1917年 ドイツ帝国 戦艦 バイエルン級
ドイツツリーの中ティア戦艦。
帝政ドイツ最大にして最後の超弩級戦艦だが、史実では花舞台になるはずだったユトランド海戦には間に合わなかった。
その後、優秀な性能を活かす機会も無くドイツ敗戦の日を迎え、最終的にスカパ・フロー港で自沈した。
本ゲームでは中ティア帯における強戦艦の一角なので存分にその砲火を振るってやろう。
側面形。イギリスの戦艦リヴェンジにも少し似ている。
以前は白銀に近い塗装だったが、現在は特に艦橋周りが苔むしたような青みがかった風合いに変化した。
スカパ・フローから引き上げられたような色とか言わない
基本性能
※括弧がある欄は【改修後の数値(初期値)】
年代 | 1917 | 国家 | ドイツ帝国 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
艦種 | 戦艦 | 対潜 | × | ||||
耐久値 | 29150(26500) | 戦闘成績(BR) | 365 | ||||
無装甲排水量(t) | 15245 | 無装甲速力(kt/h) | 26.9(24.2) | ||||
基準排水量(t) | 28530 | 最大速力(kt/h) | 20.4(18.5) | ||||
最大排水量(t) | 32200 | 最大舵角 | 35.2(32.0) | ||||
可視距離(km) | 8.85(8.2) | 絶対視認距離(km) | - | ||||
アンロック費 | 750000S | 購入費用 | 7500S | ||||
1350G |
装甲防御
※単位はインチ(in)表示
※史実/技術ツリースペック準拠の場合。購入時は無装甲状態
防御区画 | 前部 | 中部 | 後部 | 装甲重量(t/0.1in) | ||
---|---|---|---|---|---|---|
甲板部 | 4.7 | 4.7 | 4.7 | 25 | ||
舷側部 | 13.0 | 13.0 | 13.0 | 25 |
搭載武装
主砲 | 名称 | 火力 | 射程 距離 (km) | 装填 速度(s) | 旋回 速度(°/s) | 重量(t) | 貫通力 | 基本弾数(HE/AP) | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
45口径 38cm SK/L45 A型 連装砲 | 1500 | 23.2 | 24 | 5 | 937 | 60 | 36/60 | |||
45口径 38cm SK/L45 B型 連装砲 | 1500 | 20.4 | 20 | 5 | 922 | 60 | 36/60 | |||
50口径 30.5cm SK/L50 連装砲 | 1200 | 16.2 | 30 | 5 | 580 | 55 | 36/60 | |||
45口径 30.5cm SK/L45 A型 連装砲 | 1200 | 16.2 | 20 | 5 | 575 | 42 | 36/60 | |||
45口径 30.5cm SK/L45 B型 連装砲 | 1200 | 20.4 | 20 | 5 | 590 | 54 | 36/60 | |||
副砲(1~16) | 名称 | 火力 | 射程 距離 (km) | 装填 速度(s) | 旋回 速度(°/s) | 重量(t) | 貫通力 | 基本弾数(HE/AP) | ||
45口径 15cm SK/L45 単装砲 | 600 | 13.5 | 8.5 | 8 | 22 | 52 | 40/40 | |||
40口径 15cm エルズウィック社製 速射砲 A型 | 600 | 13.5 | 10 | 8 | 20 | 52 | 40/40 | |||
40口径 15cm エルズウィック社製 速射砲 B型 | 600 | 14.9 | 12 | 8 | 19 | 50 | 40/40 | |||
副砲(17、18) | 名称 | 火力 | 射程 距離 (km) | 装填 速度(s) | 旋回 速度(°/s) | 重量(t) | 貫通力 | 基本弾数(HE/AP) | ||
45口径 8.8cm Tbts KL/45 単装砲 | 350 | 11.7 | 4 | 13 | 14 | 30 | 120/120 | |||
45口径 8.8cm KL/45 単装砲 | 350 | 10.69 | 5.5 | 13 | 16 | 50 | 120/120 | |||
魚雷 | 名称 | 火力 | 射程 距離 (km) | 装填 速度(s) | 旋回 速度(°/s) | 重量(t) | 雷速(kt) | 基本弾数 | ||
60cm 魚雷 G7E | 3750 | 14.0 | 90 | 10 | 56 | 30 | 3 | |||
50cm 魚雷 G7E | 2955 | 9.3 | 60 | 10 | 54 | 27 | 18 |
部品改修
改修段階 | 火力 | 索敵 | 速度 | 装甲 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
Ⅰ | 砲塔旋回装置(主砲旋回速度+12%) | 特殊塗装(隠蔽性+5%) | 制動機(後進加速度+12%) | 排水ポンプ(自艦浸水継続時間-15%) | ||
Ⅱ | 主砲装填装置(主砲装填時間-6%) | 新型望遠レンズ(望遠鏡拡大倍率+20%) | 変速機(加速性能+10%) | 船体強化(HP+10%) | ||
Ⅲ | 改式榴弾(榴弾発火率+15%) | 電波探信儀(理想発見距離+4%) | 舵輪(最大舵角+10%) | 強化装甲(装甲硬度+8%) | ||
Ⅳ | 主砲装填装置(主砲装填時間-7%) | 精密探信儀(強制発見距離+5%) | スクリュー(エネルギー交換率-12%) | × | ||
Ⅴ | 射撃管制装置(主砲射程距離+8%) | 電波探信儀(理想発見距離+4%) | ボイラー(巡航速度+11%) | × |
立ち回り方
実装当初はOPも程々にしろと言いたくなるほどにぶっ飛んだ性能を誇った本艦だったが、さすがに余りに強過ぎて壮絶なナーフを喰らった。詳細は『かつてのバイエルン』を参照。
……以前のような無双は望めなくなったとは言え、それでも本艦は中ティアでは上位に位置する強戦艦であることに変わりはない。
後述するが、防御に頼れなくなったぶん立ち回りは慎重に。それでいて自慢の火力を活かした「殺られる前に殺る」という攻撃的な姿勢も同時に要求される。
近距離で大量に被弾するとあっという間に装甲を割られるので、中距離からコンスタントに命中弾を稼ぐ戦い方の方が向いているだろう。
主砲
38cm連装主砲四基から繰り出される火力こそ、本艦最大の長所である。
特にB型主砲のDPM値は異常なほど突出しており、デフォルト状態ですら20秒に一回斉射が可能。部品開発も進めると18秒弱の装填となり、一部巡洋艦の主砲にすら匹敵する連射能力がある。
ドイツ艦砲にしては弾が散るので遠距離戦での大量命中は期待しづらいが、砲弾が円状にバラけるため命中弾を得るだけならむしろやりやすく感じるかもしれない。
ただしB型主砲を積む場合、部品で強化しても中ティアでは最大射程が不足気味になる。ドイツ専用船員であるグレイで射程を補強することも考えよう。
副砲
射角も狭く精度もお察しと基本的にはあまりアテにならない。
重量は然程嵩張るわけでもないので、放火用と考えて主砲装填時間中にばら撒けばいくらかプレッシャーを与えることは出来る。
魚雷
この時期の戦艦の常として水中魚雷発射管を持っている。
デフォルト装備では接近戦に縺れ込んだ時くらいにしか役に立たないが、再装填に時間を要する代わりに射程が比較的長い魚雷も装備可能。
牽制用と割り切るならこちらの方が使い道があるだろう。
対空
ありません。
装甲
普通に厚い。基本状態でも舷側装甲は分厚くドイツお得意の接近戦に適した形となっており、さらに増厚可能。甲板装甲は側舷の3分の1程度となっているが、それでも同時代の他国戦艦と比べると厚い。
装甲厚の数値だけ見ればビスマルクと全く同じ。ドイツの戦艦設計思想が20年間全く進歩していないことが良く分かる
これだけ見ると隙が無さそうなのだが、本級は圧倒的に低い装甲耐久という致命的な弱点を抱えている。どれほどかと言えば、例え18inch貼っていても扶桑の斉射一撃で真っ赤になるほど低い……。
装甲配分をしっかり考え、敵戦艦と砲戦が成立するレベルまではきちんと張っておこう。いくら装甲を削っても速力は悲惨なままなので、張れるだけ張るのが良い。
また、体力値そのものも同格艦と比べると劣っているため長期戦には不向きである。
速力
高火力、重装甲のしわ寄せを全て引っ被っているため悲惨の一言に尽きる。
転舵性能も劣悪なので魚雷回避には早期発見は必須。大量の魚雷の弾幕を張られてしまったり、駆逐艦に近距離まで接近されてしまったら潔く諦めよう。魚雷を見つけたら思い切って逆進をかけて停止、そのまま後進してしまうのも手。バイエルンは後進速度がそれなりに速いので、多少は当たりにくくなるかもしれない。
総評
本艦はとにかく砲撃能力に特化した戦艦である。その圧倒的な主砲DPM値を以って絶え間なく15インチ砲弾を浴びせ続け、敵艦を一気に削りきる戦いが出来れば理想的。
装甲はもちろん厚くするに越したことはないが、見た目の装甲厚に騙されて敵戦艦に対して安易に近距離戦を挑むと同じ場所の装甲を集中砲火され返り討ちに遭う危険性も高い。
自他ともに命中弾数が増える接近戦や、視界アドバンテージを取られかねない遠距離戦はリスクが伴う。中距離戦闘に向いた戦艦と言えるだろう。
また、地味にダメコンも積めないので魚雷による浸水や榴弾による火災には注意。
総員傾注!
バイエルンの艦長に着任した連中に言っておくことがある。本艦は"OPに片足を突っ込んでいる"ということだ。上手く扱えばたった1隻で戦局を覆す軍神の如き戦果をもたらすことが出来るだろう。
火力面では38サンチ砲8門の総火力がなんと24秒毎に各砲門2100ダメージと後世のビスマルク級すら越える数値を叩き出す。本艦の斉射をまともに命中させていけば格上戦艦を含む全ての水上艦を撃沈できるほど。アプデにより現在は単発火力1500と下がったが、高い装甲破壊力により16インチ砲戦艦に劣らぬ戦闘力を有すると言えるだろう。
防御面でも初期状態でビスマルクと同値という中ティア艦としてはやや過剰気味に分厚い装甲を有している。ここからさらに増厚出来る上に装甲重量が軽めであり、さらに装甲耐久がやたらと高いためか戦艦大和の主砲斉射をまともに浴びてもあまりダメージを受けない。
ドイツの冶金技術は世界一ィィイ!
この装甲を頼みとして、ゴリ押しのゴリ押しで敵戦艦との近距離戦に持ち込めれば仮に高ティアに出張しても勝ったも同然である。
戦闘が開始されたらとりあえず突っ込もう。芋るくらいならキングストン弁を引っこ抜いて自沈した方がマシである。
もちろん、多数の敵に正面から突っ込めなどと自殺を薦めているわけではない。それでも勝てるときは勝ててしまうが……敵艦隊の外周をなぞるように航行して砲火を浴びせるのが理想的。味方と共に突出した敵艦を潰すもよし、前線を食い破り突破口を開くもよしと、脳筋ゴリ押しプレイに適している。
全 盛 期 バ イ エ ル ン 伝 説
- 敵にバイエルンがいるということが分かった5分後には味方戦艦小隊3隻が全滅していた。
- たった1隻残った相手なら大丈夫だろうと戦・巡合わせて5隻がかりで突撃したら全艦返り討ちにされた。
- 味方戦艦と砲戦中に横から駆逐艦で雷撃すればバイエルンと言えども沈むはずと吹雪で出撃したら接近前に主砲を釣瓶打ちされ爆散。なお味方戦艦が挙げられた戦果はバイエルンをミリ削りしたのみ。
- 中ティアにバイエルン以外の戦艦で出撃すると沈む確率が150%。バイエルンと砲戦になって撃沈もしくは中破以上の損害を被る確率が100%で、深刻なダメージで動きが取れなくなった後で駆逐艦や巡洋艦に雷撃処分される可能性が50%の意。
- 高ティアに見慣れない古臭い戦艦がいると思ってビスマルクで近寄ったら砲戦で滅多撃ちにされ鉄屑にされた。
- 至近距離から大和の主砲斉射を食らわせたにも関わらず、三分の一も体力を削れずピンピンしたまま反撃してきた。
歴史背景
バイエルン級戦艦(Linienschiffe der Bayern-Klasse)は、ドイツ海軍が第一次世界大戦前に帝政ドイツの艦隊法で整備された最後のクラスであり、ドイツ最初の超弩級戦艦の艦級である。本級は1913年度計画で2隻、1914年度計画の2隻で計4隻の建造が承認されたが、「バイエルン」と「バーデン」のみ就役して残りは解体処分された。
本級の排水量は遂に3万トンを超える32,000トンにおよび、主砲はヘルゴラント級以来の30.5cm(12インチ)砲から一挙に38cm(15インチ)砲が採用された。ドイツは従来、英国よりもひとクラス小型の主砲を搭載してきたが、これで一気に英国に追いついた事になる。当初は3連装砲塔による火力増大が検討されたものの、先行して3連装砲塔を採用したオーストリア海軍の戦艦において揚弾などに不具合が生じたため、確実な動作を約束する連装砲塔を採用し、主砲口径の増大による火力の向上を図ったのである。この連装砲塔を背負い式配置で前後に2基、計4基を装備、副砲は最上甲板下の舷側部分にケースメイト配置で左右8門ずつ装備した。
本級の火力は、同時期に開発中であったイギリス海軍の15インチ砲装備の戦艦、もしくはフランス海軍の34cm砲10門戦艦に投射弾量で匹敵した。また本級(に限らず他のドイツ戦艦も同じであるが)の主砲は軽量の砲弾を、装薬を多く装填して撃つため、初速が大きく近距離(5,000~8,000m)での貫通力に優れるが、射程が伸びるにつれ威力が減じ、長射程では英仏に劣るものであった(ただし射程自体は大きい)。これはドイツ海軍は視界の悪い北海での戦いを想定したため、長距離砲戦を想定していなかったからである。また、戦時中のドイツは上質の重油の安定した供給を得ることができず、本級は石炭を主に使用する混焼缶を使用したため艦隊速力の低速に苦しめられた。
バーデンは1912年末、残る艦は1913年に起工した。ザクセンとヴュルテンベルクは進水したものの第一次世界大戦の終了までに完成せず、1920年から21年に建造所で解体された。
バイエルンとバーデンは1915年に進水し、ユトランド沖海戦には間に合わず実戦参加は僅かであった。バイエルンはアルビオン作戦中の1917年10月12日にリガ湾で触雷し破損した。バイエルンは大きく浸水し、19日後にようやくキールに帰還した。休戦が成立すると、バイエルンとバーデンはスカパ・フローに回航され、バイエルンは1919年6月21日に他の多くの艦と共に自沈した。バーデンは曳船によって浅瀬に着底され、沈没を免れた。その後1921年8月にイギリス海軍により標的艦として沈められた。
外見上、また性能要目上でのバイエルン級とビスマルク級の類似点は、連装主砲塔4基の配置と、3軸推進のみである。とはいえ、バイエルン級の基本設計は20年後にビスマルク級に引き継がれており、艦内構成、特に防御要領には顕著な類似性を確認できる。