シャドウ
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CGにおけるライティング
ライティングスキーム(照明設計)
シーンを構成する様々な光源を理にかなった位置に配置する。
”各光源は競合するものではなく、協調するものである”
つまりは、ライトの種類と特徴を理解する事が重要である。
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3dsMAXのライト
ライトタイプ
◆標準
太陽光から電気スタンドまで多種多様に柔軟に対応できる。
短時間でレンダリングできる。
◆フォトメトリック
実世界のパラメータ(光の分配、強度、色温度)を使用している。
物理的に正確なレンダリングが可能。
ライティングの分析も可能。
≪高度なライティングモード≫
・ラジオシティ
・ライトレーサ
”ラジオシティ”
フォトメトリックライトが最大限に効果を発揮する。
CPUに高い負荷をかけ、レンダリング時間が長くなる。
リアルなレンダリング結果が得られる。
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標準ライト
プロのライティングアーティストが最も頻繁に使用するライト
・簡単にパラメータのコントロールができる。
・あらゆるスタイルに対応できる。
・レンダリング時の作業を効率化できる。
【オムニライト】
単一の無限に小さい点から放射状(全方向)に光を放出する点光源
◆実世界例
星、ろうそくの光、蛍の光
通常フィルライトとして使用する。光の放出を制限させるなど。
【スポット】
オムニライトとの共通点・相違点
◆共通点
単一の無限に小さい点から光を放射する。
◆相違点
照明範囲がライトコーン内に限定される。
≪ライトコーンの範囲≫
① ホットスポットを定義する角度の値
② フォールオフをコントロールする角度の値
①、②2つの値を調整する事で、ライトコーンのエッジ部分の柔らかさをコントロールできる。
→ ①、②の差が小さいとハードな鋭い輪郭になる
→ ①、②の差が大きいと光源位置が不明瞭になる
コントロール性が高いので、ライティングスキームにおいて大変重要なライトである。
→ 明瞭でハードなエッジから、不明瞭でソフトなエッジに至る様々な減衰が設定可能
→ ゆえに、大量のライティングを処理するには効果的である。
【指向性ライト】
単一方向に平行な光線を照射するライト
太陽光をシミュレートする為に用いられる。
◆コントロール
・平行光線は変化しない
・ライトの位置は重要ではない
・回転だけをコントロールする必要がある。
─ ライト自体を回転させるか、ターゲットを移動させる。
フィルライトとしても用いられる。
[フィルライト]
ライティングスキーム(照明設計)の主要ライト(キーライト)を補完する補助的なライト
【スカイライト】
シーン上部に半球体として機能し、大気を通過して拡散する光を再現する
→ ソフトシャドウを投影する
標準のスキャンラインレンダラー、ライティングモードの”ライトトレーサ”でよく使用される。
◆ライトトレーサでの使用の場合
・ラジオシティのような正確な計算は行われず、カラーブリーディング(色の組み合わせによる特殊なかけ合わせの色)が生じやすい
・シャドウがサポートされない
[ライトトレーサ]
屋外シーンに適している。
ラジオシティのような計算処理を必要とせずに迅速にデイライトの設定が可能。
[スカイライト+HDRマップ]
スカイライトのコントロール
・空の色
・光の強度
以上、ほとんどコントロールコマンドは無いが、”マップ”をスカイライトのカラーに設定することができる。
→ HDRマップを設定する事で優れた効果が得られる。
[HDRマップ]
ハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range)イメージ
0~255までのRGBの値を表現するのではなく、
クランプ値なしのカラーを用いるため、より広範な輝度の値をレンダラーに指定できる。
→ 十分な照明の当たった塗料から太陽自体のスーパーホワイトに至る、あらゆる種類の白を正確に表現できる。
【エリアライト】
実世界の光源(日常的に目にする照明器具)をリアルに再現するライト
エリアライトのサイズ シャドウ
大 → ソフト
小 → ハード
[メリット]
光を忠実に再現する。
→ リアルなレンダリング結果が得られる。
[デメリット]
CPUを大量に消費し、レンダリング時間が長くなる。
⇒ 最終的な出力のみ、単一の静止イメージの作成に使用される
※mental ray レンダリングのみ使用し、スキャンラインレンダリング時には他のライトを配列する必要がある。
【アンビエント光】
環境内の様々な要素に反射する光による、シーン全体を照明する全般照明
鉄則”CGにおいてアンビエント光は使わない”
◆実世界
アンビエント光は、様々なオブジェクトに反射され、光源によって直接照らされていない陰になったコーナー部分を見る事ができる。
環境内で強度が変化している。
◆CG
アンビエント光は、シーン全体で一定の強度を使用し、均一に拡散する。
光の色のコントロールができない。
CGにおけるアンビエント光
[アンビエント光]
シーンに貴重な変化をもたらす”シェーディング”、”色の奥行き”を非常に重要なシャドウエリアから奪う。
[アンビエント光の設定]
アンビエント光(環境光)の値を黒に設定 … デフォルト設定
→ アンビエント光の機能をオフにする。
⇒ アンビエント光のような光を再現するには、フィルライトを追加する。
【フォトメトリックライト】
環境全体の光の伝播を物理的にシミュレートすることで、物理的に正確な結果が得れる。
◆ライトの分配方法
・等方性(均一の球状)
・スポットライト
・ウェブ(フォトメトリックウェブ)
・拡散反射光(均一の拡散反射光)
[等方性(均一の球状)]
ポイントライトにのみ適用
全方向に均一に分配する = オムニライト
[スポットライト]
標準ライト - スポットとの相違点
◆標準ライト - スポット
ホットスポットとフォールオフの角度値で減衰の値を自由に設定が可能
◆フォトメトリックライト - スポットライト分配
ホットスポット/ビーム角度は、光の強度が50%に低下する位置を定義し、
フォールオフ/フィールド角度は、光の強度がゼロに低下する位置を定義する。
[ウェブ分配タイプ]
光源の光の強度の分配を3Dで表現する方法
※IES(Illuminating Engineering Society : 照明工学協会)
で定義された光源の強度が変化する様子を視覚的に示す、
”ゴニオメトリック ダイアグラム”(角度分布図)のデータに基づき、
3次元に拡張させて光を分配するタイプ
≪リニアライト≫タイプ
ライン(線形)ライト
チューブ状の蛍光灯に似ており、線状の光源から光を放出する。
≪エリアライト≫タイプ
長方形、ディスク、球、円柱タイプがある。
これらの形状の光源から光を放出する。
⇒ 2つのライトタイプは、拡散反射光の分配タイプであり、
サーフェースからまっすぐな方向に放出される光が最大強度
傾斜角が増加すると放出される光の強度は減少していく。
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CGライトの分析
◆ライトのパラメータ
全てのライトにはパラメータ設定をする事が可能
最もシンプルなパラメータは、ライトのオン/オフ機能である。
→ 各光源の効果をテストする際に非常に有効
◆シーンのライティング作業
→ ライティングの構成をテスト・修正する作業
【標準ライトの特徴】
◆ライトの分配方法
多数のユーザーはRGBモデル(赤、緑、青の0~255の値)を使用する。
[色の明度を上げる目的]
HSVモデル(色相、彩度、明度(値))を使用する。
色相 カラーモデルから色を選択 彩度 色の純度(彩度が高いほど、グレーは減少し鮮やかになる)を選択 明度(値) 色の明るさを設定
これらとマルチプライヤ値の組み合わせで、光の強度を調整する。
◆マルチプライヤ値(強度/カラー/減衰)
・正の値 … 値が2.0なら光の強度は2倍
※強すぎると色の白とびが発生してしまう
・負の値 … CG上のみ設定が可能
オブジェクトを暗くする”ネガティブライト”を作成する。
”ネガティブライト”
部屋の隅などの領域を微妙に暗くする為に使用する。
計算時間が短いメリット。
ライトをシャドウと見せかける事が可能なライト。
◆減衰の設定
タイプを逆二乗に設定すると若干のリアルさをもたらす。
※ただし、非常に限定的であり、ライトから離れた領域の照明が薄暗くなるのと同時
に、光源付近の領域が”過剰に”明るくなる。
”逆二乗の設定をしても光はゼロにならない”
→ 近接減衰と遠方減衰の2つの値で調整する。
[近接減衰・遠方減衰]
減衰を開始する位置と終了する位置をコントロールする。
→ 遠方減衰を使用して、光の照明の終点を指定すると、
光は範囲内のみ伝播する。
※レンダラーは、この領域外の計算を省略する為、レンダリング時間が短縮される。
[減衰度 タイプ - なし(線形減衰)]
”なし”のアルゴリズム
光の強度が最大の近接距離から、強度がゼロの遠方距離まで直線上に減衰する。
→ 減衰の仕方が予測可能であるメリットがある。
【フォトメトリックライトの特徴】
◆ライトの色
ランプの仕様によって既存データに基づき調整される
→ 色温度によって色の変更が可能
→ フィルタ カラーにて色の変更が可能
”フィルタ カラー”
カラーフィルターが光源に配置された様子を再現する
◆光の強度(強度/カラー/減衰)
マルチプライヤ値ではなく、”ルーメン(lm)”、”カンデラ(cd)”、”ルクス(lx)”の物理的単位で設定
◆減衰の設定
実世界と同様に逆二乗で減衰する。