工房

Last-modified: 2023-10-18 (水) 01:32:20

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塔のすべての科学の根源であり、塔で使用されるアイテムを生産している団体。
ザハード達が塔に入る前から塔で活動しており、
塔で使われるほとんどの技術は、工房の父メクセスが作り上げたと言われている。
メクセスの言葉によると工房は塔の外にも存在しているとし、おそらくメクセスも塔外の人ではないかと思われる。
塔の公用語「メクセス語」の名前も工房の長であるメクセスからきている。
巨大な浮遊船を所有しており、工房戦など華やかな行事を開催する一方、生体実験や塔の暗い案件に関わっている。
工房の技術力を塔に広く広げたのは塔の王ザハードであり、偉大な十家門の中ではトゥ・ペリー家、ポー・ビター家と密接な関係を結んでいる。
過去にはロー・ポー・ビア家門とも密接な関係を結んでいたとされる。

概要

各フロアの中間区域に支店があり、さまざまなアイテムを扱っている。
工房には十分に価値がある人々にだけアイテムを提供するというルールがあり、
多くの階を登った選別者は、まだ低層にいる選別者よりもアイテムを受け取れる可能性が高くなる。
同じことがランカーにも当てはまり、塔ランキングが高いほど良いアイテムを得られるチャンスが増えるのである。
「価値のある者にアイテムを与える」ルールには、ザハードと十家門も対象となっており、
ザハードと十家門は、そのルールを尊重している。
工房の知識を部外者に与えることは許されず、これは工房の絶対ルールである。
工房を離れる者は、決まりとして工房の知識を「封印」される。

階級

工房所属者は5つの階級に分類される。

偉大なる父

工房の最上級ランク。工房の創設者であるメクセス(Macseth)を指す。

ザハード王国の三君主の一人であり、メクセスのつくった人工生命体フラックスを指す。
メクセスの四人の弟子と同等かそれよりわずかに上の立場であるといえる。

偉大なる師

「メクセスの子」と呼ばれるマックス、マイ、マッド、メイの4人を指す。
全員がメクセスの作り上げた人工生命体である。
4人ともハイランカーに匹敵する戦闘能力を持っていると言われているが、管理局との関係があり塔ランキングには反映されない。
4人はそれぞれ異なる性格と知識を持っており、そのうちの1人は「偉大な師」の称号とは裏腹に非常にいたずら好きなそうだ。

マスター(師匠、先生)

一目瞭然の肩書だが、塔内での影響力は非常に強い。

弟子

工房の師匠によって選ばれ、一定期間のトレーニングの後に正式決まる。
弟子グループ内での地位が上がるにつれて、ランカーが享受するものに匹敵する利益を享受できる。
特別に、弟子が選別者に選ばれる場合もあるが、そのときは工房から追放され、知識を「封印」される事になる。
その唯一の例外は、三君主になったフラックスである。
一方で、ランカーが弟子になったケースもあり、その場合、塔ランキングからは追放されないので、
最初からランカーだったのなら、ランカーと弟子の両方になることができる。

影響度

工房は、ザハード王国によって干渉されない独立した組織である。
この種の存在は、塔のパワーバランスを脅かすと思われがちだが、工房が塔の権力闘争と政治に「まったく関心がない」ため放免されている。
しかし、科学と兵器工学への比類ない知識を持っているため、塔の権力闘争と政治介入に無関心であっても、クン・ハインド・ラックが述べたように、ザハード王国への脅威となり得る組織といえる。

目的

工房の目的は、世界の創造であり、万物の理を把握し、それを再現しようというもの。
メクセスの子と呼ばれる「MAX」、「MAI」、「MAD」、「MAY」など計4人の弟子は、現在工房の師を務めている。
これらは人間ではなく、メクセスが作り出した人工生命体であり、4人ともそれぞれ異なる知識と性格を持っている。
ランカー管理局では、工房との関係上、これらをランキングに含めていないが、概して弟子4人はS級ランカー以上の戦闘力と影響力を持っていると判断しているという。
工房の弟子になるには、管理人が選別者を選ぶように工房の師匠が直接、弟子を選別する。
これらは一定期間の修練を経た後に工房の弟子となり、等級が上がるほどランカーに匹敵する恩恵を受けることになる。
もし工房の弟子でありながら選別者になると、工房の弟子リストから除名される。
逆にランカーが工房の弟子になったケースもあるが、ランカーの場合は選別者とは全く逆に工房の弟子になってもランキングで除名されたりはならない。

活動区域

塔の各階に支店があるが、本店は7箇所のみ。(30階と、他6箇所は不明)
30階本店では5年に一度、E級選別者達によるアイテム争奪戦、通称「工房戦」が開催される。
(第二部115話ファリョンの会話より)
それ以外のフロアでも工房戦は開催されているが、30Fを除けば後は高層階での開催である。
普段は技術力とセキュリティが物凄く、クン・ハツリング程度のランカーでは工房をハッキングできないが、
ハツリングはスパイをアルキメデスに潜伏させていたおかげで手軽にハッキングできたという。

製作アイテム

ポケットや各種インベントリから灯台、オブザーバー、各種武器、浮遊船まで何でも製造する。
なお、地獄列車も工房製。
工房はガーディアンをはじめ、強力な人工生命体を作る技術をもつ。塔のどこかには工房製の人工大陸もあると言われている。

ニードル

塔で最も一般的な武器。敵を刺し貫く武器。
細身のため濃い神之水の中でもその摩擦を受けにくい。(反対に剣が好まれないのは摩擦が大きいため)
鋭く尖った先端で敵を刺したり裂いたりする。釣り師がリールを着けて使用する事もある。
塔2Fの試験会場で釣り師に配られたのも赤いニードルであった。ニードルの形をとった始動武器も多い。

フック

ニードルほどではないが、よく使われる武器。ニードルの先を曲げた釣り針の形をしている。
主に釣り師がリールを着けて使う。フックの始動武器もある。

文字通りの剣。一般的なファンタジー世界で最も扱われる武器だが、神の塔では上を登るほど使われなくなる武器。
武器の特性上、摩擦面積が大きい関係で神之水の抵抗を多く受け、振り回すにはかなりの制約がかかるからである。(ただしアリエ家を除く)
作中で剣を使うキャラクターはいても、主にそれは短剣であり長剣を使用する人は多くない。
作中で出てきたのは、クンの使う短剣、ハツの誰よりも高く飛ぶ剣、誰よりも低く飛ぶ剣。新たにハツが手に入れた東海。ハツの鉄パイプ、ヴィセンテの銀剣、工房戦でFUGのランカーが使う剣。
13月シリーズの光の6月と赤い10月が剣と呼ばれる形状をしている。

オブザーバー

捜索者が使用する偵察用アイテム。
主に前線の情報を後方の灯台に伝達する役割を持つ。形状・機能は多種多様。
ザハード王国建国以前の時代には、捜索者は単独で千人力である必要があったため、古代のオブザーバーには強力な戦闘用機能が搭載されている事もある。

通常は先端が尖った、あるいは先に刃が着いた長い武器。
持って振り回す物と投擲用の物に分けられる。主に槍使いが使用する。
投擲用のものには通常の槍の形をしていないものもある。

アームズインベントリ

武器等を収めておくホルダーのようなもの。持ち主の周囲に浮き、可視/不可視の切替可。
デザインは千差万別。捜索者や釣り師、槍使い等武器で敵を攻撃するポジションが主に使う。
釣り師が使うリールのついた武器を収納するものは特にリールインベントリと呼ぶ。

アーマーインベントリ

持ち主が装着あるいはその周囲に浮遊し、攻撃から身を守るもの。
不可視モードで使うものが多い。基本的に非常に高価で、選別者が手に入れることは少ない。

ポケット

全ての選別者がヘドンに選ばれた際、最初に渡される黒い球体。
持ち主の周囲に浮遊し、可視/不可視モード切替可。ランクごとに持てるポケットが違う。
ポケットは管理人と契約を結ぶ際にも使われる。

  • 主な機能
    • 通訳:塔の全ての言語をメクセス語に翻訳する。ポケットの等級に応じて翻訳できる言語の範囲は異なるという。
    • タイマー:2階の試験場で、クンがタイマー機能を使用して、試験が始まってどのように時間経過が起きるかを見た。
    • 接触:管理人と接触する機能。E級のポケットは40階までの管理人までとの契約が可能である。それ以上の管理人との契約には、より高いランクのポケットがなければならない。
    • メッセージ送受信
    • 通話機能
    • 位置追跡機能:第二部で蓮梨花がビオレに使った。お互い承認した相手のポケットにのみ追跡ができる。
    • 収納:(カツラ等)
    • テキスト保存:(日記等)
    • 電子通帳:ここにお金を保存しておくことができ、口座振替や支払いも可能である。

灯台

灯台守の必須アイテム。
神之水の変化を感知し戦闘時は敵の位置を把握し、これを仲間に伝達するコンピュータのような役割を持つ。
また、相手の攻撃を防ぐシールドを張ることができ、チームの防御も助ける。

灯台は鋳造の難しさのために非常に少量の浮遊石を含むとされている。
だから、常に灯台守は、自分の神之水操作範囲内で灯台を操作する必要があり、
距離が遠のけば、場所を固定しておくしかないという。
逆に灯台を複数展開して操作範囲内の神之水を操作し、目標を制圧する技術もある。
しかし、耐久度が弱く、攻撃を受けて壊れる状況も作中で発生している。
コンピュータのような情報検索が可能であり、灯台にモノを乗せたり、大型灯台は最初から人が乗ることができる。
「ボックス」と呼ばれる灯台守の情報交換コミュニティもある。

戦闘時においては、灯台守を狙って、敵の視野と補助力を無力化させることが一般的な戦術である。
灯台は、おおむねキューブ(立方体)の形状をしているが、真田ユラのキャリー型のような独特の形状の灯台もごく少数存在する。

灯台の能力

  • 照明:暗いところを明るく照らす。
  • 監視:小型灯台を展開して、一定の範囲を監視し、検出することができる。単に視野だけ広げるのではなく、アーマーインベントリのように、肉眼では見ることができない透明化された武器でさえ、灯台を通してみると、うっすらと観察することができるようになる。参考までに、小型灯台を浮かせ、他の人が話していることを盗み聞きするシーンもある。
  • 情報収集:現実のコンピュータのように情報を検索することができる。作中ではクンがアナクの正体を検索するシーンがある。情報検索だけでなく、ゲームやその他の目的で、コンピュータそのものとしても使用可能なようだ。
  • インベントリ:灯台の中に物を収納することができる。ただし体積や重量に制約があり、当然ながら多くのものが灯台の中に含まれている操作が非常に難しくなる。空の袋よりも物がいっぱい入った袋を動かす難しいのと同じ。
  • 飛行:灯台そのものに乗って飛んでも行うことができます。ただし床から一定距離以上を飛行するのは難しい模様。
  • 神之水の操作:灯台を展開して灯台の領域内の神之水の流れを制御するスキル。敵の動きを束縛するときに主に使用され、神之水を武器に付与し強化する目的でも使用できる。また、他のチームメンバーの神之水の操作を補助したりもする。
  • シールド:灯台を複数展開して広い面積のシールドを形成する。単に防御をする用途に加えて、敵を捕縛する用途にも使用可能なようだ。
  • テレポート:灯台が展開されている領域にテレポートする。ただし、ランダムにどこにでも可能なわけではなく、少なくとも自分の灯台が一つ以上はある場所のみにテレポートが可能。
  • エンナーコア:特別に改造された灯台を操作する技術。灯台の演算面を分散させて、9つの灯台分の演算を一つの灯台で可能にする技術である。一つの灯台で9個分の灯台の仕事をするようにするのに十分演算能力を大幅に増幅させることができる。
    原理としては単純だが、演算を増幅させると灯台に過負荷がかかるので、基本的には、高い灯台技術が必要。作中ではクンは、この技術を使用するためエヴァンより工房で作られた「A級エンナーコア改造キット」を使い、これを解決させた。エヴァン曰く、違法手段。
  • ミステリーサークル
    高まった演算能力に基づいて全方位にテレポートを広げ一定領域を閉鎖して、相手を閉じ込める技術。閉鎖壁には、相手の攻撃を反射させるテレポートが常時展開される。つまり、物理的に壊そうとすると、かえって反射され自分の攻撃にダメージを受ける。
  • ミステリーサークルレッドクリスタル

オペラ

神之塔に存在するなかで最強の灯台。
灯台を連動させ、所有者が神之水を操作する領域を無限大に広げる、まさに灯台守の夢のアイテム。
アーマーインベントリを凌駕するほどの無茶苦茶な防御を搭載したのも特徴。備わった攻撃力も抜群だという。

しかし、あまりに純度の高い種希少材料を使用する必要があり、現在するのは3台だけ。
むしろそれ以降は作成されていない可能性が大きい。
「俺を0.1秒でも止めたきゃ、オペラ程度は持って来い」と、ウレク・マジノが言ったように、オペラを使用すれば最上位ハイランカーにも脅威を与えることができるようだ。

オペラ所有者

  • トゥ・ペリー・トゥーペリー:十家主の一人。オペラの制作者だが、肝心の本人はオペラを使用せず、自分の異名と同じ名前を持つ「神の目」を使用している。
  • フラックス :メクセスが作り上げた人工生命体。ザハード王国を統治する三君主のうちの一人。
  • レフェリスタ・ザハード :ザハードの姫。部屋にこもってオペラを介して世界を観察するのが趣味。本人はこれをゲーム機(...)にしている。

浮遊船

有名な船にアルキメデスがあり、工房の5つの偉大な浮き船の1つです。
巨大なサイズにもかかわらず、美しいボディを持つことで有名。巨大な船は現在30階にあり、工房戦の会場となりました。

エミリー

専用端末を通じて利用できる人工AIチャットプログラム。
質問すると大抵の情報は教えてくれる。
エミリーで100年以上前に死んだと思われていた人の消息をつかんだという話もあるほど。
塔の選別者たちは気軽にアプリを入れているが、実はFUGと工房が共同開発している。

始動武器

始動が可能な武器。ハイランカーが戦闘時に使用する武器のほとんどが始動武器である。
第一部、第二部の低層では、それほど始動武器を使う人がおらず、作中に登場する始動武器は、いまだ数えるしかない。
代表的な例としては、13月シリーズ、チョナのナルマダ、ハツの東海などがある。

生ける始動武器

工房のメドックスをはじめとする科学者たちがFUGの協力のもとに作った特殊な始動武器。
特定の物体ではなく、生きている人間を始動武器にするというのがこの研究の核心である。
当然、人体実験が行われ、塔の陰で万を超える人々が工房のモルモットとして犠牲になった。
ただし成果がないこともなく、虎助とベニアミノ・カサノなど、ある程度の成功実験体が出てきた。
その残酷な実験の結果としてFUGが意図した完成体も完成したのである。
ただし、工房の科学者やFUGの強硬派は、その結果に満足せず、始動武器と化した人間を再融解して始動武器にするなど、さらに発展した実験を進めた。

沸騰した酸

工房だけが知っている素材から作られた不思議な物質。
選別者の体を完全に溶かすことができ、FUGはこれを繰り返し使用してジュ・ビオレ・グレイスをエンリュウのとげに溶かそうとした。

地獄列車

もともとはザハードと十家主を訓練する目的で、作成された列車。

工房戦

30階で5年に一度開催される、E級選別者達によるアイテム争奪戦。
開催日の数日前に、30階内塔に入る資格のある(29階の試験に合格している)選別者達にチーム単位で招待状が送られる。
(通常は、チームの灯台守の灯台に招待状が届く事になっている)(第二部115話、135話の描写より)

選別者達は工房が所有する巨大浮遊船(アルキメデス等が有名)に招待される。
アルキメデスは工房の5大浮遊船の1つ(内1つはほぼ伝説)で、浮遊船マニアの夢。

試合形式が毎回同じかは不明だが、優勝賞品の他に、試合中に一定の条件を満たしたり、試合で得たポイントで購入したりすることで、珍しいアイテムを得られる(例:クンの白天京、バラガブのブラッドタマラ、エンドロシのボンボン、ラークのメッドショッカー、真田ユラのキャリー型灯台)

余談

  • TUSの人造の王が関わっているという推測がある。塔に見える建築物を人造の王が管理しているためだろうか。
  • ザハードと偉大な10家主が塔を登るのを援助したという。そのうちの一つが炊飯器というアイテムだという。その行為はレボリューションであり、地獄列車とガーディアンも偉大な十家主を訓練させるために作ったものだという。