突然ですが、アイドルはじめました

Last-modified: 2018-09-22 (土) 20:07:05

シスブラ.jpg

日程

2018/09/22(土) 22:00

イベント内容

  • 主催: みこりんあかね
  • 主役: ミコトメイデル
  • イベント種類: 会話、ほのぼの(という名のギャグの可能性)
  • 開催場所: 遊戯室(をエドルの広場と仮定)
  • あらすじ: イゴッゾを拠点に活動を始めた弟妹系アイドル・Sister & Brotherの二人。
          エドルへも進出を目指してイベントを企画するがフライヤーは捌けないし、
          当日のスタッフは集まらないしさぁ大変!
          二人は無事にお客さんを集めてイベントを成功させる事ができるのだろうか?!
  • その他:ファン参加型のアイドルイベントです。
         主催から話を振るつもりですが、皆さまからもガンガン来ていただけると嬉しいです!

ファンイベントまでのアイドルに密着取材!

  • スタッフ勧誘もアイドルのお仕事?

    メイデルは困っていた。
    ファンイベントをやる事になったのはいいが、まさかスタッフまで自分たちで集めるだなんて!
    街で勧誘されて気軽な気持ちでミコトを誘ってアイドルになったはいいが、なかなか大変な道のようだ。
    そこまで考えてメイデルはいけないと首を振る。
    今は嘆いている場合ではない、とにかく当日のスタッフを確保しなくては。

     

    シエルの船内をきょろきょろ見回しながら歩いていると前方からベネチアが歩いてくるのが見え、
    メイデルは瞳を輝かせて駆け寄った。
    「あ、あの…べ、ベネチアさん…!」
    「ん?なぁに?」
    「さ、最近か、稼ぎの方はいかがですか…?」
    まずは当り障りのない話題で気分をほぐそうと出した言葉を聞いた途端、
    ベネチアの瞳はみるみる潤み始め、ついにはハンカチを目元に当てると
    メイデルに背を向けて嗚咽を漏らし始めてしまった。

     

    「ボチボチ…って言いたいところだけどこの通りよ」
    ハンカチで隠されたベネチアの手には実は目薬が握られているのだが、
    メイデルはそれに気づかずあわあわと言葉を紡ぐ。
    「あ、あの…今度、エドルの広場でアイドルファンイベントを行うんですが…
    よ、よければ当日の物販をお手伝いい、いただけませんか…?」
    「なるほど…王子さまルックスのミコトさんと守ってあげたい系少女のあなた…えっ」
    メイデルの言葉に頷いていたベネチアの顔色が変わる。
    「仕事!!仕事があるの?!」

     

    「は、はい…お、お時間があれば…ぜ、ひ…」
    あまりの勢いに気圧されながら頷くと今度はずずいっとベネチアの顔が近づいた。
    「報酬」
    ベネチアの目は真剣だ。
    「ぶ、歩合制で、売っていただいた分の1割でいかがでしょう…?」
    「…3割」
    ベネチアの声が低くなる。
    こわい。
    普段は頼もしい仲間が今はとってもこわい。
    「………え、えと……に、2割…」
    「乗った!」
    「あ、ありがとうございます…!」

     

    こうしてメイデルは無事にお手伝い要員を確保したのであった。

     
     
     

    「ふふふ…売って売って売って、儲けまくるわよ!」
    その後甲板にて、ベネチアの高笑いが響き渡った事を彼女は知らない。

     
     
  • 2人でワンツー!

    「ワンツー、スリーフォー」
    「ステップ、ステップ…ターン!」

     

    今日もイゴッゾの街の一角に軽やかな声が響く。
    エドルでのファンイベントまであと少し、ミコトとメイデルは精一杯練習に励んでいた。

     

    「ふぅ…大分形になってきましたかね?」
    「だ、だといいんですが…」

     

    汗を拭きながら微笑むミコトにメイデルは肩で息をしながらなんとか返す。
    ランクに憧れており、弓を扱いながら軽快に戦場を駆けるミコトと違い、
    皆の後ろに控えて回復に専念する自分はダンスをマスターするのになかなかの時間を要する。
    嫌な顔1つせずに練習に付き合ってくれるミコトには感謝しかない。

     

    「あ、あの…さ、サビの前のこの動きが少し難しくて…もう一度いいですか…?」
    「もちろんですよ、休憩しなくて大丈夫ですか?」

     

    にこりと微笑みかけられてメイデルは考える。
    爽やかな笑顔に気遣いを忘れない優しさ…ベネチアの言葉ではないが本当におとぎ話の王子様のようだ。
    かわうそ師匠と並ぶ姿を思い浮かべ、自分にもいつか王子様が…いけない、話がそれた。
    慌てて首を振るとメイデルは自分の立ち位置に戻る。

     

    「いきますよ?…ワンツー、スリーフォー…」
    「わ、ワンツー…す………」

     

    手の動きに意識を向けながら足を踏み出したその時―――

     

    ―ごちんっ!―

     

    「「~~~~~~~っ!!!」」

     

    盛大に頭をぶつけて2人は同時にうずくまる。

     

    「すっ、すっ、すっ、すみません………」
    「い、いえ…俺もちゃんと見ていなかったので…」

     

    涙目のままお互い顔を見合わせしばらく見合う。

     

    「………へへっ」
    「…………ふふっ」
    「失敗もあるけど、こうして練習するの楽しいですね」
    「…はい、エドルの皆さんの笑顔を想像すると頑張れますしね」

     

    「…そろそろ時間だけど、もう少し練習してから帰りましょうか」
    「…はい…!頑張りましょうね…!」

     

    「ワンツー」
    「スリーフォー…」

     
     
     

    イベントまであと少し。

     

    息を切らせながらも、どこか楽しそうな2人の声は、太陽が月へバトンを渡すまでイゴッゾの街に響き渡った。

ファンイベントを中継!

Coming Soon ...