MetroLiner

Last-modified: 2023-07-22 (土) 12:38:54

ゲーム内のスペック

開発国年代駆動方式パワー最高速度定員寿命排気ガス牽引力
アメリカ1969*1~現役電気3,200kW193km/h78人40年62360kN
36,710重量kg

ゲーム内説明

  • Metrolinerは、ワシントンDCとニューヨークを結ぶ特急列車で、追加料金がかかります。電気的に完結した車両を使用していました。

概要

  • アメリカシナリオで、1969年の登場以来、中・遠距離の旅客列車の代表的な存在となる列車がMetrolinerです。
    長さは101.3mで、1編成なら120m、2編成連結なら240m、3編成連結なら320mのホームで対応できます。
    既にAlco PA/PB牽引の高速旅客列車を走らせている場合、Metrolinerはほぼ上位互換の性能であるため、すぐに置き換えてよいでしょう。
  • 列車自体の加速力はあまりよくないため、近距離でそのスピードを生かすのは厳しいです。
    しかし、ゲームの仕様上、列車の編成最高速度が速いほど収入が大きくなりますので、近距離列車であっても使用する価値はあります。
    もちろん、維持費も大きくなりますので、収支のバランス確認はお忘れなく。

史実

  • アメリカを代表するメガロポリスであるボスウォッシュ*2の鉄道=北東回廊を含む地域鉄道は、第二次大戦後は急速に発達した道路網を背景としたバス・トラックによる陸路、セントローレンス海路の開通による海路、そして信頼性を向上させた旅客機による空路の3方向からの圧迫を受け、衰退期に入っていました。
    この地域で貨客の鉄道事業を展開していたペンシルバニア鉄道は、その打開策の一環として、高速の専用列車によるワシントンD.C~ニューヨーク間の高速運行を目指しました。そのためにPioneer Zephyrなどで知られるバット社で開発・製造されたのがメトロライナーです。
  • ペンシルバニア鉄道自体は、メトロライナーの運行開始より前の1968年に、同地域のライバル会社であったニューヨーク・セントラル鉄道と合併してペン・セントラル鉄道となりました。しかし、両社はともに元々赤字で、合併による改善効果はごくわずかにとどまり、結局メトロライナーの運行開始直後の1970年に経営破綻しました。
    アメリカ国内の旅客鉄道会社は、この時代はどこも経営が厳しく、他にも連鎖的に破綻が起きてもおかしくない状態になっていました。そのため、アメリカ政府は1971年に政府出資の鉄道運営会社アムトラックを設立して、ペン・セントラル鉄道だけでなく合衆国全体の鉄道会社の旅客輸送事業を継承させることで旅客鉄道の維持を図りました。これに伴い、メトロライナーはアムトラックの列車として運行されることになりました。
  • メトロライナーは箱形の先頭形状*3にもかかわらず設計最高速度257km/hとされており、実際に速度試験では253km/hを記録しています。
    運行開始当初は営業最高速度120mph=193km/hで運行されており、ボルチモア-ウィルミントン間の区間平均速度150.1km/hは東海道新幹線の0系ひかりに次ぐ世界第2位の記録でした。
    しかし、高速運転による主電動機の故障が相次いだため、1969年内に最高速度は10mph引き下げられ、1971年までに更に10mph引き下げられました。
  • 故障多発への対策として、アムトラックはメトロライナーを機関車牽引の客車列車に変更するか、信頼性向上のため車両をオーバーホールして使い続けるか検討していましたが、アムトラック所有車両の中では唯一の最新鋭車両であったことから、1977年にはオーバーホール案を採用しました。
    1979年までに37両がオーバーホールされましたが、その間にも故障が多発したことから、結局1978年には電気機関車牽引の客車列車もメトロライナーとして使用することになりました。同様の運用となる列車には「メトロライナーサービス」という種別名がつけられ、メトロライナーはこのサービスを構成する列車群の一つとなりました。
    そして、オーバーホール自体も途中で打ち切られることになってしまい、電車列車としてのメトロライナーは1981年10月の最終運行をもって引退しました。
  • オーバーホール済みの車両は、メトロライナーサービスを引退した後はフィラデルフィア~ハリスバーグ間のキーストーンサービスに転用されました。
    しかし、こちらでも故障が多発して電気機関車牽引の客車扱いとなることが多くなり、1988年初頭には完全に電気機関車牽引に統一されました。
    結局、その後すぐに電力不足に伴いキーストーンサービスがディーゼル化されることになったため、キーストーンサービスからも引退することになりました。
  • メトロライナーは、引退後はそのまま廃棄されスクラップとなる予定でした。ところが、客車列車化したメトロライナーサービスでは機回しが運用上のネックになっており、この解決策としてメトロライナーが再び脚光を浴びることになります。
    機回し対策として、ヨーロッパではプッシュプル運転が広く採用されていました。アムトラックも同様の対策を検討しており、その際の制御客車としてメトロライナーの制御車を改造して使用することにしたのです。
    メトロライナーは、アムトラックの標準客車であるアムフリート客車のベースとなった列車であったため動力部以外の仕様はアムフリート客車に近く、改造は新規に製造するより大きくコストを抑えられるというメリットがありました。
    メトロライナーの制御車は31両ありましたが、このうち29両がプッシュプル運転用の制御客車に改造され、メトロライナーサービスで大いに活躍しました。車両の置換や老朽化等により漸減しつつあり、2021年の時点で残っている車両は少ないものの、2025年から行われる予定になっている第一世代アムフリート客車の置換までは使用されることになっています。
    なお、制御車の残りの2両のうち1両は線路計測車に改造されており、何の改造も受けなかった最後の1両はペンシルベニア鉄道博物館に保存されています。

備考

  • ゲーム内では1969年以降いつでも購入できますが、史実に記載した通り、メトロライナーとしては1969年~1981年の13年間しか使用されませんでした。また、後述の通りメトロライナーサービスも2006年に消滅しています。
  • 編成としては、給電の関係上2両で1対の形をとっていましたが、日本でよくみられるユニット方式*4ではなく、車両毎に完結していました。
    そのため、3対6両編成が基本となっていましたが、組み合わせは比較的自由に変更することができました。
    ゲーム内のような2対4両編成は、信頼性の失われた後期によく見られた編成でした。
  • 客車列車化したメトロライナーサービスの電気機関車は、初期には元ペンシルバニア鉄道の電気機関車であるPRR-Class GG1が、最高速度引き上げ改造を行った上で投入されました。
    しかし、加速力不足のために(最高速度100mphまで鈍足化していたメトロライナーよりも)所要時間を延長せざるを得ず、抜本的な対策として高速運転可能な最新機関車EMD AEM-7を投入しました。
    客車はメトロライナーの車体をベースとして開発・製造されたアムフリート客車の第一世代であるアムフリートI客車の長距離客車向け改装タイプと、元々長距離客車向けに改装された第二世代のアムフリートII客車が使用されました。
    客車列車に変更されたことで最高速度は120mphに戻され、後に125mph=201km/hまで引き上げられています。また、メトロライナーの制御車を制御客車に改造して投入することによりプッシュプル運転が行われるようになり、運用上の制約も少なくなりました。
  • 2000年に運行開始したアセラ・エクスプレス?が、メトロライナーサービスの事実上の後継種別・列車となっています。
    アセラ・エクスプレスの登場初期に発生した各種問題点が解決した後、2006年10月27日に最終運行を行って、「メトロライナーサービス」は消滅しました。

コメント


*1 実はこの車両、本当は1969年から使える。一緒に繋がってる「Westrail Westfleet」が1971年登場の為、この車両も1971年から表示されるのだ。
*2 ボストン~ニューヨーク~フィラデルフィア~ワシントンD.C.。ボストンのBosとワシントンのWashを合成してBosWash
*3 性能試験車は完全な切妻型だったがさすがに難があったため、量産車では上下に若干の角度がつけられた
*4 片方に主制御器・主抵抗器、もう片方に各種補機、のように分散搭載する方式