CMO更新履歴

Last-modified: 2024-01-20 (土) 13:47:09

一部書きかけ,画像は例によって後日

目次

CMANO v2.00=CMO v1.00.11153 (2019/11/14)

以下CMOマニュアルの更新履歴から

ユーザーインタフェース

  • インターフェース全般:UI全体が使いやすさの向上に重点を置いてダークテーマに一新された.
  • 高解像度マップレイヤーを新規追加.
    • Sentinel-2 Cloudless (2016):
    • BMNGv2(NASAによるBlue Marble NGの改良版)
    • Relief-90:陸地のみの高解像度オーバーレイ
    • Stamen Terrain
    • Stamen Roads & Cities
    • 地形による陸地掩蔽の種類表示
  • メッセージログ2.0:メッセージ報告システムが根本的に改良された.
    • ユニットレベルでのメッセージログを追加:特定のユニットに関連するすべてのメッセージは固有ウィンドウに集約され,オプション時のみ陣営レベルのメッセージログにも表示される.これによってメインメッセージログが見やすくなると同時に,あるユニットのメッセージ履歴を素早く調べることがはるかに容易となった.
    • メッセージバルーン(吹き出し):メインマップ上でイベントが発生した時,メッセージを含む「吹き出し」が最大10秒間ポップアップされる.これにより説明されたイベントがどこで起こっているのかをすばやく把握することができる.吹き出しは互いの重複を避けるため,発生地点からランダムな方位と距離をおいて表示される.吹き出しは5秒間表示された後フェードアウトする.吹き出しを出現させるかの設定はメッセージの種類に応じて設定可能である(Game Options→Message Log).
    • 陣営レベルのメッセージログは報告するメッセージをその種類に応じてグループ分けし,未読のものを強調表示する.これによって重要なメッセージ(命中判定,損傷状況など)を優先して読み,未読のメッセージをすばやく追いやすくなった.
  • インタクティブ型メッセージログのメッセージをクリックすると,マップは発生地点を自動で中心表示する.
  • メッセージはメッセージログと吹き出しのもの両方で種類に応じ色分けがなされる.例:

インタラクティブ型メッセージログは別画面モードで開いている場合,"Switch to [別スタイル]"ボタンをクリックすることで「クラシック型」生テキストスタイルに切り替えることができる.

[以下作業中]

ゲームプレイ全般・コンテンツ

[作業中]

シミュレーション・メカニクス

  • シミュレーションのパフォーマンスおよび拡張性が大幅に向上した.これは大型ないし複雑なシナリオで最も顕著である.
  • 重要なシミュレーション新特徴:地形種類.異なる地形の種類はNASAのMODIS Land-Cover 2012データセットを用いて正確に再現されるようになった(詳細:https://lpdaac.usgs.gov/dataset_discovery/modis/modis_products_table/mcd12q).各種地形は地上ユニットの機動性,兵器の効果(とりわけ爆発・破片弾頭について),発見能力に異なる影響をもたらす.要旨は以下の通り.
    • 水域 (Water)には進入不可.
    • 湿地 (Wetland)では速度がもとの10%に低下し(沼地!),視認性がわずかに低下する.
    • 雪原/氷原 (Snow/Ice) では速度がもとの20%に低下し,視認性がわずかに低下する.
    • すべての森林タイプでは速度がもとの30%に低下し,爆発と破片による破壊効果が大幅減少する.さらに視認距離も大幅減少する.
    • 低木地帯 (Shrubland) では速度がもとの50%に低下し,爆発と破片効果がわずかに減少,視認性が中適度低下する.
    • 農地 (Cropland)とモザイク植生地 (vegetation mosaic) では速度がもとの70%に低下し,視認性がわずかに低下する.
    • 開豁地 (Open)と植生サバンナ (wooded savanna)では速度がもとの80%に低下する.
    • 不毛地 (Barren)と疎密植生地 (sparsely vegetated),草地 (grassland)では速度,兵器効果,視認性への影響はない.
    • 市街地 (Urban)と舗装地形 (build-up)では速度がもとの110%に向上するが,兵器効果と視認性は大幅に制約される.
      地形種類情報はマップカーソルの情報ボックスで地形勾配情報の隣に表示される.
  • 新規オプションシナリオリアリズム設定:現実的な潜水艦通信.有効時,深度40m [訳注:約131ft]以深にいる潜水艦は通信が途絶する.プレイヤーは通信途絶中の潜水艦に対しいつでも極長波 (ELF)通信による「呼び出し合図」を送信し通信を再確立することができる(潜水艦アイコン上で右クリックし,"Summon to re-establish comms"をクリック).潜水艦は通信回復のため浅深度に浮上しようとする(近くにいる敵を回避する際はすぐに浮上してこないことがある).通信が回復したら,潜水艦はみずからの探知情報を親陣営と共有する.
  • 地上ユニットは洋上補給 (UNREP)可能な艦艇同様,適当なユニット(弾薬トラックなど)から補給を受けられるようになった.
    ユニットは右クリックウィンドウの"replenish/refuel if necessary"コマンドから給油を命じられるようになった.補給ユニットを発見した・割り当てられた場合,被補給ユニットは補給ユニットのそばまで移動して停止し,その後弾薬がしだいに補給され始める.
  • 地上ユニットは移動中針路検索を行うようになった.地形勾配(既存の機能)と地形タイプ(新機能)に応じて移動コストが考慮される.これらの要因を組み合わせて移動ルートが決定される.
     以下はその実例である.アッティカ半島南部にいるM60戦車小隊が北東への移動を命じられる.

&ref(https://i.imgur.com/VtqRzVZ.png,600)

ユニットは表示されているように,周囲の山脈(赤い楕円)を両方とも避けかつ東部の農地ではなく市街地を通過する針路を選択している.

  • ユニットAIロジックの重要な変更:「目標を評価」「脅威を評価」ロジックは毎秒ごとではなく,それぞれOODA目標捕捉値とOODA回避値(乗員の練度によって修正を受ける)に応じた一定の間隔で実行されるようになった.これによる影響は二つある.
    • これら二つのOODA値と乗員の練度がユニットの能力と生残性に関してこれまで以上に決定的になった.
    • これらのAI処理が少ない頻度で呼び出される(そしてこれらは最もCPUを占有しているものの一つだった)ことで,大型・複雑なシナリオで全体的なシミュレーションのパフォーマンスが大幅に向上した.
  • IRおよび視覚センサーは短距離でのみ正確な探知を行えるようになった。とくに重要なのは以下の点である。
    • 視覚センサーは最大識別距離の2倍の範囲内でのみ正確な探知を行える(例:もし航空機が視覚センサーで5nmの範囲内から識別される場合、10nm以遠での探知は不正確となる)。長距離での距離不確実範囲は探知距離の10%となる(例:探知距離が20nmの場合、距離不確実範囲は+/- 2nmとなる)。
    • 非画像式IRセンサーは最大識別距離の範囲内でのみ正確な探知を行える(例:もし航空機がIRSTで5nmの範囲内から識別される場合、5nm以遠での探知は不正確となる)。長距離での距離不確実範囲は探知距離の50%となる(ふつうIRSTは距離推定を行ううえで非常に不正確である)。
    • 画像式IRセンサーは非画像式よりも非常に性能がよい。視覚センサーと同じく、正確な探知は最大識別距離の2倍の範囲内で行え、距離不確実範囲は探知距離の20%となる。
  • 航空機と艦艇発射のミサイルは航空機発射ミサイルと同様の改良上下運動モデルを行なうようになった(上昇・降下がよりなめらかになった).
  • ロフテッド式空対空ミサイルは最終降下をより早く開始して,目標に対し急激に降下していくことがないようにした.
  • 新機能:針路検索ロジックが改良された.艦艇は島や海峡などでよりリアルな針路をプロットするようになり,「サーフィン」(不必要に沿岸に近づきすぎる)を避ける.
  • 航空機の飛行モデル,特に「戦闘」時のものを大幅変更.たとえば,航空機は旋回を行うとき旋回方向にロールを行うため,針路に対して「ふらつく」ことがなくなった.これによって近距離空戦機動時にロール速度がさらに決定的となった.これはTacviewのウィンドウで観測しやすい.
  • 新規レーダーモデル要因:周波数可変能力 (Frequency agility).周波数可変能力のあるレーダーは二つの大きな利点がある.これらのレーダーはノイズ妨害により妨害されにくく,さらにドップラーノッチ回避(以下参照)の影響をきわめて受けにくい.機械スキャン式レーダーで周波数可変能力のあるものはDB要目に記載がある.すべてのPESA・AESAレーダーは周波数可変能力があるとみなされる.
  • ドップラーノッチ回避は回避機動としてミサイル回避と全体的なレーダー探知回避に使われるようになった.航空機はドップラーフィルタリングを使用しているエミッターに対して直角方向に飛ぶことにより,速力ゲートの「盲点」に隠れることができる.マイクロマネジメントを回避するため,この機動による効果は乗員の練度に左右される(「精鋭」パイロットは新兵よりもはるかに効果的に行う).ドップラーレーダー誘導ミサイルによる攻撃を受けている航空機もミサイルではなくレーダーに対して横方向に移動しようとする(二軸線がなす形状は大幅に変わる可能性がある).この機動はパルス方式のみを使用するレーダーには効果がなく,周波数可変能力のあるレーダーに対しては効果が減少する.
  • 空戦時のAI改善:航空機はミサイルではなく接近する戦闘機・要撃機を最大脅威として認識するようになった.これによってAI操作の航空機は機銃攻撃を行おうとしている戦闘機(例:MiG-17対F-105)に対してより積極的な回避運動を行えるようになった.
  • 空戦時の新機能:パイロットのG許容値(要するに「非現実的な『戦闘機が無制限に急旋回する』問題の解決」).
    航空機が「戦闘機動」を行っているとみなされたとき,ユニットステータスパネルに追加のUI要素が表示されるようになった.

&ref(https://i.imgur.com/odY2E8O.png,600)

これは急激機動に対する乗員の耐性を示している.航空機が急旋回を行っている時間が長いほど,このバッファは増加する(逆旋回等を行うことによって急激機動から抜け出した場合ゲージが減少する.現実世界のドッグファイトでシザース戦法が好まれているひとつの理由である).

  • 許容値が使い切られた場合,乗員はG-LOC(Gによる意識喪失)を受け始めて,意識が回復し航空機の操縦を行えるようになるまで旋回を大幅に緩めなくてはならなくなる(これはTacviewだと見やすいが,トップダウン画面でもきわめて大きい旋回半径がみられるはずである).もちろんこの回復中航空機はとりわけ脆弱となる.
  • 新しい哨戒ミッションのオプション:繰り返しループ移動.これにより哨戒中のユニットは攻撃行動中でないとき[訳注:RPのなす]正確な針路に従う(支援ミッションの時と同様)ようになった
  • あるユニットが通信を回復した場合,シミュレーションでは探知目標(あれば)の各情報についてどれが更新されたかをより詳細にフィードバックを提供するようになり,新しい情報のない探知目標については情報統合をスキップするようになった.

CMO v1.01.11216 (2020/1/22)

v1.01リリースノート

  • 重要な新機能:Tacview 3Dビューアでの戦場の霧 (FOW)設定。神の視点モードが無効になっているとき、Tacviewウィンドウは自軍、友軍ユニットおよび探知したコンタクトのみを表示するようになった。コンタクトの形は最初共通の不明型として表示され、十分な種類・機種判別が完了するとより正確な形になっていく。神の視点モードが有効の時は、これまでと同じく全てのユニットが表示される。
  • ミッションエディタウィンドウの改良:任務割り当てあり・なしリストからユニット名をクリックして選択すると、ユニットのいる位置にマップが移動する。これによって任務の全体的状況(「この任務を割り当てた部隊は今どこにいるか?これらのユニットは近くにいればこの任務に加えたいのだが、今どこにいるのか?」)を戦闘序列ウィンドウを出す必要なく把握しやすくなる。
  • ミッションAIの微調整:全体の任務区分において、デフォルトの「給油機を探し始める」燃料の残量値を60%から30%に変更した。これによって攻撃目標に接敵している航空機が、突然踵を返して給油のため適当な給油機がいないか探し始める問題が軽減しやすくなる。
  • 対弾道弾ミサイルの交戦ロジックを大幅に書き直し、ミサイルの誘導に関するいくつかの問題が解消された。
  • 航空隊の隊長機と僚機間において編隊維持のために生じる燃料の不一致に調整が加えられた(注:これはかなりの割合で現実に起こっており避けることができないが、編隊の集合・巡航時における行動を調整し、編隊位置の正確性を緩和することで僚機がより少ない時間で位置につけるようにした)

CMO v1.02 (2020/10/5)

v1.02リリースノート

  • 機雷戦に関し大幅な改善が加えられた:
    • マップ上で機雷と掃海中ユニットとの間をつなぐ(実線表示)ようになった
    • 艦艇による掃海は、船尾から垂れ下がっている掃海具を再現するためにユニットの実位置からは離れた地点で開始される。これにより、機雷が掃海されたときの爆発による影響が減った。
    • 掃海艦艇は有効になるまでに遅延時間が存在する。
    • シーフォックスのような掃海艦艇用魚雷の行動を改良し、最初に目標とした魚雷を外れたときに新しい魚雷を捜索するようになった。
    • 掃海任務中の航路選択ロジックが改善され、あまりに長い間航路選択に時間を費やすことがなくなった。次のウェイポイントまでの進路中に魚雷を発見した場合、進路を再計算する代わりに短縮するようになった。これによって任務の流れがよくなった。
    • ユニットには一連のウェイポイントを指定できるが、なるべくこの進路に従いつつ範囲内にある機雷を回避するようになっている。
    • 機雷掃討魚雷は沈底・上昇魚雷(掃海できないもの)に対し自動的に発射される。このような変更が行われたのは、ユニットが最初に発見した機雷群にたいし通常掃海できるにもかかわらず魚雷を全弾発射してしまったためである。ただしプレイヤーがBOLモードを用いて手動で魚雷を発射することも可能である。
    • 旋回角が小さくない限り、掃海具は旋回完了後すぐには利用できない。これは掃海具が再度真っ直ぐになるまでの、掃海作業の中断を再現しているためである(掃海作業に関する以前の問題の原因の1つは、急旋回でも掃海具がつねに有効であったことであった。すなわち、船が揺れ動くときに複数の機雷を起爆させ、船自体に多くの損傷を与える可能性があった)。
    • 一方、航空機はすぐに掃海具を配置しなおすことができるが、円を描いて旋回飛行するため目標機雷にたいして機体の位置がそれてしまうことがある。この時航空機はⅠ修正を行って目標機雷に近づけるようにするが、これは即座に行われるわけではない。掃海具が有効であるため、掃海可能な機雷は掃海されるので機雷を複数列にわたって敷設しようとする試みはこれにより対処される。
    • 艦艇は、機雷掃海作業を行っている別の艦から距離を取る傾向がある。艦が近付いている場合、掃海作業は中断され機雷を起爆させないようにする。
    • 機雷掃海作業は損害が最小限になるよう調整されたが、それでも艦艇にとって危険な作業であり深刻な損害を受ける可能性は依然として存在する。
  • マップ微調整:静止SSM施設(ICBMサイロなど)は「移動ミサイル砲兵」アイコンの代わりに「静止施設」アイコンを使用するようになった。
  • ABM弾道ロジックやパフォーマンスに関し複数の修正・改善が加えられた。
  • 新機能:PESA/AESAレーダーはつねに連続追尾能力を有する。
  • 微調整:ヘリ曳航掃海具は浮遊機雷を掃海できるようになった。
  • 燃料タンク兼用センサー兵装(AN/ASG-34 IRST21など)を再現できるようになった。

データベースの変更・追加点

  • 新機能:全ての艦艇に物資搭載機能追加
  • 新機能:全ての航空機貨物ロードアウトに物資搭載機能追加

CMO v1.03 (2021/5/6)

ソナーモデルの変更点

  • ソーナーモデルを大幅変更.
    変更の要旨:
  • 水温躍層は,特定の場所では以前よりも全体的に弱くなっており,南北緯度70度以降では効果が完全に無効となる.
  • 収束ゾーン (CZ)による伝播を利用するために必要な最低限の深度は特定の場所で大幅に増加し,一定ではなく緯度に応じて変化するようになった.南北緯度70度以降では収束ゾーンも利用不可になった.
  • 大部分の水温躍層下センサー(SOSUSおよびSURTASSは除く)は深海サウンドチャンネルによる探知距離2倍のボーナスを失った.これにより,深度可変ソーナー (VDS)および曳航ソーナーの深海サウンドチャンネルにおける探知距離が大幅に減少した.

[まえがき省略]

1. 水温躍層の強度

従来の処理:従来、CMOでは水温躍層の強度を緯度の数値をもとに単純計算していた(18度ごとに1水温躍層修正帯が存在)。このため南北緯63度から81度に弱い水温躍層が存在することになった。

現在の処理:現在の計算では修正帯ごとの緯度の数値を減らして、より均等かつ正確に水温躍層の変化モデルを再現するようになった(10度ごとに1水温躍層修正帯が存在)。これによって南北緯60度以降では水温躍層が非常に弱くなり、南北緯70度以降では水温躍層が全く存在しないことになった。

理論の説明:極北地帯では、水温層 (layer)は確かに存在するものの、この地帯における海水面の水温は海中水温と同じか、それよりも低温のためまとまった水温躍層 (thermocline)としては存在しないのである。一般的に水温、すなわち大まかな緯度が以前のモデルよりも水温躍層強度の変化上でより大きな役割を果たすようになった。

ゲームプレイ上の重要な変化:
水温躍層強度の変化がより細かくなった。以前は南北緯度に応じて5レベルの水温躍層修正が存在したが、現在では修正ゼロを含めて7レベル存在する。
南北緯度70度以降では、水温躍層は全く存在しなくなった。
南北緯度50度以降の水温躍層は、以前の81度以降における水温躍層と強度がおおむね一緒になった(水温躍層強度の大幅減少)
要約すると、水上艦艇は極北や南極圏にいる場合潜水艦よりも探知能力が良くなった。

2. 収束ゾーン

従来の処理:収束ゾーンは一定でキール下深度200m/600ft以深で利用可能であった。またゾーン間隔は、その地点における水温に応じて極地の40nmから、赤道上の20nmまで変化した。

現在の処理:収束ゾーンを利用するために必要な最低水深は、センサーの存在する地点が赤道の直上(必要な深度が最も少ない)か以遠(必要な深度が最も大きい)かとして再現される、その地点における海水面の水温に応じて水深1,700mから4,600m (5,600ft-15,100ft)まで変化する。収束ゾーンの探知間隔は極地の20nmから赤道付近の40nmまで変化する。しかし南北緯度70度以降には、収束ゾーンは全く存在しない。

理論の説明:変温躍層の変化同様、緯度であらわされる水温が水中音響にもたらす影響をより正確に再現している。

ゲームプレイ上の重要な変化:
以前は一定の数値で計算していた収束ゾーンの利用上必要な深度は、赤道南北から約3度ごとの相対位置に基づき数値が大幅に変化するようになった。
赤道から南北約3度ごとに、必要深度と収束ゾーン探知間隔が小さくなっていく。赤道上とその周辺では最低限必要な深度が非常に大きく、赤道の南北で最大深度5,000mを必要とする。
南北緯度70度以降では、収束ゾーンは全く存在しない。
要約すると、収束ゾーンは温水環境ではかなりの深度を必要とする。また収束ゾーンは赤道付近の地域では効果が限定され、北極・南極海域では存在しない。収束ゾーンの「穴場」は南北緯度55-69度の比較的深度が大きい海域となる。

3. 深海音響チャンネル (DSC)

従来の処理:深海音響チャンネルは適切な可変深度ソーナー (VDS)や曳航ソーナーアレイ (TDS)ソーナーセンサーを装備した各種水上艦艇でも、SOSUSのような固定海底ソーナー等のどちらでも利用可能であった。

現在の処理:深海音響チャンネルはSOSUSなどの固定海底音響センサーでのみ利用可能となった。戦術プラットフォームは深海音響チャンネルを利用できなくなった。

理論の説明:この変更は実務経験のある何人かのユーザーからの指摘をもとにしている。深海音響チャンネルは戦術プラットフォームの利用できるアプローチではなかったのである。

ゲームプレイ上の重要な変化:
深海音響チャンネルは水上艦艇では利用できない。
要約すると、潜水艦は以前にくらべVDS/TDA装備の水上艦艇よりも探知能力が良くなった。

その他の変更

  • 一部のIRST/FLIR装置は対空射撃指揮が可能なデータを生成でき,これによってAMRAAM級の兵装をEMCON隠密状態でも発射できるようになった(関連議論:https://www.matrixgames.com/forums/tm.asp?m=4886491)高度なIRSTによって生成された射撃指揮データは直接自機の射撃で利用(例:F-18EがIRST-21を利用して目標に対しAMRAAMを隠密発射する)できるだけでなく,CECを経由して他のプラットフォームに送信できる(例:F-18Eはひそかに目標を追跡し,CEC装備の艦艇に中継して目標に対しSM-6を隠密発射させる).以下はDB3000 v488地点でのこの機能を持つセンサーの一覧である.
    &ref(https://i.imgur.com/ZclxXYD.png,600)
  • 追加:視覚およびIRチェックもルックダウンクラッタの影響を受けやすくなった.例えばIRST(および単なるMk1アイボール)は地海面を背景にしている航空機よりも,地平線上にある航空機を発見するほうが容易である.
  • データリンク+SARH対空ミサイル(AMRAAMやSM-6など)はすぐに自律飛行することなしにアクティブにすることができるようになった(こうしたミサイルを極低観測性目標や強力なOECM下においてより高い正確性かつ信頼性をもって誘導できるようになった).代わりに,データリンクはミサイルが目標を捕捉したとき(あるいはリンク元の誘導中に目標に命中したとき)にのみ切断されるようになった.
  • 微調整:機雷敷設時の変更点.
    • ミッションエリアに入ると同時に敷設していたのに代えて最初のウェイポイントに到達するまで機雷を敷設しないようにした.
    • 機雷のパターンを配置できるように,最初のウェイポイントから進路を設定できるようにした.進路設定がない場合,現在のランダム進路になる.
  • 追加:"PauseOnDBView"(DBビューアを見ている時でもシミュレーションが一時停止しなくなる)
  • 微調整:ドクトリン/ROE設定の色分け.
    • 赤色で表示されているROEは,一段階下級レベルのROEと異なっていることを意味する.例:あるミッションと所属ユニットでROE設定が異なっている.
    • 赤色で表示されているROEは,一段階上級レベルのROEと異なっていることを意味する.例:あるミッションと親陣営でROE設定が異なっている.
  • DBビューア微調整:レーダー以外による射撃指揮能力を持つセンサーについて特記
  • 微調整:射撃したユニットの発砲炎は口径に比例し,ロケット発射炎の探知とIR探知が容易になった.
  • 微調整 #13181:初期対艦ミサイルに対するチャフの効果を微調整(より段階的に)
  • 微調整 #14241:曳航ソーナーは15ktを超えたとき機能しない
  • 微調整:「照射専用」レーダー(SPG-62など)は電波源識別時に射撃指揮レーダーと見なされるようになった

CMO v1.04.1147.33 (2021/10/21)

v1.04リリースノート

  • 追加: DBビューアにセンサー専用のページが加わった.
  • 新規マップオプション:陣営識別に応じてコンタクトを自動除去する:
    https://i.imgur.com/PFRq52e.png
    [previewimg=27490569;sizeFull,floatLeft;PFRq52e.png][/previewimg]
    非常にユニットの多いマップ(Northan Infernoのシナリオ1でSOSUS探知が始まった後など)では手動でそれぞれのコンタクトを除去する必要がなく非常に便利である.「自動除去」を有効にするには,ドロップダウンリストからコンタクトの種類を選択する.有効となっているものにはチェックマークが表示される.現時点では中立の自然生物および民間コンタクトのみを選択できる.もしコンタクトが敵軍や非友好になった場合,コンタクトの除去フラグは中止される.
  • 追加:ある兵装レコードがマルチパック式(Mk41の1セルに4発入るESSMなど)の場合,その情報をDBビューアおよび「兵装」ウィンドウに表示するようになった(例: https://i.imgur.com/7JDIAJ2.png
    [previewimg=27490571;sizeFull,floatLeft;7JDIAJ2.png][/previewimg]
  • 追加:航空機の基本(背景緑色)RCSおよびロードアウトごとのRCSシグネチャをDBビューアに表示するようになった.
  • SAR/CSARの各種改良.
    • (SARに加えて)航空機にCSAR任務を追加.
    • 回収時の距離をチェックするようになった.
    • 積荷あるいはSAR可能なユニットを回収ようになった(回収されたユニットは消滅).
    • Luaの"unit"ラッパーにはユニットが回収されたことを示すWasPickedUp項目が追加された.
  • 追加:#14548 艦艇・潜水艦・陸上施設の燃料量を編集するUIオプションを追加.[url=https://imgur.com/C4o9yI7][/url]
    [previewimg=27490580;sizeFull,floatLeft;C4o9yI7.png][/previewimg]
  • 追加:DBビューアに"Sub-type"フィルターを追加
  • 追加:#14505:GUIから火災・浸水規模を編集出来るようになった
  • 追加:#14547:[訳注:攻撃ミッションの]戦闘機とSEAD機で別々の護衛反応距離
  • 追加:#14564:ミッションエディタのオプション:キャビテーション回避
  • 追加:DBビューアに兵器のマウント・センサー円範囲情報
  • 追加:欠落していた1980年代後半および1990年代前半センサーの対チャフ効果値を追加
  • 追加:"Damage Control"ウィンドウに"Mine countermeasures"(掃海具)の欄を追加

CMO v.104以降の更新ビルド(v1.05の更新履歴にない部分抜粋)

Build 1147.42 (2022/3/22)

Build 1147.42リリースノート

  • 新機能:レーダー分解能セル.(背景については以下のページを参照:https://www.radartutorial.eu/01.basics/The%20resolution%20cell.en.html )分解能セル内に複数のユニットがいる場合,レーダーはそのうち一つだけを探知できる.この新機能により,密集した目標を判別できる能力の高い高周波レーダーシステムに追加の利点をもたらす.
  • 新機能:フェーズドアレイレーダー (PESA/AESA)は水平面・垂直面でアンテナのボアサイトから外れた目標を発見しようとする際にゲインの低下(したがって有効範囲の減少)を受ける.以下の図はF-16の機械式捜索装置 (APG-68(V)9)とAESAレーダー装置2種類における範囲の違いを示している.AESAレーダー2種類について,ゲイン低下のために高オフボアサイト方向の探知距離が大幅に減少していることに注目してほしい.

レーダーコーンに変更が加えられただけでなく,マップ上でもこの違いを確認できる(艦艇のレーダー範囲が「花びら状」になっているのはPESAアンテナであるSPY-1の各面によるものである).

この影響を補うため,フェーズドアレイレーダーをもつ航空機はクランク飛行をより保守的に(目標との偏差飛行を小さく)行う.

Build 1258.1 (2022/6/23)

Build 1258.1リリースノート

  • DB3000およびCWDBデータベースのv494版を加えた.
    データベースv494にはいくつかの重要な機能変更がある.Ethan Hermansonによる説明:

 DB v494がリリースされることを大変うれしく思います!このリリースには700以上の新ユニット(さらに400超のロードアウト)と,一般DBリクエストGithubで寄せられた約585の修正が含まれる.

以上の「ルーチン」更新に加えて,ゲームプレイに顕著な影響をもたらす重要で面白い形式の変更を行っている.これらの変更は「機械の内部」であり新プラットフォームの更新リストには書かれていないので,v494の新機能を手短に説明したいと思う.

いつものことながら,もし提案・要望,バグの報告,誤りの訂正があればGIthubで知らせてほしい!


兵器信管

(現在シミュレーションでは実装されておらず,将来追加予定)

近接信管の開発は第二次大戦中における防空戦闘に変革をもたらした.対空砲の異なる信管を区別するためにいくつかの「兵器コード」を追加している.v494では着発,近接,気圧・高度計,複合信管がある,兵器がどの信管を装備しているかは,少なくともミサイル登場前の時代において航空攻撃に対する防御能力に大幅な影響が発生することになる.

この変更を行うにあたって,両DBに存在するすべての対空射撃可能な火砲について信管データを調査し再入力ている.さらに,システム上将来的には対空用だけにとどまらないさらなる信管を容易に追加可能である.たとえば,艦艇側方の水面に着弾し魚雷同様に船体の下で起爆する(QUICKSINK爆弾くん,きみのことだぞ!)「衝撃効果最大化」信管を誘導兵器用に追加している.


手投げ式・カタパルト発進式無人機

(現在シミュレーションでは実装されておらず,将来追加予定)

v494では無人機の分類方法が変更され,これまでは一律に扱われていた”Small Aircraft (0-12m)”分類の下に航空機の物理的サイズ等級が追加された.現在では無人機はNATOクラスI「マイクロ」「極小 (Mini)」「小型 (Small)」あるいはクラスIIのいずれかに分類される(クラスIIより大きい無人機は従来通りの航空機サイズモデルを使用する).さらにカタパルト・JATO・RATO発進式および手投げ式の無人機について航空設備や離陸モデルを追加している.

Githubからの引用:

小型の手投げ式無人機は(積載量/重量の範囲内で)事実上無制限に備蓄でき,専用航空施設の有無にかかわらずどのプラットフォームからでも離着陸をすることができるようにするというのがアイデアである.大型戦術無人機(RQ-7など)については,新しいカタパルト離陸装置を持っているプラットフォームがヘリコプター等を離着陸させる能力を損なうことなくこれらの無人機を離陸させることが可能とある.

機能中の航空設備を持つ艦艇はカタパルト設備がなくとも無人機を発艦させられることに注目してほしい.乗員がヘリパッド等にカタパルトを出していることを再現している.

この変更を行うにあたって,両DBの無人機について新しい航空機サイズを再入力している.本来あるべき艦艇/地上施設にカタパルト離陸装置がまだ追加されていないが,情報収集を行っておりv495ではこの変更を行う予定である.それまでは,カタパルト離陸装置を切実に必要とするミッション立案者はミッションエディタ[訳注:シナリオエディタでは?]を使い手動でプラットフォームに航空設備を追加することができる.


航空機のレーダー・赤外線シグネチャ修正を再調整

v494以前では,航空機のステルス形状が「小」「中」「大」かによって航空機を分類しているに過ぎなかった.赤外線シグネチャ抑制 (IRSS)技術のモデル化もかなり限定的であった.

V494では既存の超低観測性 (VLO)修正を全面的に再調整して機体形状や電波吸収材 (RAM)の世代を考慮するようになった.加えていくつかのステルス性デザインの存在(あるいは欠如)を表す特別フラグを追加している.これによって漠然とした航空機全体のステルス性だけでなく,S字型インテーク,露出ファンブロッカー,アクティブキャンセラー装置,ステルス型パイロンなど状況固有,あるいはアスペクト固有の特性を再現することが可能である.たとえば,S字型インテークは正面からの発見されやすさを減らし,低観測性パイロンは外部搭載の兵装による影響を減らす.

再調整では赤外線修正も拡張した.レーダーステルス性と同様,「漠然的な」修正を再調整して航空機全体のIRシグネチャ抑制(分散型あるいは従来型燃料タンク,低放射率コーティング)を再現し,特定の赤外線抑制特性を再現する航空機コードを追加している.これらのコードには「対ストレラ」排気口シールド,排気口マスキング,排気口広範囲マスキング/スリット型排気口,ピーク温度抑制,いわゆる「冷気混合」がある.一部の赤外線抑制特性には欠点と制約があることに注意してほしい.たとえばスリット型排気口は発見こそ難しくなるが,背圧ペナルティによって赤外線誘導兵器による捕捉はかえって容易になり,また対ストレラ排気口は航空機の下側から捕捉を行おうとしているものにのみ有効である.

シグネチャ修正の各リストは以下の通り.
RCSS – アクティブキャンセラー (Active Cencellation)
RCSS – S字型インテーク
RCSS – 露出ファンブロック (Exposed Fan Blocker)
RCSS – ステルス型パイロン
IRSS - 排気口シールド(対ストレラ) (Shielded Exhaust (Anti-Strela)
IRSS – 排気口マスキング (Masked Exhaust)
IRSS – 排気口広範囲マスキング/スリット型排気口 (Heavily Masked/Slit-Shaped Exhaust)
IRSS - ピーク温度抑制(冷気混合) (Peak Temp Reducion (Cool-Air Mix))

以上の特性を,両DBのLO/VLO航空機について可能な限り(もちろん,現用のステルス戦闘機では正確な詳細が入手困難ということがある)再入力した.この変更によって多くのLO/VLO航空機は従来よりも発見がより困難に(あるいは容易に)なった.実世界における既知のRCS・IRデータと比較しても正確な数値を算出しているので計算結果には確かな自信を置いているが,フィードバックも受け付けている.将来のDBリリースでは新しい数値の再調整が行われることに期待してほしい.

艦艇のOODA値調整

最大かつもっとも重要な変更点は水上プラットフォームのOODA値である.注意:この変更は約1年間にわたる作業の結果なので,最近の出来事は単に本機能の重要性を実証したに過ぎない.

v494以前では,OODAモデルには二つの大きな問題点があった.ひとつは,ほとんどの値ではやや早すぎるということである.探知,目標選択,加えて回避は通常20秒以下で行われた.これは新型イージス装置など現用戦闘システムをもつ艦艇ではうまく機能するが,冷戦期の旧式艦(さらには,現実的ではないが第二次大戦以前の戦艦)ではうまく機能しなかった.ふたつめの点として,艦艇ごとにOODA値を手動で設定する必要があるということは戦闘システムの世代間で反応時間に一貫性がないということを意味した.

v494以降では,戦闘システム世代 (CS Gen)という新コンポーネントが艦艇に追加された.世代には第一世代 (1945-1950)から将来の第7世代 (2030+)まで存在し,プロット盤にコンタクトをプロットしているのか,中央演算装置に統合されているのか,あるいは統合システムなのか,さらにはシステムを構成するコンポーネントの製造年代は,目標に対しどれだけ素早く反応し交戦できるかの能力に多大な影響を与える.現代のイージス艦はコンタクトに対して発見・追跡・攻撃の過程を約20秒で行える.一方第二次大戦期のCICでは,同じ過程が約5分間にまで急激に長期化する.襲来するミサイルを自艦搭載のレーダーで最初に探知した場合,それでは十分でないということがあり得る.

小型艇はこのルールの例外で,製造年代に関係なく総じて非常に早い反応時間をもっている(小型艇の目標選択プロセスは本質的に,銃座についている者に「今すぐあそこにいるやつを撃て」と叫ぶだけであるから).ただし,この特性は小型艇のセンサーと兵装が比較的貧弱であることによって相殺される.RHIBが目視でヘルファイアミサイルの襲来を発見した場合,銃を向けるのが早くてもあまり役に立たないのである.

「それじゃ,とくに旧式艦艇と現代の脅威がある場合,ミサイルが飛んで来たらまったく無力ってことじゃないの?」とプレイヤーは反発するかもしれない.答えはイエスである.『ファイナル・カウントダウン』もののシナリオは様相が全く変わってくることになる.このような問題は冷戦期における海軍作戦立案者にとって大きな心配事であった(米海軍最初の自動データ交換システムであるNTDSは極秘裏に行われた演習・兵棋演習で米海軍の艦艇が何度も航空ミサイル攻撃の来襲に反応できる前に撃沈されたために推進された).

OODA値調整は大きな変更点であり旧シナリオではゲームバランスが崩壊する可能性がある.このため,SBRツールにはシナリオのデータベースをv494以降に移行する際,「レガシー」OODA値を維持するかの機能が加わった.Pro版のユーザーについては,DBエディターはカスタム値を別に設定し,世代別による数値を上書き選択する機能がある.

Build 1261.1 (2022/7/5)

Build 1261.1リリースノート

チームメンバーはPro版における各更新をまとめるサイクルの一部には参加していなかったが,プレイヤーが楽しめるであろうリリースをまとめることができた.495版にはDB3KとCWDBで合わせて500以上の新規プラットフォーム(さらに700以上の新ロードアウト),さらにGithubに寄せられた340のパブリックDBリクエストに対する解決が含まれている.

DB 495版でも,「内部」におけるいくつかの新しいスキーマ変更がもたらされている.これらのほとんどは,494版から始まる継続的なOODA値の調整を扱っている.
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  • 航空機のコックピット世代
    艦艇における「戦闘システム世代」の航空機版である「コックピット世代」は,コックピットの設計に基づいてパイロットの負担量,ひいては反応時間を概算する手法である.
     航空機は以下の6種類のコックピットのいずれかを持っている.
  • 基本計器のみ:単純設計の航空機
  • アナログ計器:WW2機の戦闘機
  • 複雑アナログ計器:悪夢のような冷戦中期戦闘機
  • 部分グラスコックピット:70-90年代の過渡期戦闘機
  • グラスコックピット:現用航空機の大部分
  • パノラマコックピットディスプレイ:第五世代戦闘機に搭載される新型のシングルスクリーンタッチディスプレイ
     艦艇性能がCICによって左右されるのと同様,航空機もコックピットによって左右される.パイロットが林立するノブ,スイッチ,ダイアルをいじくりまわす必要があるのか,あるいは視認性にすぐれる液晶パネルディスプレイを一瞥するだけで良いのかは航空機の性能に影響する.もちろん,航空機コックピットの世代差は違いが数分ではなく数秒に過ぎないため,艦艇の戦闘システム世代の差と比べると影響はきわめて小さい.
     しかし空中戦においては,数秒の差こそが重要なのである.
  • 人間工学
    アナログ計器をもつ航空機がすべて一律に飛ばしずらいわけではない.同様に,ある10年間のうちに建造されたすべての艦艇が全く同じ速さで反応できるわけではない.一部のプラットフォームは操作が容易であることで名声を得ている(たとえばビゲン戦闘機は非常によくデザインされたコックピットをもっていた).一方,コマール型ミサイル艇などは運用者泣かせであった.これらの多くは,設計に人間的要素をどれほど考慮しているか(あるいは考慮されていないか)の人間工学的観点から評価できる.
     新しい「人間工学」の欄は「劣悪 (Awful)」から「最高 (excellent)」まで存在し,同じ世代内での違いを再現しようとするのが目的である.人間工学値はOODA値への「バフ/デバフ」として機能し,戦闘システム世代をアップグレードするという根本的なステップを経る必要がなくても小改良等を反映して値を調整できる機能を持つ.
    そしてさらに熟練度もこれに加わるので,プレイヤーは面白いいくつもの要素を考えることになる.
  • 「技術世代」すなわち戦闘システム・コックピットの世代:手持ちのプラットフォームはいつ設計・建造されたか,そしてその時代における主流技術はどのようなものだったか?WW2期の古いプロット盤を用いているのか,あるいはイージスか?
  • ユーザビリティ/人間工学/デザイン:使用しているのは美しい,最高級のCOTSヒューマンインタフェースか,それとも冷戦中~末期の悪夢のようなソ連製システムか?
  • 熟練度:訓練・休息が十分で士気の高い乗員か,あるいは最底辺の徴集兵なのか?
     これら三つの要素はプレイヤーの作戦立案に影響を及ぼすことになるであろう.
  • 変更可能なセンサーアーク・垂直スキャン制限
    495版では小さいながらも重要な改善がセンサーモデルに対し行われ,ついにセンサーアークは範囲ごとではなく角度単位で定義できるようになった!さらに冷戦期には特に重要であった垂直センサーアークも実装した.旧式の空対空レーダーは垂直捜査範囲が小範囲(20度程度)に制限されており,戦闘機ははるか上や下にいる航空機を発見しづらかった.航空作戦の立案者にとって,これは「低高度CAP」と「高高度CAP」が必要であったことを意味した.やがてプレイヤーもCAP範囲で高度を考慮する必要が出てくるであろう.
    (v495では垂直センサーアークのデータは入力されていないので,我々がもう少し調査を行うまではゲームプレイにすぐさま影響はない.センサーアークとスキャン制限についてGithubでのパブリック情報募集がなされるはずである)
  • 無人自律性レベル
    この機能はまだ作業中でシミュレーションに実装されているわけではないが,495版には無人機の「無人自律性レベル」の試作が含まれている.基本的に,この機能は通信が遮断された際における無人機の能力を定義することを目的としている.一部の無人機は遠隔操縦の航空機に過ぎず,信号を失うと「ゴーストプレーン」と化して最終的に墜落するまで最後に命令された方位に向かって飛んでいく.また一部は新しい信号を探すなどして自動回復が可能で,再接続が不可能であれば基地に帰還する.新型の無人機はより自律性が高く,最後に行われた命令を完了し,任務を継続する能力があるか自己診断を行い,協調してさらには自分で「考える」こともできる.この機能が実装されると無人機への通信妨害は単に通信を切断させるだけでなく,一部の無人機は即座に墜落し,ほかの無人機はそのままジョン・コナーを追い続けるというプラットフォームごとの結果を生むことになる.

Build 1263.1 (2022/7/8)

Build 1263.1リリースノート

  • UI・シミュレーション新機能:航空攻撃ミッションの攻撃方法:
    この機能を使用すると,攻撃ミッションに参加している航空部隊に対しいくつかの異なるパターンを使用して攻撃するよう指示することができる.例:
  • シミュレーション新機能:回転式多機能レーダーが追尾・兵装誘導モード中は視野 (FOV)制限.
    この制限の「典型的な」例は,S-300/S-400シリーズ地対空ミサイルシステムのFlat Lid/Tombstoneレーダーファミリーがあげられる.従来360度範囲全周にわたって同時に兵装誘導を行えた(したがってミサイルがなくなるまで多軸方向攻撃を撃退してしまう)が,現在では現実世界と同様兵装誘導中は極めて狭い誘導範囲に制限される.同様に,同時空間捜索能力がある場合は捜索範囲も同じ範囲に制限される.制限を受けたレーダー範囲は以下の例が示すように,マップ上でも視覚的に確認可能である.https://imgur.com/8yFstnH

いくつかの注意点:

  • 交戦範囲の角度幅は現在DB値がなく,レーダーの種類から推定されている.推定値は機械スキャンレーダーで15度,PESAで60度,AESAで90度である.
  • この変更により,多軸攻撃に対する多機能レーダーの抵抗力が大幅に減少した(同様にして脅威軸が複数ある場合の有効射撃速度が減少).
  • この変更は複数目標に対しての兵装誘導機能を持つすべての多機能レーダー(Flat Lind,Tombstone,Top Dome,MPQ-53/65など)に影響する.
  • 一定の範囲に対して交戦中のとき,「乗員AI」は交戦範囲内にできるだけ多数の目標が入るよう行動する.目標が移動するについレ交戦範囲の円弧が動いているように見えるのはそのためである.
  • 多機能レーダーから発射されるアクティブレーダーホーミング兵装(9M96,40N6,PAC-3MSEなど)は発射設備からの持続的な照射を必要としないためこの制限の例外である.これらの兵器が注目を集め始めている一つの理由でもある.
  • 交戦中の間,脅威状況を更新する(可能であればアクティブレーダーホーミング兵装発射をする)ためレーダーはほかの交戦範囲に集中する前に短時間だけ空間捜索に戻ることがある.すべての交戦が終了すると,レーダーは通常の空間捜索モードに戻る.
  • 追加 #14793:DBビューアに地上ユニットの積荷データを追加

Build 1266.1 (2022/7/28)

Build 1266.1リリースノート

  • ADDED: AC exhaustion max level now scales with Proficiency Level (better crews last longer and manage their planes more efficiently)
  • 追加:航空機の疲労最大レベルは練度に応じ拡大縮小する(より良い乗員はより長く,より効率的に航空機を扱える)

Build 1270.1 (2022/8/24)

Build 1270.1リリースノート

  • 追加:WRA射程距離のオプションに回避不可能域 (NEZ)が追加された:https://i.imgur.com/YUrfLTU.png
    NEZはその性質上,非常に保守的な設定である(目標が即座に兵装発射を発見し即座に回避運動に入ると想定する)ので,とくに高速で接近する目標に対する実際の射程距離が大幅に減少しているのを見て驚かないことである.
  • 「このミサイルはABM最適化されているか?」評価ロジックの改善:デフォルト(DB内の)WRA目標タイプが考慮される.この変更により48N6,40N6,SM-6や9M83のような多目的ミサイルは加速後惰性飛行を使うようになり,一方でSM-3,9M82,Sprint,53T6等のBMDサラブレッドが「常に動力飛行する」抽象化を可能にする.これにより以下に報告された問題に対処している: [RESOLVED] S400 40N6 Powered All the Way
  • レーダークラッタロジックの微調整:AESAレーダーはビームを狭めてすでに発見している目標のトラックを更新/再評価できるため,クラッタを効果的に完全キャンセルできる.この機能はまだ発見していない目標への空間捜索スキャン時には適用されない

Build 1276.1 (2022/9/12)

Build 1276.1リリースノート
Includes the new v496 release of the DB3000 and CWDB databases.

DB release notes by Ethan:

   v496 has arrived, bringing over 500 new additions across DB3K and CWDB (not counting nearly 500 new loadouts) and solutions to about 540 tickets from the public DB requests Github. We focused especially on our internal backlog this cycle, achieving an additional 200 private tickets cleared. Another goal for 496 was to handle the growing pile of “minor milestones” accumulating in the public tracker, usually consisting of 10-20 related requests (e.g. Malaysian Navy additions); a good 100 of those 540 public tickets were cleared doing that.
   We continue to carry out targeted “national reviews” in both DBs, in which we check a given country’s extant entries for accuracy and add platforms as needed to complete its current and/or historic inventory. This cycle, we formalized the “flashpoint review,” a sort of national review-lite intended for hot spots. Unlike national reviews, which tackle all platforms in a DB’s given time range, flashpoint reviews focus only on platforms currently in-service. This cycle we wrapped up our national review of Taiwan in CWDB, and completed flashpoint reviews for Greece and Turkey. We’re looking forward to seeing scenarios using their newly fleshed-out inventories!
   Finally, as usual, DB 496 comes with several schema changes. Some of them are even interesting.
   Submarine, Facility, and Ground Unit Combat System Generations (supported in B1275+)
   At last, the saga is complete! With this, our OODA overhaul is finished (future edits notwithstanding). Just as with ships and aircraft in DBs 494 and 495 respectively, subs, facilities, and ground units now have their own combat system generations, which can be paired with ergonomics to determine OODA.
   Similar to ships, we’ve split submarine combat systems into six distinct “generations,” ranging from the early Mk1/3/4 TDC used in WW2 to the modern AN/BYG-1 and future witchcraft as featured in SSN(X). Facilities and ground units required a slightly different system: rather than using multiple “generations” as with ships and subs, these annexes distinguish between fixed and mobile systems and whether said system uses manual or assisted guidance. For example, radar-assisted AAA (e.g. Skyshield) will be faster to engage than a manual gun (ZSU-57); both (towed) systems will be slower at evasion than a SPAAG. The same is true for manually laid artillery vs. those with digital fire control, towed artillery vs. SPGs, etc. While less detailed than our system for ships, subs, and aircraft, we felt this was “good enough” for the level at which these platforms are simulated in Command. (And, of course, we always have the manual override for when we have specific platform data.)
   LIDAR Sensors (not yet supported in-sim)
   Still mostly a curiosity in the defense world, LIDAR sensors have nevertheless seen limited use in airborne minesweeping applications, primarily with the US Navy’s AN/AES-1 ALMDS. Now, these unusual sensors are properly represented in the DB. In certain circumstances, these sensors can be potent mine detectors, especially against surface/drifting or moored mines. In shallow waters, even bottom mines can be detected… but whether you’d be comfortable floating your fleet through a channel cleared solely by this nascent technology is up to you.