Tier9 ソ連 重戦車 (略称: Obj. 257 )
↑ IS-3(257) + 122 mm BL-9
初期状態。車体が新調されたIS-3といった外観。
↑ Object 257 + 122 mm BL-13-1 A
最終状態。こちらが計画されたObject 257の史実装備。
砲塔の形状はベースになったObject 252Uに近く、あちら同様にキューポラの投影面積が大きめ。
発展型のIS-7(Object 260)に通ずる雰囲気はあるものの、足回りの構造がかなり異なっており、車輛自体も一回りコンパクトにまとまっている。
スペック(v1.10.0)
車体
耐久値 | 1,800⇒1,900 |
---|---|
車体装甲厚(mm) | 130/130/70 |
最高速度(前/後)(km/h) | 50/15 |
重量(初期/最終)(t) | 51.32/55 |
実用出力重量比(hp/t) | 15.45 |
本体価格(Cr) | 3,560,000 |
修理費(Cr) | 約18,000 |
超信地旋回 | 不可 |
ロール | 突破型重戦車 |
武装
名称 | 発射速度(rpm) | 弾種 | 平均貫通力(mm) | 平均攻撃力 | AP弾DPM | 精度(m) | 照準時間(s) | 弾速(m/s) | 総弾数 | 弾薬費(Cr) | 重量(kg) | 俯仰角 |
122 mm BL-9 | 4.51⇒ 4.62 | AP APCR HE | 225 265 68 | 390 390 530 | 1,759⇒ 1,800 | 0.4⇒ 0.38 | 3.1⇒3 | 1,007 1,259 1,007 | 40 | 1,025 4,800 608 | 2,790 | -5°/+15° |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
122 mm BL-13-1 A | 4.44⇒ 4.62 | APCR HEAT HE | 248 315 68 | 440 440 530 | 1,956⇒ 2,031 | 0.42⇒ 0.4 | 2.9 | 1,259 900 700 | 40 | 1,180 5,200 608 | 2,790 |
砲塔
名称 | 装甲厚(mm) | 旋回速度(°/s) | 視界範囲(m) | 重量(kg) |
IS-3 (257) | 249/110/70 | 26 | 380 | 11,500 |
---|---|---|---|---|
Object 257 | 350/240/100 | 26 | 390 | 13,000 |
エンジン
名称 | 馬力(hp) | 引火確率(%) | 重量(kg) |
V-2-54IS | 700 | 12 | 700 |
---|---|---|---|
2x V-16 (1000) | 850 | 12 | 2,900 |
履帯
名称 | 積載量(t) | 旋回速度(°/s) | 重量(kg) |
Object 257 | 55 | 35 | 12,000 |
---|---|---|---|
Objcet 257 Version 2 | 60 | 40 | 12,000 |
無線機
名称 | 通信範囲(m) | 重量(kg) |
10RK | 440 | 100 |
---|---|---|
12RT | 625 | 110 |
R-113 | 730 | 80 |
乗員
1 | Commander(Radio Operator) | 2 | Gunner | 3 | Driver | 4 | Loader |
---|
拡張パーツ
Class1 | Class1 | Class1 | Class1 | Class1 | Class1 | ||||||
× | × | Class1 | Class1 | Heavy |
隠蔽性
非発砲 | 発砲時 | |
---|---|---|
静止時 | 6.33%⇒6.61% | 1.14% |
移動時 | 3.14%⇒3.27% | 0.56% |
派生車両
開発ツリー
122 mm BL-9 (初期/178,500) | ━ | 122 mm BL-13-1 A (56,000/280,000) | ━ | Object 257 (24,800/63,500) | ━ | IS-7 (191,500/6,100,000) |
IS-3 (257) (初期/30,000) | ||||||
10RK (初期/18,600) | ━ | 12RT (5,600/33,600) | ━ | R-113 (8,700/52,200) | ||
V-2-54IS (初期/79,290) | ━ | 2x V-16(1000) (48,000/125,000) | ||||
Object 257 (初期/29,500) | ━ | Objcet 257 Version 2 (24,000/62,500) |
車両に関する変更履歴
v0.9.22 | 新規実装 |
v1.0.0 | 改良型トーションバー 5t 以上級を装備可能に変更 |
解説(v0.9.22)
- 概要
v0.9.22で追加されたTier9のソ連重戦車。
IS-6(Object 252)からIS-7(Object 260)へ至る過渡期の計画案である。
- 火力
- 122 mm BL-9
IS-3から引き継ぐ砲で、初期砲塔に搭載する場合、性能はほぼ同一。
単発はともかく、Tier9としては貫通力が不足しているため、課金弾でなんとか補おう。 - 122 mm BL-13-1 A
Object 705と共通の砲。こちらの初期砲はあちらに比べればまだ性能がマシなので、できればこちらで先に開発しておきたい。
あちらと比べると照準時間は僅かに優れるが、発射速度は劣っている。
通常弾はAPCRで、弾速が速く扱いやすい。ただし課金弾のHEATはやや貫通力が低く、格上相手には苦戦することも少なくない。なるべく空間装甲を撃たないようよく狙って撃つ必要があるだろう。
- 122 mm BL-9
- 装甲
後述する特徴的な装甲形状により、いわゆる豚飯や逆豚が非常に有効。- 砲塔
初期砲塔はIS-3と同一。改良砲塔はスペック上正面350mm厚を誇るが、肝心の防楯部分は250mm+傾斜で280mm程度となっている。同格の通常弾までなら弾くが貫通300mmを超える課金弾等で狙われると貫通されることがある。
更に大き目のキューポラ(150mm)や天板(30mm厚)などの弱点部位が目立ち、正面に限れば初期砲塔よりも弱体化しているとも言える。
一方側面装甲は大きく強化されており、後半に至るまで250mm相当あり同格の砲をも弾き返す。 - 車体
正面は毎度恒例の楔形装甲。正面上部装甲は130mm+傾斜で290mm~(APで260mm~)相当、下部はIS-3のものより狭く、130mm+傾斜で210mm(APで190mm)相当。ドライバーハッチは45mm厚だが平地ではAPの跳弾角度となる。側面上部は130mmと、傾斜を加味すればかなり分厚い(真横からでもAPで約180mm、HEATなら約200mm相当)。とは言え、砲塔側面に比べれば薄いため、口径135mm以下の主砲で横を取った時には、ここを狙うことになる。
側面下部装甲は45mmと薄いが、垂直方向に対して約68度*1傾斜している。そのため下部に向けての撃ち下ろしも考慮すると、3倍ルールが適用される135mmを上回る口径の砲でなければAPやAPCRでは車体の真横から撃っても跳弾されダメージは入らない。HEATであっても空間装甲により減衰してしまうため、厄介な装甲配置である。逆に135mmを上回る口径の砲であれば、AP弾なら貫通力120mm程度でどの角度からでも貫通可能であるため、本車両で豚飯する際は敵車両の砲の口径に注意が必要。
- 砲塔
- 総論
高い旋回性能は豚飯や逆豚の角度で戦う本車両の装甲配置と相性がよく、昼飯の角度やハルダウンに比べて対応力が低いとされるこれらの防御姿勢を取りやすくなっている。一方で貫通力の低さや装甲厚不足からくるHE弾耐性の低さには注意が必要である。特に日本重戦車やE 100、Object 705Aといった大口径を搭載した車輌や高貫通の駆逐戦車などは苦手である。
全体的な性能は優秀であり、前線で敵弾を弾きつつダメージを与えていくという重戦車らしい運用が適しているだろう。
史実
1945年5月下旬までにObject 257計画は形になり始めた。P.P.イサコフの設計グループは改良型のIS-6を基礎に開発を行ったが、車輌の設計は徹底的に変更されていた。車体や砲塔、車長用キューポラや操縦手ハッチ、砲塔旋回機構にIS-6の影響が見受けられた。試運転中の失敗(爆発事故)にも関わらず、Object 253から電気式の変速機が受け継がれていた。
Object 257の主な課題の一つは装甲の強化であった。戦術的・技術的な特性はObject 701の水準にとどまっていたため、技術者たちは普通と違った解決策を探し出す必要があった。
正面上部の装甲は150mmにも達し、形状も変更された。車体は縮められ、増加した重量と釣り合いを取っていた。車体の重量はIS-6の21tから23tまで増加したが、一方で装甲は大きく強化されていた。計算によれば、BL-13戦車砲(本車の主砲のベースとなった砲)は至近距離からこの装甲を貫通出来なかったとされる。
車体下部はさらに大きく変化した。内部に構成部分を持つサスペンションを使用すると、どうしても車両の側面を部分的に垂直にする必要があり、このことは車体の構造を弱める要因となっていた。そこでObject 257ではサスペンションは車体から取り除かれ、側面の装甲はV字形に角度を付けて配置された。これにより側面はドイツの105mm砲Flak 39ですら至近距離から貫通させられず、対戦車地雷に対する耐久性も向上していた。しかしながら、戦闘室とエンジンルームの配置は難しいものとなった。
他には、一般的に使用されていたトーションバーサスペンションがこのような形の車体に適合しない問題があった。この解決策としてバッファスプリング付きのボギーサスペンションが採用された。
Object 257は122mm戦車砲BL-13-1を搭載していた。最初の設計との違いは機械式のラマーを有している点であった。計算によれば、射撃レートは1分あたり8~10発にまで向上していたとされる。6月に自動装填装置がテストされ、これは確実に動作したものの、射撃レートは7~8発/分にとどまった。
砲塔はIS-6のものを基としているが、劇的な変化を遂げていた。車体に合わせ、装甲は向上した。また形状も変化していた。IS-6と同様、弾薬はバスル(砲塔後部の張り出し部)に搭載されていたが、30発分の砲弾ラックは装填手の苦痛を和らげるよう設計されていた。
この戦車は55tもの大重量を有していながら、第77番工場で開発されたV-16エンジンによって、最高速度は50km/hにも達したと予想される。このV-16はV-2エンジンから近代化を図ったものであり、1944年から開発が進められていた。Object 253と同様、エンジンは電気式の変速機と共に一つのブロックにまとめられていた。エンジンの出力は設計書に記録されていないが、IS-6やObject 701のV-12エンジンと似たようなものであっただろうと見られる。
Object 257の最終的な資料は1945年6月6日にまとめ上げられた。全体的な設計はマルィシェフによって承認されたが、この頃には重戦車に対する要求が変化し始めていた。
まず、最大の弱点はエンジンであった。3~5月の試験でV-16Fエンジンに関して多くの欠陥が露見し、信頼性に対する疑問が指摘された。その後もV-16の開発は続けられたが、1946年初頭にIS-7計画から外されることとなった。これにより本車は構造の変更を余儀無くされた。
1945年6月4日にツォッセンの近くで発見されたマウス超重戦車についての情報がソ連邦装甲車両総局(GABTU)に届けられると、本車は更なる変更が行われた。また、行動可能なヤークトティーガーがオーストリアで鹵獲された。正面から122mm戦車砲BL-13に耐える程度の防護が不十分であることは明らかであった。今や、重戦車の装甲は将来的にヤークトティーガーやマウスの12.8cm砲を防ぐものでなければならなかった。このことは装甲をより厚くする必要があることを意味していた。
武装も変更された。発見されたドイツ戦車の装甲はBL-13の限界に達していた。後継となる砲が要求され、V.G.グラービンの指揮の下、中央火砲設計局(TsAKB)で設計された130mm戦車砲S-26がすぐに捜し出された。しかしここで新たな問題が生じた。現行のObject 257の砲塔はこの新砲に適さなかったのである。
1945年6月11日に新たな重戦車に対する要求事項が策定された。重量は60tに設定され、2人目の装填手を追加し乗員は5名に増加した。装甲はドイツの12.8cm砲に耐えねばならなかった。武装は砲口初速1000m/sの122mm砲か130mm砲のどちらかであった。トーションバーサスペンションは車体の外側に設置するという条件の下で再び優先された。Object 257はこれらの要件を満たせず、第100戦車試作工場はこれを土台に新たな戦車の開発に着手する必要があった。
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