CMOとは?

Last-modified: 2025-11-14 (金) 21:37:02

CMOについて

 Commandは視覚的に見事な爆発やそれに類するものがあるアーケードゲームではない,ということを指摘しておく.このシミュレーターは膨大な知的および時間的資本の投入を要求するので万人向けのゲームであるとはいえず,ニッチなシミュレーションである.

 しかし,もし読者が現代の航空戦および海戦について本当に知りたいと考えているなら,これがシミュレーションとして唯一の選択肢である.

-Mega-FAQより

Command: Modern OperationsはWafare Simsが開発し、Matrix Games/Slitherineがパブリッシャーとして販売されている軍事シミュレーションゲームです。市販されている、冷戦期から近未来までの戦術、作戦レベルの航空、海戦を再現する軍事シムの中では一番リアルなもので、米軍をはじめとする現実の軍隊や大学でプロフェッショナル版が使用されているほどです。

PV

↓2分でわかるCMO

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Command Seriesの歴史

Commandの歴史を語るうえでは、開発元は別ですがHarpoonというゲームについて言及する必要があります。

海戦シミュレーションゲームであるHarpoonはもともとボードゲームとして作成され、1989年にはコンピュータゲーム版が制作されました(ちなみにボードゲームの方は未だに制作が続いていて、2020年にバージョンVが出た上に有志作成の公式日本語訳があります。以下Harpoonシリーズと書いた場合はコンピュータゲーム版の方を指します。)

コンピューター版Harpoonには1989年版のゲームシステムを継承したよりシンプルなClassics系列と、DOS風UIとよりリアルなゲームモデルを持つHarpoonIIの系列がありました。
Classics系列:

HarpoonII系列:

  • HarpoonII (1994)
  • Harpoon II Deluxe Multimedia Edition (1995)
  • Harpoon II Admiral’s Edition (1996)
  • Harpoon 3 (1997)(v3.63まで,最も安定したバージョンだといわれる)
  • Larry Bond’s Harpoon 3: Advanced Naval Warfare (2006)(v3,7以降,不具合により評判が悪い)
  • Larry Bond's Harpoon - Ultimate Edition (2010)(Classic系列全作品とHarpoon3v3.63,ANWのバンドル)

(ところでこれとは別にLarry Bond's Harpoon IV: Modern Naval Combat Simulation(ボードゲーム第四版とは別)というタイトルのゲームがUbiSoftで制作されましたが、2003年に開発中止となっています

現在Commandを制作・開発しているCommand開発チームは、もともと1999年にHarpoonのサードパーティーHarpoon HeadQuarters (HHQ)として結成されたグループでした。HHQのおもな成果には徹底したリサーチに基づきリアリティを追求したHarpoonII/3向けのユニットデータベースであるDB2000等の製作・更新、2003年のみの発行ながらHarpoonに関連する幅広い記事を集めた雑誌Waypointの発行、Harpoonコミュニティ向け掲示板・シナリオの管理がありました。のちのCommand開発チームであるRagnar Emsoy、Dimitris Dranidis、Michael Mykytyn等の名前を当時のログから見ることができます。

しかしながら、Harpoon3の新バージョンとして2006年発売に発売されたAdvanced Naval Warfare (ANW)には膨大な数のバグのため以前のバージョンで制作したシナリオがANWでは正常に機能しないという問題がありました。ANWの不安定さは深刻で,HHQはANW以前のより安定したv3.6の使用を推奨するほどでした。

 当時のHarpoonHQページよりANW (v3.7-3.8)のバグに対する不満

バージョン 3.7 および 3.8 にはすべてのバグと奇妙な動作があるため、追って通知があるまでゲームのバージョン 3.6 を使用し続けることを *強く* 推奨します。 3.7 および 3.8 リリースに関するさまざまなフォーラムの投稿を読むと、これらのバージョンには実際に機能する機能がほとんどないことがわかります。

開発者のひどい計画、海戦についての限られた理解、さらに不十分なテストにより、ゲームをプレイ不能にする数百もの新たなバグが発生しました。 そして、新しいリリースがリリースされるたびに状況は悪化します。 ゲームに同梱されているシナリオはゲーム エンジンと互換性がなく、データベースは意図したとおりに動作しません。 シナリオ エディターは機能不全でテストされていない状態でリリースされており、AGSI の「専門家」(うーん、そうですよね…笑!)ですら「更新された」データベース エディターの使い方を知りません。 バージョン 3.7 および 3.8 も 3.6 よりもはるかに安定性が低く、動作がかなり遅くなります。

その他ANW最大の特徴だったマルチプレイヤー機能のサーバーが長年にわたって提供されない、さらに某ユーザーによるDB2000およびシナリオの盗作疑惑とそれに続く騒動(ちなみにCMANO/CMOにプレイヤーによるデータベースエディタ機能がないのはこれを踏まえたもの)などはHHQがHarpoonのサポートを終了し独自のゲームを製作する要因となりました。2007年よりHarpoonHQはWafareSimsに改名します。

当初Red Pillという名称だったWafareSims制作のゲームはのちにCommand: Modern Air/Naval Operations (CMANO)と改題され、2013年9月23日に発売されます。DB2000の資産を受け継いだDB3000現代データベースと冷戦CWDBデータベース、地形起伏と水深(および水温跳層深度の違い)を再現した模擬地球儀マップ、Harpoonに比べて大幅に進化したゲームモデルを盛り込んだCMANOは発売当初から好評で、2013年のGame of the Yearにも選出されます。

一方、Harpoon3の開発元であるAdvanced Gaming Systems, Inc. (AGSI)は同年にHarpoon3の制作終了を発表していますが、HarpoonHQ時代の経緯からCommandは事実上HarpoonII/3の流れを汲むものと言ってもよく、その証拠としてFleet Command、Global Conflict Blueなどの海戦シミュレーションゲームと比べてHarpoonとCommandの操作方法はF1キーで攻撃指示、F3キーでウェイポイント指定、F9キーでセンサー使用切り替え、基準ポイントを作成してミッション作成など極めて似通っています。

CMANOは発売以降も更新が続けられました。以下に主な新機能の追加を挙げてみます。

  • v1.02:陣営(のちに各ユニット)に練度の概念が追加されました.目標発見から攻撃可能までの時間、ミサイル回避修正に影響します。
  • v1.06:航空機の準備時間を急速運用・持続運用・急速再出撃で三通りに設定できるようになりました。Luaスクリプトにより複雑なアクションが実行できるようになりました。
  • v1.09:シナリオをキャンペーンモードでプレイできるようになりました。
  • v1.12:通信途絶・航空機の損傷

CMANOの開発は2019年でいったん終了し、新バージョンとしてCommand: Modern Operations (CMO)が発売されます。
Command: Modern Operationsは2019年発売のCMANOの後継です。UIの変更、LOSツールや潜水艦通信などの機能の追加やCMANOでは特定のDLC購入者限定だった機能が解放され、今後はマルチプレイヤーの追加、ミッションエディタへ機能追加、そして64bit化が予定されています。

購入リンク

Steamから↓
https://store.steampowered.com/app/1076160/Command_Modern_Operations/
公式Storeから↓
https://www.matrixgames.com/game/command-modern-operations/pc

システム要件

Desert FalconのSteam製品ページよりv1.06現在の情報:
CMANOおよび初期バージョンCMOから着実に要求スペックが上がっている

OSWindows 10 (64bit)
プロセッサーQuad-core, 4th-generation Intel or equivalent
メモリー8 GB RAM
グラフィックDX11 compatible GeForce GT 1030+ or equivalent
ストレージ40 GB の空き容量
DirectXVersion 11

※登場ユニット数の多いシナリオは少ないシナリオよりも実行速度が遅くなる.