1936年 フランス共和国 軽巡洋艦 ラ・ガリソニエール級
Ver.2.00.031のアップデートにてフランス技術ツリーに追加された高ティア軽巡洋艦。
史実では優秀な性能を誇った軽巡だったのだが、ゲームでは扱いにくい艦として長らく哀しみを背負ってきたドイツ軽巡ニュルンベルクが可愛く見えるレベルの悲惨な不遇艦となってしまっている。Ver.2.00.033および034にて少しは改善された。詳細は後述。
艦名は『ラ・ガリソニエール』となっているが、本艦のグラフィックは大戦中に実施された近代化改装後のもの。モデルとなった艦は三番艦の『グロワール』であると思われる。
HP+5%の効果があるダズル迷彩。この迷彩を施した三番艦グロワールの写真が残っている。
Ver.2.00.032以前の母港画像。
基本性能
※括弧がある欄は【改修後の数値(初期値)】
年代 | 1936 | 国家 | フランス共和国 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
艦種 | 軽巡洋艦 | 対潜 | × | ||||
耐久値 | 25515(24300) | 戦闘成績(BR) | 235 | ||||
無装甲排水量(t) | 4001 | 無装甲速力(kt/h) | 40.4(38.5) | ||||
基準排水量(t) | 7586 | 最大速力(kt/h) | 32.0(30.4) | ||||
最大排水量(t) | 9100 | 最大舵角 | 50.4(48.0) | ||||
可視距離(km) | 10.8 | 絶対視認距離(km) | - | ||||
アンロック費 | -S | 購入費用 | 6200S | ||||
1080G |
装甲防御
※単位はインチ(in)表示
※史実準拠の場合。購入時は無装甲状態
防御区画 | 前部 | 中部 | 後部 | 装甲重量(t/0.1in) | ||
---|---|---|---|---|---|---|
甲板部 | 1.5 | 1.5 | 1.5 | 25 | ||
舷側部 | 4.1 | 4.1 | 4.1 | 20 |
搭載武装
※購入時は非武装状態
主砲 | 名称 | 火力 | 射程 距離 (km) | 装填 速度(s) | 旋回 速度(°/s) | 重量(t) | 貫通力 | 基本弾数(HE/AP) | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1~3 | 1930年型 55口径 15.2cm 三連装砲 | 610 | 26.9 | 6.8 | 6 | 175 | 75 | 90/90 | ||
副砲 | 名称 | 火力 | 射程 距離 (km) | 装填 速度(s) | 旋回 速度(°/s) | 重量(t) | 貫通力 | 基本弾数(HE/AP) | ||
1~4 | 1926年型 50口径 89mm 連装砲 | 350 | 15.4 | 4.0 | 7 | 28 | 65 | 180(AA)/180 | ||
魚雷 | 名称 | 火力 | 射程 距離 (km) | 装填 速度(s) | 旋回 速度(°/s) | 重量(t) | 雷速(kt) | 基本弾数 | ||
1,2 | 54.5cm 連装魚雷 Type 19DT | 3650 | 6.0 | 60.0 | 10 | 96 | 55 | 6 | ||
54.5cm 三連装魚雷 Type 23DT | 4500 | 13.0 | 60.0 | 10 | 117 | 39 | 9 |
部品改修
改修段階 | 火力 | 索敵 | 速度 | 装甲 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
Ⅰ | 照準システム(主砲射撃精度+5%) | 特殊塗装(隠蔽性+6%) | ボイラー(速度+5%) | 鋼鉄甲板(榴弾被弾ダメージ-5%) | ||
Ⅱ | 主砲装填装置(主砲装填時間-5%) | 精密探信儀(強制発見距離+8%) | 制動機(後進加速度+5%) | 対空自動計算(自動距離計算) | ||
Ⅲ | 強化弾頭(装甲貫通+5%) | 水中聴音機(水中聴音機アンロック+3.2km) | 新型艦首(旋回抵抗-5%) | 高品質装甲(徹甲弾被弾ダメージ-5%) | ||
Ⅳ | × | × | 変速機(加速性能+7%) | 傾斜装甲(装甲HP+5%) | ||
Ⅴ | × | × | 舵輪(最大舵角+5%) | 船体強化(HP+5%) |
立ち回り
軽巡洋艦の基本に準ずる。駆逐艦の排除、中距離砲戦での味方支援を心掛けよう。
主砲
15.2cm三連装砲を3基搭載している。配置は前部2基・後部1基であり、同じく三連装砲3基搭載のニュルンベルクの砲配置とは対照的。
貫通力はさほど高いわけではないが発射レートは良好であり、軽装甲の巡洋艦や駆逐艦に痛打を浴びせるには充分な性能をしている。
重装甲の巡洋艦や戦艦に対しては効果があまり見込めないので、榴弾での炎上を狙おう。
副砲・対空
連装砲を片舷2基ずつ搭載している。門数の少なさと副砲ゆえの低精度が仇となり、対艦戦闘ではほぼ何の役にも立たない。
そして、史実では高角砲であるにも関わらずゲームでは手動対空砲火ができない。
Ver.2.00.034のアップデートで対空射撃ができるようになった。門数の少なさから抑止力になるとは言い難いが、自動距離計算の導入もあって以前よりは遥かに状況はマシ。
また、戦争後期の姿とあって機銃だけは大量に積んでいるため自動対空ではそれなりに発砲してくれる。
Ver.2.00.033にて手動対空の威力がナーフされ、一方で自動対空の威力が向上した(らしい)ため、近距離では多少敵機を落としてくれるようになった。自艦上空で空戦中の味方機に対して少しは援護ができるようになったと考えよう。
魚雷
中射程で雷速が標準的な三連装発射管か、短射程だが雷速が速い連装発射管かを選択可能。
連装の方の雷速は55ノットと非常に高速だが、射程が6kmしかないのが問題である。駆逐艦でもないラ・ガリソニエールがこの至近距離まで敵艦に近づくのは極めて困難。この魚雷を発射できるケースというのは既に死地にあるような状況がほとんどで、撃てたらラッキーな最後の置き土産のようなつもりでいよう。
やや重量は嵩むが、基本的には射程13キロの三連装魚雷を積んでおいた方が良いだろう。雷速も39ノットと標準的なレベルであり、使い勝手は悪くない。
航空兵装
ありません。
ラ・ガリソニエール級は竣工時には水上機を搭載していたのだが、本艦は戦時中にアメリカで施された近代化改装後の姿で実装されているため格納庫が撤去されている。
史実におけるこの改装ではレーダーが追加されているため、せめてそちらはスキルとしてあって然るべきなのだが……それもない。
装甲
軽巡洋艦としてはそれなりか、やや厚めに張ることができる。駆逐艦相手ならば十分以上に頼れる装甲となる。
しかし、巡洋艦に対してはいつまでも砲撃に耐え続けられるような堅牢さは望むべくもない。会敵する可能性のある巡洋艦は砲力において大幅にラ・ガリソニエールを上回っている場合が多いので、機動力を損なうレベルまで装甲を張るのは避けるべきだろう。
特に観測機を利用した遠距離射撃が不可能な本艦の場合、砲戦は基本的に20キロ圏内、目視下での撃ち合いになる可能性が高い。敵味方ともに命中弾を出しやすい状況であることは留意しよう。
機動性
無装甲状態であれば40ノットオーバーの速力も発揮可能である。
一方、史実準拠の装甲を張った場合、最高速度は軽巡洋艦としては平均的かやや遅めとなる。
旋回反応や舵角に関しては悪くないので、よほど至近距離から発射されない限りは魚雷回避などには苦労はしない。
その他
Ver.2.00.033のアップデートで戦闘成績が235まで引き下げられたこと、Ver.2.00.034のアップデートで手動対空が可能となったことにより、以前ほど動きに不自由することはなくなった。しかし依然として出来る事の幅が狭い巡洋艦であることは変わらない。
ちなみに性能的によく似ている独巡ニュルンベルク(BR185)と比較すると、あちらは紙装甲の代わりに高い主砲貫通力を有し、副砲のみ対空射撃が可能。自動迎撃の機銃は本艦が上回る、といった塩梅になる。
ここまで見てきたように、本艦は高ティア軽巡洋艦としてはできることの幅が非常に狭い。特に対空能力と索敵能力の欠如は致命的で、本来果たすべき味方支援すら満足に行えないのが実情である。
しかし、それに反するかのように戦闘成績(BR)だけは非常に高く設定されている。
ラ・ガリソニエールの285というBRの近辺に何がいるか比較すると、
- ベルファスト/BR290→250
イギリスの軽巡洋艦。軽巡としては動作が重く主砲貫通力も不足気味なのでやや不遇枠ではあるが、15.2cm三連装砲4基12門を装備しており、三連装の中射程魚雷および観測機も搭載できる。また、機動力と引き換えに装甲を厚くすることも可能。副砲が対空射撃に対応している。
- 最上/BR280
日本の万能重巡、もしくは軽巡。対空射撃可能な20.3cm連装砲5基10門もしくは15.5cm三連装砲5基15門を搭載可能で、観測機も積んでおり、長射程酸素魚雷も装備できる。装甲を削れば30ノット台後半の速力を発揮でき、シルバー艦ということもあり非常に使用頻度が高い。
- チャパエフ/BR280
ソ連の軽巡洋艦。発射レートが高めの対空射撃可能な15.2cm三連装砲を4基、片舷2門ずつではあるが高速中射程の魚雷発射管、観測機、そこそこの高速、と日米巡洋艦の間を取ったような性能をしている。視界がかなり広いのも特徴。
- クリーブランド/BR270
アメリカの砲戦型軽巡洋艦。主砲として発射レートの高い15.2cm三連装砲4基、副砲として12.7cm連装両用砲6基を搭載しており、いずれも対空射撃可能。観測機も搭載している。魚雷装備は無く速度はそこそこだが、軽巡洋艦としては装甲が強固であり撃ち合いに強い。
- ブルックリン/BR260
アメリカの砲戦型軽巡洋艦。副砲は頼りにならないものの、クリーブランド同様の対空射撃可能な15.2cm三連装砲を5基15門装備しており、より砲戦に特化した軽巡となっている。観測機も搭載可。
戦闘では、こうした相手と同じ土俵で戦わざるを得ない。
極めて高い確率で不利マッチになることは覚悟しよう。
総評
現状では『仮に中ティア帯にいたならば活躍できたであろう船』という評価しか下せない。戦闘成績改善により、多少はマシになった。
しかし対空砲撃可能な15.2cm砲を搭載可能でレーダー持ちである中ティア帯のノーザンプトンなどの方が下手すると高ティアで活躍できる可能性がある。
観測機もない、レーダーもない、対潜能力もない、対空戦闘能力もない、そして戦闘成績だけは高いという状況に置かれており、史実での本艦級を知っている人間にとっては目を覆いたくなるような有様である。
ゲームにおいてはベテランでも活躍させることは難しい部類の船。入手手段がゴールドに限定されていることも相まり、初心者にはお勧めできない。
本艦固有のダズル迷彩や、艦の細部までこだわって仕上げられたグラフィックの再現率は素晴らしいものなので、ゴールドが余っているプレイヤーは「カラーで動いているダズル迷彩のラ・ガリソニエール級」を見るために購入してみても良いかもしれない。
そして、いつか問題点が改善された時には是非戦場に出してあげてほしい。