芯が細くて使いにくい。

 

クリーンタイプの音色にはやはりコンデンサマイクがかなり有効。SM57と比較すると明らかに音の伸びが違います。
まぁ単独で比較したところでは、クリーン系の音の場合は明らかにAE3000の方が良い。クリーンって音がしてくれる。すごく伸びる。単独でも十分いける。
対してディストーションかかった音はSM57に軍配。やはり低域のしっかりした部分はSM57の方が取りやすい。
C451,C460は単独では厳しい。低域不足が気になる。
AKGのC414系とか使ってみたいね。平べったいタイプの。

 
  • ベース

とりあえずDIのパラアウト使用は極力避けたほうがいい。アンバランスアウトはDI-1だとファンタム電源、もしくは電池が切れると使用不可になってしまうが、こちらの方が音が訛らなくてすむ。
ベースアンプのバランスアウトも使える。演奏者のアンプのEQの設定が反映される(設定によるが)。ただDIとの併用でグラウンドループによるノイズを引き起こしやすかったり、S.T.A.F.-1所有のアンプはS/Nがひどく、ノイズだらけなことがある。

ベーアンにマイク立てるということも過去数回試していますが、それほどDI収録と差があった記憶はないです。
(というか、DIも同時にMixに使用しているので当たり前な気がします)
逆にマイクスタンドの数や置き場所に問題が出やすかったりします。
一般的にはステージの振動の関係で、うまく集音できないとか言われてます。

個人的にこれのマイキングはこうするべき、と思ったもの。

  • 太鼓
    美原納涼祭での話。
    理想的には叩いている側にマイクを立てたい所だけど、ドラムとは違い太鼓のふちも叩くので、マイク位置が低いと明らかに邪魔になり、高くすると腐ったマイクスタンドばかりなので不安定、ついでに邪魔。
    そこでしょうがないのでスネアの裏取りよろしく、逆側から集音することになるけど、これだけだとふちを叩く音がほとんど集音できない。
    ということで、太鼓の集音は叩く側とは逆側の方から集音するマイク(個人的にゼンハがいい)と、ふちの音を取るためにもう一本、これも邪魔にならないように太鼓の中心から狙う感じでマイキングを行ったほうがよさげ。
  • カホン
    アコースティックなライブで出てくる打楽器です。
    構造として打面とホールがあり,どちらの音が欠けても微妙な感じです。
    個人的にいいと思ったのは叩くのに邪魔にならない距離で真正面から1本叩く音を集音,後ろのホールに突っ込み低音と多少の叩く音をカヴァーする感じでもう1本の組み合わせ。
    狙う場所は前面はカホンの上の方,後ろはカホンの真ん中より下あたりを突っ込む感じに
    で,前面の音をパライコで高音を持ち上げて,中音を切るとまぁまぁ自然な感じになるはず。

ハウリング

るーぷるーぷ。
スピーカから出た音がマイクで集音されてそれがスピーカから出て・・・

システム的にも不安定な所というか極になっちゃうのかな?

ハウり切りをする前に

まずはマイクとスピーカの位置関係を見直す。スピーカーに向けてマイクを使用するとかいう状況は、EQで補正できるレベルではない。
マイク毎に集音特性(無指向性やカーディオイドなど)は変わってくるが、一般的にマイクのコネクタ側の集音量は小さいので、スピーカが基本的にその方向にあるよう調整する。

 

マイクを持ってもらう場合には、ちゃんと使い方を説明。かなりの不安要素が取り除かれるので、メイン・モニ・というか機材的にも負担が減って楽。
言わなければならないことは、

  • マイクは叩かない!!!
  • マイクヘッドの部分は持たず、胴体の部分を持つ
  • 振り回さない、投げない
  • なるべく口にマイクヘッドを近づけてもらう

など。
叩くのはいろいろ問題が多いのでやめましょう。たまにすたっふの人間もやってるけど。
マイクヘッドを何かと持つ人が多いですが、音抜けが悪く、またハウリングも発生しやすくなるのでなるべくやめてもらいましょう。プロのミュージシャンもこう持つ人が居ますが、おそらく握り締めるわけでなく空間というか空気が抜ける隙間を作っているんだと思います。(多分ね)
振り回す、投げるのは故障の原因になります。意外と半田付け適当です。配線材も細く脆かったりします。
口に近づけてもらうのは後述の理由と、ゲインの自由度とハウリング抑制のためです。

 

SHUREさんによると、

  • ライブ(ハンドヘルド型マイクロホンを使う場合)
    • ウィンドスクリーンに触れるか数cmの距離に、唇を近づける。
    • 低音域が強調された力強い音質。
    • イコライザで低音域を下げると、より自然な音質になります。
  • ボーカル用として多く用いられている単一指向性(カーディオイド、スーパーカーディオイド等)のマイクロホンは、正面からの音を最も優れた感度で収音します。マイクロホンは口に向かってまっすぐ持ち、口に付くくらい近づけることで、そのマイクロホンの持つ最良の音質を得ることができます。
  • マイクロホンと口の距離や角度をコントロールすると、繊細な音からパワフルな音まで幅広く表現できます。自分の声の音質がどのように変化するかいろいろと試してみて、自分のマイクロホンに慣れることが大切です。

と、バンドマンの方々にもがんばってもらわないといけないようです。
ちょっと脱線。

 

モニタスピーカの方向も工夫すると環境が改善されやすい。
具体的には角度の調整がある。多少煽ることでスピーカの中心軸がより耳の位置に近くなるので、スピーカ音量を多少抑えることが出来、ハウリングの危険性も多少抑えられる。(コロガシの話)
正しくは、モニタの正面から向かって裏側の方を持ち上げ、中心軸を少し下に下げ、ツイータの音を頭の方に向けて、中高域を聞き取りやすくさせる体全体で音を聴かせる様にする。この際マイクの軸(顔の前)からスピーカの中心がずれるので、ハウリングの抑制にもつながる。といった感じのようです。
また、Keyなどでモニスピを立てる場合も、後ろ側に立てるのではなく、真横に立てるとギリギリ見栄えは悪くないし、この時マイクもコネクタ側をスピーカ側に多少振ると、集音する音量が減るので楽かもしれない。

 

EQによるハウリング抑制(ハウり切り)

んでEQ。
あんまりスピーカの前に近づいてやるのはお勧めしない。耳傷めるし、違うハウリングの音が出ている気がする。
現実的にはマイクを持つ人がやりそうなことを考えながらやったほうがいいかと。具体的に、

  • オフマイク
  • 声量が少ない
  • マイクヘッドの部分を持つ
  • マイクヘッドが口の方向に向いていない

など。
極端にEQをいじると声に違和感を感じてしまい、全体の音として悪くなる結果となるので、ハウリングを全て抑えるのではなく、音が変にならない程度でハウリングがぎりぎり起こらない、わずかに起こる程度で止めておいた方が結果的にはいい方向に持っていける。

高域がハウっている場合に、EQの高域をいじっても収まらない場合は低域のハウリングの倍音成分によって起きている可能性がある。たとえば2kHzあたりの周波数でハウリング音が発生している場合、500Hzなどの低い周波数のハウリングが元凶、ってこともよくあった。

 

ハウり切りにもっとも向いているとされるEQはPEQ。ハウリングが起こっている周波数ポイントに合わせることができ、Qも変更可能なので元音への影響が少なくできる。
但し難しい。

 

DriveRackのAFSを利用して、AFSが反応した周波数ポイントをPEQで抑えていき、最終的にAFSはOFFにするのもアリかな。AFSは周波数ポイント、Q、GAIN全て自動で決定して、PCを利用すればその値が全て分かるので、それを参考にフィードパックかけていくとうまくいくかもしれない。あくまで参考。ベースは耳。最後はやはり自分の耳。
参考程度になるもののひとつはスペアナ(スペクトルアナライザ)。そこそこのハウリングであれば、明らかにその周波数付近のゲインが上がるのが分かるので、それを利用すれば的確なハウリング周波数ポイントの推定と迅速な対応が可能になるのではないか、と思う。

ディレイによるハウリングについて

ディレイを通すと比較的簡単にハウリングが発生します。

マイクについて

一般的に言われていることについてコピペ

ダイナミック型コンデンサ型
構成シンプル。振動板に取り付けられたコイルが音を電気信号に変換する。複雑。振動板がコンデンサの電極となって音を電気信号に変換する。
耐久性高い。低い。構造の複雑さによるところが大きい。
振動の影響受けにくい。受けやすい。雑音の発生や故障の原因になる。
温度や湿度の影響受けにくい。受けやすい。雑音の発生や故障の原因になる。
電源不要。必要。内部に電子回路が必要なため。
感度普通。高い。感度とは、音を電気信号に変換する度合を表したもの。
自己雑音(等価雑音レベル)低い。内部の電子回路の影響を受ける。
最大音圧レベル高い。内部の電子回路の制限を受ける。最大音圧レベルとは、収音できる最も大きな音のレベル。
周波数特性普通。広く滑らか。特に高域が優秀。
過渡特性普通。優秀。
小型化難しい。容易。
価格安価。高価。構造の複雑さによるところが大きい。

備考

自己雑音とは、マイクロホン自体が発生する雑音のレベル。このノイズのレベルより小さい音は収音できない。

周波数特性とは、収音可能な周波数(音の高低)の範囲と、感度の変化を表したもの。

過渡特性とは、音の急激な変化に対して、出力信号が正確に追従する度合を表したもの。

近接効果

近接効果とは

指向性のあるマイクロホンを音源に近づける(約30cm以内)と、低音域が強調される現象のこと。

口元で収音するボーカル用などのマイクロホンは、近接効果で強調される低音域を抑えられる周波数特性に予め設計されています。低音域を抑えるフィルタを内蔵し、スイッチで切り替えられるマイクロホンもあります。

コピペです。
すったふ所有のマイクでフィルタ切り替えスイッチを内蔵しているのはC451BとC460Bだけだったと思われます。
ヴォーカルだけでなく一般的な楽器の集音の際にも言えることです。

視聴時の感想

コンソールはM2000です。会場は恐怖の2音。2005年の飛行船追いコンにて実験。
この時は個人的にも周りの感想からもかなりうまく行ったミキシングできた日です。

  • SHURE BETA58
    SM58に比べGAINがかなりでかい。高域がよく伸びる。こもった感じの音にはならない。
    声量が少ない人にはかなりいい。いけてるー
     
  • SHURE BETA57
    BETA58とやはりかなり近い。というかSM57ともかなり近い。
    なんとなくSM57でも十分な感じ。
     
  • SHURE BETA87A
    なんつーか・・・
    高域出すぎでなんとなくいやらしい。扱いが難しい・・・かも。扱えるようになったらいいのかも。
    あと意外とGAIN小さい。なんで?
     
  • audio-technica ATM25
    バスドラまいふぇいばりっとに近い。個人的にはMD421よりも好き。
     
  • audio-technica AE3000
    ええまいくやー
    クリーンな音がしっかり取れてる。うはーこれいいーんでもエフェクトかかった低音は57の方が優勢。
    Gu-AmpにSM57と2本立てにしてAE3000を芯にしてSM57でちょっと肉付けするとかなりいい感じですた。
     
    今回音質を確認できたのはこのくらい。いいマイクばっかりでした。
    あとYAMAHA GF16/12のHAのカス度合いを再認識できました。
 

と日記に書いてた。俺が。

ファンタム電源

基本的にキャノンコネクタでの使用に限定されている。
HotとColdに+48Vがかかり、マイクなどの機器に電源を供給している。
(他にも方式はあるが、PAではこれが一般的)

名前の由来は電源線がないのに電源供給ができる→透明、お化けみたい→Phantom

 

バンドサポート等マルチで分割する場合、どこかでアンバランスな状態(3pinをGNDに落とすこと(例:GFのステレオ入力に入れる)にすると電源供給されなくなるので注意。
この時、最悪の場合電源供給源のコンソールの電源回路が故障する恐れがあるので注意。
(一応保護抵抗は入っているみたいですが・・・)
またインプット側の電解コンデンサが破裂する可能性もあり(耐圧を超える為)

 

あとファンタム電源は必ずしも+48V必要なわけでもない。
機材によって動作する電圧は変化するが、12V程度で大抵の機材は一応動作するようではある。電池でも9V×2個で動作可能にできる電圧なのでそのためか。

ファンタム電源の心配事

  • ファンタム電源が不要なマイク(ダイナミックマイク)にファンタム電源がかかるとどうなるか
    無問題。
    ダイナミックマイクには、バランスアウトを実現するために小型のトランスが内蔵されているが、トランス自体がかなりの高電圧(数kVとか)に耐えうることができ、またトランスの1次側と2次側(入力と出力)は電気的に完全に切り離されているので、マイクのボイスコイルにファンタム電源がかかることは無い。


    つーことで神経質になる必要は無い。
  • そのほかの機材にふぁ(ry
    DIは基本的にファンタム電源がかかることを想定しているため無問題。
    (といってもあまり喜ばしいものでもないけど)
    そのほかは基本的に音質の問題やらコスト面からファンタム電源がかかることを想定しては作っていない。おそらく(コンデンサが)容易に壊れる(爆発する)と思われる。


    ぁ、162SLは大丈夫な気がする。マイクと同じトランス出力だから。