役人

Last-modified: 2024-02-26 (月) 13:54:29
収録拡張コストカード種別効果
基本4アクション-アタック銀貨1枚を獲得し、あなたの山札の上に置く。
他のプレイヤーは全員、自分の手札から勝利点カード1枚を公開し、自分の山札の上に置く。
(手札に勝利点カードがない場合、手札を公開する。)

概要

銀貨を自分のデッキの上に積みつつ、相手の手札の勝利点カードをデッキの上に戻させるアタックカード。
自分についてはデッキの金量を増やせるが、使用したターンには何の恩恵も得られない。また、財宝をデッキトップに乗せるため、回転速度も落ちる。
相手に対してはドローや次の手札の出力を落とさせる影響を与えるが、勝利点カードが手札に無ければ不発となる。その性質上、圧縮カードがある場では刺さりにくい。

利用法

勝利点という不要カードを戻すアタック効果は、即座には影響を及ぼさず、相手がクリーンアップを含む次のドローを行って初めて速度低下が反映されるラグがある。
相手の妨害だけを目的にして購入しても、役人自身や銀貨が自分にとって邪魔になるようでは本末転倒である。
相手に勝利点を全て廃棄された場合や、初期デッキの勝利点カードが草茂る屋敷1枚しかない避難所場ではそもそもアタックの成果を期待できなくなる。
以下のようなアタックが特別刺さりやすい状況や、コンボで大きな被害を見込めるなどの状況が無ければ、アタックのみを目的に購入するには弱いと言える。

  • 貴族相続された屋敷など能力付きの勝利点を用いるデッキに対しては即座に支障を生む可能性があり、有効な妨害となる。
  • 特定の勝利点を手札から捨て札にすることが効果解決の条件となる男爵Joustに対しては刺さりやすい*1
    • ハンデスの中でも手札枚数を問わないアタック効果のため、上述のような勝利点付きカードがキーになるデッキ相手であれば、民兵ハンデスの後に役人をプレイすることで相手の手札を2枚以下にすることも不可能ではない。
  • 礼拝堂のような手札から廃棄するカード相手にも、屋敷の廃棄を遅らせることで刺さることがある。
    • 見張り医者のようなデッキトップから廃棄する系には逆効果であるが、基本セットの衛兵は1枚引いてからデッキトップを見るため刺さる。
  • 一応、役人ロックというものも存在する。手順は以下の通り

    クリックで展開

    • 0.必要なカード:宮廷×3、役人×2、画策×3
    • 1.宮廷Aで宮廷Bを使用
    • 2.宮廷Bの一回目の効果で宮廷Cを使用
    • 3.宮廷Cの一、二、三回目の効果で画策A,B,Cを順に使用
    • 4.宮廷Bの二、三回目の効果で、手順3で引いてきた役人A,Bを使用(この時役人が6回使われたことになるので、相手の手札の勝利点は(7枚以上無い限り)全てデッキトップへ戻る)
    • 5.クリーンアップフェイズに、上から順に宮廷3枚、画策3枚、役人2枚になるようにデッキトップに戻す(画策が9回使われているので、全てデッキトップに戻せる)
      • このロックの強力な点は一度決まってしまえば相手の動きを完封しつつ自分は役人で積んだ銀貨を引くことで属州の購入を進められること。
      • しかし、相手のデッキにドローソースがあるとなかなか相手の手札を全部勝利点にしきれない、そもそも違うパックのカードが3種類必要で材料が揃いにくいと言った問題がある。
      • 引ききりで毎ターン役人を5枚使えばよさそうに思えるかもしれないが、ただ単に役人を5連続で使用するとデッキトップは銀貨5枚で固定されてしまうので通常は難しい。
        過剰に引き切り、王子悪人のアジトを駆使するなどすればできないこともないが、そこまで出来るほどデッキが成長しているなら素直に勝利点を買いに行った方が勝利に繋がるだろう。

役人を使うなら、銀貨も有効に使いたい。

  • 銀貨をかさ増しできるため、8金を目指さず中程度の金量で戦う特殊勝利点戦法とはかみ合いやすい。
    • デッキ枚数を増やしたい庭園戦法、5金を安定して出したい公爵戦法、銀貨そのものが重要な封土戦法など。
      こういった場合はアタックは運よく刺されば御の字だという程度で考えて採用しても割に合うことが多い。
    • 特に、相手も特殊勝利点戦法をやっている場合はアタックが効きやすくなり、攻撃面でも成果が期待できる。
  • 銀貨を廃棄材として利用するコンボも考えられる。
    • 仲買人の廃棄材供給として優秀で、なおかつ相手も仲買人を使っている場合は屋敷の廃棄を遅らせることでアタックが刺さることも期待できる。
    • 役人を打ってから徴募官を使って銀貨廃棄、とコンボできるため徴募官との相性も良い。ただしアタックは刺さりにくい。
    • 偽造通貨で銀貨を使い捨てながら5金を出す。
      • いずれも単なる廃棄材の供給手段としてだけではわざわざ手数を割いてまで役人を使うかは微妙なところ。
        アタックが刺さりやすい状況などもう一声あれば、役人は強力な武器となり得る。

詳細なルール

  • 複数のカードの種類を持つカードは、カードの種類に勝利点が含まれていれば勝利点カードである。
  • 呪いカードは勝利点カードではないので、役人のアタックを受けた時にデッキトップに乗せるカードにはならない。
  • 役人を使用した際、銀貨を獲得するのは強制である。
    • サプライに銀貨が無い場合、銀貨を獲得できない。その場合でも、アタック効果は発揮される。
  • 他のプレイヤーは、アタック効果の処理を手番のプレイヤーの次のプレイヤーから順に実施する。
    • すなわち、一つ前のプレイヤーが公開したカードを確認した後に、自分の手札からデッキの上に置くカードの選択をすることができる。
  • 他プレイヤーが、アタックカードを使用された際に誘発するリアクションカード(秘密の部屋馬商人物乞い隊商の護衛外交官番犬)でリアクションするのは、役人の効果が発揮されるよりである。
    厳密には、役人使用者が銀貨を獲得した後にはリアクションできないので、役人使用者は銀貨獲得前に他プレイヤーがリアクションするかを確認すべきである。
    • 特に、物乞いはリアクション効果で、(役人の効果よりも前に)銀貨を獲得することに注意。
  • カードテキストからはわかりにくいが、役人の効果で獲得される銀貨は、捨て札置き場を経由せずに直接デッキトップに獲得される。詳細はリンク先参照。

【デッキトップに獲得】する(gain onto one's deck)」について

  • 「カードAを【デッキトップに獲得】する」という処理は『カードAは、獲得時に直接デッキトップに移動する(=[既定獲得先→デッキトップ]という移動は行われない)』という意味である。
    既定獲得先から移動するわけではないので、各種「カードを移動する効果」は移動阻止ルールに抵触せず、問題なく処理できる。※以下は一例
    • 望楼でリアクションし、【デッキトップに獲得】したカードAを廃棄することができる。
    • 交易人のリアクション効果により、【デッキトップに獲得】したカードを銀貨に交換することができる。この場合、交換した銀貨は捨て札置き場に置かれる。
    • 【デッキトップに獲得】したカードを(コストが適正であれば)取り替え子に交換することができる。この場合、交換した取り替え子は捨て札置き場に置かれる。
    • 貨物船の効果などにより、【デッキトップに獲得】したカードを脇に置くことができる。
    • (カード種別が適正であれば)技術革新の効果などにより、【デッキトップに獲得】したカードを使用(=場に移動)することができる。
      • 突貫購入ターンなど、強制的に【デッキトップに獲得】したアクションカードを使用(=場に移動)しなければならない場合もあるので、組み合わせには特に注意。
    • (カード種別が適正であれば)門番のアタック効果を受けている場合は、【デッキトップに獲得】したカードと同名のカードが追放マット上に無い場合は、獲得したカードを追放しなければならない。
    • 守護者などの『既定獲得先が手札であるカード』を【デッキトップに獲得】する場合、必ずデッキトップに置かれる。手札へ加えることはできない。
    • 配達購入ターンは、【デッキトップに獲得】したカードを必ず脇に置かなければならないので注意。
  • なお、カードAが【デッキトップに獲得】される効果が発揮されたが、「被支配者が獲得する代わりに、支配の効果で支配者が獲得した」という場合、カードAは"支配者のデッキトップ"ではなく"支配者の捨て札置き場"におかれる。
  • なお、身代わりの効果は「既定獲得先に獲得されたカードBを、デッキトップに移動する」という処理であり、【デッキトップに獲得】する処理ではないので注意。
  • なお、ヴィラを【デッキトップに獲得】した場合、ヴィラは必ず手札に移動するので注意。

余談1

  • ドミニオンにおける役人は先送りの象徴であり、効果にデッキトップに置くことが多く関わってくる。

余談2

  • カードイラストの人物はイラストレーターのMatthias Catrein氏の顔とされている*2*3

コメント

  • 序盤の足止めとして、圧縮カードに弱い印象は無い(強いとも思わないが)。ピンポイントで屋敷を狙うので、改築系や礼拝堂には意外と刺さる。苦手なのは圧縮カードではなく、見張りみたいにデッキトップを掃除するタイプ。実際はアタック効果よりも銀貨獲得に不満が出やすい。銀貨や役人自身を廃棄材として有効活用できる相方が欲しい。 -- 2023-04-05 (水) 16:28:39
  • アタック目的で買うなら、相手にカード1枚幽霊船する代わりに役人自身がアクションを消費する呪いになってて意味がない。銀貨獲得を活かせないなら買わなくていい。 -- 2023-05-15 (月) 12:22:14
  • 仲買人との組み合わせが攻防ともに熱い? -- 2023-07-11 (火) 06:10:28
  • 同盟が何かにもよるけど、確かに気軽に捨てていいカードをポイポイ投げてくれるのは便利かも。 -- 2023-07-11 (火) 13:02:51




*1 ただし、デッキトップに戻したことによって次のターンに組み合わせが揃ってしまうという事故が起こることもあり得る。
*2 詳細はDonald氏の掲示板コメントDominion Wiki(dominionstrategy.com)を参照。
*3 Matthias Catrein氏の写真はリンク先を参照。