当時の時代背景と元ネタ
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時は2004年頃、「NEET」「ニート」という単語が流行り始めた頃。
以下やや余談に見えるかもしれないが、当時の時代背景を知らないと何故このセリフがここまで流行ったのかについてあまり理解が深まらないので少し歴史の話を聞いて欲しい。
当時といえば、宮崎勤事件から約15年。宮崎勤の趣味がアニメや漫画であるとワイドショーで大々的に報じられてからというものの、これらの趣味を迂闊に公言出来なかった時代。ましてやインターネットなんて当時はオタク趣味の延長扱いだったため、口にだすのはあまりにもご法度だった。
「インターネットが趣味です」と言えなかった理由はこれだけに留まらない。当時はガラケーも恐らく普及しておらず、初期の携帯はインターネットを見るのに全く役立たなかった*1。Wifiなんてものも当然普及してないので、インターネットに接続する方法は実質的に家庭用パソコンかノートパソコンを介してだけだった。そして当時のパソコンというのは非常に高価なものであり、Dell等の安価なメーカーも日本に普及していなかったため普通1台で10万円~20万円はした。そんなものを欲しがる人間は「よっぽど」ということだったのだ。現実で上手くやっていけていないので代替となる居場所が必要ということである。
今10代後半の人にはちょっと信じられないかもしれないが、ほんの十数年前まで、「インターネットが自由に見れる」というのは極めて限られた世帯にのみ許された恵まれた行為だったのだ。*2しかもインターネットというのはスクールカーストにおいて極めて下位の人間がする事であって、学校で「インターネットを見ている」と公言しようものなら即いじめの対象になるくらいUnderground?なモノだったのである。ラノベなんて持っていることがバレようものなら処刑である。そういう時代。
時は流れ2018年、今や中学や高校の昼休みの時間に当然のように初音ミクを初めとしたボカロ曲が流れるようになり、時代の変化というのは恐ろしいものがある。
さておき、当時パソコンがほんの少しだけ普及して起こったことの一つが、無職ネトゲ廃人の大量発生である。ここにおいて初めて、「働く気のない無職」という問題、「ニート」問題が顕在化することになる。
彼らがこれまでの無職と違ったのは、職業訓練や専門学校、資格試験などに打ち込んだり、あるいは本を読んだりせずとも*3、パソコンがあるのでタダで無限に遊んで時間が潰せるという点にあった(月の固定通信料を除く)。そのような人間は以前からも存在していたのだろうが、ここまで露骨な形で現れたことは過去になかった。
これによって「ニート」という存在と言葉が広まり*4、あるニュース番組が実際のニートに取材を行った。そして彼の言い放った言葉がこれである。
「働いたら負けかなと思っている」
このあまりにも破壊力ばつ牛ン?の言い回しと独特の表情もあってか、キャプチャ画像とセリフは瞬く間に広がり、「~~したら負けかなと思ってる」という言い回しがインターネット上で用いられるようになった。
今ではあまり聞かなくなった表現かもしれないが、「~~したら負けかなと思って(い)る」という稀によく見る?文の締めの元ネタはこの発言に依る。
余談
その後、LINEの役員が10何年も経ってから「あのニートは私です」と発言したりしたらしいが、後に別人であることが判明したりしたりなんやかんやあったらしい。でも私はネット初期~ゼロ年代にしか興味が無いのでもうどうでもいい。