日本 RankⅦ 戦闘機 艦上戦闘機 烈風一一型
概要
零戦の後継機として開発された単座の艦上戦闘機。しかし完成は遅れ、生産機は姿を現わさなかった原型は1944年5月12日に初飛行。機体は全金属製で、全体形は零戦を大型化したものとなっている。空冷星型18気筒エンジン1基を取付け、20mm機関砲2門と13mm機銃2挺を装備している。60kg爆弾やロケット弾を主翼下面に懸架する事ができる。開発途中でエンジンの選定にもたつき、試作機が飛んだ頃には、戦闘可能な空母は一隻もない状態だった。試作機8機が完成している。
機体情報(v1.15.1.29)
必要経費
| 必要研究値(RP) | *** |
|---|---|
| 機体購入費(SL) | *** |
報酬
| SL倍率 | 1.8 |
|---|---|
| RP倍率 | 1.8 |
機体性能
| 速度(km/h) | 630(km/h) |
|---|---|
| (高度5.660m時) | |
| 最高高度(m) | 11,000(m) |
| 適正高度(m) | 5,660(m) |
| 旋回時間(秒) | 19(秒) |
| 上昇速度(m/s) | 19(m/s) |
| 翼面荷重測定単位(kg/m²) | 137(kg/m) |
| パイロン数(枠) | 2(枠) |
| 毎秒射撃量(kg/s) | 3.3(.kg/s) |
| 搭乗員(人) | 1(人) |
フラップ
| 戦闘 | 離陸 | 着陸 | エアブレーキ |
|---|---|---|---|
| ◯ | ◯ | ◯ | ✕ |
武装
| 分類 | 名称 | 搭載数 | 装弾数 | 搭載箇所 |
|---|---|---|---|---|
| 機銃 | 13.2mm 三式機銃 | 2 | 600 | 主翼内 |
| 機関砲 | 20mm 九九式二号機関砲 | 2 | 400 | 主翼内 |
弾薬
| 武装名 | ベルト名 | 内訳 | 最大貫徹力(mm) | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10m | 100m | 500m | 1000m | 1500m | 2000m | |||
| 20mm 九九式二号機関砲 | 既定 | T/FI/FI/AP-I | ** | ** | ** | ** | ** | ** |
| 汎用 | HEF-T/HEF/HEF/AP-I | ** | ** | ** | ** | ** | ** | |
| 地上目標 | AP-I/AP-I/AP-I/AP-I/HEF/HEF-T | ** | ** | ** | ** | ** | ** | |
| 曳光弾 | HEF-T | ** | ** | ** | ** | ** | ** | |
| ステルス | HEF/HEF/HEF/AP-I/AP-I | ** | ** | ** | ** | ** | ** | |
| 武装名 | ベルト名 | 内訳 | 最大貫徹力(mm) | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10m | 100m | 500m | 1000m | 1500m | 2000m | |||
| 13.2mm 三式機銃 | 既定 | T/AP/AP/IAI | ** | ** | ** | ** | ** | ** |
| 汎用 | AP-I/API-T/IAI/IAI | ** | ** | ** | ** | ** | ** | |
| 地上目標 | AP-I/AP-I/API-T/IAI | ** | ** | ** | ** | ** | ** | |
| ステルス | AP-I/AP-I/IAI | ** | ** | ** | ** | ** | ** | |
追加武装
爆弾
| 名称 | 重量 (kg) | 爆薬量 (kg) | 最大貫通力 (mm) | 装甲車両 破壊距離(m) | 非装甲車両 破壊距離(m) |
|---|---|---|---|---|---|
| 九七式六番陸用爆弾 | 60 | 25.3 | 65 | 2 | 70 |
ロケット
| 名称 | 弾頭重量 (kg) | 爆薬量 (kg) | 最高速度 (km/h) | 射程 (km) | 貫徹力(mm) | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10m | 100m | 500m | 1000m | 1500m | 2000m | |||||
| 三式一番九号爆弾 | 10 | 0.768 | 1440 | - | 11 | |||||
| 名称 | 弾頭重量 (kg) | 爆薬量 (kg) | 最高速度 (km/h) | 射程 (km) | 貫徹力(mm) | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10m | 100m | 500m | 1000m | 1500m | 2000m | |||||
| 五色一番九号爆弾 | 13 | 0.944 | 828 | - | 25 | |||||
| 名称 | 弾頭重量 (kg) | 爆薬量 (kg) | 最高速度 (km/h) | 射程 (km) | 貫徹力(mm) | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10m | 100m | 500m | 1000m | 1500m | 2000m | |||||
| 三式六番二七号爆弾一型 | 65.8 | 3.2 | 972 | - | 36 | |||||
| 名称 | 弾頭重量 (kg) | 爆薬量 (kg) | 最高速度 (km/h) | 射程 (km) | 貫徹力(mm) | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10m | 100m | 500m | 1000m | 1500m | 2000m | |||||
| 五色六番九号爆弾 | 84 | 65 | 828 | - | 62 | |||||
迷彩
| 既定 | |
|---|---|
![]() | |
| 条件 | - |
| 説明 | 標準カモフラージュ |
研究ツリー
| 前機体 | A6M3 mod. 22Ko |
|---|---|
| A6M5 | |
| 派生元機体 | A7M1 (NK9H) |
| 次機体 | Ki-84 ko |
解説
零戦の後継として開発された機体。発動機への対処に追われ、正式採用されやっと量産されようとしたときに終戦となった。
特徴
日本機の特徴である格闘能力は相変わらず健在だが、機体が艦攻並みに巨大なせいでエネルギー切れや被弾を起こしやすい。そのため、零戦のように無茶な格闘はできないことを心の中に留めておいて欲しい。火力は20ミリと13ミリがそれぞれ2門ずつあり、零戦よりも撃墜は取りやすくなった。上昇もそれなりに良い。
立ち回り
格闘戦には優れているがエネルギー切れを起こしやすい特徴を踏まえて、敵機よりも高度を取ることを心がけよう。烈風は速度が乗っていれば格闘を充分にこなせるので、上空から敵機に襲い掛かって格闘で仕留めていく運用が適しているだろう。機体サイズのせいで被弾しやすいので乱戦に突入するには相当の自信と技量が必要となる。1on1の状況に持ち込むことが重要だ。
本機の13.2mm三式機銃と20mm九九式二号機関砲は弾道が合わない。そのため、オプション→操作方法→画面ボタンエディターから、主武装の構成を構成2に設定すると撃ち分けられる。そのため、13mm機銃の曳光弾に惑わされず、強力な20mm機関砲が格段に当てやすくなる上に、13mm機銃の無駄撃ち防止にもなる。設定しておこう。
史実
烈風は大戦末期に日本海軍が採用した、戦闘に参加することなく終わった最後の戦闘機である。
略符号はA7M、米軍コードはSAM。
烈風は三菱航空機が零戦の後継機として開発を進めていた十七試艦戦の採用した時に名づけらてた機体である。
十七試艦戦は、遡ること1940年、海軍によって零戦の後継機を作ることを三菱に内示されていたが、当時三菱は零戦の改修、雷電の開発で手一杯になっており後回しにされていた。
結局、零戦の改修や雷電開発で一息ついた1942年7月に、海軍はやっと堀越氏以下設計陣に具体的性能要求を示したのであった。
ちなみに性能要求の内容は、簡単に言うとF6F並の速度でありなおかつ零戦並の空戦能力、向かい風12m時における離着陸距離が80m以内、着艦速度が124km/hというムチャブリであった。
性能要求時、軍令部は速度を第一に求めたが横空隊長など現場部隊は空戦第一に求めるなど反対が起き、結局空戦第一に要求されるようになった。無論、ただ日本がやみくもに空戦性能のみを求めたわけではなく、空戦性能についても艦載機として空戦性能が要求されるのはごく当たり前のことだった。性能が高いF4UよりF6Fの方が現場で好評だったのも、やはり海上で運用される艦載機はドッグファイトが起こる可能性が高いので、アメリカでもグラマン社は翼面荷重を200kg/m²以内に抑えるように努力している。また、それ以外でも地中海に進出したアメリカ海軍のF4Fやイギリスのスピットがドイツ空軍との戦闘で格闘戦を多用したように空戦において格闘戦はある程度必要なモノと考えられていた。
また、烈風が低翼面なのは離着艦時の安定性、離着陸距離が重要視されたのもあったためである。海軍機では空母という短い滑走路での離着艦が非常に多く、翼面荷重が小さいということは戦闘以前に重要であった。反面、離着艦がしにくい高翼面機は嫌われる傾向にあった。高翼面荷重の機体なら、艦上で運用する際に距離の短い空母甲板上では飛べない可能性がある。
烈風開発の際に苦労したのは上記の翼面荷重の設定と発動器の選定であり、性能要求を達成するために2000馬力のエンジンが必要と考えられていたが、当時日本には実用化された2000馬力クラスのエンジンは無く、結局当時試験中だったNK9K(誉二二型)を使うことにした。
誉を搭載した機体がA7M1であったが、この発動機には一つ大きな問題があった。というのも、前述の通りこの発動機は試験中であり、熟成が不十分であった上に戦争後期の工作技術の低下や資材の不足も相まってカタログ通りの性能を発揮出来なかったのだ*1。その結果、機体重量が零戦の2倍ということもあり試験飛行では速度は零戦二一型にすら劣る521km/h、上昇力も高度6000Mまで10分*2と目標値を大幅に下回る数値を記録してしまった。その後、海軍側から指摘された機体の表面処理のし直しや支柱の形状の変更などを経て速度は571km/hと零戦五二型並にまで向上したが依然として目標値には至らず上昇力に至っては全く改善されなかったため、とうとうA7M1は不採用となってしまった。
A7M1の不採用のあと、三菱は独自でA7M2の開発を進めていた。誉エンジンをやっとの思いで開発したMK9(ハ43)エンジンに乗せ換えた機体がこのゲームに登場するA7M2である。
離昇出力2200馬力のエンジンを搭載した烈風は1944年に試験飛行をしており、海軍の要求をほぼ満たす性能を発揮し、特に空戦実験では速度、上昇、旋回を含む空戦能力は抜群、空戦フラップを展開すれば零戦に対して圧倒できたため、海軍を大いに喜ばせた。その中で審査官である小福田少佐は「零戦の再来」と絶賛している。
ただし、30平方メートルという巨大な主翼、揚力を重視した翼端の形状ゆえにロール性能は今一つで、高速域での安定性はあまり高くないと現在では言われている。
しかし、低翼面荷重が生み出すメリットである上昇、旋回、離着陸距離の短さ、低速時の安定性、操縦が容易、失速速度が低いという点は、洋上を飛ぶ艦載機には必須であることも留意が必要だ。空戦能力の評価については、低翼面ゆえの縦、横の旋回性、上昇能力、2200馬力エンジンゆえの良好な加速、そこそこ速い速度で空戦機動についてはそれなりにあったと思われる。ちなみに急降下制限速度の場合、A7M1の場合は770km/h(※零戦と同じく風洞実験による値)とF6F、F4U、F8Fと比較してもそこまで差はなく、急降下で苦しんだ零戦の欠点が改善されている。ただし、A7M2の場合主翼強度がさらに上がっている為、これ以上の可能性も十分なる。また、ヨーロッパでのイギリス、ドイツとの空戦を見ても当時はやはり格闘戦が重要視された部分もあった。(とはいっても、日本みたいにそこまでこだわってるわけではないが。)
翼面荷重/馬力荷重は烈風は143/2.8、F8Fは190/2.0と、実は数値上では加速性能でF8Fにやや劣っている。(紫電改は170/2.2、疾風は180/2.0、F6Fは167/2.6 ※『世界の傑作機No.124 強風、紫電、紫電改』71頁より引用。)反面、空戦能力はF8Fと比べて引けを取らず、揚力が大きく旋回が得意、ということである。
また、高速時の機動性については零戦が戦闘速度域が400km/h程度だったのに対し、本機はある程度高速化を考慮しており、バランスタブ、トリムタブを装備(零戦では21型に生産途中から高速域での操舵改善の為にバランスタブが装着されていたが、事故により危険とみなされてそれ以降は採用していなかった)、エルロンが金属製(こちらは現在では亜音速で無い限り必須では無かったと言われている)主翼強度の強化など、零戦と比べて高速時の操舵性、旋回性も考えた設計になっている。つまり、零戦よりは高速運動能力はかなりマシになっただろう、と言われている。
他に設計での特徴では、親子式空戦フラップである。烈風はこれを装備していたため、空戦性能は非常に高かった。更に量産型では空技廠製空盒式自動空戦フラップの搭載を予定していたためさらなる空戦性能の向上も見込まれていた。
しかし、度重なる空襲により三菱の工場は壊滅し、大量生産は絶望的になり1945年6月には艦上戦闘機から迎撃用途の局地戦闘機へ変更、そして8月には日本は降伏し敗戦を迎えるなど、一度も実戦に参加することなく終わった。
小ネタ
これまで長い間、B-29に対抗する目的で改良された「烈風改」の設計図は破棄されたと思われていた。ところが、2013年に群馬県藤岡市で堀越氏が書いた烈風改の設計図が奇跡的に発見された。これは遡ること8年前、堀越氏の親類にあたるとある航空設計師が藤岡市に寄贈したものであった。
零戦の再来と言われ、大きな期待が寄せられた烈風だが、流星(改)を制作していた愛知航空機永徳工場や、三菱重工の水島工場すら、紫電改のライセンス生産に割り当て、烈風はゼロ戦の三菱分の年間生産枠の数百機スライドさせる形で割り当てていたため、当時の海軍は紫電改を推していたと言われる。というよりかは、当時の川西航空機は海軍きっての天下り先だったからというのが大きいとは思うが…
実際に関係者がどう思っていたかは不明だが、扱いだけを見ても両者には大きな開きがある。紫電改は昭和19年11月に空母信濃にて艦上機運用できるよう改装された機体(試製紫電改二)が流星・天山と共に発着艦実験を行っている。当時信濃は風速は不明ながら、速度20ノットで航行していた。
反面、烈風は艦上機として運用されたことは一度もなく、それどころか発着艦試験すらやっていないという有様だった。
紫電改のバリエーションには、エンジンをハ四三に乗せ換えた機体(試製紫電改五)も存在するため、烈風一一型の量産が始まっても、状況によってはそちらにハ四三を取られて量産できなかった可能性が高い。
試製紫電改二の結果を考えると、二倍以上の機体重量がある烈風は中型~軽空母に搭載するのは難しかったと考えられていたが、同じ翼面積で烈風より重いF6F-5は正規重量、水エタ未使用で母艦か25ノット、合成風速に直すと約12m/sで発艦距離は74m。烈風より翼面積が小さく、機体重量が同じくらいのF8Fが88mということを考えると、烈風も中型空母でも発着艦では問題無いと思われる。ただし、その機体規模からくる後方乱流を考慮して連続発艦には制限が掛かると思われる。
さらに機体が巨大なので、大鳳型以降ならともかく赤城・加賀や、翔鶴型などはエレベーターや着艦装置を改修しないと運用できないとされた。(エレベーターが狭いと、運ぶのが不便な為)
審査担当官の小福田氏などからは高い評価を受けた烈風だが、A7M1・紫電改の両方のテストパイロットを担当した志賀氏の評価はあまりよろしくない。理由は色々あるが、その主なものは「格闘性能にこだわり、高高度性能と速度性能は重要視されていなかったこと」「被弾面が大きいにも関わらず、防弾の考慮が不十分であること」などが挙げられる。志賀氏曰く、「戦闘機とは機銃を運ぶためのものであって、同じ20mm機銃4挺を運ぶのに三座の艦攻並の大きさではいけない」とのこと。
ただ烈風の設計が始まったのは昭和17年で、零戦が全盛期の頃だったというのは勘案に入れなければなるまい。そうした背景から、そもそもの海軍の要求仕様が格闘重視だったというのは想像に難くない。と、なれば烈風が格闘を重視したのはもはや設計者の意図の外であり、宜なるかな、といったところだったろう。
また、烈風の名誉のために言えば、烈風の改良案にはエンジンを換装した高高度戦闘機型もあるため、高高度性がまったく考えられてなかったわけではない。防弾に関しても、A7M2以降は自動消火装置や自動防漏式防弾タンク、防弾ガラスの装備が検討されていた。そのためあくまで志賀氏の評価は試製のA7M1に対する評価であって、A7M2以降の烈風に対する評価としては、必ずしも適切なものではないのである。
過去コメントより引用。
日本海軍の爆弾の表示として○式=採用年(三式なら皇暦2603年=1943年)、○番=重さ(6番なら60kg、25番なら250kg)、○号=用途(2=対潜、5=徹甲、9=対艦ロケット、27=黄燐対空ロケット、28=対空ロケット)つまり1番28号というのは10kg対空ロケット爆弾。6番9号爆弾というのは60kg対艦ロケット爆弾。という意味。2020/06/26 (金) 01:01:07
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