安価

Last-modified: 2019-12-24 (火) 21:14:28

今日は2019年12月24日、紛れもなくクリスマスイブだよ!
クリスマスイブってなったらやる事は一つだよなぁ!?
多忙につき更新停止?した個人サイトが突然復活する日だよ!!!
 
ゼロ年代の!!!
 
ゼロ年代の!!!
 
ゼロ年代の!!!
 
ゼロ年代は今年もやってくる!!!
楽しかった出来事を消し去るように!!!
 

安価とは

決して値段が安いとかそういう意味ではない。読み方は「あんか」、2ch等の掲示板におけるアンカーの略。
アンカーという単語は最近聞き慣れないかもしれないが、誰でも見たことが有るコレである。

710: 以下、クリスマスに代わりましてゼロ年代がお送りします ID:anASRito70
  >>710
  ↑これ

この「>>数字」という塊を総称してアンカーと呼ぶ。コロケーションとしては「安価を飛ばす」等。
 

主な用途

前提になる概念:未来安価

実のところ、「安価」という単語が用いられる場合、その時点で通常のアンカーではなく未来安価を指すことが多い。
「未来安価」というのは、以下のように、自分のレス番より先に飛んでいるアンカーである。

710: 以下、クリスマスに代わりましてゼロ年代がお送りします ID:anASRito70
  >>800
  こういう風に未来にも安価ってつけられるんだよね

未来にならないとそこに何が書かれるか分からないわけだから、未来安価。未来安価を飛ばしたのに人が少なすぎて未来を迎えること無くdat落ち?した未来安価の怨霊が今でもインターネットを呪っているとかいないとか
ただし、「安価」という単語を使った時点で普通「未来へのアンカー」を指すため、「未来安価」という呼ばれ方は(恐らくほとんど)しない。あくまで「安価」という単語や使われ方を知らない人間に説明するための、便宜上の独自呼称に近い事は念頭に置かれたい。

安価で○○決める

1: 以下、クリスマスに代わりましてゼロ年代がお送りします ID:wAtaSiDesU0
  今日クリスマスイブなのに暇だからお前らどこ行くか決めてくれ
  >>5
 
5: 以下、クリスマスに代わりましてゼロ年代がお送りします ID:SIrAnNHito0
  独りでデートスポット

こんな風に、己の運命を赤の他人に託してしまう精神異常者の行いがよく行われていた。そして大抵実行されなかった
しかし最も後世に影響を遺したのは次の2項目の使い方だと思われる。

安価で絵描く

1: 以下、クリスマスに代わりましてゼロ年代がお送りします ID:KaMiESIsAN0
  描く
  >>5

タイトル通り、安価先の絵を描いて、次の安価打って、描いて、それだけが続くスレ。
人気絵師のスレの場合、安価付近で長い長い静寂が起こり、じわじわとksk?していき、遂に該当のレス番に近づくや否や1秒間に30レス以上が殺到するような自体も全く珍しくなかった。そして、そのような激戦区にも関わらず的確に該当のレス番に的中させ続ける人間はスナイパー?と呼ばれたり、その射抜く行為を特にスナイポと呼んだりした。
このような形式のスレッドは主にVIPで建てられていた。
 
しかしこれだけではまだ少し足りない。当時の文化を十分に説明するには、ゼロ年代のインターネットがどのようなものだったかを少し説明しなければならない。
 
安価絵スレが立っていたのは、主に、twitterはおろかpixivすら存在しない時代である。ニコニコがまだなかった時代も重なる。
そのような時代にあって「人気絵師」とは一体なんぞや?という話になる。
だいたい、これは良い悪いの話ではないのだが、当時持て囃されていた絵師達のほとんどは、純粋な美術の技量で比べたら今のtwitterで20RT取れない絵師にも遥か及ばないくらいのレベルだっただろう。ワンドロやってる人間が30分に縛りをした方が上手さだけで言えばずっと良い。
それにも関わらず板住民は安価絵スレを建てる人間を大体覚えていた。
何故そんなことが起こっていたのか?
 
これは他のありとあらゆるインターネットに通じることだと思うが、当時のゼロ年代インターネットは純粋に人が少なかったのだ。
ガラケーが普及する前は基本的にパソコンを使う以外にインターネットを閲覧する手段は無かったし、ガラケー普及後も2chなんか見るような人間はあまり多い方ではなかった。携帯で見ている人間にしても、出先でパソコン代わりにちょっとチェックするような人間が多く、携帯だけで2chを見ていた人間は少ないように思われる。まぁID末尾を見られてもしもし?とか呼ばれることになるわけだが
そもそも当時家庭用パソコンというのはかなり高価な品であり、パソコンがある家庭はクラスに3軒も無かったのではないだろうか。実際、大真面目な話をすると、私の家にパソコンがあったのも小学校で不登校になった私を両親が見かねての事だった。
更に、インターネットが無ければ何も出来ないような今と違って、「そんなもん買って一体どうするの?」というくらいの認識がされるような代物が当時のパソコンだった。ゲームをやっている奴は引きこもり予備軍インターネットをやっている奴は犯罪者予備軍、そんな時代である。
参考までに、この10年でインターネット人口がどれくらい膨れ上がったかと言うと、2007年のニコニコの10万再生は2017年の100万再生くらい取るのが難しかったと言えば分かるのではないだろうか。下手をしたら「バズ」という現象のある今より当時の10万再生の方がずっと難しい。「全盛期」とまで今尚呼語り継がれるニコニコβ時代にすらそれくらい人がいなかったのである。
 
当時ニコニコにいた主な層はVIPPERだったわけだが、当然の成り行きとしてVIPPERも数が少なかったわけである。
もちろん当時の2chで言えばν速やネ実やガ板や狼や鬼女や半虹等と同じくらい、十分な最大勢力の一つであった。人数だけで言えばVIPが一番多いと言って異論を挟む人間は当時いなかっただろう。実際は半虹が一番多かったんだろうが
それでも今から見れば人が少なかったのだ。
「日本のインターネットで最も人の多く勢いの速い板で全ての安価絵師を網羅する」ことでさえ十分に可能なくらい、インターネットは人が少ない空間であった。
人が少なければ当然平均的な画力も下がるわけであるから、というかそもそも絵を描ける人間がほとんどいないのであるから、少し上手いだけでも「人気絵師」になれることや、上手くなくても「独特の柄」と評価される事は2019年のクリスマスイブを生きる貴方にも想像に難くないだろう。
 
また何より、「社会から爪弾きにされて引きこもってパソコンで一日中インターネットを見ている人間達にとっての貴重な全力のお祭り騒ぎ」としても安価絵スレは機能していた。当時を生きた人間には非常に意義のある文化だったのである。
 

安価で架空のキャラクター作ってゆとり釣ろうぜwwwwwwwwwwww

ちょっと体力が尽きてきたので少し省き気味になるが、東方等の架空の新作の架空のキャラクターの架空の設定を勝手に安価で決めてそれっぽくガセ情報を流しゆとり?(現在の「キッズ」にあたる語)を釣るスレッドはよくあった。
たまに神絵師が降臨して該当作品の絵柄を真似ながら立ち絵を投下したりゲーム系雑誌のように編集して本物のように思わせたりなんでそんな馬鹿な事に全力で人生を……?と思うがそれが当時のインターネットにいる人間全員だったのである。
 
そしてこの文化から「安価」が離脱した結果ワザップジョルノが発生するわけで歴史は繰り返すのである……。
 

誰とは言わないけどオタクくんさぁ……

某有名Vtuberのバーチャル彼氏がtwitter上の安価で作られたり某有名ナースVtuberが安価云々言ったりして、「もう10年代も終わるんだが???」「インターネットマンがよ……」という気分になる。
だけどあの頃のインターネットは生きているのだ。私達のの中で、永遠に。