■ 第4節<戦慄き>
もとはといえば、バストゥーク共和国が北の地の調査を発案したようだ。
シドならば何か知っているだろうか?そして、ジュノの者たちも動き出す。
■ バストゥーク大工房・シド研究室
Cid:なに?
30年前の北方調査隊のことを聞きたいだと?
Cid:なぜ、そのようなことを聞く?
あの調査隊に参加した人間はみな、
もうこの世におらん。
Cid:呪いなどという非科学的なことを
信じるつもりはないが、北方への調査隊がここまで
死を呼んだとなれば、呪いに近いものはあるのかも
しれないな。
Cid:……なに?
他の2国で聞き出してきたというのか?
30年前の北方調査隊は、バストゥークの
進言によって組まれたということを。
Cid:……ならば、うむ……。
そろそろ断罪の時が来たのかもしれん。
北方に大いなる力があると調査隊を編成する
きっかけになったのは、この私だからだ。
Cid:30年ほど前のこと。ある男の手によって、
ここ大工房にある石が持ち込まれた。
Cid:その石は小さなものだが、
近づいただけでその気配を感じとれるほどに
不思議なエネルギーが凝縮されていた。
Cid:合成につかわれる
あのクリスタルなどよりも恐ろしく強い
エネルギーの発見に、わしは慄いたよ。
Cid:それは北の地より
もたらされたということでな。あの地には、
なんらかの大きなエネルギーが眠っている。
わしはそう確信した。
Cid:そのエネルギーを利用すれば、
バストゥークの技術が飛躍的に進歩するのは
火を見るよりも明らかだった。
Cid:そこで、当時の大統領に進言し、
銃士隊が北方へ先行調査に向かうと
いうことになったのだ。
Cid:本来ならば、バストゥークのみで
その調査を行うはずだったのだが、
その情報がどこからか他の2国に漏れてな……
Cid:しかし結局、
なにも得られなかったというわけだ。
大切なものを失いこそすれ……。
Cid:……あの強いエネルギー。
そういえば、あれこそ飛空挺のクリスタル推進機関を
動かしているエネルギーに当てはまるものだな。
Cid:もしや、ジュノは北の地に眠る
大きなエネルギーを既に見つけ出している……?
Cid:せめて今、あの石が手元にあれば、
なにか分かっただろうがな。実はあれは、
30年前の調査隊と共に、行方がわからなく
なってしまっているのだ。
Cid:ただあの石「魔晶石」は、
「タブナジアの魔石」と呼ばれる石の
破片だったという話だ。
Cid:タブナジア出身だと騒いでいた、
あの娘さんに尋ねれば、なにか
わかるかもしれない。
Cid:おぬし、あの娘さんに
会ってきてくれないか?
■ ル・ルデの庭・ジュノ大公宮
Wolfgang:ナグモラーダ様、
出発の準備ができました。
Nag'molada:我々は別の船で行く。
いいな、もし私がいく前にあれが現れても、
けん制するだけにしておけ。わかっているな?
Wolfgang:はっ!
わかりました、ナグモラーダ様!
(出立する親衛隊、ナグモラーダに駆け寄るタルタル3人組)
Nag'molada:……ふむ。うまくいったようだな。
では、あれを回収させてもらうとするか。
■ ジュノ下層・天晶堂
Aldo:ああ、、
ちょうどいいところに来た。
Aldo:プリッシュの連れだという
お嬢さんが来ているのだが……。
Ulmia:さん。
プリッシュを見ませんでしたか?
Ulmia:……え? さんも
プリッシュにご用事が?
Ulmia:なるほど、30年前にタブナジアから
バストゥークに売られた「魔晶石」という
石のことを知りたいとおっしゃるんですね?
Ulmia:けれどもそれが「タブナジアの魔石」の
破片だと言われましても、私にはなんのことだか……
Aldo:タブナジアの魔石、か。
Ulmia:?
アルドさん、なにかご存知なのですか?
Aldo:ああ、聞いたことだけはある。
タブナジアには、門外不出の危険な
石があったという話はな。
Aldo:しかしその石は、20年前の大戦のとき
獣人どもが持ち去ったと聞いた。罪狩りの
ミスラがそれを探していたとか……。
Aldo:そうか、あれが魔晶石だったとすれば、
獣人どもがあれを持ち去ったことも納得できる。
しかしどこへ……ううむ……。
Ulmia:タブナジアに戻れば、誰かが
覚えているかもしれません。けれども、
プリッシュが見つからないことには……。
Sattal-Mansal:ボス、大変です!
あの嬢ちゃん、医者のところに担ぎ
こまれているようですぜ!
Aldo:なに!? なにがあった!?
Sattal-Mansal:上層の女神聖堂にいたところを
だれかに襲われたそうで!
Aldo:なんだって!?
Ulmia:プリッシュ!
(駆け出すウルミア)
End
プロマシアの呪縛 | ||
前のミッション | ミッション名 | 次のミッション |
ルーヴランスという者 をかしき旅立ち | 戦慄き | 神を名乗りて |