潜水艦戦
潜水艦は、多くの点で水上艦に類似していて、甲板砲を装備して水上で戦う古式ゆかしい「可潜艦」であれば全く同じものです。しかし、それらは 2 つの重要な領域で大きく異ってもいます。
1 つ目は、潜水艦はほぼ全ての水上艦よりも、秘匿性は高いけれども「視界が悪い」ことです。これは、広く(極端な事例でさえ)適用されます。騒々しい第一世代の原子力潜水艦は、まだ水上艦に匹敵するほどの特徴は備えておらず、超高感度なソナーを備えた現代の潜水艦でもネットワーク化された水上戦闘部隊ほど遠くは見えません。2 つ目は、潜水艦は信じられないほど壊れ易いことです。(水圧の強さ。潜航するための予備浮力の少なさ。) これが、潜水艦の乗員が「世界大戦における死者比較リスト」のトップにランクされた理由です。
(可能であれば)検知されないことが重要です。水温躍層の利用(後述参照)は重要です。たとえ潜水艦が検知できなくとも、それが推測されると認識し、対抗して行動するのも同様です。向って来る魚雷(「Torpedo datum」)と、未検知な魚雷の命中(「Flaming datum」)を突然被った艦船の両方が、「犠牲者」サイド(陣営)向けに生成された潜水艦「接触」をもたらすでしょう。同様に、潜水艦発射型ミサイルは、水面を離れたのが観察されると、その発射が検知された地点の隣に「接触」を与えるでしょう。
潜水艦は、ディーゼルと核の種類が提供されています。現在では、ほとんどの隔たりは埋められていますが、初期の原子力潜水艦は、ディーゼル潜水艦と比べて信じられないほど騒々しいです。さらに、それらの原子炉とポンプは、静止あるいは最微速のときでさえ、騒々しさを残しています。
しかし、原子力潜水艦がステルス性に欠けていても、速度に関してはそれを埋め合わせて余りあるものです。それらの大半が同等のディーゼル潜水艦よりも速く移動できるだけではなく、彼らの全てが継続的に高速で移動できます。全速で水中走行しているディーゼル潜水艦は極めて急速にバッテリーを消費するのに対して、原子力潜水艦はある種の電池駆動マスコットのように動き続けることができます(訳注:太陽電池で動く踊るヒマワリ人形のこと?)。
素早く移動することは、潜水艦(特にディーゼル潜水艦)に対する効果的な戦略です。ただし、領域内の全 HVU が、この戦略に従うのに充分な速度で移動できるわけではないかもしれません。
潜水艦のソナーは、(ほぼ視覚での地平線に類似した)「ダイレクト・パス(DP)」接触、音源にかなり近い領域でのみ明確な画像を取得します。深海にいる強力なソナーを備えた潜水艦は、その周囲に一連の緑色のリングを持っているかもしれません。これらは収束帯(CZ)を表します。収束帯に進入しているユニットはソナーで検知できますが、その不確実領域は、ダイレクト・パスでの接触よりも遥かに広範囲になります。浅 瀬では、収束帯での接触は不可能です。これは、沿岸にいる潜水艦の既知の制限で、それらを致命的にする効果の反対側です。
深度帯と水温躍層の理解

以下は、異なる深度範囲(「Unit Throttle/Altitude」ウィンドウの「Depth-presets」に反映される)が COMMAND でどのようにモデル化されるかと、各々の戦術的意味合いに関する概要です。
牽引されたアレイや VDS システムは、各プラットフォームの赤い尾で表されます。
Periscope depth(潜望鏡深度):これは、潜水艦が水上センサー(潜望鏡/ESM/レーダーなど)を使用できる唯一の深度です。通常は強力なサーフェス・ダクト(混合層サウンドチャネル)が存在して、ノイズの伝搬範囲の公称値を超えて大きく拡大します。(実際、穏やかな海では、水上艦はこのダクトを使って、小型の高速艇のように、視覚的/電子的にはステルスだが音響的には非常に騒々しい脅威の早期警告を得ることができます)。悪天候は、このダクトの効果を著しく低下させます。全ての潜水艦発射型ミサイルは、この深度で発射できます。水圧が低いので、比較的遅いスロットル設定でもキャビテーション(スクリューで発生した気泡が音)が発生します。これは、水上艦に対する検知に最適な深度です(水上艦の船体アクティブソナー/「Shallow浅い」に設定したアクティブソノブイ/吊下式アクティブソナーに対する逆検知にも)。

Shallow(浅い):幾つかの(全てではない)潜水艦発射型ミサイルは、この深度で発射できます。サーフェス・ダクト(混合層サウンドチャネル)はまだ存在していますが、かなり弱いです。この深度は、水上交通に目(実際は耳)を向けながら、ミサイルを発射できる状態を維持しつつ、(航空機/水上艦によるカウンター検知を減らすために)強力なサーフェス・ダクト(混合層サウンドチャネル)の外に留まりながら、必要なら水温躍層の下に直ちに潜り込めるようにしておくのに、最適です。
Just above layer(変温層直上):この深度は完全にサーフェス・ダクト(混合層サウンドチャネル)から外れていて、ASW の利益のための航空機/水上艦との相互作用がさらに減少します。実際、ここは、曳航式アレイを備えた 潜対潜指向の潜水艦にとっては理想的な狩場です。なぜなら、この深度にいる潜水艦は、自動的に彼らの曳航アレイを水温躍層の下で引きずるからです。彼らは、水温躍層(変温層)で自分自身を隠しながら(そして、船体ソナーで水温躍層の上の捜索能力を維持しながら)、水温躍層の下にある何かに対する検知範囲を最大化します。キャビテーション速度は、ここでは大幅に上昇しています。この深度以下で使用できるミサイルはありません。
In-layer(変温層の中):上記のように、曳航式アレイは水温躍層の下にぶら下がっていますが、カウンター検知はそれほど減少しません(音が敵のセンサーに到達するのに、ほんの少ししか通り抜けなくてもよいからです)。また、この深度帯における温水と冷水の予測できない混乱は、この水温躍層内の他の潜水艦に対しても検知範囲を大幅に縮小します。(Star Trek IIの Mutara 星雲を想像してください)。(訳注:リアルが売りなのにココで虚構?
Just under layer(変温層真下) – the Deep Sound Channel(深海サウンドチャネル):これは、遠距離伝搬に最も優れる深度帯で、検知範囲を大幅に拡大します。水上艦とこの水温躍層の直上にいる潜水艦の両方が、この深度帯で VDS や曳航式アレイを引きずります。「Deep(深い)」設定になっているソノブイと吊下式ソナーもここで稼働します。その結果として、現代の ASW部隊によって狩られていたら、ここは最悪の場所になります(逆に、注意を引きたいのであれば最高の場所です)。慰めとして、キャビテーション速度は、いっそう高速になります。曳航式アレイを装備していない潜対潜任務の潜水艦は、船体ソナーの範囲を最大化するために、しばしばこの深度帯を最微速で航行します。水面のソナー/浅深度のソナー/「Shallow(浅い)」設定のソノブイ/「Shallow(浅い)」設定の吊下式ソナーは、それらの可聴範囲が下層の目標に対して大幅にカットされていて、場合によっては全く通り抜けられないことがあるかもしれません。

The Great Deep(大深度):DSC (深海サウンドチャネル)は、ここでも幾らか影響力を持っていますが、それほど強くはありません。キャビテーション(スクリューで発生した気泡が割れる音)は、全速力のときだけ生じます(現代の潜水艦は、緊急速度のときでさえ、ここでは全くキャビテーションを生じません)。海底が潜水艦の定格深度よりも浅ければ、その潜水艦は「地形追従航行」や死んだふり(海底に着底)でさえ行って、アクティブ・ソナーのエコー(反響)を大幅に減じる利益を得ることができます。ここは一般に、狩りよりも A 地点から B 地点への移動に重点が置かれた「Transit(移動)」モードや、静止状態での待ち伏せに理想的な深度です。水温躍層の上限と下限、同様にその「厚さ」(すなわち吸収率)は固定されていません。緯度/局地的深度/局地的水温によって大きく異なります(推測される実効値は、マップ・カーソルに示されます)。これらの値が変動するため、潜水艦を水温躍層の端に手動で維持しようと試みるのは非常に退屈な作業になる可能性があります。これを自動化するために「Depth(深度)」を予め調整します。
コマンドでの収束帯(Convergence Zone、コンバージェンスゾーン):同心円状に遠距離探知が可能となる帯。
・CZ 検知は、その目標の下に少なくとも 600ft/200m の水深を局地的深度が提供するときにだけ可能です。
・CZ 情報(推定距離)は、マップ上の水温躍層情報の横にあるマウス・カーソルに表示されます。
・CZ の間隔は、極地での 40nm から赤道での 20nm までの範囲で、局地的水温にも依存しています。
・音源が充分に強力で、聴音器の感度が充分であれば、任意の数の CZ がサポートされます。ダイレクト・パスの最大距離は 20k ヤード(~9.5nm)です。
・CZ 領域の奥行(つまり、リング幅)は 5nm になると推定されるため、各 CZ 間隔での実際の検知範囲は+/-2.5nm になるでしょう。
・CZ がセンサーと目標の間に実際に形成されるかを確認するために、それぞれの局地的深度だけでなく、各 CZ 曲線の最下点の深度も確認します。そのため、例えばセンサーと目標の両方の下に深い淵があったとしても、それらの間に充分な高さの海底隆起があると、CZ パスをかなり妨害するかも知れません。
・ソナー運用者は、ダイレクト・パス接触と CZ 接触を(音響音質と方位変化率の両方を調査することで)識別するのに充分熟練していると想定されます。この結果として生成された AOU(不確実領域)は、センサーを持つプラットフォームから始まってダイレクト・パスの最大範囲まで拡張されるか、CZ 検知であれば最も内側の CZ 間隔から始まってセンサーの最大範囲まで拡張されます。

洋上戦
艦載砲の正確さは、射撃管制装置の種類/目標までの距離/砲台の安定性に大きく依存します。穏やかな海と重い艦船の組み合わせは正確さの点で驚嘆すべきものですが、荒れた海で跳ね踊る軽い艦艇ではその反対です。どちらもよく似た(あるいは全く同じ)艦載砲を発射しているかもしれませんが、非常にうねりのある海の中にいる手動制御装置だけを備えた小型哨戒艇では、凪いだ海の中にいる完全で高度な射撃管制システムを備えた大型巡洋艦や戦艦と同じ様には命中しないでしょう。

ミサイルだと、目標は自分自身を守るチャンスが増えます。最初の防衛線は、ミサイルを撃ち落とそうとする試みです。これは、射撃側と目標側の両方の品質に依存するタスクです。幾つかの兵器システムは、低空を飛来するか充分に高速なミサイルに対しては全く交戦できないかもしれません。その他では、苦労して低確率で成功を得るかも知れません。2 番目は、航空機の場合と同様に機能する対策(チャフ/フレア/DECM)を展開することです。
目標の OODA クロックは、その技術的な洗練度と熟練度によって影響され、巨大な役割も果たします。OODA クロックと攻撃側ミサイルの速度は、そのミサイルが命中するまでに防御側が発砲できる射撃数を決定します。
注:現実の世界では、対艦ミサイルが発明されて以来「スニーカー(こそこそする人)」対「ストリーカー(裸で走り抜ける人)」についての討論がありました。敵の OODA サイクルを圧倒するには、ミサイルのステルス化か高速化のどちらに頼る方が効果的なのかです。COMMAND は、あらゆる種類の状態でそれをテストする機会を与えます。
空中戦
航空ユニットの交戦能力は、純粋な射程距離だけではなく、より多くに依存しています。それは、センサーや武器の能力にも依存しています。極端な例をひとつ挙げましょう。攻撃者は、目標の真後ろに位置することを要求する初期の尾部追跡型の赤外線ミサイルと、攻撃者のレーダーがミサイルを誘導している間は他には何もできないようにする初期のSARH ミサイルを持っています。もう一方は、ヘルメット装着型照準器を備えた信じられない位置から発射できる全方位対応のオフ・ボアサイト・ミサイルと、遠方から発射できて、発射機が自機の位置を暴露するレーダーを起動する必要がない(他機によって誘導される)CEC データリンクを備えたアクティブ・レーダー・ミサイルです。(訳注:この結末は、次頁の「例」の内容になると思われる)その目標は何も見ないかもしれません。そして、機関砲の狙いが不十分となるかミサイルが不正確になることを祈るだけです(これは歴史的に正確です。圧倒的多数の空中戦の敗者は、手遅れになるまで何も見ませんでした)。彼らが気付けば、その目標は「Engaged Defensive」に移行して対策を試みます。
この対策には、以下が含まれます:
・回避:武器またはレーダーを「ビーム」(直角となるように飛ぶ)するよう試みます。これは、命中ペナルティを与えるためのサイコロを振る結果となります。このペナルティは、目標のスキルと航空機の敏捷さに大きく依存します。熟練したパイロットでさえ、身重な貨物機や重爆撃機では多くを行うことはできませんが、敏捷な戦闘機では、初心者が前時代の飛行機にドッグファイトで負けることがあります。回避は、ミサイルにだけ適用する訳ではありません。敵機自身、もしくは敵機のレーダーが回避のトリガとなります。後者に対しては「ドップラー・ノッチング」を試みます。これは、(特に前時代の)レーダーの限界を悪用する方法です。ドッグファイトでの機体操縦は、物理的な影響を受けます。それは、機体の限界(航空機は旋回時にロールしなければなりません)から、パイロットの限界(画面右側下の「G-force」で確認できます)まで多岐にわたります。
・対抗策:レーダー誘導ミサイルに対してチャフ/DECM、赤外線ミサイルに対してフレア/IRCM のような対抗策を展開します。これは、武器と対策の両方の技術レベルに大きく依存しており、回避フェーズの前に別の計算として取り扱われます。
例:王国時代のイラン軍 F-4 Phantom が、現代の非常に熟練した米国戦闘機と、ホルムズ海峡上空で、旧式な初期型 AIM-7 を使用して交戦します。まだ勝利は可能ですが、極めてキビシイ状況です。米国パイロットのスキルや Sparrow の弱々しい運動性能が効果を現わす前でさえ、このミサイルは非常に影響を受けやすいチャフ放出と電子妨害の両方を克服しなければなりません。状況が逆転されると、Phantom の(Tomcat ですら)古い電子機器とチャフは、AMRAAM に対する防御のための妨害手段をあまり提供しません。目標が生き残るか、命中する前に攻撃に気づけば、(適切な武器を持っていれば)目標は機動して反撃できるかもしれません。 その後は、この状況が繰り返されます。
電子戦
COMMAND には、防御(DECM)と攻撃(OECM)の 2 種類の電子的対策があります。DECM は、非常に単純に機能します。適当な種類のシーカーを装備した兵器が DECM を装備したユニットに接近してくると、その兵器の終盤計算の一部として機能します。そのDECM が接近してくる兵器を欺けるかどうかは、ランダムなチャンスと、DECM 装置/攻撃兵器シーカーの世代、の両方に依存します。旧式な DECM ジャマーが新型のシーカーを装備した兵器を止められる可能性は低く、逆もまた同様でしょう。
OECM は「ノイズ」を放出する電子妨害です。これは、焦点を絞った DECM と比較して、それなりの長所を持っています。マップ上の複数のユニットに影響を及ぼして、捜索レーダーを混乱させることができます。しかしながら、弱点も持っています。第一に、この ESM は自身を放射源として電子妨害を行うので、しばしば妨害者の位置を与えて検知されます。第二に、妨害者と目標の両方の技術レベルに加えて、ジオメトリと位置取りに大
きく依存します。
そのため、ある妨害機が攻撃機隊を支援していたら、できる限りその位置の近くに留まらせるコース/任務で、彼らの直ぐ後方に置くことは非常に賢明です。それは、比較的「安全」な状態を保ちつつも、可能な限り目標近くにするべきです。
現在、OECM は(DECM が行うように)終盤計算に直接影響を及ぼしません。しかし、(これも、妨害機の精巧さや強度/敵レーダー・システムの精巧さや強度/両者の位置関係に依存しますが)レーダーを粉砕して無力化するための SARH ミサイル攻撃を行うか、敵が最初からミサイルを発射できないように目標の位置を非常に不正確にすることができます。
誘導兵器
誘導兵器は、ミサイルや所謂「スマート爆弾」と呼ばれるものを含みます。COMMAND に存在する
誘導システムは、以下のものを含みます:
・慣性誘導:自身の持つ装置によって位置や速度等を割り出し特定の座標位置を攻撃するようプログラムされています。その内部システムは、それらの座標に(能力の許す限り)指向します。慣性誘導を備えた武器は、目標都市の周辺に着弾すれば幸運な初期の弾道ミサイルから、超高精度兵器まで多岐にわたります。
・光学誘導:この兵器は、目標の画像に向かって進みます。光学システムは、GBU-8 HOBOS のような初期の粗雑なものから、高度な撮像赤外線システム(1 個の独立した仮センサーとして作動できます)まで多岐にわたります。
・赤外線誘導:この兵器は、目標の熱シグネチャに向かって進みます。撮像システムを備えた現代のシーカーでは「光学誘導」と重複しますが、初期の熱走査ミサイルにも適用されます。対空 IR ミサイルには 3 つの形式があります:
a. Stern Chase:上手くロックするには、直後に位置取りする必要がある
(例:AIM-9b / AA-2)
b. Rear Aspect:後方に位置取りする必要はあるが、後方追尾型よりも柔軟性が高い
(例:AIM-9H/AA-8)
c. All Aspect:あらゆる角度から目標を攻撃できる
(例:AIM-9L +/AA-11)
・セミ・アクティブ・レーダー誘導:要するに、この誘導システムは、レーダーで「ロックオン」した目標に向けてミサイルを自動追尾させます。(攻撃者を強制的に追い払うなどして)ロックを解除すると、誘導制御が失われます。
・セミ・アクティブ・レーザー誘導:これは古典的なレーザー誘導爆弾で、攻撃者がレーザー指示器で目標をロックオンして、この兵器を指示目標に向かって自動追尾させます。一部の兵器では「バディ・レージング」(航空機/地上ユニットから目標を指示している間に、他のユニットが遠方から兵器を投下する)を使用できます。
・アクティブ・レーダー・ホーミング:これは、兵器自体にレーダー照射システムが含まれています。ARH は、低速目標の攻撃だけを要求された SS-N-2 のような対艦ミサイルによって開拓されました。その後、AMRAAM のような AAW 兵器に使用されるほど充分に小型化されました。ARH は、この兵器がただ「闇雲に」発射できる訳ではないことに注意することが重要です。ほとんどの AMRAAM スタイルの ARH 空対空兵器は、発射される前に、発射プラットフォームで検知され、自身のレーダーで目標を照射することを必要とします(E-2D Advanced Hawkeye と AIM-120D Advanced AMRAAM のように、適切な
データリンクとの近在の友軍の照射器を結合した新型を除く)。
魚雷
魚雷は海面下で使用される兵器です。初期段階の魚雷誘導には、2 つの主な誘導システムがあります:
・慣性誘導魚雷は、COMMAND で再現される最も初期型の魚雷です。例えば(第二次世界大戦の)古典的な Mk14 魚雷です。ひとたび発射されたら、進路を変更する方法はありません。
・有線誘導魚雷は、それらを発射した潜水艦からワイヤによって接続され、接続されている間プレイヤーは「Plot Course」機能を通し手動で誘導できます(これを使用される目的は、1.魚雷自身の自立誘導装置が貧弱であること、2.魚雷が 1 つの目標に殺到するのを防ぐことです)。しかし魚雷の有線誘導中に(「その潜水艦に危険が迫った」などで)極端に早く方向転換するか、10 ノット以上に増速するだけで誘導線の断線が発生するでしょう。誘導線が断線した魚雷は終末誘導シーカーを起動し、自律的に索敵、誘導を行います。
・魚雷の終末誘導には、従来のソナー誘導と航跡自動追尾があります。前者の方が命中させることがより容易です。
どうして武器を発射しないんだ???(赤文字の意味と解決策)
COMMAND は、武器の到達に影響を与えている様々な要因/それらの目標への効果/加えてそれらの行使についても、妥協を(あっても極わずかしか)行いません。その結果として、「いま敵と交戦するようユニットに命じたが、それでも発砲しない」という、理由が直ぐには判らない状況にいることに気付くかもしれません。武器の制限について良いフィードバックを得るための非常に効果的な方法は、武器を手動で割り当てることです。仮想乗組員は、手元の武器が発射される前に(兵器と目標に応じて)満たされなければならない条件の徹底的なチェックリストを通してから、使用可能な兵器を動かします。

以下は、発射しない理由の要約/意味するもの/克服するためにプレイヤーとして出来ることです。
・ Weapon mount is not operational :
当該武器を保持している武器マウント(砲/ミサイル発射装置/魚雷発射管など)が動作していないため発射できない(恐らく損傷/破壊されている)。
解決策:
(完全に破壊されているのでなければ)このマウントが修理されるまで我慢してください。他に適切なマウントが存在するのであれば、それに移送できるよう(可能であれば)このマウントから武器を抜き取ります。
・ Unit is not authorized to use nuclear weapons :
このユニットは、核兵器を発射しようとしていますが、これを使用する権限を持っていません。
解決策:
可能であれば(通常は許可されません)、このユニットのドクトリンで「Use nukes」設定を「Yes」に設定します。
・Target speed [target speed in knots] is much higher than the weapon’s maximum target speed ([weapon maximum target speed in knots]) :
これは、ほとんどの SAMと ABM に適用されます。そのような武器のほとんどは、「運動学的な制限」か「シーカーと誘導システムが、武器対目標の終末速度程度にだけ対処できる」かのどちらかの理由で、目標を迎撃できる速度に制限があります。例えば、Patriot 地対空ミサイルのほとんどの型式が戦術弾道ミサイルを迎撃でき、最新の PAC-3 型は中距離弾道ミサイルに対処できますが、ICBM には対処できません。
解決策:
まったくありません。何らかの方法で目標の速度を低下させない限り。可能であれば、他の武器を使用します。
・ Target altitude ([target altitude in meters]) is higher than the weapon’s ceiling([weapon maximum target altitude in meters]) :簡単に言えば、その武器が到達して迎撃するには高過ぎる高度を目標が飛んでいます。
解決策:
ありません。目標が後で降下しない限り。可能であれば、他の武器を使用します(より進歩した低高度向けの防空が急増したことが、攻撃機が高高度で飛行し始めた理由です)。
・ Target altitude ([target altitude in meters]) is lower than the weapon’s minimum engagement altitude ([weapon minimum target altitude in meters]) :
ほとんどのSAM は、(それ以下では、地上からの乱反射や他の要因によって誘導システムが不安定になる)最低交戦高度を持っています。目標がその高度より低いと、その武器は交戦できません。
解決策:
目標がより高く上昇するのを待つか、可能なら、他の武器を使用します(有効高度が低い初期の SAM の使われている間は、低空飛行が重要であると考えられた理
由です)。
・ Weapon is not BOL-capable :
このユニットは、BOL(方位のみでの発射)射撃を試みていますが、この武器は BOL をサポートしていません。
解決策:
直接(非 BOL)射撃を実行するか、その能力を持った他の武器を使用します。
・ Weapon needs a precise target location :
BOL 能力の有無に関連して、この武器が目標を撃破する正当な機会を得るためには、曖昧な推定ではなく正確な目標位置が必要です。通常、砲は(ASW ロケット射出器のような他の武器と同様に)このカテゴリに分類されます。
解決策:
正確な目標位置を取得して武器を使用するか、目標の曖昧さにより寛容な他の武器を使用します。
・ Weapon is not loaded on mount :
この武器は、このユニットに存在しますが、どのマウントにも装填されていません(例、マガジンの 1 つに保管されている)。
解決策:
マウントに武器が装填されるのを待ちます。必要なら、装填優先順位を割り当てます。
・ Weapon is not suitable for this target :
この武器は、一般的にこの種類の目標には適していません(例、航空機に対して魚雷)。
解決策:
ありません。可能であれば、他の武器を使用します。
・ Altitude too high (Valid: [weapon minimum launch altitude] to [weapon maximum launch altitude]) :
航空機で頻繁に発生しますが、潜水艦にも適用できます。このユニットが、この武器の発射限界より高い位置にあります。
解決策:
発射パラメータの範囲内になるまで降下/潜降します。
・ Altitude too low (Valid: [weapon minimum launch altitude] to [weapon maximum launch altitude]) :
上記の反対。このユニットが、この武器の使用には低高度/深深度すぎる。
解決策:
発射パラメータの範囲内になるまで上昇/浮上します。(注意! 通常は、敵のセンサー/武器の圏外に留まるという理由で低高度/深深度に向かいます。上昇/浮上することは、どちらかと言えば悪い注意を引き付けることになるかもしれません。)
・ Target is outside weapon boresight limits :
これは通常、航空機の前方発射武器(機関砲、ロケットなど)の問題ですが、固定射角(砲塔のない砲)でも現れることがあります。
解決策:
その目標が照準線の限界内となるように、そのユニットを操縦します(一般的には、そのユニットの正面、進行方向です)。
・ Target aspect ([target aspect in degrees]) is out of envelope for a stern-chase weapon :
ほとんどの場合、初期の AAM の問題ですが、特定の旧式魚雷でもあります。この武器は、あまり機動性がなく、目標のほぼ真後ろで接発射される必要があります。
解決策:
この武器の代わりに、このユニットが機動を行わなければならないでしょう。可能な限り目標の真後ろに位置取りします。
・ Target aspect ([target aspect in degrees]) is out of envelope for a rear-aspectweapon:
上記と似ていますが、制限の厳しさが緩和されています。
解決策:
上記の通り。可能であれば、目標の背後(または側方寄り)で武器を発射します。
・Weapon cannot engage this target for another [time value in sec] (OODA loop limitation):
各ユニットは、最初に接触を検知し(あるいは他所からデータが提供され)て/目標に設定して/交戦するまでに、一定の遅延を持っています(いわゆる「OODAループ」。そう、ジョン「40 秒」ボイドからの教え)。予期しない脅威では、多くこの場合、この遅延が致命的になります。
解決策:
まったくありません。目標が切迫した脅威となる前にカウントダウンが過ぎることを祈るだけです。既に切迫した脅威(例、対艦ミサイルの襲来)で、間に合わ
ないように見えたら、このユニットが OODA カウントダウンを無視して交戦できる自動拠点防御システムを備えていることを祈ります。無ければ・・・衝撃に備えよ!注:シナリオの設計者としては、この問題は、ユニット/サイド(陣営)の熟練度を高めることで軽減できます。高い熟練度のユニットは、より短い OODA クロックを持っています。
・ASW torpedo must be dropped within 0.5nm of contact/aimpoint:
ASW 魚雷は、燃料切れになる前に追いつく見込みが高まるように、目標潜水艦の推定位置近くで投下されなければなりません。
解決策:
その潜水艦の推定位置に接近してから、投下します。
・Target is out of weapon’s range:
簡単に言えば、この目標は、この武器の最大射程範囲外です。
解決策:
接近します(「言うは易く行うは難し」かもしれませんが)。もしくは、より長射程の武器を使用します。
・Target is within weapon’s minimum range:
上記の反対です。この武器は、重要な最小射程距離を持っていて、目標はその範囲内です。
解決策:
距離を開くか、最小射程距離の制限を持たない他の武器を使用します。
・Horizontal range to target ([range to target in nm]) is greater than the weapon’s downrange at this altitude ([weapon downrange in nm]):
これは、航空機発射型の弾道兵器(機関砲/ロケット/非誘導爆弾など)で最もよく起こります。搭載機の高度が高いほど、文字通り武器を目標に向かって投げ込める距離が長くなります。より高い高度では、この距離(訳注:高度比で延長される距離?)は劇的に縮小します。
解決策:
投げ込める距離を拡大するために、接近するか、より高い高度まで上昇します。これらのオプションは両方とも被検知/交戦のリスクを伴うため、慎重に選択します(または、より良いスタンドオフ能力を備えた他の武器を使用します)。
・Target is within 5 nm and outside the weapon mount’s engagement arc:
これは一般的には、砲塔/発射台に適用します。現在 COMMAND は、5nm を超える距離での交戦における砲塔の射撃方位制限を無視します。暗黙の仮定は、そのような距離では、武器の射撃方位を確保するために、艦長が必要に応じて艦を微調整しますし、しばしば誘導兵器での「肩越し」射撃さえ行います。しかしながら、5 海里未満の距離では、操艦や曲撃ちの時間や空間がありません。艦船は、脅威が襲来する方位角の制圧に持ち込める武器だけで脅威と交戦します。これは、(小型で機敏な敵や、洋上を極低空で飛来する対艦ミサイルのような)突発的な脅威と交戦しようとしている大型艦船の生存を困難にします。
解決策:
使用したい武器が射撃方位制限を受けないように、転向を試みてください。目標が高速で襲来する脅威(魚雷、ミサイルなど)なら、ほとんど時間がないので、これは機能しないかもしれません。
・Cannot fire weapon through ice:
氷山を通して目標との交戦を試みようとしています(例、空中投下兵器で潜水艦を撃つ)。
解決策:
ありません。可能なら、再度の交戦を試みる前に、この目標が氷の下から移動するまで待ちます。
・Cannot fire missile while under ice:
氷の下に潜航した潜水艦から、ミサイルの発射を試みようとしています。
解決策:
ありません。可能なら、この潜水艦を氷の外に移動します。
・Cannot use torpedo on ice:
航空機/ヘリコプターから氷の下の潜水艦に向けて、魚雷の投下を試みようとしています。
解決策:
ありません。
・Gun has no local control and no available directors:
この砲は、同じユニットの(損傷/破壊/被妨害/目標が検知できないなど、様々な理由で現在稼働していない)FCセンサーと共に機能するよう設計されています。そして、この砲はバックアップとしての独自/手動制御装置を持っていません。これは、基本的に「盲目」です。注:この制限は、「Detailed gun fire control」リアリズム設定を有効にしているときにだけ現れます。
解決策:
この砲に適した FC 指示装置が機能しているのに目標を検知できなかったら、それを可能にするために必要なことを行います(対抗妨害や、指示装置を暴露するための進路変更など)。さもなければ、可能であれば他の武器を使用します。
・Weapon must detect target prior to firing:
この武器は、発射より前に目標に「ロックオン」しなければならず、発射後のロックを期待して「無暗に」発射することはできません。ほとんどの IR 誘導 AAM は、このカテゴリに分類されます。
解決策:
この武器が目標を検知するのに最適な位置に、射撃するユニットを配置します(例、ドッグファイトでは、できるだけ目標の背後を獲ることを試みます)。この武器が残りを仕上げるでしょう。
・No weapons director available to illuminate the target:
この誘導兵器(通常はミサイル)は、互換性のある FC 指示装置が(この兵器を誘導するために)目標への照明を提供する必要があり、そのようなセンサーが作動状態では見当たらないということです。射撃制御の制限に似ています。
解決策:
この砲に適した FC 指示装置は機能しているが目標が検知できないのであれば、それを可能にするために必要なことを行います(対抗妨害や、照準線を獲得するための位置変更など)。さもなければ、他の兵器を使用します。
・All illumination channels suitable for this weapon are in use:
前述に関連しています。この兵器に適した FC 照射は見つかりましたが、利用可能な全ての照射/誘導チャネルが使用中です(つまり、このシステムは既に最大数の目標にロックされていて、これ以上は交戦できません)。
解決策:
これは、1 つ以上の交戦が現在進行中なのを示しています。照射/誘導のチャネルが解放されるまで、交戦が完結するのを待ちます。
・All directors are unable to illuminate this target (insufficient reflection, no LOS etc):
この誘導兵器(通常はミサイル)は、互換性のある FC 指示装置が(この兵器を誘導するために)目標への照明を提供する必要があり、そのようなセンサーが作動状態では見当たらないということです。射撃制御の制限に似ています。これは、低視認性目標に対する誘導レーダーで頻繁に観察されます(実際、F-117 は、第 1 に誘導レーダーに対して、第 2 に探索レーダーに対して耐性を持つように作成されました)。
解決策:
この砲に適した FC 指示装置は機能しているが目標が検知できないのであれば、それを可能にするために必要なことを行います(対抗妨害や視線を獲得するための位置変更など)。さもなければ、他の兵器を使用するか、目標が接近するかどうか確認します。
・No datalink channel available to guide this weapon:
この兵器は、(TOW 対戦車ミサイルの誘導線などのような)必須のデータリンクを持っていて、現在利用できるチャネルがありません。
解決策:
これは、1 つ以上の交戦が現在進行中なのを示しています。データリンクのチャネルが解放されるまで、交戦が完結するのを待ちます。
・Target is out of weapon’s DLZ:
その目標は、この武器の動的発射領域(DLZ)の外にいます(DLZ:このマニュアルの最後にある「Appendix」(付録)で「DLZ and why it’s important(DLZ とそれが重要な理由)」を参照)。(訳注:この章の次項目「9.2.9 DLZ and Why it matters」を差していると思われる)
解決策:
その目標に接近するか、武器の DLZ 内に収まるようにその目標の方向/速度/高度が変化するのを待ちます。
・The target’s downrange ambiguity ([weapon downrange ambiguity in nm]) is larger than [some percentage] the weapon’s acceptable limit ([weapon acceptable downrange ambiguity in nm]):
これは、「Shooting ambiguous targets」ドクトリン設定に直接関係しています。目標の不確実領域が、この射撃ユニットに対する曖昧さの範囲としてあまりに大きすぎるようなら武器を発砲しないでしょう。例えば、目標の距離は+/-10nm の誤差を持っていて、武器は 2nm の許容限度(シーカー限界/弾頭破砕範囲など)を持っていたら、このユニットは射撃を拒むでしょう。
解決策:
可能であれば(許可されていないかもしれません)、この射撃ユニットの「Shooting ambiguous targets」ドクトリン設定を「Optimistic」か「Ignore」に設定します。これは、大きな誤差範囲を持った目標に対する武器使用に関して、このユニットをあまりにも幸福にするでしょう(訳注:トリガーハッピー?)。これは、この武器が完全に外れる可能性が大きいことを意味することに注意してください。「Ignore」(無視)は、目に見えて移動した目標に対しては、まったく推奨されません。
・The target’s downrange ambiguity ([weapon downrange ambiguity in nm]) is larger than [some percentage] the weapon’s acceptable limit ([weapon acceptable downrange ambiguity in nm]):
前述と同様ですが、今回は距離の曖昧さの代わりに、目標との交差範囲に関するものです。
解決策:
可能であれば(許可されていないかもしれません)、この射撃ユニットの「Shooting ambiguous targets」ドクトリン設定を「Optimistic」か「Ignore」に設定します。これは、大きな誤差範囲を持った目標に対する武器使用に関して、このユニットをあまりにも幸福にするでしょう。
警告:大きな角度誤差は、「命中を得るには、本当に幸運でなければならない」ことを意味します。
DLZ とそれが重要な理由
我々は、目標に対して誘導兵器を発射するとき、その兵器が目標に到達するであろう合理的な確率(確実でなかったら)を得たいと欲しました。静止目標や低速な目標に対しては、これは簡単な仕事です。しかし、高速な目標や機敏な目標に対しては、物事がより複雑になる可能性があります。
動いている目標に対する兵器の到達を推定する最も簡単な概念の 1 つは、いわゆる「No-Escape Zone」または NEZ です。これは、兵器を発射した瞬間に目標が尻を向けて、発射点から真っ直ぐに、現在知られている速度で逃走すると仮定しています。その時には、この兵器は直線的に目標を追わなければなりません。
NEZ の単純さは、初期のミサイル射撃制御コンピューターにとっては魅力的であり、実際、AAM/SAM/魚雷などのような兵器の運動性能を比較するときに広く使用されている尺度です。しかし、実際の戦闘ユニットは、発射直後の兵器の襲来を検知することは稀で、尻を向けて逃げることも滅多にありません。少なくとも、彼らにやるべき仕事があるならば。NEZ は、巡航ミサイルや UAV などのような自然には逃走しない目標(そして、非常に頻繁に魚雷攻撃を受ける船舶のような、あらゆる種類の警告を受けない目標)に対しても無意味です。
NEZ だけに頼ることは、「隠された」戦術的不利を表すことでもあります。高速で襲来する MiG-25 に対して Sparrow AAM の射撃準備をしている F-15 戦闘機を考えてみましょう。NEZ のロジックに従えば、MiG の高い速度は、(NEZ が構築した仮想の追跡を首尾よく演じるためには)F-15 のミサイルが至近距離で発射されなければならないことを意味します。しかし我々は、このロジックに欠陥があることを直感的に理解しています。F-15 のパイロットは、その代わりに MiG の高速な襲来速度を利用して(それに対してそれを使用して)公称値よりも遠距離で Sparrow を発射するべきです。必要なのは、現在の進行方向や高度など、目標に関して知り得た追加パラメータを考慮する交戦領域のコンセプトです。この概念が「Dynamic Launch Zone」または DLZ です。
NEZ と DLZ の基本的な概念の違いは明らかです。
NEZ が答える質問は:いま直ちに発射して、目標が直ちに反転して逃走したら何が起きる
か?
DLZ が答える質問は:いま直ちに発射して、目標が現状のまま移動し続けると何が起きるか?
DLZ は、2 つの理由のために計算するのが困難です。
1 番目は、かなり明白です:目標が真っ直ぐ対向してこない限り、交戦ジオメトリが著しく複雑になります。2 番目の理由は(質問に誠実に答えるために)そのアルゴリズムは、問題の兵器の運動性と誘導の特異性を考慮しなければならないからです。一部の兵器は、ほぼ一定の速度で目標に向かって直進します。他のものは、放物線状のロフトを故意に選択します。さらに他のものは、その兵器の役割と、その公称目標(この兵器はこのために設計された)特性の両方の性質に合わせた微妙な誘導トリックを使用します。これらの隅々の全てが考慮されなければなりません。さもなければ、DLZ の計算が上手く行えないでしょう。
COMMAND は、忠実な DLZ 計算のために幾つかのアルゴリズムを採用しています。一部は、(巡航ミサイルのような、非操縦目標向けの特別な選択肢を持った)飛翔目標に合わせて調整され、その他は(弾道ミサイル/再突入弾頭/衛星のような)軌道/弾道目標に最適化されています。通常、AI の乗員は、射程範囲のギリギリ外縁では武器を発射しないよう非常に注意していて、確実に命中させるためには隔離距離の幾らかを犠牲にしてもよしとしていることに気付くでしょう。まだ外れ値は存在していますが、チャンスを掴めれば、損害を与えることができる長距離「狙撃」になるでしょう。
機動性のある目標に関しては、「目標が DLZ の中にいることが、その兵器が目標に到達するであろうことを保証するものではない」ということが強調されるべきです。何といっても、警告を受けた敵は(恐らく)協力してくれないでしょう。しかし、たとえ射撃が回避されたとしても、その目標は守勢に置かれます。コソボ紛争で、セルビアの MiG-29 トップ・パイロットは、1 回の交戦で AMRAAMを 3 回連続で回避した後、最終的に撃墜されました。
損失に関する注記
破壊できないユニットはありません。運用計画が、そのユニットの正確な優良性よりもはるかに問題であることがよくあります。痛打を与えれば、MiG-21 が F-15 を撃墜することは充分に可能です。
空中戦での「旋回中/加速中」部分の多くは、命中率と乗員の熟練度によって抽象化されています。プレイヤーが制御できる人的要素の一部は、適切な時に適切な場所で「利点」を獲得することです。戦術的な弱さと作戦的な強さの二分法の例は、ベトナム戦争での「Easter Offensive」を撃退した 1972 年の空軍作戦です。この時点で、USAF 機の撃墜/被撃墜率は、新しい最低値に達し、様々な視点からの彼ら自身の自認でも否定的な評価となりました(つまり、真の合計値は、ほぼ確実に、より悪かったことを意味します)。しかし、これは主に北ベトナムの MiG が外縁の護衛を齧り取ったことで成立しました。彼らの弱さにもかかわらず、彼らは攻撃機を安全に保つ任務を果たしました。Command でも、同じことを行うことができます。歴史的な戦闘や戦争の再現を意図したシナリオでさえ、その結果が頻繁に実際の結果と大きく異なります。これは想定内のことです。歴史的な結果が一度も得られなければ、バグ報告(「1.2 Support」参照)を行うのが適切なこともありますが、変化は正常で良いことです。
COMMAND のエンジンは、1940 年代の片舷斉射の決闘から、未来的な衛星による弾道ミサイル攻撃まで、まずまずな出来具合(どのような紛争も信じられないほど不確実)で、全てをシミュレートできるように意図されています。ベトナムの類推による説明に戻ると、類似した(しばしば全く同じもの)航空機と兵器の性能は、紛争によって大きく異なりました。同時期に、ベトナム戦争/インド-パキスタン戦争/アラブ-イスラエル戦争がありました。
これらの紛争のどれかを 100%の高精度で正確にモデル化しようと試みると、他の全てが事実ではなくなるでしょう。1 つのために意図された厳格なモデルが、他のために使用されたなら、歴史的に強いエジプト/シリア空軍や歴史的に弱い北ベトナム空軍のいずれかに直面するでしょう。
さらに、実際のイベントは一度しか起こりませんが、シミュレータは何度でも実行できます。実際の結果が 100 分の 1 の「外れ値」であったかもしれず、最も一般的な結果は全く違っていたのかもしれません。
空軍基地(=飛行場)の破壊
現代の空軍基地をミッション・キル、さもなければ無力化する方法:
・航空機の収容施設を破壊する:
恐らく最も効率が悪いのですが、航空機を収容した建物/サイトを破壊することで、その施設にいる全ての航空機を除去できます。ほとんどの国々では、これらの施設を強化したり航空機を分散させたりして、この仕事を困難にしています。目標に対する兵器の有効性を評価するは、データベース・ビューア「Aircraft Stores」欄で兵器の法的目標値(訳注:「Description」列の対象目標のこと?)と「Damage Point(DP)」値(訳注:各兵器の「Warheads」欄にしか無い)を確認し、目標の「Armor」および「Damage Points」値と比較してください。
・個々の航空機の所在を把握する:
その空軍基地が充分に小さいか、それを簡単に噛み殺せるほど攻撃機が強力でない限り、個々の航空機の所在を決定することは非常に重要です。露天駐機の航空機に対しては、光学センサーを備えたユニットを、それらを検知/識別するのに充分近い距離まで移動すればよいので簡単です。検知された航空機は「Contact reports」ウィンドウの「Spotted Hosted Units」タブの下に現れるでしょう。それらが検知/識別されると、メッセージ・ログとマップ上に現れます。内部に黒色三角形を持つ黄色い四角形が、内部に収納されたユニットを持つ全ての施設を目立たせるでしょう。囲まれているシェルタでは、事態はより複雑です。その航空機を識別するには、航空作戦の過程で彼らが出入りするのが発見されなければなりません。これは、(地上偵察チームのような)根気強い監視か、幸運な機会のどちらかが必要です。ここでは、友軍機がユニット・ビュー・モードで敵飛行場の上を飛行します。良好な視界を得て、駐機中の航空機が占める多数の露天駐機場を特定しています。この駐機場ユニットの 1 つを選択して、右側のバーの「ContactReport」に移動すると、F-15SG Eagle として識別できます。
・マガジン(弾薬庫)を破壊する:
弾薬貯蔵施設を破壊すると、航空機が必要な弾薬を受け取ることを妨げます。兵器のない戦闘用航空機は、破壊されたものより、ほんの少しだけ役に立ちます。航空機収容施設と同様に、ほとんどの国々は、損失を最小化するために施設を強化するか、弾薬を分散させます。シナリオ設定で「弾薬無制限」が有効にされていたら、この状況は生じないでしょう。空軍基地のマガジン破壊が重要であれば、シナリオ設計者は、このオプションをオフにするべきです。
・接続路/誘導路/エレベーターを無力化する:
これらの「通過」点を無力化することは、航空機が滑走路や他の離陸施設に到達することを防ぎます(これらの施設は恒久的に破壊されることはなく、充分な時間を与えればやがて修理されるでしょう)。通常、基地または艦船に数か所だけしかないので、それらを破壊することは基地を閉鎖するのに最適な方法です。
・滑走路を無力化する:
これらを無力化すると、航空機の出撃ができなくなります。これはしばしば、最も効率的な方法です。各国は、この仕事を少々難しくするために、2本目の滑走路や予備滑走路を追加しがちです。COMMAND は、多数の滑走路専用兵器をサポートしています。歴史的に、滑走路攻撃は、空軍基地の「一時的な」ノックアウトにだけ役立ったことに注意すべきです。特に、滑走路が専用兵器以外で攻撃されたら、それを元に戻すだけで素早く修復されます。そのため、多くの設計者は、滑走路以外の目標は、より永続的な損害を生じることを目指しています。
防空網の破壊
COMMAND の防空施設は、最も重要な陸上ユニットの一部です。対空砲と(パワーズ空軍大尉のU-2撃墜以来の)地対空ミサイルは、航空作戦の大勢を形作りました。
・センサー:
防空網は、目標を攻撃する前に、その襲来する目標を「見る」必要があります。これには最も理解し易い構成要素としてのレーダーが含まれますが、真に効果的な IADS(統合防空システム)は ESM(電波探知装置)や目視さえも与えられているでしょう。捜索レーダーは、発射地点とは別の相当に離れた場所に設置されることがよくあります。
・武器:
対空兵器は、低高度/中高度/高々度の 3 つの主要カテゴリから構成されます。適切に引用されると、それらは個々の合計よりも効果的になるために組み合わされます。最も有名な例は、それ自体ではあまり多くの撃墜を記録しなかった北ベトナムの SAM です。なぜなら、それらはアメリカ人を低く飛ばせることで、最多の勝利を獲得した AAA の猛威の只中に放り込んだからです。
低高度/短射程 :ほぼ全ての対空砲、およびスティンガー/9K32 ストレラ-2のような MANPADS(携帯式防空ミサイルシステム)。
中高度/中射程 :SA-6/アスピーデのような中型ミサイル。
高々高度/長射程:初期(SA-2/ナイキ)や現代(パトリオット/S-300ファミリー)などの大型ミサイル。
・防空コンプレックス:
防空施設は、可能な限り多くの高度と方位をカバーするべきです。それらは相互に支え合い、守備地域と互いの施設の両方をカバーするべきです。特に、敵が Tomahawk のようなスタンドオフ兵器を持っていたら、長射程の発射台と捜索レーダーの両方の周辺に、短射程の拠点防御システムを設置することをお勧めします。レーダーは、絶対に必要でない限り、放射すべきではありません。
・防空網破壊:
防空網の破壊には、2 つの選択肢があります。
1. 単純に、他の全ての目標と同じように扱って、従来型の攻撃や哨戒で交戦することです。
長射程のターゲットから攻撃していく。
脅威度の高いターゲットから攻撃していく。
(例. 低高度しか飛行する予定がないなら高高度SAMシステムS-75[SA-2A]初期型を無視して、中・低空SAMシステムを攻撃する。)
2. レーダー放射に焦点を当てた(対レーダーミサイル)専門のSEAD(敵防空網制圧)哨戒です。防空網への対処に関して、全てを解決できる汎用的な対策は存在しません。
海軍基地(港湾設備)の破壊
海軍基地は、空軍基地と似ていますが、最小限の機能グループのために 2 つの施設だけを要求します。少なくとも 1 か所の桟橋と軍需品貯蔵施設です。広大な施設が、リアリズムのために奨励されています。そして、大きな艦船目標は、大きな港を要求します。港に入港した洋上ユニットは、空軍基地の航空機のように検知/識別されます。これらを監視する基準も、現在のユニットを示す黒色と黄色のシンボルも同様です。