(当社版)マスコミが報じなかったニュース一覧

Last-modified: 2011-11-02 (水) 22:47:06

最近作った関連ページ
誰か色分けされた予想年間累積放射線被ばく線量マップを作って下さい。
年間1ミリシーベルト以上の超過被ばくが予想される方々は損害賠償を求めることができると思いますよ。
「東電賠償スキーム報道」、「学校20ミリシーベルト基準問題」に関連して:経済学者、エコノミスト達は何故、徹底した放射性物質対策を取った場合の経済的得失を発表しないのでしょうか?
そもそも完璧に「早期海水注入」をおこなっても炉心溶融は防げなかったのではないか?
ざっくりとした原発のお話
原発敷地内とその周辺で実施されるべき工事(福島第一原発近くに作られるべき、放射能に汚染された表土の処分場)


(2011-7-25追記)
下記の追記執筆後に7月21日付の上杉隆氏の放射能汚染は肉牛だけか――「スケープビーフ」報道に大問題隠蔽の匂いを読みました。
上杉氏はプロで、私はアマなので多分私の方が先に書き始めていると思います。まあそれはいいとして、この記事と私の(前半部の)趣旨は近いと感じました。
しかし読み比べてみるとお互いの文章があまりにアバウトだなと痛感します。私が要約するに、上杉氏は「大手マスコミは、発災以来、外部から寄せられたニュースを日々大量に黙殺した」と書き、私は「大手マスコミは明らかに未来の(ちょうど今報道している)ニュースを予測できていた。何故なら多くの一般市民ですら予測できていたくらいだから。なのに何も書かず、黙殺した」と書いているようなものだと思いますが、どちらも、大手マスコミ人が本当はどれほどの知識を持っていて、日々どれほどの(どんな)ニュースを黙殺しているかについて、また何故そうするのか、殆ど書かれていません。私が書かなかった理由は、それを書くには大手マスコミ内部事情に対して特段の推測が必要で、読者に任せた方がよかろうと思ったからですが、多分上杉氏も同様でしょう。敢えて書くなら表向き一番に挙げられるのは「『風評被害を煽るな』と農民から抗議を受けることを恐れた」という何が大事なのかを取り違えた馬鹿げた理由ではないでしょうか。


(2011-7-22(ながーい)追記)【牛肉のセシウム汚染の問題を横目してに思うこと】
マスコミは政府の不作為を責めていますが、私に言わせれば「マスコミだって不作為じゃないか」です。
よくまあ「自分達(マスコミ)は問題の発生には全く関係ありません」みたいな態度を取れるなあ!政府を責めるなら先に自分の不備を詫びてからにしろよ、と思っています。

 

各マスコミはこの3月、農水省が屋外で保管された飼料を与えないように関係県に通達を出したニュースを報じました。私ははっきりと記憶しています。
当時既に福島だけでなく関東広域圏も含めて水や野菜の放射能汚染が大きな騒ぎになっていました。

 

私はこのニュースを知った時点で

  • 「罰則を設けないんじゃ、間違いなく通達を破る人が出るだろうな」
  • 「(通達だけという)安易すぎる、明らかに破綻がみえている措置でお茶を濁すってこと自体が、無責任体制を露呈している」
  • 「役人はとりあえず目に見える賠償額を少なく抑えたいという意識に支配されている」←これは通達以前からですが

と思いました。

 

その一月以上後ですがこんなページも作っています。動きに変化が見られないので痺れを切らして作ったページです。
私の少ないツィートの中にこんなのもあります。
http://twitter.com/#!/disklessfun/status/57088777620946944

もし今、自分が巨大な権力を持ってたら何をするかね?私なら放射線測定装置を国家的プロジェクトとして大増産させて社会のあらゆるところに行き渡らせようとする。※1 #genpatsu
4月10日 webから

このツイートはいくつもの思いを代表させたものです。

 

つまり数ヶ月前の私は、(マスコミで流れているような)数兆円規模の賠償予想額は(全く)おかしくて、数十兆円程度の予算を確保して現状とは比較にならない程躊躇なくどんどん対策を打たなければ(お金を被害者んに支払わなければ)、後でほぼ確実に「対応が全く不足していた」ことが露呈するだろうと考えていました。

 

現在もちろん実際にそうなり、今後もっと様々な不備が露呈するのは確実ですが、私は「“私は”そう思っていた」と言いたいのではありません。「“あなた達も”そう思っていただろう!!」と言いたいのです。多分当時既に1千万オーダーの国民が同じような思いを抱いていたと思います。その中には大勢の大手マスコミ人が含まれていた筈です。私だけとか、ごく少人数だけが気づいていたなんてことはまずあり得ないと思います。繰り返しますが、当時既に水や野菜の放射能汚染が大きな騒ぎになっていました。いかにも他人事のように今になって農水省の不備を責める記事を書いている大手マスコミ人達はどんだけ無責任なんだろうと思います。明らかに気づいてたのに、気付かなかったふりをしていると思います。

 

今から3ヶ月半前に、大手マスコミは「菅首相は0.19mSv/hを超える地域の子供たちを疎開させる政治決断をせよ」とか「政府は放射能測定装置の製造部門を緊急買収して大量生産して国民に無料で分配せよ」とか「環境基本法、廃棄物処理法を緊急改正せよ」とか「政府の損害賠償額の見積もりは全く間違っている。政府は直接・間接を問わず被害を受けるあらゆる商工農業者に躊躇なく完全な補償をおこなえ ※2あるいは「電気事業法を改正せよ」等のキャンペーンをやるべきだったと思います。こういったキャンペーンをおこなった上で菅首相が動きを見せなければ菅首相の辞任キャンペーンをおこなえば良かったのだと思います。ここまでを4月中旬くらいまでに実施できた筈です。

 

ここまでを読まれた方から「そんな週刊誌みたいなこと大手マスコミがやるわけないだろ」との意見が飛んできそうですが、マスコミはこれをやらずして一体何の為に存在しているのでしょうか。

 

「マスコミが当事者になりたい筈ないだろ」との意見が飛んできそうですが、マスコミが国民の方を向いているなら時には当事者になることも決断すべきだと思います。というかマスコミは他の問題のときには不必要に自ら当事者になってますよ。YもSもAもNも。この国に指揮者がいないのと同様に各マスコミにも(適切な時期に正しい決断をおこなう、まともな)指揮者がいないのではないでしょうか。

 

現実にはマスコミは上記のような決断はできず(もしくは案さえ思いつかず)、自民党執行部が主導したセンスの悪い国会論戦 ※3をだらだらと垂れ流したりして時間を浪費してきたように感じます。


※1:「訓練をしないと使えないからそんなことは出来ない」等と言っている場合ではありません。数が多ければ教えることができる人も増えます。それに実施した場合に本当に問題になるのはそんなことではなくて通報を受け付ける側の体制整備でしょう。


※2:これはこのページの地域の被害を完全補償したような場合とは違います。もっとずっと軽いものです。仮にこのページの方々に対して“普通に”完全に損害賠償すれば数百兆円となり、日本の財政は完全に崩壊します。私はそこまで補償しろとは主張しません。ただし現にそこまでのことが起きてしまっているということは多くの人が理解しておくべきことだと思います。


※3:5月下旬の海水注入指示の件なんかは特に酷いものでした。当時私は「もっと有効で、優先すべき他の攻め口がいっぱいあるのに」と強く思いました。しかし自民党執行部がこのような愚かな攻め口を選んでしまうのには明確な理由があるのだと思います。第一に、経済を優先する層からの支持を失わないことを重視している為に、損害賠償額を増やす方向での攻め口を選びにくいということ、第二に、多くの人から共感を呼びやすい正攻法で攻めた場合に「民主党よりお前(自民党)の方により大きな責任があるだろう」とブーメランのように矛先が自分側に戻ってきてしまうことを恐れているということでしょう。海水注入の件は見事に上記の2条件を避けています。しかし言い換えるとこのような安易な行動をとっている限りは自民党が大きく浮上することはないでしょう。まずは河野太郎氏の主張するように謝罪から始めるべきだと思いますが、同時に大胆な決断のできない谷垣総裁を変えるべきでしょう。

 

脱原発なんて本来選挙の争点になる筈がありません。日本が中国のような独裁国家に切り替わらない限り、新規の原発建設はもうあり得ないのですから、どこが政権を取ろうが少なくとも緩やかな脱原発が実施されることは3月11日に既に決しています。このことは3月以降何度か書いたと思います。なのに争点に”なりそうな”雰囲気がまだ残っているのは、(1)菅首相がこの本来、既に自明となっている「脱原発なんて当たり前だ。自民党が政権を奪還したって脱原発になるのはわかりきっている」ってことを決して言わないから(2)同じく自民党がそう言わないから、でしょう。1についてはやはり菅首相としてはそれが争点化工作だと本気で思い込んでいるのでしょう。2については菅首相が当面の電力確保を犠牲にしてまで争点化を狙うという暴挙に出ている為に自民党としては「自民党も脱原発です」と言って既存ヒエラルキーから反発を買う危険を犯す必要がなくなっているのだと思います。菅首相側から「自民党は脱原発だと宣言してませんよ。信用できませんよ」と主張されてもダメージを受けないくらい、世間から菅首相に対する反発が高ま(る)っていると見ているのでしょう。

 

菅首相の言動の理解は困難です。”常人首相”なら脱原発を唱える際には合わせて必ず「決して経済的な打撃は与えません。電力の十分な確保を最優先します。原発を続けた場合よりも経済的な発展を齎します。そうした試算が沢山、はっきりと出ているのでそのプランをご説明申し上げます。」等と言うでしょう。それに反して菅首相は脱原発以外は実質的に何も言わず、国民に大きな不安を与えていると思います。どうにも理解不能な言動です。私の願望としては、これを「(菅首相が)解散・総選挙選挙を考えてない証拠だ」と受け取りたいところです。総選挙に脱原発ワンイシューなんて全く馴染まないし、どうせ他の話題に摩り替わるのは必至だと思うので、私は菅首相に解散して欲しくありません。国民投票なら賛成です。情報弱者の考え方を一気に切り替えるには大変有効な手段でしょう。

 

選挙の争点になるべきなのは「困難なことを実行できるのは誰」ということでしょう。「やらなければならないけれど実行できていない」ことは沢山あります。上にもいろいろ挙げました。特に腕力が必要なのが(反発が極めて大きいのが)「(特別会計廃止を含めた)公務員制度改革(=古賀茂明氏の重要閣僚登用)」「東電の破綻処理」「発送電の分離」「農政改革」「金融緩和」と「福島第一原発周辺(は永遠に居住不可能とみなして)の土地の買い上げ(および汚染物処理場建設)」でしょう。土地の買い上げができれば詳細な除染計画が立てられ、どの地域の人が何時戻れるのか、あるいは戻れないかをはっきりさせることが出来ます。

 

(2011-7-25追記)
上記と同じくこれまた先日の追記後に読んだ岸博幸氏の来るべき民主党代表選に不可欠な政策論争の末尾に「次の首相は逃げずに既得権益と戦う人であるかどうかを見極められるようにすることが不可欠ではないでしょうか。」と書いてありました。偶然ほぼぴったり一致したというよりは、今、多くの日本人(少なくとも数百万人以上)が同じ思いを持っているということではないでしょうか。同時に、こうした網羅的な書き方になってしまうということが、そうした課題が山積みになっていることを示していると思います。


2011-6-11更新
私は震災関連の情報の殆どを大手マスコミから得ています。そういった日々を送る中で、私が「(マスコミには)こんなことを報じて欲しい」と思ったことの多くが触れられないままになっているか、報じられるまでにすごく日数を要することが非常に気になりだしました。
 

福島第一原発事故発生以来、マスコミ(特に大手)の原発報道のレベルは素人以下に終始していると思います。
本ページで様々具体例を示していますが、大勢の国民が容易に考えつく「この先の予想」を決して書こうとせず、政府や東電の公式発表と政府のリークを受け売りするだけに終始しています
大手マスコミは、たとえば政治に関しては一政治家の心情を勝手に推測して記事にする“自由度”を持っていると思いますが、原発関連報道に関してはほぼ独裁国家並みだと感じます。
「報道機関」ではなくて「独裁国家の発表装置」に成り下がっていると思います。

 

1.震災・福島第一原発事故発生から私の頭の中で浮かんだ「(マスコミが報じなかった)予想ニュース」
2.現在も(多分今後も)頻繁にマスコミで用いられるミスリードな表現
3.日本の(大手)マスコミが今のところ取り上げそうにない話題

 

おまけ

 


1.震災・福島第一原発事故発生から私の頭の中で浮かんだ「(マスコミが報じなかった)予想ニュース」を挙げます。
特に「対象ニュース=起点となったニュース」がないものもあります。
読み進めばわかると思いますが、9以降は「誰もが報じなくて当然だと思う」話題です。

月日対象ニュース浮かんだ予想ニュース説明
13月12日原子炉への海水注入漏れ出た汚染水で海水が汚染される正確にはこれは予想じゃなくて常識です。当社推測で当時1千万人超の国民が同じことを思ったでしょう。
23月12日原子炉からのベント実行広い地域で放射線が検出される1と同じくこれも常識です。これも当社推測で当時1千万人超の国民が同じ予想をしたことでしょう。実際には爆発・燃料棒溶融が発生してもっと酷いことになりました。
33月24日頃銀行4行が東電への2兆円の無担保融資へ政府(経産省、財務省、金融庁等)から東電解体はしないとの相当強い言質があった多くの人がこの時点で「あれっいいのか?東電は解体とか国有化されるかもしれないのに」と思ったことでしょう。当社推測で当時500万人程度の国民が「既に打ち合わせが済んでいるんだろう」と思ったのではないでしょうか。ただし真相は違っている可能性もあります。
(2011-6-11追記)2011-5-24のTBSラジオDigで町田徹氏がこう言っていました。「政府の某経済官庁の相当上の方から取材しますとね、その時やっぱり経済産業省であるとか金融庁が、計画停電が始まってて、首都圏で電車が動かないとかね、病院で手術ができないとか大混乱になってましたでしょ。この時にそのまんま東京電力を資金繰り倒産させたら大変なことになるなと、その為の受け皿のスキームを作ってないなと言うんでとりあえず融資しろと。例えば金融庁は融資しろと銀行に言ったと言われてますね。それから経済産業省も助けてやってくれと言ったと言いますね。いずれ政府保証をつけてその融資はちゃんと守ると言ったという説もありますね。」
43月25日頃3号機タービン建屋に溜まった水で3人が被ばく●原子炉の既存閉ループ冷却系の復活は絶望的
●外部に新たな冷却系を構築する他ない
●敷地の空いている場所にタンクと冷却施設、浄化施設を新たに設ける必要がある
●当面はタンカーが必要
この時点で「汚染水の汚染度」がいくら非常時であろうと海に流せるレベルではない超高濃度であることが明らかにされました。遅くともこの時点で、当社推測で500万人程度の国民が同じことを思っていたのではないでしょうか。こんなことはかなり簡単に思いつくことで、いくら文系が殆どのマスコミとはいえ、大勢が思いついたと思われます。なのに(大手)マスコミは全然書きませんでした。関連した話ですが「外付け冷却施設は上原春男氏の発案」との記事にも引っかかりを感じます。誰でも思いつくことに「発案」という言葉を用いるの不適切です。上原春男氏はこの方式の権威ということに過ぎない筈です。

予想ニュースを裏打ちする正式な発表が5月に入ってからやっと出ましたね。海水冷却を断念 時間かかるが空冷に 福島原発
53月26日頃海水から1250倍放射性物質根本的に汚染水の流出を止める為に港湾部に緊急工事をおこなって海水を外部と分断する必要がある全国民の内、当社推測で100万~200万人程がこれと似たようなことを思ったのではないでしょうか。

※この時点はまだ大手マスコミは“高濃度汚染水”という言葉を用いていません。
64月4日“低濃度”汚染水放出ニュース解説:政府があっさりと“低濃度汚染水”の放出を了承した理由は「既に“高濃度汚染水”の流出によって、“低濃度汚染水”と比べて放射性物質の絶対量で換算して10の4乗倍オーダーの汚染水が流出しており、“低濃度汚染水”の放出が“相対的には”環境にほぼ悪影響を齎さないことは明白だったから」何倍かについてかの見方は人によってバラつきが大きかったでしょうが、当社推測で当時5百万人超の国民が同様なことに気づいていたでしょう。私は当時「1万倍以上」と記していました。

現在は一応3万倍と報じられています。対象のニュースの扱い方は非常に歪だった思います。今でもそれは続いています。ただし、このような(小さいものが大きく扱われ、大きいものが小さく扱われる)歪な報道によって他国からの汚染度の深刻さについての追求が緩和されるという“結果オーライ”な効果を生んでいると思います。

上杉隆さん、私は日頃心情的に応援していますが、この話題では正確性に欠けましたよね。もしかすると日本を庇う意図でわざと大小を逆に報じましたか?
(2011-5-12追記)関連記事へのリンクを追加しておきます。東日本大震災:福島第1原発事故 高濃度汚染水、海へ流出4700兆ベクレル - 毎日jp(毎日新聞)
(2011-9-8追記)関連記事へのリンクを追加しておきます。1万5千テラベクレルが海に流出 東電発表の約3倍 - 47NEWS(よんななニュース
(2011-9-12追記)↑一部メディアで数値が3倍異なることを挙げて「東電は隠していた、嘘をついていた」と報道がなされています。もちろんこのような解釈は誤りです。4700兆ベクレルの方は汚染水経由で漏れた放射性物質で、1万5千テラベクレルの方は直接空中に放出された放射性物質のうちの海側に流れた分です。算出対象が異なることは当初から明らかにされています。2つの記事を比べることで両者の比がわかり、おおまかに言えば似通ったオーダーの量であることが理解できます。加えてさらに、両者と似通ったオーダーの量の放射性物質が日本の陸地に降り注いだことにも着目すべきです。
(2011-9-14追記)この項に非常に関連が深い、とても重要なリンクを張るのを忘れていました。野田政権は東電破綻処理を急げ――このままでは日本は中国やロシアからの巨額賠償請求の餌食になる |岸博幸のクリエイティブ国富論|ダイヤモンド・オンライン これは発災直後から私を含め多くの人がとても怖れている問題です。
(2011-9-26追記)さらに関連記事があります。ちなみに書き遅れましたが1テラ=1兆です。
福島第1原発:汚染水3月26日から流出 - 毎日jp(毎日新聞)これを根拠に基づかずに楽観的に過ぎていた4月の東電の発表を科学的に訂正するものです。しかし劇的なニュースではありません。あとセシウム137に絞った数値であることを見誤らないで下さい。
(2011-11-2追記)9月12日の追記と同様、この記事→[セシウム:海洋流出、東電発表の30倍 仏研究所推定も(厳密には)誤りです。比較対象の東電発表の数値は「汚染水によって放出されたセシウム137の量」なのに、この記事では「海に流れ込んだセシウム137の(総)量」であり、明らかに異なっています。
73月中旬当面火力発電所の比率が高止まりする為にCO2規制順守の危機全国民の内、当社推測で400万~800万人程がこれと似たようなことを思ったのではないでしょうか。
83月中旬いろいろな記事菅政権の震災対策不手際の原因は「官僚のサボタージュ」の可能性最近になって花岡氏のコラムで見ました。そういう話が出回っているとの論調でした。
93月中旬社説等:原発は主として自民党が推進した。自民党は民主党を批判する前に国民に詫びよ私は民主党の支持者やファンでもないですし、ましてや社民党や共産党に共感を持つ者でもありませんが、自民党が菅政権の原発対応について批判した際にはこのようなツッコミを入れるべきだと思ってしまいます。普通にツッコミ精神を持っている人の多くがこう思うのではないでしょうか。「原発を推進してきた姿勢そのものは各時点での情勢に照らして間違いとは言えない。そして我々マスコミもそれを是としてきた。我々マスコミは自分達が是としてきた政策を過去に遡って批判した経験がない」。これが大手マスコミを不十分な姿勢に留めている理由だと思われますが、間違いと断定できないのは全体の方針だけであって、詳細な内容については明らかに多数の問題が存在したことはいまや広く知られるところです。見て見ぬふりをしてきたマスコミはある意味“共犯者”で、この際真摯に反省の意を示すべきです。脱原発の方針を示し始めた社もちらほらですが、あくまで過去に関しては他人事だと感じます。
104月15日100ミリシーベルトを超えて被ばくしている作業員28人中25人が東電社員事実なのかもしれませんが、このニュースを見聞きした大半の人が真偽を疑ったのではないでしょうか。

3人が被ばくしたニュースの際に下請会社社員がきちんと下請会社社員として報じられていましたのでこの25人は本当に東電社員と受け取る他はないということになります。余計に「えーっ、ほんとか?」と思ってしまうわけです。
114月20日頃東電の賠償スキーム案の記事旧来マスコミは東電が今の形のまま存続する案を猛烈支持しているもちろんこんなことを旧来マスコミ自身が報じる筈はありません。しかし旧来マスコミが、万が一東電が解体されて電気事業法も修正されて、今までのようにCM・広告料が入らなくなることをとても恐れているのは事実でしょう。
 


2.今度は過去の報道ではなくて、現在も(多分今後も)頻繁にマスコミで用いられる「定形句」で私が気になる表現(これじゃあミスリードだよ)と思うものを挙げます。
私にネタ本やネタ雑誌があるわけではありません。マスコミが流している情報を精査しているうちに気づいたものばかりです。

マスコミのミスリードな報道説明
1原子力発電は総発電量の30%を占めているので原発停止の影響は大きい理由はこの後説明しますが、このような表現は国民に対して原子力の重要度を実際より高く誤解させるものです。こんなのは「発表装置」がするものであって「報道機関」はするべきではないと思います。
国民へのミスリードをおこさない為には「原子力発電の供給可能設備容量は全体の18(テキトーに当てはめた値です(2011-7-22追記)小出裕章氏が講演でこの数値を用いているそうです)%を占める」等と報じる必要があります。
「発電量」という用語を用いるのは情報ソース側(国や電力会社)に「国民をミスリードしよう」との意図がある為で、「供給可能設備(電力)容量」という用語を用いた解説を加えずにそのまま流すだけという姿勢は「報道機関」のあるべき姿勢ではありません。マスコミの人達は「情報ソースの発表を一言一句、加えず削らす変えずに伝えることが我々の使命だ」とでも思っているのでしょうか。「客観性」の概念はどこへいったのでしょうか。

以下詳しい説明

各発電方式の特性

●原子力発電は火力発電のようにはこまめな出力調整ができないので一旦動かし始めるとずっとフルパワーで運転せざるをえません。
●火力発電はこまめな出力調整が可能なうえに、フルパワーで運転し続けることもできます。

上記特性を実際の電力供給に当てはめると、

1. 原子力発電はベース電力発電用としてしか使えない
2. 原子力発電は単独で運転できない。こまめな出力調整が可能な他の発電方式と併用する必要がある
3. 原子力発電を停止した場合は、替りに火力発電がベース電力発電を担うことができる
4. 原子力発電の総発電量に占める割合を示す数値は、供給可能設備容量(もしくは最大発電容量)に占める割合を示す数値より常に必ず大きくなる

4の“マジック”を国や電力会社は“国民を騙す手段として”使い続けています。マスコミが客観性を持つ「報道機関」なのであればそれを受け売りするべきではないでしょう。

以上のように発電方式は供給可能設備容量で比較すればよろしいと言えるのですが、これで話を終わりにせずに「原子力発電は総発電量の30%…」が内包するもう一種類の“マジック”を指摘しておきます。
現在の電気事業法では「総括原価方式」および「3%適正利潤」が用いられており、結果として(純粋な民間企業では考えられない程の)予備の発電設備を大量に抱える構造になっています。(以降略)
2原発を止めると代わりの火力発電の燃料費が1日あたりウン億円かかるこれは事実ですが、マスコミは「客観性」を保ちたいならば、電力会社が核燃料再処理関係の引当金として長年、1日あたりに換算してウン億円貯め続けていることを付せて示すべきです。
3冠水(水棺)措置によって燃料棒上部まで水で満たすことができるこれは大変馬鹿げた表現です。これは一部マスコミがおこなっている東電発表の受け売りなんですが、まるで現在(5月初旬)燃料棒の一部が水面から露出しているかのような表現です。
燃料棒の水面より上に露出した部分は、とうの昔に崩壊熱によって水面下に溶け落ちているでしょう。
さすがにNHKは科学文化部を抱えているだけあって受け売りせずに「格納容器の上部まで水で満たす」との表現に差し替えています。ただしそのNHKも記者クラブメディアだけに東電に対して「その表現はおかしいですよ」みたいな指摘は決しておこなったりしないのでしょう。社会に役立たない優等生的態度です。
4「原発推進側の『千年に一度の大津波だから』との言い訳」へのツッコミがあまりに甘すぎる)「報道機関」なら「千年に一度に対応するか」程度が議論の対象となっていること自体のおかしさを指摘しないといけないでしょう。
原発大事故は日本が存続すると考えられる間に起こしてはいけないのですから、「原発の為に日本が千年で壊滅していいのか?」を自問してみれば(またざっくりとした話ですが)最低10万年に一度の災害に耐えなければならないのが当然だと(まともな歴史的、数学的感覚を持つ人なら)誰だってわかるでしょう。「100万年に一度に対応するか」のレベルになって初めて議論の対象となるべきです。

上記1と2は共に何らかの懸念を示している場面です。その懸念を緩和する事実が存在することが明らかなのに敢えてそれには触れないという「不作為」によって国民をミスリードしかねない(ミスリードする)影響を持つ報道です。

 


3.今度は日本の(大手)マスコミが今のところ取り上げそうにない話題です。

(大手)マスコミが取り上げそうにない話題説明
1(3月におこなわれた)東京のある区の小学校の卒業式の出席率が半分くらいだったこの話題は私が思いついたものではなく、ネットかどこかで知ったものです。因みにこの話題については大手マスコミは無視したのでしょうが、YOMIURI ONLINEには4月22日付で「(福島)県内の子ども約6000人が県外に移っていることを挙げ、」とあります。
2年間積算1mSv以上の超過被ばくは東電と国に賠償責任の可能性誰だって(記者ならほぼ全員)気づくと思うんですが。
3福島第一と同様な放射性物質拡散シミューレーションを浜岡を始め日本各地の原発を対象におこなったものを公表しろとキャンペーン原発に対して客観的に考える為の材料としてこれは本来絶対に必要です。日本中、世界中の多くの人が必要だと思っている筈です。民間が詳細なシミューレーションをおこなえるように、マスコミ自身が気象庁にシミュレーション用のデータ提供を要求するキャンペーンを展開しても然るべきと言えます。
4電力会社(主に東電・中電に対して)「供給能力の詳細を公開せよ」と要求現在、国民もマスコミも電力供給力の発表数値の決定を電力会社側に任せてしまっています。結果、先だっての計画停電の規模が過大になりましたし、国民に夏場の電力不安を過大に煽ることになりました。国民もマスコミも電力会社の操り人形に成り下がっています。政府が電力会社に公表させないことが最も問題だと思いますが、要求しないマスコミにも問題があります。
5(全てを含めた)実際の原子力発電のコストこれを報じない限りマスコミに客観性はありません。たとえ推測であっても何としても公表すべきです。しようとしないマスコミは「電力会社の番犬」である証左だと言えるでしょう。
 

因みに全然自慢にならないんですが、震災発生後全く週刊誌を読んでいません。週刊誌を読んでいればこのページの内容は大きく違ったのかもしれません。

 


おまけ(番外編コラム)
風力発電が強風時に発電できない理由(ちょっとあまりに他の記事とは毛色が違いますが、専用のページを設けるまでのことでもないのでここに載せておきます。今後多少役立つかと思います)

  1. 風力エネルギーには風速の3乗(風速が3倍になるとエネルギーは27倍)に比例する性質がある
  2. 強風時に風車がまともに風を受け止めれば風車の様々な部分(羽根、ベアリング、モーター…)が壊れてしまう
  3. 羽根の向きを出来る限り風力を受け流すように風に対して非常に浅い角度に調整して発電の継続を試みても、強風下に風に対して非常に浅い角度では「羽根の角度が僅か1度違うだけで受けるエネルギーが何十倍も違う」という状態が発生してしまい、安定的な電力を取り出すことはとても不可能
  4. ならばと、強風下に風に対して深い角度で運転可能とする為には風車が壊れないように羽根と羽根の取り付け部を非常に強化する必要がある上に“異常に”強力なブレーキも取り付けなければならない。そのようなコストはとても吊り合うものではない
 

従って風力発電に必要な第一の立地条件は「強すぎない、弱くもならない、安定した風力」です。

 

ご要望、ご意見、質問を下のフォームにどうぞ
(でもここより、掲示板書き込みフォームのページに書いて頂いた方が気づき易いと思います。)