公爵

Last-modified: 2024-02-23 (金) 21:41:34
収録拡張コストカード種別効果
陰謀5勝利点あなたが所有する公領1枚につき、1勝利点になる。

概要

公領の数だけ点数が得られる特殊勝利点カード。
伯爵のような公領を獲得できるカードと組み合わせた場合、属州以上の点数になることもあり得る。
このカードを主体にする場合、属州を集める通常のデッキとは違う戦法を取ることになる。
しかし、属州戦術よりもかなり早い段階から勝利点を集め始める必要があるため一筋縄ではいかない。

利用法

  • 庭園と同様、通常のデッキとは違う戦法を取ることになる。
    • 多くの工房系カードが4コスト以下を獲得範囲としているため、庭園と違ってそういった獲得カードによって直接的に枚数を集めることが得意ではない。
      どちらかと言えば、中間的な金量で先行してゴリ押すことが多い。
  • 無視して属州ルートを強行すると最後の1枚を買いきれないうちに8金が出せなくなってしまい、結果的に相手の公領公爵の点数が伸び続ける事態になりかねないため注意しておく必要がある。
    • 点数が掛け算である仕様上、他の特殊勝利点カードにもましてこの性質が強い。
  • 4人戦と2人戦で影響力が変わってくる。
    • 4人戦では公領公爵共にぞれぞれの総枚数は12枚と多いが、全員が目指す場合は1人あたり各3枚前後と確保できる枚数は少ない。
      • 属州ルートが複数人いれば十分な公爵枚数が集まる前にゲームが終わってしまうリスクがある。
      • しかし逆に公領公爵ルートが複数人いても枚数が集まらず点数が伸び悩んでしまう。
    • 一方、2人戦では1人あたり公領公爵共に各4枚前後となり、点数が掛け算のため影響力が大きい。これが3枚-5枚に割れてしまう事態は避けたい。詳しくは後述。
  • 点数効率的には公領を3枚購入した後、公爵→公領→公爵→・・・と順に買っていくのが良いのだが、他のプレイヤーが公領や公爵をカットしてくる事情を加味すると現実的ではない。
    公領は公爵ルート以外のプレイヤーにとっても3点の価値があるが、単独の公爵本体にはその価値がないので、公領はカットされやすいが公爵はカットされにくい。
    そのため、基本的には公領が切れるまでは先に公領を買うべきである。
    公領を枯らした後に公爵を集めると、公領が少ないプレイヤーはカットするためには点数の低い公爵を買わねばならなくなり、この状況下では事前に公領を多く集めたプレイヤーが有利に持ち込める。
    複数人戦だと1順する間に何枚の公領、公爵がとられるか読めずいきなり山札がなくなってしまう可能性があるため前者の集め方が有効となりやすい。
    2人戦でも三山切れ目前の場合は公領を優先するのではなく、その時点での勝利点を優先すべき場合がある。

公爵戦法の有用性

勝利点合計公領の枚数
012345678910
公爵の枚数0036912151821242730
10481216202428323640
205101520253035404550
306121824303642485460
407142128354249566370
508162432404856647280
609182736455463728190
70102030405060708090100
80112233445566778899110
注釈
同じ枚数の
公領+公爵で
勝利点が最も多い
勝利点が…
24~29点
(属州4枚分)
30~35点
(同5枚分)
36~41点
(同6枚分)
42~47点
(同7枚分)
48~53点
(同8枚分)
太字

5コスト3勝利点の公領と同コストのこのカードを大量に集める公爵戦法(公爵ルート)は一見効率が悪い。
しかし6枚の公領を集めてしまえば属州と同じ勝利点カードを5コストで手に入れられるように、公領を大量に集めることが出来ればかなりの効率で勝利点を稼ぐことが可能な戦法である。
ゲーム終了までに確保できる常識的な範囲であれば、属州ルートのプレイヤーが集めている属州の枚数に対し、公領と公爵を合計で3~4枚程多く獲得すれば同等以上の勝利点になる。(ただし公領と公爵の枚数があまりに偏っている場合を除く。)
例えば属州4枚24点には、公領5枚と公爵(5点)2枚の計7枚25点で勝つことが出来る。
属州ルートが遅く公爵ルートが順調に公領と公爵を集めているような場合、公爵ルートが属州より低コストかつ勝利点の高い公爵を獲得し続けて一人勝ちということも十分考えられる。
それだけの大量リードができなかった場合でも、早めに三山切れを発生させる手段があれば属州ルートから逃げ切ることができる。

ただし植民地場の場合、アタックカード等で植民地が集めづらい状況になっていない限り、公爵戦法は無理筋になることが多い。
これは例えば植民地4枚40点を上回るには最低でも10枚、植民地6枚60点を上回るには最低でも13枚の公領と公爵が必要になるように、公爵ルート対属州ルートの3~4枚差より獲得しないといけない勝利点カードの差が多いためである。

ここからは公爵ルート対属州ルートであるとして話を進める。

公領と公爵を何枚集めるか

公領の枚数=公爵の枚数+(2~4)枚になるよう公領と公爵を集めると、勝利点カードの枚数に対する勝利点が最も高くなる。
したがって理論上はまず公領を4枚獲得し、その後に公爵と公領を交互に獲得するのが最も効率の良い集め方となる。

しかし、実際はサプライに公領と公爵は8~12枚しか無く、他の公爵ルートのプレイヤーや属州ルートのプレイヤーのカットのせいで十分な枚数の公領を集められないことも考えられる。
そのため、ゲーム途中での勝利点効率を無視してまずは公領のみを集め続け、他のプレイヤーより多くの公領を集めることを優先するのも一つの戦術となる。

例えば、公領の山札が切れた時点で公領のみを6枚獲得した場合と、公領5枚公爵1枚を獲得した場合を考える。

この時点での勝利点は公領6枚のみでは18点、公領5枚公爵1枚では20点と後者の方が高い。

しかし、この後公爵を3枚獲得したとすると、公領6枚公爵3枚で36点、公領5枚公爵4枚で35点と逆転する。

2人戦での公領と公爵の奪い合い

2人戦では8枚しかない公領を互いに奪い合うことになり、この時公領の分け方が偏ると公領を多く集めたプレイヤーが有利にゲームを進められることが多い。
そのため、2人戦の公爵戦法ではゲームの終了が近い場合を除き、公領を4枚獲得した後も公爵より公領の獲得を優先した方が良い。

公領・公爵・属州以外の勝利点を無視した場合、公領を多く集めたプレイヤーがそうではないプレイヤーと同点以上になる公爵の枚数は以下のようになる。

公領の分け方同点以上になる公爵の枚数
属州0枚差1枚差2枚差3枚差4枚差5枚差6枚差7枚差8枚差
5-333456678
6-2122345567
7-1001123445
8-0000001233

両者が公爵ルートに行き、公領を5-3で分けた場合、公領を3枚しか獲得できなかったプレイヤーは勝つために公爵を6枚か属州1枚公爵5枚を獲得する必要があり、大きく不利となる。

公爵ルート対属州ルートとなった場合、公爵ルートは公領8枚公爵3枚あるいは公領7枚公爵5枚で、例え属州ルートが属州を8枚全て確保したとしても勝つことが出来る。
そのため、属州ルートは公爵ルートに公領を7枚取られる前に公領を最低でも2枚はカットし、不利な状況を避けるべきだろう。
改築引揚水夫等の、公領を廃棄しつつ有用なカードに変えられる圧縮カードがあればなおよい。

公爵戦法に向いているアクションカード

ゲーム終盤まで5コインが出やすくなるよう、金量を維持しつつ公領や公爵を集められるアクションカードを使うことになる。
銀貨はもちろん、銅貨も貴重なリソースとなる。
公領や公爵を集め続けるのに適した王国カードは以下の通り。

  • プレイ時に銀貨を獲得できる、役人鉄工所など。
  • 購入時に銀貨を大量に獲得できる名品掘進
  • 馬商人など、一定の金量を出す+購入カード。追加の購入で銅貨を足すと安定しやすい。
  • カードの効果で公領や公爵を直接獲得できる祝宴伯爵
  • 公領や公爵の購入時に金量を補える隠し財産値切り屋
  • 倉庫をはじめとした、不要なカードが多いデッキで5金をひねり出しやすくする手札交換カード。
  • ネズミ城塞を廃棄することで公領や公爵を獲得できる、改良再建
  • 公爵デッキでは活躍しやすく、公領と同時に獲得できるため三山切れも発生させやすい公爵夫人

基本的に銀貨を獲得するカード、もしくは銀貨以上の生産力を持つカードが公爵戦法に向いている。
他にもステロ戦法向けのカードで序盤から5コインを高確率で出すことが出来るもの(特に銀貨を獲得するよろずや)も公爵戦法を取るのに向いており、属州を狙うプレイヤーが遅れている時は狙うのも良いだろう。

一方で、サプライに以下のようなカードがある場合は公爵ルートは厳しくなる。

  • 上述したようにいくら公領公爵を集めても追いつくのが難しい植民地
  • 勝利点だらけのデッキに対して刺さりやすい大衆
  • ルートの特性上、狙い目にされやすい抑留
  • 詐欺師破壊工作員といったデッキ破壊系アタック。
  • 銅貨すら廃棄するのが惜しいデッキになるため、相手に一方的に利益を与えてしまう司教
  • 引揚水夫弟子のような属州ルート側がカットした公領を有効利用できてしまう廃棄カード。
  • 他、ゲームの終了が早まる強力なステロやコンボが可能な場。

余談

後の拡張で同じ読み方をする侯爵(こうしゃく)が登場しているので、実カードで遊ぶ場合は願いの井戸などの「カード名を指定」する場面で問題になる可能性がある。
明確に呼び分けたい場合は英語版カード名*1を用いる、カード種別やコストで区別するなどの工夫が必要だろう。

コメント

  • 序中盤にかなり先行されて配色濃厚だったんだが、強制退去を絡めてコツコツ公領と公爵集めてたら気がついたら逆転してた。最近の環境だと厳しいとか聞いたが、意外とまだやれるんだなぁ。 -- 2023-11-07 (火) 02:23:33




*1 侯爵の英語版カード名はMarquis(マルキス)、公爵の英語版カード名はDuke(デューク)である