12式SSMの射程延長とマルチドメイン戦

Last-modified: 2021-06-27 (日) 20:14:45

12式SSMの射程延長とマルチドメイン戦

 

※ 以下、複数の話題がクロスするレスについては、転載の際に一部を修正・省略しました ※
※ 特に重要と思われる点を太字で強調しました ※

 

出題編

 

ですがスレ避難所 その381
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/36360/1605189278/

 

725 名前:両棲装〇戦闘車太郎[sage] 投稿日:2020/11/23(月) 22:33:21 ID:VAkNg0Ic0
ASM-3ベースで射程距離は特に改修してないSSM-3カッコカリを護衛艦向けに欲しい。

 

764 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/11/24(火) 17:32:02 ID:IJjtPWnY0

>>725
先日のSSM-1の本当の射程談義じゃないけど、最低限仮想敵のSSM射程からすれば
露助のジルコンは無理としてもシナのコピーカリブルアウトレンジ出来ないと艦載SSMは務まらぬのでは?

 

793 名前:両棲装〇戦闘車太郎[sage] 投稿日:2020/11/24(火) 20:20:23 ID:Us4enpF20

>>764
自衛用SSMの射程なんて、OTH-ES探知した敵水上艦隊に刺さる射程さえ有れば最低限はOKだよ。
むしろ変に敵よりも長射程なSSMとか持たせると、
海自のイノシシ武者がイキって前に突っ込んで戦線崩壊やらかしかねん。

 

794 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/11/24(火) 20:30:53 ID:IJjtPWnY0

>>793
敵は中露とも今やOTH-ISR手段を地上や宇宙に整備してるから
これらを策源地攻撃類で先手で排除しない限りアウトレンジ出来なきゃ
その最低限の自衛すら成立しないで。

 

916 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/11/26(木) 01:45:27 ID:d0PW.N6s0

>>793
現状では、搭載スペースが限られる護衛艦単艦に搭載できるキャニスタ・ランチャ艦載SSMとしては、
より長射程化・対地攻撃力の付与と中間行程での目標情報更新/別目標への変更性能が付与されていき、
自衛用だけのSSMは本邦では廃れていくものとみている。

 

944 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/11/26(木) 17:26:42 ID:BvzWMiCA0

>>916

攻勢対地飽和攻撃

SSMで積極的に対地攻撃を行うということか?
しかし誘導管制はどうするんだ
17式もASM-3も対地攻撃は可能か不可能かで言えば可能だろうが、
レーダー・シーカーゆえに、ターゲッティングできる目標は限られるという原理的な問題があるぞ
また射撃後のミサイルに対しての、ミッション・アップデートやミサイル間データリンクなどといった機能も未実装だ
新型のミサイルを開発した上で、トマホーク武器システムめいたミッション・プラニング・システムを構築する必要があるのでは?

 

950 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/11/26(木) 17:46:52 ID:Wf43lPZE0

>>944
今後のSSMは対艦用途であろうとその程度の性能が要求されると書いてるだけだと思うが
ついでにミッションアップデートは既に実装済みでミサイル間データリンクも今後実装予定だが

 

960 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/11/26(木) 19:07:04 ID:CCK9Gshc0

>>944
一応そこいらの返答と配備時期あたりへの認識、あと政治レイヤーと周辺の流れを書いてる。
一言でいうと、ASM-3転用のSSM-3カッコカリの装備時期考えてくれればわかる希ガス

 

ASM-3無印・改型のSSM化(SSM-3カッコカリ)は、想定されるスケジュールでは仮に今すぐ着手しても、
最速で(無印転用で)2022以降~、改型では29年以降の試射・装備化と見る。
その上で他弾種の装備化・配備と並行する。

 

で、SSM-3カッコカリが主要される時期とサービスライフは2030~50年代だ。
無印転用した場合、17式の3~4倍近い調達価格だが、
ストップギャップとしての域を脱せない、極めて高価な短射程高速SSMとなる。
そして主要される時期のSSMのローンチシステム・誘導管制とミッションプランニングは17式、
ただの17式ではなく中期型(ECPによる機能拡張・陸向け12式改世代のバックフィット受けた改型)以降の
島嶼防衛用新対艦誘導弾向け世代だ。
搭載艦はFFMの中期型以降、ほぼ1.5~2世代先に近い。

 

よって簡易なキャニスタ・ランチャ運用の艦上発射SSMとしての位置付け的に
無印ASM-3のSSM転用化ではかなり軽く扱われることになる。
また、改型開発整備までの期間で、調達は多めに見積もって7年間強・180発程度程度と考える
このように用途と数量と運用期間が限定され過ぎる転用品にそこまでコスト掛けるかね?
VLS化は装備時期が伸びる上で他と食い合う
想定され得るASuW戦闘様相から見ても、他機能付与と射程延伸がないと採用の目が薄い。

 
 
 

ですがスレ避難所 その382
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/36360/1606380602/

 

599 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/07(月) 10:28:25 ID:MB4dvjXs0

ミサイル阻止に関する新方針 年内に具体策は困難との見方も
2020年12月6日 8時08分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201206/k10012748391000.html

>ミサイル阻止に関する新たな方針をめぐっては、自民党が相手領域内でも弾道ミサイルなどを阻止する能力の保有を含めて検討すべきだとする一方、
>公明党は、従来の政府の方針を変えることに慎重な立場で、両党の間で議論が進んでいないのが現状です。

公明党はチンカスだな

 

602 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/07(月) 16:35:32 ID:llqrokbg0

>>599
新領域防衛も選挙公約に入れてそれで公明党に国民の意思を問うた形にするかね。

 

603 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/07(月) 17:25:57 ID:MB4dvjXs0

>>602
時間的には、法制度を整えられる猶予は今が最後なんだよなぁ
2020年代後半にはミサイル阻止力に使えそうなF-35用の装備が続々開発完了する見込みだ
NGJ、AARGM-ER、MALD-Jあたりは導入したい
法律成立・予算執行してから、実際に装備導入・人材育成・教範作成・組織改編には10年かかると言われてるんで、
以上の装備が開発完了するまでにさっさと法制を整えてほしいところ

 

604 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/07(月) 17:38:41 ID:llqrokbg0

>>603
いや、本来ならアショア中止が無ければ策源地攻撃も中期防改定も踏み切ることはなかったわけで、
本来の路線からしたら今の状態自体がイレギュラーだった筈。
新規開発品の初期ロットなんて軍用に限らず人柱なのだからあえて人柱することもあるまい。

 

605 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/07(月) 17:51:01 ID:GpG.Hblo0

>>604
というか2030年代前半には高速滑空弾のブロックⅡや
スクラムジェット弾の実用化が予定されてるので海外のを急いで買う必要性薄れるのよね

 

606 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/07(月) 18:02:35 ID:MB4dvjXs0

>>605
そいつらは火力の投射手段にしか過ぎないぞ
掩蔽陣地に隠れてる敵をあぶり出して発見するための手段が必要だ
島嶼防衛ならJTAC資格を有する陸自の隊員を送り込めば済むが、
さすがに北朝鮮に送り込むのは自殺同然だ
だから空から敵のアセットを見つけ出すための手段を整備する必要があるぞ

 

607 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/07(月) 18:06:07 ID:llqrokbg0

>>606
とはいえ今回の策源地攻撃も報道通りなら
原則として固定目標相手でTEL等は相変わらず米軍に投げる気だしね。
移動目標攻撃は次の次で自前で装備したいというのが本音だろう。

 

693 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 05:35:35 ID:iUGARZfk0
https://i.imgur.com/R0BbPKb.jpg

 

12式地対艦を改良し
・一定のステルス性能
・大型化
・主翼の追加
・敵基地攻撃へ転用も可能
別もんじゃねーか!
なにこれプライムが川崎に変わって島嶼防衛用新対艦になるの?

 

696 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 07:14:37 ID:8GC53lUE0

>>693
SLAM-ER的な大型翼付与延伸型改修の方向と思われ。
以前ワイが聞いたのだと、派生するかもねって路線でぼちぼち出だすネタの
前スレ960で書いた

ただの17式ではなく中期型
(ECPによる機能拡張・陸向け12式改世代のバックフィット受けた改型)以降
島嶼防衛用新対艦誘導弾向け世代

の話だったんで、開発途中で早々に切り替えに入ること以外は、さほど驚きはないかな。

 

時期外したんで書いたまま投下しなかったんだけど新聞報道出て来たので、前スレの続きと合わせて
ここらに繋がる背景と、踏まえる必要がある前提ネタとセットで話した方がよさそう。
これが出るという事は連立与党内で大体落としどころ決まったという話で、
ワイ氏みたいなヲタより政治側がよほど先行してるってことなんで。

 

699 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 07:50:28 ID:8GC53lUE0

>>696
時期外したが、本邦国産SSMファミリー化の性質変化の背景にある周辺事情について
順を追って書かないとマズいので長くなる

 
 

①海自がSSMへの対地攻撃能力付与を積極的に行うのか
(東シナ海を横断+αな射程の地対艦SSMが陸自に採用されるまで)

 

2020年6月までなら付与しない推測も大きかった。
だがここに関しては、政府・自民党側のミサイル防衛・敵基地攻撃能力の方針として
2020年8月4日に「相手領域内での阻止能力」保有検討要求が出ている
点、
以降、対地・対艦巡航ミサイルの配備と既存誘導弾の転用を求める報道、
大射程化の観測が出てきている点を踏まえて欲しい。

 

この上でこれらが、日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)の
「自衛隊は日本を防衛するため、弾道ミサイル防衛作戦を主体的に実施する」
に掛けられているという点に注視するように
して欲しい

 

これは政治的に、日本は存立危機事態時に「BMDの一環としての、発射前ミサイル・施設の破壊」
つまり、敵基地攻撃や敵基地反撃を本邦のみで主体的に実施する選択肢を確保する意志を示した、という話である

「”SSM(護衛艦)・ASM(哨戒機)・スタンドオフ・ミサイル(陸上配備SSM含む)を
 相手領域内でのBM阻止を達成するための必要な攻勢的打撃力に加えよ”と、
 政治側からのオーダーが事実上出された」
と同義と見るべき重要ポイント
なんだ
イージス・アショアの撤回の陰でサッサと流されていたが、
ここは政治的には絶対に見逃してはいけないシグナルなんだ。

 

公明党の意見は、俺はある程度のところで取り下げられると見てる。
対米方面での地均しと、納期がコントロールできる国産弾装備への注力の材料として使われてからだろうぬ。

 

②そもそも護衛艦SSMを攻勢対艦打撃力に編入する時点でどうなのか

 

大前提は「政治側の第一要求である以上、許容せざるを得ない」
正直どうよと思うが、この常識的な話が今年度8月に入って
既に前提から覆されてしまった点をまずは踏まえて考えてほしい

 

726 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 15:16:46 ID:8GC53lUE0
では、本邦国産弾の性質変化とその背景の話ね
本邦の国産SSM/ASMファミリーのニッチを考える上での
前提として踏まえといたほうが良さげなネタ

 

まず大前提として
・楽観視した場合:最速で2025年~2030年代には対SSM用300~500kw級レーザーが限定配備
 更に楽観視した場合;上記のレーザー兵器の出力が1MW級

 

では考えて欲しいとこ列挙していきます

 

①「SM-2 block IIIC」
・米FFG(X)/コンステレーション級へのASuW機能の強化、水平線上の水上艦艇対処性能の付与要求
・これと連動・並行したへの90浬内への対艦戦能力追加要求
・中間行程でのターゲッティング変更(外部とのリンク)
・ASBM的な飛翔経路を取るSM-6とは違うタイプの機動性能の付与(おそらく海上50ft~16ftでの飛翔持続)
上記の要求は一体何のためですか?

 

なお「SM-2 block IIIC」は2020年代中頃に装備化される予定です
またSM-1のサポート終了に備えた非イージス艦向けの「SM-2 blockIIIAZ」も並行します
これらの弾の増産と量産ライン再構築は
主に日本・カナダ・オーストラリア・デンマーク・韓国の要請に基くもので、
うちカナダの「SM-2 block IIIC」採用・FMS輸入が決定しています

 

②短射程の「SM-2ACTIVE」/「SM-6 MR」開発着手と短・長射程版21インチ弾体化案は何のためですか?

 

③「SM-6 block1A」以降の中間行程誘導での目標更新、対地/対水上用GPS誘導機能の追加は何のためですか?

 

④GQM-163コヨーテ開発・飛行制御系ソフトウェア資産・コンポーネント製造がATKからレイセオンに移管されている意味は?

 

※③~④は今年11月6日、米陸軍のマルチドメイン戦向け中距離精密打撃火力として
 陸上発射型の対地・対艦用SM-6派生型が試採用、
 2023年納品とされたのとあわせて考えるべきものです

 

⑤トマホーク
旧式弾体のオーバーホールと新弾導入あわせで一部がblockVa化
シースキミング化・30kt台の動目標へ追随する終末誘導機能が付与される
対艦戦仕様化型へのリビルドが進められており、2021会計年度より配備予定

 

⑥Mk45 Mod 4
射距離41~63浬内での水上戦を想定し各種対艦戦用弾薬と超高速発射体(HVP)の開発が進められ、
2018年のRIMPAC時に試射を行ったのは何故ですか?
あわせてmod.4の弾倉・装弾系変更が提示されているのは何故ですか?

 

また、M109A6/7自走砲による対空・対地・対艦砲撃試験で用いられた弾薬と
上記が同系列、同型の減口径弾を用いる派生品である意味は?

 
 

⑦陸海空統合
本邦の防衛装備庁が進めるSSMの複数目標・異方向同時弾着を想定した
陸海空の航空機の介在も含めた中間行程誘導機能付与方針、
バックフィット方針は一体何のためですか?

 

わかりやすいとこピックアップして列挙してみたが
ここらが「どうしてそうなったか」根底にあるものを考えていけば、
上記の踏まえとくべき「考察時の大前提となるもの」がシンプルでいて面倒臭い話だとわかるよ

 
 

解答編

 

728 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 15:40:28 ID:.28ypKDk0

>>726
2030年頃がXデイなんですかねえ……?

 

730 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 16:00:02 ID:4x46A4sc0

>>728
理論上、中国海軍の戦力が最盛期を迎えるのが20~30年代ごろと言われてますしね。
5年ぐらい前に20年代は地対艦ミサイルの隆盛により沿岸砲台の時代に戻るんじゃないか
って指摘してた本の通りになってて怖いわ。

 

729 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 15:54:44 ID:28b3JFOE0

>>726
技術的には最速で30年代には一部西側艦艇がレーザーCIWS採用で鉄壁化するので、
仮想敵もそうであるならば、それを打ち破るには
陸海空あらゆるドメインの火器を動員した長射程同時弾着化が必須ということか?

 

734 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 16:50:28 ID:8GC53lUE0
これらは様々な経緯で開発されているが、
根底にあるものをザックリまとめてしまうと

 

>>729の

打ち破るには陸海空あらゆるドメインの火器を動員した長射程同時弾着化が必須

上記を実現するため必要とされる各ミサイルの必要所要量の見積りと射耗予測から、
・投射する誘導弾の数量確保
・誘導弾の射耗を抑制する投射手段の開発
・誘導弾の射耗を想定した投射手段の拡充

が求められた為であると言える。

 

そして「将来必要と想定される弾薬量と備蓄・確保に要するコスト」
これが「どうしてそうなったか」の根底にあるもので、
踏まえとくべき「考察時の大前提となるもの」だね。

 

手掛かりとして弾薬備蓄量の推測あたりから考えて欲しい。
本来なら専用の各弾種を揃えたい、だが上記のように大量の弾薬消耗が見込まれる、
それも特に高度な誘導弾が不足すると考えられている状況下では、

 

同一技術基盤に拠る弾種※ を可能な範囲内で統合・多用途化を進め、
調達コスト面で射程に配慮した派生型を整備する動機、
そして敵発射プラットフォーム対処(誘導弾での迎撃自体しない)への要請がより強まる
わけ。

 

※本邦では、アクティヴ・レーダーシーカー誘導管制系を共用したAAM/ASM・SSM/SAM

 

ここから、大量消耗に備えた対策として
・可能なものでは複合化による誘導弾の統合
・誘導弾迎撃手段の多重化・廉価化
・廉価な代替投射手段開発

が促進され、その上で特に制限があり優先度が高いもの・必要性が高いものとして
「艦艇VLSセルを埋める誘導弾の共通化と長射程化、統合・多用途化
から着手されるとこまではアタリが付くわな。

 

735 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 16:56:10 ID:8GC53lUE0
この辺りの対処の結果、
米では

 

●艦載中SAMのDual化と陸棲化への移転
IAMD(統合防空ミサイル防衛)環境下での交戦に向けたSAMの転用化の促進
※短~中射程の対地/対艦兵装(自衛用SSM代用品)
次いでEoRとF-35等の海・空軍機による外部からの中間誘導を前提とした上で
従来SSMの海面上機動、ハイダイヴ・シースキミング機能
および対レーダー・ミサイル機能付与の要請が生じている。

 

●水上砲戦の射程延伸と射弾の高速化
現在は外洋での動目標に対する砲戦に近い方向へと想定が変化。
※以前は沿海でのFAC対処を想定

 

●中、短射程SSM
中間行程でのGPS誘導/目標情報更新機能と飛翔モードの中途変更機能、
外部からのターゲッティング機能追加は不可避。

 

●長射程型SSM/巡航ミサイル
目標情報更新後の終末誘導時に低速動目標の捜索対処が指向される。

 

という状況となりつつある。

 

これらの点を踏まえ、2025年~30年代以降を見越した
西側的な追加搭載・再補給が容易なキャニスタ・ランチャSSMは

 

①弾頭重量を軽減し、キャニスタ込みで小型軽量化、必要な射程と数量を満たす(例:NSM・JSM)
②高速化と弾頭重量を維持する代わり射程を忍ぶ(例:台湾の雄風III)
③目標更新機能と飛翔モードの中途変更機能を付与、更なる長射程化の促進
 (例:17式/12式改、LRASM、トマホークのシースキマー対艦化仕様blockVa化)

 

いずれかの路線となりつつあり、ハープーン代替案・延命案と艦載型NSMを基準とした場合でも、
射程はLo-Loで185km台超え、中間行程での巡行込みで300km超級が要求される方向となって来ている。
という流れなわけだぬ。
本邦は米の動向に追随するものとみているかな。
※注意。韓国の玄武シリーズは米韓ミサイル指針による弾頭・射程制限から他とは方向性と制約条件が異なる為、例としては除く

 

740 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 18:16:19 ID:8GC53lUE0

 

ここで本邦の置かれた状況を再確認しよう。

 

国土周辺の地理的環境、海象、補給・根拠地の都合から、
本邦は
・周辺国の重要目標の多くが、海岸から200~500km圏内に散在
・島嶼間戦力投射と中露製誘導弾をアウトレンジする必要から、一定の射程が必要
・環境上の制約(地理、海象)から、同一プラットフォームへのミサイル多数装備の方針は取りがたい
という条件のもと制約を受ける状況に置かれている

 

追加搭載・再補給が容易なキャニスタ・ランチャ搭載SSMを原型とする
国産SSM/ASMファミリーは以下の位置を占める必要がある
・国内でファミリー化展開してコスト抑制が出来るもの
・国状に合致するもの(自国要請に基づく技術変更に対応できるもの)
・輸出入と移転・ライセンス生産が制限され入手が難しい種類のもの

 

上記に加えて、
政治側からの要請は「敵基地攻撃や敵基地反撃を本邦のみで主体的に実施する選択肢を確保せよ」。
政治的に将来の政策転換に備えた後日能力獲得余地を設けるものとされるため、
敵基地攻撃能力の獲得、策源地攻撃と反撃能力獲得に備えたスタンドオフ・ミサイル化が求められる

 

故に、本邦の国産SSM/ASMファミリーは必然的に③寄りの路線とならざるを得ない
優先度としては大重量弾頭化、中間行程の巡行込みでの長射程化、目標更新に備えた滞空性能獲得の促進、
次いで出来れば高速化が求められることとなる、ということになる罠

 

さて、ここまで踏まえた場合
今後、「攻勢的防御」向けにシフトし、外洋機動展開が求められる本邦の機動運用艦艇、
特に高脅威を受ける列島線沿いに展開し、島嶼間および敵地への戦力投射が求められるインサイド部隊を担当する
本邦の機動運用艦艇(FFM・DD)、陸上地対艦ミサイル部隊、哨戒機向けSSM/ASMとして、
現用誘導弾をストレートに延長した単能の「自衛・迎撃用」短~中射程対艦誘導弾を選定する選択に同意できますか?

 

結論としては報道された路線に行ったわけで、12式/17式ファミリーを拡張した長射程化と多用途化の推進
同技術基盤に基く派生型ファミリー整備によるコスト抑制徹底しつつ発展余地確保する方向だわな

 

なお最初に話してた
「なぜストップギャップとしてのASM-3少数生産配備が選択されないのか」
「無印ASM-3転用の陸上・SSM-3カッコカリが作られないのか」
は、ここまでで挙げた周辺事情と政治的な方針転換踏まえたものと見ている。

他の周辺事項からも、そのままの短・中射程SSMとしての装備化に厳しいと見るね

という話と、当初仕様のASM-3の限定制式化やSSM化を微妙視していた理由はここまでで伝わったと思う。
限定制式化時に用途から類推できる派生・想定生産数ネタもあるけど、
なおさらASM-3は射程延長が求められるわって話になってしまうのよな。

 

737 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 17:54:03 ID:HjTErNcA0

 

まあ滑空弾同様に多用途亜音速CMの早期配備型という所だろうしなあ。
髭の隊長が言うように1000km程度だと地上TELから北京周辺の空軍基地等を撃つには少し足りない。
米軍や滑空弾ブロック2で撃てばよいというのかもしれんが。
P-1も哨戒機としてより爆撃機としての出番が多くなったりしてな。

 

738 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 18:05:18 ID:wubuf.cs0
敵基地攻撃能力の付与には弾頭重量の増加が必要だと思うんだけど
12式改二ってそのへんの発展余地はあるのかしら。

 

745 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 18:32:12 ID:8GC53lUE0

>>737-738
取り敢えず政治的な要請あわせで手っ取り早く早期配備出来るもの、っていう含みがあるからぬ
まずは射程優先でトレードオフする形で、次いで、他の手段の整備後に二線級に回されるだろうし
燃料搭載量と引き換えにした弾頭等の変更余地が設けられるんでないかとは思うぬ

 

743 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 18:27:00 ID:k0eZaW160

>>739
本命は高速滑空弾ブロック2とスクラムジェット弾では?
どちらも2030年頃に実用化目指してるようだが

 

739 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 18:14:31 ID:28b3JFOE0

>>737-738
あくまでも本命の島嶼防衛用()対艦誘導弾が来るまでの繋ぎでしょうし、
射程が最優先で発展余地とかは無いかと。
ASM-1から続いた亜音速対艦誘導弾の最終発展型になるかと

 

745 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 18:32:12 ID:8GC53lUE0

>>739
ただ、どちらかというとハープーンからSLAMが産まれたような
今までの国産亜音速対艦誘導弾の路線から変化した派生だからねぇ
俺的には島嶼防衛用()対艦誘導弾までの繋ぎというよりは、相補的な別種のものとなっていき
最終発展型? という感がある微妙な方向に行くんじゃないかな、とは思っている
本邦自営業の海外派遣の常態化、武装勢力相手の警察活動的な武力行使が想定される状況になっていく場合、
12式発展型のコンポーネント流用した更なる派生・廉価型が使い勝手が良い位置にハマっていくって意味で
けっこー良い位置にあるのよな

 

746 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 18:40:37 ID:HjTErNcA0

>>745
仮想敵やその対空誘導弾の醜態を見ていると
下手すると本命が来る前にこの冷戦終わりかねんしなあ。

 

742 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 18:25:01 ID:HjTErNcA0

>>738

発展余地

80式系列自体が全部モジュラー化されて弾頭重量途中で可変してるので必要なら増やせるだろう。
シンポジウムインタビューで、EFPもブローチモドキも円筒型ASCMにも適用可能という話だからそれもあり得る。
SDBみたいな小型爆弾でも掩体抜けるように、今は弾頭重量がショボくても抜けないとは限らないしね。
後は新イージスなどにも搭載とあるが、VLS化するかどうかだな。

 

744 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 18:29:12 ID:k0eZaW160

>>742
島嶼防衛用対艦誘導弾はVLS対応を求められてたから
12式改改をベースにした17式改も入れるのではないかなあ?
三菱のMFM-AAWでは80セル中16セルが後部でSSM入ってたし

 

746 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 18:40:37 ID:HjTErNcA0
スクラム弾は高価かつ恐らく高高度運用主体と思われるので、
相手のSAM改善リソース分散のため低空弾が別個に用意されるかと。

>>744
仮にMk41に入れるなら恐らく全長は伸ばせないし、
直径変えたらモジュラー化構造によるシリーズ化が水泡に帰すので、
巡航効率改善のための大型翼なのかねえ?

 

770 名前:両棲装〇戦闘車太郎[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 20:58:45 ID:nQBQ/vwY0
オレ個人としては、ですがフレンズの本邦軍用データリンクへの信頼度が妙に高いのが逆に不安。

 

772 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 21:10:00 ID:8GC53lUE0

>>770
個人的にはかなーり微妙に思う。
というか馬鹿じゃねーかとすら思ってるが、
技術動向と趨勢的にはそうならざるを得ないと見ている。

 

773 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 21:25:00 ID:8GC53lUE0

>>772
小手先のデータリンク経由での目標変更と機能付与は限定戦でしか通用しない。
大国間の正規戦を想定しつつ回避するためには、
エスカレーションに対応する方向で大量破壊兵器と都市攻撃手段整備した上で
あとから戦術機能を付与する方がいい派でござる

 

中露と半島相手が想定される以上、ダウニング戦略に近い発想への対抗が求められる。
また、国状的に見て応報できるよう策源地以上に都市圏人質に取る相手のやり方を採った方が
相手側の文脈から見て本邦の本気度が把握しやすくなるだろう、と見ているが
本邦の国策と戦略上取れない手なのよ。

 

要するに、C4I整備込みでチップ積み上げて
NATO二重決定と同種の政治的オプション取れる状況に持ち込めないとダメよね、って話
大国同士での正規戦想定するならこの程度は覚悟せんと。

 

774 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 21:29:12 ID:HjTErNcA0
そもそも衛星通信潰れたらBMDすら成立せんからなあ。
艦間マルチスタティックにしてもA-SAMにしてもリンクなしだと使い物にならん。

 

>>773
まあ核武装が一番シンプルな答えだが、これは次の20年で実行されるモノだろうしなあ。
今はその前段階を政治的サラミ戦進めている所だからアプローチが戦術側からとも。

 

776 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 21:38:31 ID:8GC53lUE0

>>774
実際そうよねー>リンクなしだと成立し得ない
通常想定される状況下では有効ではあるが
一線超えると微妙な面が出るのは踏まえとくべきではあるが、
そこ突いて行くと酷いことになるからぬ~

政治的サラミ戦進めている所だからアプローチが戦術側から

俺も露骨に言うとそうだと見てるんだがねw
割と失念してる向きもありそうな希ガス

 
 

711 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 11:56:24 ID:pRH5H/GQ0
本スレの方だと射程4ケタネタも出てるという……
果たして真相や如何に

 

720 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 13:48:51 ID:8GC53lUE0

>>711
政治側からの要請はスタンドオフ・ミサイル化だからぬー

 

本邦の政治用語だとスタンドオフ・ミサイルは
弾道弾:敵対地兵器の射程外からスタンドオフ攻撃を可能とする事実上の短~準中距離弾道弾
SSM:敵対空兵器の射程外からスタンドオフ攻撃を可能とする事実上の巡航ミサイル

 

ということで、
要求される射程は戦域級で370km以上~925km超級
おそらく今では飛翔プロファイルに拠るが
射程最低370km以上、570km以上~トマホーク級相当未満(1,250km~1,650kmまで)がひとつの枠になる。

 

過去候補に挙げられたものから見ると、
弾道弾:ATACMS系とイスカンデル射程延長型(古い例はパーシングとAGM-48スカイボルト)
ASM/SSM:SCALP-EG/ストーム・シャドウ、JASSM・JASSM-ER、トマホーク(古い例はAGM-86)
だったとオモタのでその辺りからあたり付けて見ればええんでね、と
時代差考えると射程570km~2,500km内で、
中期的には同系列の管制装置でJASSM-XR相当の射程1,900 kmまでの射程延伸・拡大化と
タクティカル・トマホーク運用相当のミッションプランニング能力獲得が目途じゃないのか

 

719 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 13:34:39 ID:q7sB/NGI0
この12式改改と島嶼防衛用新対艦誘導弾はどうやって棲み分けるんです?
https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/32/769eb6a56ee3bbf628fe9562025ad9cb.png

 

720 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 13:48:51 ID:8GC53lUE0

>>719
同系列の艦上・地上発射管制装置使用の新弾体長射程型として棲み分けると思われ
「”本州サイズの島嶼防衛用”として南鳥島からの射撃(射程最低1,800km~)要求する」という路線かもなー_

 

723 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 14:18:04 ID:8GC53lUE0

>>720
今話題になってる12式改・改/17式派生型が、17式と基本コンポーネントほぼ共用する場合ね
今んとこ、関連経費となっている以上、
出ている335億円を全部新弾体仕様化の開発経費にぶち込む訳ではないと見てる。
今までの12式ファミリーの開発費の1.7倍強、17式の5.8倍は額は大きいけれど、
2022年度までの要素技術研究スケジュールが組まれてた島嶼防衛用新対艦誘導弾と全面統合し
開発一本化するには不足するかもしれん
ここまで変わった以上、新たな政策評価が出ると思うんで、それ待った方がいいかもしれんて

 

755 名前:両棲装〇戦闘車太郎[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 19:57:27 ID:nQBQ/vwY0
いやいや待で待で、そんた長ェ射程のミサイルどご開発したトコでターゲティングできねぐねが?

 

759 名前:避難所の名無し三等兵[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 20:11:28 ID:8GC53lUE0

>>755
ターゲッティング能力ミッションプランニング能力の獲得だが
ここは最悪、ハワイの米資産に相乗りできるので

本邦国産弾あわせの日本独自のものはFCCS拡張と統合戦闘向けのインフラとバックエンド、
いま陸自向けから進められてる将来自衛隊C4Iシステムの整備あわせの方向だからぬ
より政治的に問題となり手間のかかる長射程弾体の開発整備を優先してると思量する。

 

これで問題となるのは
「敵基地攻撃や敵基地反撃を本邦のみで主体的に実施する選択肢を確保する意志を示した」
というところ
なのよね

 
 

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