Tier 10 フランス 中戦車
スペック(v1.10.0)
車体
耐久値 | 1,900 |
---|---|
車体装甲厚(mm) | 80/35/30 |
最高速度(前/後)(km/h) | 65/23 |
初期重量(t) | 36 |
実用出力重量比(hp/t) | 20 |
本体価格 | 6,100,000 |
修理費(Cr) | |
超信地旋回 | 可 |
ロール | 狙撃型中戦車 |
武装
名称 | 発射速度(rpm) | 弾種 | 平均貫通力(mm) | 平均攻撃力 | AP弾DPM | 精度(m) | 照準時間(s) | 弾速(m/s) | 総弾数 | 弾薬費(Cr) | 重量(kg) | 俯仰角 |
105 mm mle. F1 | 7.69 | APCR HEAT HE | 248 300 53 | 390 390 480 | 3,000 | 0.36 | 2 | 1,100 800 700 | 50 | 1,210 4,800 680 | 3,000 | -8°/+20° |
---|
砲塔
名称 | 装甲厚(mm) | 旋回速度(°/s) | 視界範囲(m) | 重量(kg) |
AMX 30 B | 150/40/30 | 38 | 410 | 7,000 |
---|
エンジン
名称 | 馬力(hp) | 引火確率(%) | 重量(kg) |
Hispano-Suiza HS 110 | 720 | 10 | 1,426 |
---|
履帯
名称 | 積載量(t) | 旋回速度(°/s) | 重量(kg) |
AMX 30 B | 38 | 48 | 9,000 |
---|
無線機
名称 | 通信範囲(m) | 重量(kg) |
TRVP-13-A | 750 | 80 |
---|
乗員
1 | Commander | 2 | Gunner | 3 | Driver | 4 | Loader(Radio Operator) |
---|
拡張パーツ
Class2 | Class2 | Class1 | Class1 | Class1 | Class1 | ||||||
○ | ○ | Class1 | Class2 | Medium |
隠蔽性
非発砲 | 発砲時 | |
---|---|---|
静止時 | 15.28% | 3.19% |
移動時 | 11.46% | 2.39% |
開発ツリー
105 mm mle. F1 (初期/290,000) | |
AMX 30 B (初期/66,000) | |
TRVP-13-A (初期/54,000) | |
Hispano-Suiza HS 110 (初期/94,250) | |
AMX 30 B (初期/82,500) |
車両に関する変更履歴
v0.9.7 | 新規実装 |
v0.9.20 | 履帯の射撃時の拡散因数を0.16/0.16から0.12/0.12に変更 砲塔装甲を80/40/30から150/40/30に変更 105 mm mle. F1の装填時間を8.9秒から7.8秒に変更 105 mm mle. F1の照準時間を2.1秒から2秒に変更 105 mm mle. F1の精度を0.3から0.36に変更 105 mm mle. F1の照準拡散因数を0.06/3/2から0.04/3/2に変更 105 mm mle. F1の通常弾の弾速を1,525m/sから1,100m/sに変更 105 mm mle. F1の通常弾の貫通力を260mmから248mmに変更 105 mm mle. F1の課金弾の弾速を1,000m/sから800m/sに変更 105 mm mle. F1の課金弾の貫通力を320mmから300mmに変更 |
v1.9.0 | 通常車輌からコレクション車輌に変更 |
解説
- 火力
俯角は-8°とそこそこ優秀。
ただし、AMX 30 1er prototypeと比べて車体後部が張り出しており、後方には俯角制限が発生しているので注意しよう。- 105 mm mle. F1
AMX 30 Bの史実砲。
単発火力390を持ちながら、中戦車で最高クラスのDPMを有するのが最大の長所。照準拡散も優秀な部類*1であり、特に接近戦で力を発揮しやすいだろう。
一方、同格中戦車と比べると、通常弾のAPCRは貫通力248mmでTVP T 50/51と並んで最下位タイであり、課金弾のHEATは貫通力300mmで単独最下位となっている。
加えてAPCRの弾速(1,100m/s)はTier10中戦車の通常弾としては遅めであり、HEATの弾速(800m/s)に至っては貫通力と同様にTier10中戦車最下位(タイ)の数値になっている。
- 105 mm mle. F1
- 装甲
AMX 30と同じく車体装甲は頼りにならないため、可能な限り車体を隠すように心がけたい。ハルダウン出来る状況なら、砲塔正面で防いでくれることもそれなりに多いが、平地での撃ち合いは車体を真っ先に狙われるため苦手としている(日本のSTB-1に似たような特性)。- 砲塔
AMX 30と同様にv0.9.20にて強化された。
防楯装甲は240mm+傾斜で300mm超の防御力を発揮する。
とはいえ大型のキューポラや防楯脇など弱点もあるため、過信するべきではないだろう。防盾脇は160~210mm程度、キューポラは100~140mm程度の防御力しかない。ただし、最大俯角でハルダウンすれば、防盾脇は強制跳弾できる割合が高くなる。 - 車体
正面の装甲厚は僅かに増加し120mm程度の防御力になったが、傾斜が減り強制跳弾となる範囲が狭くなっている為に単純に強化されたとは言い難い。
またAMX 30と違ってスポンソン(履帯上の車体の張り出し)はきちんとダメージ判定がある。
側面の装甲厚は大部分が30mmしかないので、豚飯はほぼ使えないと思った方がいい。
- 砲塔
- 機動性
AMX 30よりも出力重量比はわずかに劣るものの、依然として高い機動力を誇る。
AMX 30の大きな欠点である履帯の旋回速度は本車では他国に劣らないレベルとなっており、ストレスを感じる事はないだろう。
- その他
他の長所として隠蔽率の高さ、視界が比較的長いことがある。本車の隠蔽はBat.-Châtillon 25 tにこそ劣るが、T-62Aに迫る高いものとなっている。
視界もデフォルトで410mとドイツ戦車並である。
高い機動力と相まって、開幕の視界取りや通行料徴収を行う事も容易だろう。開けたマップでは偵察もある程度はやりやすい。とは言え、LTに比べれば図体が大きく、移動中は隠蔽率が低下するので、所詮はLTには及ばない。
- 総論
攻撃力の高い主砲を高速で持ち運べる特色はAMX 30と同じだが、精度と貫通力はTier10車輌と渡り合うには少々不足気味であり、それを補う立ち回りが求められる。
高DPM低精度の主砲、そこそこの砲塔装甲に脆弱な車体と言う特徴は日本のSTB-1に近いと言える。こちらは貫通力と俯角に劣る代わりに、最高速度と照準拡散で優れる。
持ち前の機動力と砲塔装甲を利用し、臨機応変に戦場の弱点を突いて火力を発揮することができれば十分な戦果を挙げる事ができるだろう。
史実
AMX 30(アーエムイクス トラント)は、フランスで開発された第2世代主力戦車である。
・開発
戦後、フランス陸軍はドイツの残したPantherやアメリカが供与したM47 Pattonなどを装備していたが、大戦初期から長らくドイツに占領されていた事により、戦車技術は他国の後塵を拝していた。
旧技術を元に量産された重戦車ARL 44は性能不足であり、東側に対抗できない事は明白であった。
そこでARL 44を元にしたAMX M4計画を経て、AMX-13の技術を取り入れたAMX 50が開発される事になる。
だが、開発の長期化に伴ったコストの高騰やアメリカのPattonシリーズが大量に供与された事などの様々な要因によってAMX 50の採用は見送られてしまった。
1950年代初期、西ドイツの再武装化に伴って高火力かつ低コストな戦車の需要が高まる可能性が示唆され、フランスでもそれに乗じた軽戦車部隊の創設が検討された。
その要求から民間のバティニョール・シャティヨン社が提案したのが試作中戦車Batignolles-Châtillon 25 tであり、それに触発されてフランス陸軍は新型戦車の開発を模索し始めていた。
一方、西ドイツも東側に対抗するべく新型戦車の開発構想を立てていた。
1956年に西ドイツとフランスの国交正常化が成されると1957年に両国間に協定が結ばれ、標準戦車と呼称された新型戦車を共同開発する事になった。
協定では標準戦車に対する要求仕様が定められ、両国が別々に開発した戦車を試験し、性能が良好な車両を両国が採用する事になっていた。
この標準戦車の最大の特徴は、防御を必要最低限として機動力を重視した事にある。
これは当時発達してきた対戦車ミサイルや歩兵用携行式対戦車兵器の前に、重装甲が必ずしも戦車の生存性を保証できなくなっていたからである。
・試作~採用
1959年、国営のAMX社(Atelier de Construction d’Issy-les-Moulineaux = イシー・レ・ムリノー工厰)を中心に試作車の製作が始まった。
1960年には試作車が完成し、試験が開始された。
↑AMX 30試作型
1962年から西ドイツとフランスにイタリアを加えた三カ国による共同試験が始まった。
イタリアはこの試験結果から導入する戦車を決定するとしていた。
いざ試験に臨むと、総重量ではフランス製標準戦車の方が軽かったにも関わらず、西ドイツ製標準戦車の方が僅かに加速性や速度で勝っていたと言われている。
この時、西ドイツ側はイギリス製L7 105mm戦車砲を推したのに対し、フランス側は自国製105mm Modèle F1戦車砲を推した為、両国の意見がまとまらなかった。
意見の隔たりから標準戦車計画は中止となり、両国はそれぞれ自国製戦車を採用する事になった。
この試験の後、フランス製標準戦車はAMX 30と命名され、試験結果に満足したフランス陸軍は1963年に採用を決定した。
西ドイツ製標準戦車はLeopard 1と命名され、西ドイツ陸軍が採用し、のちにイタリアはこちらの導入を決定した。
↑AMX-30 A
・攻撃面
主砲には56口径105mm Modèle F1(CN-105-F1)戦車砲が採用された。
西側諸国の標準戦車砲となりつつあったイギリス製51口径L7 105mm戦車砲ではなく、フランスが独自開発した主砲である。
砲身に排煙器が装備されていないが、砲塔内にエアコンプレッサーとブロアーが内蔵されており、発砲後の排煙と装薬残滓の排出は高圧送風で行った。
搭載可能な弾種はAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)、HE(榴弾)、HEAT(対戦車榴弾)、HE-FRAG(破片榴弾)、Smoke(発煙弾)など。
56口径(約6m)の長砲身を持つこの主砲は、当初Obus Gresse(G弾)と呼ばれる特殊なHEAT専用砲であった。
ベアリングにより弾頭の周囲だけ回転させる事で弾道を安定させつつ、成型炸薬弾の性能をフルに発揮できるという触れ込みだった。
しかし、L7用のHEATと比較してコストが高く、構造上実質的な弾頭の直径が小さくなる為に威力も劣る*2という本末転倒な結果になってしまった。
その為、後にAPFSDSも開発・搭載している。
なお、イスラエル国防軍がM4 Shermanを魔改造独自改良し、短縮した同砲を搭載したM51 Super Shermanは、エジプト・シリア軍の使用したソ連製戦車をObus Gresse(G弾)で多数撃破している。
副武装にはキューポラに外付けした7.62mm機関銃の他、主砲に並置する形で12.7mm重機関銃(改良型のB2は20mm機関砲)を装備している。
この機関銃は諸外国の一般的な戦車の同軸機関銃と異なり、主砲の上下動と同調させるだけでなく、独立して俯仰角を取る事ができる。
基本的な俯仰角は主砲と同じ-8°/+20°だが、独立して動作させた場合は+40°まで仰角を取れる。
これは対空射撃に念頭に置いた為である。
・防御面
最大でも80mmほどしかなく、小口径砲弾を防げるかどうかというレベルである。
基本的に機動力で装甲を補う事に重点を置いている。
砲塔には通常型が採用され、AMX 50などに搭載された揺動砲塔は不採用となった。
揺動砲塔にはNBC*3防御力が欠けていた事、砲塔構造が複雑なので故障しやすかった事、ショットトラップが各所に存在した事が要因だった。
特に冷戦初期は核戦争の可能性も十分有り得た為、核の汚染から搭乗員を保護する事が重要な設計条件であった。
のちにAMX 30 B2 BRENNUS(ブレヌスまたはブレンヌスとは、古代ローマのガリア系種族の族長。ローマを侵略した伝説的な人物とされている)のように爆発反応装甲で防御力を強化した型も登場している。
↑ AMX 30 B2 BRENNUS
・機動面
車高を抑える為、Batignolles-Châtillon 25 tが搭載していた720馬力のイスパノ・スイザ製HS 110ディーゼルエンジンが採用された。
最高速度は65km/h、出力重量比は約20hp/t。
・その他
目標をいち早く発見し先手を打つために視察装置も重視し、車長のキューポラは腰高に設計された。
また、シュノーケルなどの渡河装備を付ける事で水深4m程度までの浅瀬なら潜水も可能である。
・量産配備
財政難などによりAMX 30の量産は1965年までずれ込んだが、以降は順調に量産が進み、輸出用なども含めるとシリーズで合計3571両が量産された。
NATO標準戦車の座は西ドイツのLeopard 1に渡してしまったが、それでもAMX 30は多くの国で採用される事になった。
スペインではライセンス生産され、ギリシャ、キプロス、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、ベネズエラなどにも輸出された。
ちなみに当時のスペインはLeopard 1の導入も検討していた。
しかし、イギリスとの関係が悪かったのでL7 105mm戦車砲の輸入を禁じられていた事、AMX 30の方が低コストでライセンス生産できた事などから、スペインはAMX 30の導入を決定している。
・改良
当初AMX 30のトランスミッションは慎重な扱いが求められた上に整備が難しく、信頼性が低いと評されていた。
操縦手は一定時間ごとに手動でギアを変更する必要があり、荒い地形を移動する時にこの操作をするのは困難であった。
この事が輸出販売の妨げとなっており、1979年にはAMX 30 B2の開発が開始された。
B2は1982年から量産され、既存型からも同様の改修が行われた。
この型では同軸装備を20mm機関砲へ変更、トランスミッションやエンジンの換装、FCSの改良が施され、一部は
上述のB2 BRENNUSとして爆発反応装甲が追加装備された。
砂漠戦用としてAMX 30Sの開発も行われ、これはサウジアラビアなどの中東諸国への輸出型であった。
また、スペインのライセンス生産型はAMX 30E(España=スペインの事。改良型はEM1、EM2)と呼ばれている。
改良型の他にも自走砲や対空戦車、地雷処理車両などにもAMX 30の車体が流用されている。
発展型としては新型砲塔に換装したAMX 32や120mm滑腔砲を搭載したAMX 40あのアヒルとは別の戦車が開発されたが、いずれも買い手が見つからなかったなどの理由で試作段階を出る事はなかった。
↑ AMX 32 MBT
↑ AMX 40 MBT
・退役
1991年、フランスが多国籍軍として参戦した湾岸戦争の中のOperation Desert Storm(砂漠の嵐作戦)で実戦投入された。
もっともアメリカ主体の戦闘だった事やM1 Abramsによる無双が有名すぎた為か、特に戦果らしい戦果は残っていない。
そして、後継の第3/3.5世代主力戦車AMX 56 Leclercが量産配備されると徐々に姿を消していき、2011年にはフランス陸軍からは完全に退役した。だが、スクラップや博物館送りだけだったという訳では無く、一部はAMX 30 FORAD(訓練における敵車輛役仕様)として運用されている車輛もあった。
↑ 1991年、湾岸戦争時のAMX 30(砂漠用迷彩仕様)
↑ 2016年、訓練に用いられているAMX 30 B2 FORAD(市街地用迷彩仕様)
情報提供
愚痴や日記など生産性のない話題は外部総合掲示板をご利用ください。
マスター(M)バッジ報告は専用スレができましたのでそちらへお願いします
使用感や装備など、アーカイブ、スペック、解説に表記されています。
※実装または車両性能変更アップデートから3か月以上経過した車両であるため、管理人の提案に基づき新規コメント欄を非表示にします。本車両について語りたい方は外部掲示板を利用してください。